« January 2014 | Main | March 2014 »

February 2014の記事

February 23, 2014

ソチオリンピック雑感

 2014年冬季オリンピックは時差の関係で、競技のライブ中継は深夜から早朝にかけて行われることが多く、寝不足さえ我慢すればリアルタイムで素晴らしい演技を生で見られる好条件のオリンピックであった。

 オリンピック序盤の楽しみは、まずはフィギアスケート団体。
 ここでは開催国ロシアが、威信をかけて優勝を目指すので、各部門とも精鋭ぞろいである。
 そして、なんといっても注目はプルシェンコ。
 プルシェンコという人は、フィギアスケート界のみならず、己の身体で、技術、芸術とも最高峰のパフォーマンスを演じられるということで、全アスリート界から憧憬されている、いわば「生ける伝説」のような人物である。
 その伝説上の人物の演技を、最高の舞台で、生で見られるという、貴重な経験がこのオリンピックではできるのだ。

 そして、ロシアはフィギア男子の枠は一つしかなく、プルシェンコがSP、フリーとも一人で滑った
 彼の演技は、やはり神がかったレベルのもので、会場は大盛り上がりであった。
 今回の大会では、前評判は羽生、パトリック・チャンの二人が突出していたが、休養復帰後のプルシェンコはジャンプ、スピン、ステップ等、誰が見ても図抜けた演技を示し、観客に、この人は今なお別格ということを知らしめた。

 団体は、予想通り、圧倒的強さでロシアが金を獲り、次は個人戦である。

 今度のオリンピックのフィギアでは、浅田真央の4年越しの銀からのリベンジが話題になっていたけど、それはプルシェンコも同様なのであり、どころか祖国で開催されるオリンピックゆえ、皇帝プルシェンコが個人戦で金を奪還することは、個人の枠を超えた重要なプロジェクトとなろうから、これはプルシェンコも大いに気合いが入った演技をするであろう。
 私たちは、そういうプルシェンコの競技人生集大成のようなSP、フリー、そしてエジュシビションを見ることになる。なんという贅沢であろう。

 そうして個人フリーの日、わくわくしてテレビを見ていたところ、…SP本番前の練習のとき、プルシェンコは妙につらそうな顔をしていて、なにやら嫌な雰囲気である。そうしてその嫌な雰囲気がぬぐえぬなか、彼は演技開始前にレフリーのところに行き、なんとまさかの棄権宣言。
 私はガガーン、とショックを受け、え~、あんなに楽しみにしていたSPが! フリーが!! エキシビションが!!と、その後茫然自失状態となり、あとの選手の演技は、ただ眺めているだけとなった。


 そして、その後さらにプルシェンコの引退も発表され止めをさされ、フィギアについては私はほとんど廃人状態になってしまい、あとはどうでもよくなってしまった。

 世間は、羽生君の金メダルや、浅田真央の奇跡の復活フリー演技で沸いていたようだが、(号外も出てたな)、私はプルシェンコショックが強すぎ、フィギアスケートにはたいして興を持てなかったのが残念。

 ウィンタースポーツ、4年に一度の最高の舞台。
 スキー、スケート、スノボ等々、一流のアスリート達が覇を競い合う、巨大な祭典だったのだけど、…結局、プルシェンコに始まり、プルシェンコに終わってしまったソチオリンピックであった。
 まったく、あのプルシェンコの棄権のシーンは、すでに今年度の最大のトラウマになりつつある。



| | Comments (0) | TrackBack (0)

唐津は牡蠣祭り

 太良でワタリガニをたらふく食った翌日は、唐津へと。
 唐津は「つく田」で鮨を食うのが目的であったが、「つく田」のある唐津の商店街に行くと、牡蠣の濃厚な香りが漂っている。

【唐津商店街】
2_2

1_2

 なんと商店街を一本使って、牡蠣焼きを行っていた。
 唐津が牡蠣の産地ということは知っていたけど、商店街でも牡蠣焼きのイベントを行っているんだ。
 これは今の時期ならいつでもというわけではなく、たまたま訪れた2月23日の一日だけの開催であって、この日だけ商店街にずらりと炭台を並べ、多くの人でにぎわうのである。

【つく田の前】
3_2

 本日の昼食予定の寿司店「つく田」の前。
 当然、「つく田」の前も炭台が並べられ、ここも牡蠣の香りが満ちている。

 その牡蠣の香りの満ちた煙のなかをくぐりながら、つく田に入った。

【サヨリ】
5_2

 「つく田」の鮨は相変わらずの安定度。
 シャリ、ネタのバランス良し。昼ではあれど、いくらでも酒も進む。
 春の訪れを告げるサヨリは、塩紫蘇をかませて。サヨリの淡い旨みが塩紫蘇によって、さらに引き立っている。


 美味しい鮨に満足して店を出れば、いきなりまた牡蠣の濃厚な香りが。
 これもおおいに食欲をそそる香りであり、胃袋が強い人なら、このあと二次会として牡蠣を焼けば、唐津の魅力を存分に味わえることであろう。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

祐徳稲荷神社@佐賀鹿島市

 九州には大宰府天満宮や宇佐神宮等、その土地の規模からすると、オーバースペックすぎるほど巨大な神社がいくつかある。
 いちおうそれらの神社は、政治的、あるいは宗教的に重要な土地にあった過去があるからという理由はつくけれど、佐賀の祐徳稲荷神社だけは、なんでこの地にこんな巨大な神社があるのだろうと、不思議に思わざるをえない、ミステリアスな神社である。

 神社の由来は、江戸時代に鍋島家の姫君が、亡き子の慰霊のためにこの神社を建て、そこで断食して入定を果たしたことから始まる。
 そういう悲話を持つ神社であるが、見た目は華麗で派手である。

【御本殿】
1

 京都の清水寺に負けぬほど、高く柱を積み上げた、舞台造り。
 柱は鮮やかな朱色に塗られ、御本堂も豪華絢爛な絵で飾られ、「九州の日光」と称されるにふさわしい豪奢なつくりである。

【奥の院へ】
2

 御本殿の奥には、奥の院への道があり、この赤鳥居をまずはくぐって行く。

【奥の院へ】
3

 奥の院へは、このような急傾斜の石段を登って行く。
 途中には大、中、小の社があり、いろいろな神様が祀られている。

【奥の院へ】
4

 この赤鳥居が見えて来たら、ゴールは近い。

【奥の院へ】
5

 山頂近きところに出れば、佐賀平野の広々とした風景が広がっている。
 この向うには有明海も見えるはずであるが、霞んでいて見えず。
 このころ、中国よりPM2.5が飛来して日本全国が霞んでいたけれど、これもそのたぐいであったか。

【奥の院】
6

 ここがゴールの奥の院。
 命婦社といい、稲荷神社のマスコットである、狐を祀っている社である。
 「命婦」というのは官位の一つで、祐徳稲荷神社の狐は、この官位を持っており、いわば公務員狐なのである。

【帰路】
7

 帰り道は、このように「この先難所あり」の看板がある。
 気をつけて下りましょう。

【帰路】
8

 たしかに行きよりも、傾斜は急で、足場も悪いが、眺めはこちらのほうが良いので、歩きにくい靴を履いている人でないなら、帰りはこちらを使ったほうが楽しいでしょう。

【帰路】
9

 この道も、いろいろな神様が祀られており、これは山の大石をそのまま御神体として祀っていた。

【神社案内】
10

 これは、神社案内。
 山一つが神社となっているようであった。


 佐賀鹿島のミステリ、巨大神社祐徳稲荷神社。
 訪れたからといって、「どうしてここにこんな神社が」というミステリの謎が解けるわけでもないのだが、でも立地的に、いわゆるパワースポット的な雰囲気は濃厚に感じられる神社であり、それはこの神社が巨大化した一因にはなっていると思った。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

佐賀の大楠

 佐賀という地名は、奈良時代からこの地が「栄えの国」と呼ばれていたことから、明治に名付けられた。
 なぜ「栄えの国」と呼ばれていたかといえば、この地が栄えていたから、というわけでなく、昔の佐賀は、大きな楠がたくさん茂っており、そのさまがいかにも立派なものだったので、「栄えの国」と呼ばれることとなったそうだ。
 風土記によれば、その名付け親は日本武尊(ヤマトタケルノミコト)とされており、とても由緒ある地名なのである。

 現代の佐賀は、そのようなありし日の大楠の森林は見ることはできないけど、それでも日本武尊の時代から立ち続けていた、歴史ある大楠が、数は少なくともまだ残っており、佐賀に来たついでに、それらを訪れてみた。

【武雄神社】
3

 武雄神社は、武内宿禰を祀った神社。
 日本古代史上最もミステリアスな人物を祀った神社ゆえ、なにかおどろおどろしい雰囲気をまとってそうであるが、外見は普通の神社。
 この神社の奥、歩いて5分くらいのところに御神木「武雄の大楠」がある。

【武雄の大楠】
22

 武雄の大楠は樹齢3000年と伝えられる古木。
 幹周りは20mという大木。
 これだけの歳月を経た大木のみが持ちうる、神秘的な雰囲気をまとっている。

【武雄の大楠】
1

 角度を変えた方向からもう一枚。
 観る角度により、さまざまに姿を変える。


 武雄の大楠の次は、「川古の大楠」へ。

【川古の大楠】
5

 竹林のなかの武雄の大楠と違って、川古の大楠は平地に一本だけあるので、よく目立ち、そして開放的である。枝も四方に広く伸びており、膨大な容積を持つ巨木である。

【川古の大楠】
6

 近づけば、その威風堂々とした姿ぶりに感心する。

【川古の大楠】
8

 この楠は、僧行基が仏像を刻んだという伝えがあり、その仏像は木が傷んだのち、それだけ別に切りだされ、御堂に安置されている。

【川古の大楠】
7

 この大楠も観る方向によって、様々に姿を変え、どれも立派な姿だ。
 大きさからいえば、日本で5番目に大きい木だそうだ。


 楠の県、佐賀にはあと「塚崎の大楠」という大楠もあり、今回は見る機会がなかったが、楠好きの人にとっては、この3本は必見の名木だそうである。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

February 22, 2014

竹崎カニ:海上館@佐賀県太良

【ワタリガニ】
123

 日本人が甚だ好む海の味覚、蟹はいろいろな種類があるのであり、各々が個性豊かな味を持っていて、どれも美味しいけれど、九州人はとくにワタリガニを好む人が多い。
 なにしろワタリガニは九州の海ならどこでも泳いでいるし、蟹カゴを沈めておけば容易に獲ることもできる身近な蟹である。手軽に手に入り、さらに味が濃厚であることから、人気が出ないほうがおかしい。
 そして、タラバやズワイと異なり、内子や味噌もたいへん美味なことから、内子が最も豊かになる冬が、ワタリガニの狙い時となる。

 ズワイガニは産地によって「間人蟹」「津居山蟹」「加納蟹」等、いろいろなブランドがあり、それぞれ自分のところが一番と宣伝しているけど、…私のような素人にとっては、それらのブランド蟹ははっきり言っても、どれ食べても区別がつかない。
 しかしワタリガニは、佐賀太良の竹崎地区のブランド蟹「竹崎カニ」は各地のワタリガニと比べ明らかに内子や味噌がぎっしりと詰まっており、さすがブランドとなるだけある蟹と、食べていて分かる。

 そういうわけで、冬の魅惑の味覚、竹崎カニを食べに、太良へとGo。

【海上館】
07

 太良の料理旅館、海上館。
 太良は竹崎カニが名物であり、それをメインとして出す旅館が数多くある。ここもその一つであり、いかにも田舎の民宿風な宿が立ち並ぶ太良地区のなかでは、けっこう瀟洒な外観を持つ宿であった。
 玄関のカニのオブジェが、またいいです。

【生簀】
1

 宿には生簀があり、そのなかにはサイズ別にカゴに入れられたワタリガニがぎっしり。
 どれもおいしそう。

【ワタリガニ活き造り】
01

 最初に出たのは、平目の活き造りとワタリガニの活き造り。
 ワタリガニはあんまり刺身には出てこないカニであるので、珍しい。

【茹でワタリガニ】
02

 ワタリガニは、やっぱり茹でたもの、あるいは蒸したものが一番。
 茹でられ赤くなったジャンボサイズのワタリガニ。これはとても大きく、サイズ比較のため横に生ビールのジョッキも並べてみた。

【茹でワタリガニ】
03

 竹崎カニの特徴、ぎっしり詰まった内子。甲羅の端まで満ちている。
 これに豊潤な味の味噌もからめて食せば、まさに極上の味。
 さらに、ワタリガニは身も非常に濃厚な味であり、ジャンボサイズだけあって量もたっぷりのその身を、ひたすらもくもくと食べる。
 …このワタリガニ、とても大きいので、これ一杯だけで相当に腹がふくれてしまう。

【焼きワタリガニ】
8

 焼きワタリガニは調理場で焼かれて持って来られた。
 焼くことにより、さらに香ばしさが増し、部屋中にワタリガニの香りがただよう。
 ただし、焼きが入り過ぎ、味噌がスカスカになってしまっていたのが残念。
 この料理は卓上コンロで、甲羅を半生状態に焼いて、ほのかに熱の通った味噌を食べるのが私は好みだな。

【焼き牡蠣】
6

 ジャンボ蟹を一人前二杯使った料理は、蟹だけでたいへんな量であるが、海の幸豊富な地ゆえ、その他の食材もずらずら出て来る。
 これは、太良地区のもう一つの名物焼き牡蠣。
 この界隈は牡蠣小屋だらけだけど、宿でも当然出てきます。

【アラカブ煮漬け】
4

 普段は主役を張れる食材アラカブも、ここでは脇役。

【車海老】
9

 車海老は塩焼きとともに、活きでも出て来る。

【茶碗蒸し】
11

 スイートコーンの茶碗蒸し。

【天麩羅】
10_2

 天麩羅は、牡蠣、かきあげ、山菜。
 田舎旅館特有の冷めた天麩羅でなく、揚げたてのものであった。

【蟹雑炊】
05

 蟹コースに蟹鍋はなかったけど、別途に蟹の出汁がとられ、蟹雑炊が〆で出て来る。
 ワタリガニならではの濃厚な香りと味。

【デザート】
13

 デザートは、なかなか洒落た林檎のコンポート。


 料理全体では、「ともかく今出来る美味いものをなんでも出してやろう」という感じの、流れも調和もへったくれもないようなものであった。これって、よほど胃袋の強い人でないと完食は無理であろう。
 しかし、地方の料理旅館としては、それもまた立派なスタイルの一つであり、面白いとも言える。
 なにはともあれ、竹崎カニは大変美味であり、とくに目当ての茹でカニは見事なものであったので、満足至極である。

【露天風呂】
06

 海上館は海に面しているので、露天風呂からは有明海が一望でき、とても開放的な気分を味わえる。
 ただしあまりに開放的すぎ、立ちあがったりすると、目の前の道路から丸見えという、少々雑なつくりとなっていた。

【部屋】
12

 部屋にも露天風呂がついているけど、アジアンリゾート風の小さなバスタブが二つあり、太良という地には、どうも場違い感がある。
 この旅館は温泉を楽しむたぐいの宿ではないが、風呂を楽しみたいなら、部屋風呂より大浴場を使ったほうがよいであろう。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

佐賀の梅

 先々週、先週と、週末はガンガンと強烈な寒波がやってきたのだけど、今週はうってかわって暖かくなり、ぽかぽかと小春日和の気候である。
 だから、というわけでもないのだが、佐賀へ梅の花を見に行ってきた。
 佐賀の梅の名所は、「牛尾梅林」と「御船山梅林」ということで、まずは牛尾梅林へと。

【牛尾梅林入口】
1

 車を止め、牛尾梅林入口に来れば、白梅がほぼ満開である。
 これは梅の花に満ちた梅林が楽しめると思ったが、日当たりと標高の関係から、開花はまちまちであり、結局満開の梅はこのあたりのみであった。

【梅林】
2

 標高の低いところの花のつきはよい。5~7分咲きといったところ。
 田圃、川、山、それに菜の花を背景に、春らしいのどかな風景だ。

【梅林】
3

 斜面を登って行くと、標高が高くなると花のつきは悪くなっていた。

【梅林】
4

 梅林は観賞用というわけではなく、あくまでの梅の実の栽培用なのであって、このような運搬機があった。

【梅林】
5

6

 丘の上まで来れば、一際鮮やかな紅色の花を咲かせた紅梅があった。

【牛尾神社】
7

 牛尾梅林は、牛尾神社を取り囲んでいる。
 牛尾神社は歴史ある神社であり、この鳥居は慶長年間に藩主から寄贈されたもの。
 豊臣時代からここに立っているんだ。

【御船山楽園】
10

 次は御船山梅林へと向かう。
 カーナビに「御船山梅林」というのは載っていなかったので、「御船山楽園」がそれだろうと思い、ナビに従って行ってみたが、これは明らかに違う。
 ここは人工的な庭園であり、梅林などなさそうだ。
 でも、せっかく来たので入ってみた。
 この庭園の植物は、桜、楓、ツツジがメインのようであり、今は冬枯れの時期であった。観光客もまったくいない閑散とした園を歩いてみる。

【御船山楽園】
8

 御船山の岩山をバックに、たくさんのツツジが植えられている。
 花の盛りのころは大人気なのであるが、今はただの緑の灌木が並ぶ庭である。

【御船山楽園(参考)】
Mihune

 参考までに、4月から5月にかけては、このようなツツジの花咲き誇る姿が見られるそうだ。
 これは是非みたく、またその時期に訪れてみようか。

【御船山楽園】
9

 樹々はたくさんの種類が植えられており、梅も一本満開のものがあった。
 御船山の特徴ある岩山を背景に、これはなかなかいい構図である。

【御船が丘梅林】
11

 御船山楽園を出て、それからスマホで検索して、御船山の梅林は「御船が丘梅林」ということが分かった。それは御船山をはさんで向かい側にあり、車でぐるりと回って到着。なるほどさっき見た御船山の裏側が見える。

【御船が丘梅林】
12

 梅はほっておくと枝がやたらに伸びて来るので、丁寧に剪定する必要がある。
 園内はその作業中であった。

【御船が丘梅林】
13

 こうして剪定された枝はもらうことが出来る。
 私も一枝もらった。
 車のなかに置いておいたら、車のなかは梅のよい香りで満たされた。

【御船が丘梅林】
14

 梅の花はきれいであったが、それに合わせたように、ピンク色の瓦を並べた家が一軒。これはいいコントラストである。

【枝垂れ梅】
15

 枝垂れ梅は独特の風情があって好きなのだけど、手間がかかり過ぎるせいか、果実採取用の梅林ではあまり見かけなかった。
 これは民家のものだけど、満開のころは、花の滝のような豪華な姿が見られることであろう。

【梅の枝】
20

 梅の花を存分に見て、それから宿に着いてから、今日もらった梅の枝を飾っておいた。
 梅の花は、香りの強い花であり、宿でもずっと梅の香りを楽しむことができた。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

February 16, 2014

大雪の九重二日目 牧ノ戸→久住→御池→中岳→星生山→牧ノ戸

【三俣山】
1

 朝、窓から外を見てみると、雲ひとつない鮮やかな晴天である。
 三俣山も山全体が冠雪した、くっきりした姿を見ることができた。

【積雪】
2

 駐車場のほうを見れば、夜に降った雪で、車が埋もれていた。
 ここでこうなら、山々は更に雪が積み増していることだろう。

【牧ノ戸駐車場】
4

 午後8時半頃に牧ノ戸駐車場に着くと、なんと駐車場上下とも満車であった。
 あれだけ雪が降ったあとの、好天の日曜日といえば、絶好の好条件なので、九州の雪山マニアがこぞって押し寄せたらしい。

【登山開始】
3

 牧ノ戸の駐車場が満車なので、そこから熊本側1km弱のところにある第二駐車場のようなところに車を止め、それから登山スタート。

【牧ノ戸登山口】
5

 昨日と違って、ちゃんと景色が見える。

【登山道】
6

 今日は登山者が多い。
 車の数からして、総勢500人くらいは入っていたのでは。

【沓掛山から】
7

 沓掛山から稜線を眺める。
 遠くには、ちょこんと久住山が頭を出しているのも見える。

【西千里浜へ】
8

 昨日、悪天候と雪の多さに、これ以上進むのを断念したところ。
 今日は先行者がたくさんいるため、しっかりしたトレースが出来ている。
 そして、ここから見る星生山の姿がじつに美しい。
 いわゆる「純白のロープを纏ったような」、白く滑らかな姿。
 スキーが出来そうな見事な雪の積もりぐあいである。

【西千里浜】
9

 西千里浜からは、星生崎と久住山が両翼を張ったような二双の山の盛り上がりを見せ、とても姿がよい。

【西千里浜】
10

 西千里浜も中央ほどでは、一面雪だらけの白く輝く大雪原となっており、これもまた素晴らしい風景だ。

【久住分かれ】
11

 久住分かれ前のピークから、久住分かれと久住山を眺める。
 あたり一面雪だらけの世界。

【久住分かれ】
12

 久住分かれの避難小屋前の広場は、雪が氷化していた。

【久住山】
13

 目前に見る、雪と氷の殿堂、久住山。
 この状態になると、どこから登ってもいいわけで、西稜線直登ルートを攻める猛者がいてもよさそうなものだったが、べつだんそういう人はいなかった。

【久住山】
14

 このように、通常の登山ルートを使って、みな登っていた。

【久住山山頂】
15

 昨日は強風の吹き荒れた久住であるが、本日は久住名物の強風はなく、ほとんど無風といってよいくらいであった。
 今日の久住は、登山にとってまさにベストコンディションであった。

【三俣山】
16

 山頂から望む三俣山。雪がどっさり積もっている。

【中岳・天狗ヶ城】
17

 御池をかかえるように聳える中岳、天狗ヶ城の二峰もまた雪がたっぷり。

【御池へ】
18

 久住山から御池へ向かう登山道、いつものトラバースルートは雪に埋もれていた。
 ラッセルして行こうかなと思い数歩歩いたら、膝まで埋もれた。
 少々の遠回りといえど、トレースがあるのだから、無理にラッセルする必要もないので、みんなが使っている道を使用し、御池へと。

【御池】
19

 冬の久住の名物、御池はもちろん厚い氷が張っていた。

【御池】
20

 御池は条件さえよければツルツルの湖面となり、上を滑られるのであるが、今日は雪が積もっており、中央近くは雪原みたいになっていた。

 御池を横切り、次は中岳へと向かう。

【中岳方向】
1

 御池を囲むように聳える山群のうちの一つ中岳は、普段はマイナーな山だけど、この時期は人気の山となる。
今日も多くの登山者が登っているのが見える。

【中岳へ】
2

 中岳の山頂近くは岩山となっているはずだが、雪がたくさん積もっているため、岩は雪に覆われて、このような雪道が出来あがっていた。

【中岳山頂】
3

 九州本土最高峰中岳、標高1791m。
 ここからの眺めも素晴らしい。

【中岳山頂から】
4

 中岳山頂から望む、坊がつると大船山。
 坊がつるも、大量に雪が積もっているようである。
 ここを経由して登る、今日の大船山登山は、そうとうハードなコースとなっていることであろう。

【天狗ヶ城】
5

 中岳からはいったん鞍部に下りてから、天狗ヶ城に登り直し。
 この山もけっこう標高のある山である。
 向かいには、星生山、硫黄山、それに三角錐の涌蓋山。

【御池】
6

 天狗ヶ城山頂からは、御池を直下に見下ろすことができる。
 登山者たちが、小さく、蟻のように見える。

【天狗ヶ城下り】
62

 天狗ヶ城からの下り道は、雪が多く、傾斜もいい塩梅なので、腰をおろして一挙に滑り下りることができた。

【久住分かれへ】
7

 天狗ヶ城を下ってからは、トラバースルートを使って久住分かれへ。

【星生崎】
8

 久住分かれからは、星生山へ登ることにする。
 今日、あちこちで見ることのできた「海老の尻尾」であるが、星生崎の電波塔(?)のものが一番立派であった。

【星生崎から】
9

 星生崎に登れば、西千里浜を一望のもとに見下ろすことができる。
 白い雪の大雪原を、登山者たちが列をつくって歩いている。
 ここは本来幅広い登山道なんだけど、トレースが狭い一本しかないので、こういう細長い列になっているのだ。

【星生山】
10

 そして星生山が近付いて見える。
 今日の九重の山はどれも美しかったけど、そのなかでも雪の積もり具合は星生山が一番であり、本日一番の美人さんとなっていた。

【星生山】
11

 稜線に登れば、星生山の雪原が更に近い。
 スキー板があれば一気に下降できるほどの積もり具合である。
 九重にも、そんな時があるのだ。

【星生山】
12

 星生山山頂手前で三俣山側を見れば、砂千里浜から一本のツボ足ラッセルが伸びている。ここを直登してきた人がいるわけだ。大変だったでしょうな。

【星生山山頂】
13

 星生山山頂からの眺めも、また素晴らしい。
 三俣山、平治岳、大船山、冠雪したそれぞれの秀峰を眺めることができる。

【星生尾根へ】
14

 星生山に登った人はほとんどはそのまま西千里浜に下りていたが、僅かな人のみ歩星生尾根を使って下りていた。
 ツボ足の具合から見て、たぶん使ったのは一人だけである。
 そして、そのツボ足のルートを使って下りて行く人がいたので、私もそのあとをついて星生尾根から下りることにした。

【星生尾根】
15

 この先行者、ただものではなかった。
 先にツボ足の跡があるといえ、そこを踏んでもまだ雪は沈むので、そんなに速度は出ないはずなのに、ダブルストックでうまくリズムをとりながら、ポンポンと弾むような感じで降りて行く。ほとんど普段の道と同じようなスピードである。
 とても追いつけるものではなかった。
 どうやったら、ああいう雪道歩行が出来るのだろう?

【登山道】
161

 星生尾根を下り、元の登山道に合流して下山していく。
 正面には涌蓋山が見え、三角錐に雪をまとった姿もまた立派なものであった。

【登山道】
17

 登山道わきの積雪には、いろいろと落書きがされてあった。
 これはそのなかでも、感じのよいもの。
 写真では分かりにくいが、「最高」と書かれてある。
 ここはちょうど風景が広がるところなので、そこで感激しての落書きなのだろう。

【登山道】
18

 登山口も近づいて来た。
 家族連れの人たちも多く登っており、そり遊びをやっていた。
 雪の九重、いろいろな楽しみ方があるのである。

【黒岩山】
19

 正面には、昨日悪天候で撤退した黒岩山がきれいに見えた。
 登山道にはトレースがついており、今日は幾人も登ったようである。
 昨日の私のラッセルも、少しは役に立ったことであろう。

【牧ノ戸駐車場】
20

 駐車場まで下りれば、駐車場の車は半分以上減っていた。
 そのかわりに、あとから来た車がずらりと路駐している。
 国道11号線は、牧ノ戸駐車場周囲は本当は路駐禁止なんだけど、オンシーズンはそれを無視して長い路駐の列ができるのが定番となっている。
 ただし、雪のシーズンは道の幅が狭くなるので、道に余裕がなく、この路駐はほとんど一車線を占有することになり、あんまり感心しない。
 なんで長者原に止めないんだろう? と思ったが、その疑問はあとで解決がついた。

【長者原から】
21

 国道11号線を走り、長者原から三俣山を見てみる。
 ここから見ると、普段は手前にある指山は三俣山に同化したようになって目立たないのだけど、今日は白く染まった三俣山と、まだ樹々の色が残っている指山は同化せず、指山が浮き出て見えている。

【長者原】
22

 先の写真でも分かるけど、この写真でもっと分かるように、長者原には車は少ししか止まっていなかった。
 なぜなら除雪がほとんどされていず、車の止まるスペースがなかったからである。

 今日の九重の国道11号線沿いからは、長者原から九重に登った人はほとんどいなかったようだ。
 今日、三俣山や大船山に登った人は、とても静かな登山を楽しめたことであろう。そして、猛ラッセルに苦労したことでもあろう。

【由布岳】
23

 国道11号線をさらに進むと、由布岳が見えてくる。
 この山もまた相当に雪が積もっている。
 そういえば今日沓掛山に居た人は、「昨日由布岳に登ったけど、胸までの雪に難儀し、マタエのところで断念しました。なにしろその日由布岳に登っているのが自分一人だったので、一人ではあそこまでが限界です」と話していたけど、今日もそれなみに積もっていそうである。


 2月第3週の日曜日、九州の山々はどこも大量の雪が積もっており、そこに晴天の天気となった、雪山好きの者にとってじつに素晴らしい日であった。

【本日の登山ルート】
Mt_kuju


| | Comments (0) | TrackBack (0)

February 15, 2014

大雪の九重一日目:久住山撤退、ついでに黒岩山撤退の記

【牧ノ戸登山口】
1

 本日の予報は平野部では好天だが、山間部は雪雲が通過しているとのことだったけど、その通りの天候となっている。
 久住の強風は定番の名物ではあれど、これに雪が加わると、けっこう辛い登山となる。そして、なにより午後12時半からのスタートなので、無理は禁物であり、短時間の行動におさえることとして出発。

【登山道】
2

 最初の急傾斜のところからして、大量の雪の積もり具合。
 ここまで雪が積もった牧ノ戸も初めて見た。

【展望所】
3

 登山口から少し登ったところの展望所。
 ここからは三俣山と長者原が見えるはずだが、なにも見えず。

【沓掛山】
4

 沓掛山に登れば、次のピークと、久住山までつながる稜線が見渡せるはずだが、視界が相変らす悪い。
 そして稜線に出ると、風も強さを増し、それにつれ寒さも厳しくなってくる。

【登山道】
5

 こういう灌木帯のなかは、風もやわらぎ、楽にはなる。

【登山道】
6

 稜線を歩き、徐々に高度を増していくと、ガスはさらに濃くなっていく。
 ここですれ違った人に、「もうこれ以上は危ないですよ。さっきホワイトアウトして何も見えなくなりました。雪も深くなる一方です」と言われた。
 「とりあえずは西千里浜まで行ってみます。頂上まではとても無理でしょうから」と私は答えた。
 そして、振り返って写真を撮ると、先ほどの人はすでにガスのなかにぼんやりと姿を隠していた。

【西千里浜】
7

 ガスが濃くなり、風も横殴りに吹き付けて来るなか、なんとか西千里浜の入り口まで来た。
 本来ならここからは西千里浜が見渡せ、雪の平原が広がっているはずなんだが、なにも見えず。
 そして、深くなる一方の雪のなかで、トレースがなくなっていた。どうやら本日の登山者のほとんどはここで引き返していたようだ。雪道には、一人分のツボ足歩行の跡はあるにはあったが、どうも星生尾根に向かっているようである。
 天気の好転が期待できないなか、これ以上歩を進めても、なにがどうなるものとも思えず、私もここで撤退を決定した。

【登山道】
71

 下山中、なんと5人ほどの登山者とすれ違った。
 午後2時という時刻に、大雪の久住山を登っている人が本来そんなにいるはずはないのだが、…たぶんみな私と同様に、登山口にたどり着くまでに時間がかかったのであろう。
 その一人に、どこまで行かれましたか? と聞かれたので、「西千里浜の入り口までです。今日は条件が悪すぎます」と答えたら、「みんな同じことを言いますねえ。私も行けるとこまで行ってみます」とのことであった。

【登山道】
8

 標高が下がると、ガスも薄くなり、見晴らしが良くなった。
 沓掛山方向の風景。
 枝が一方にしか伸びていない樹々が、久住の風の強さを知らせてくれる。

【黒岩山】
9

 牧ノ戸まで下って行くと、向かいの黒岩山が見える。
 黒岩山は標高が低いので、ガスはあまりかかっていない。
 本日の登山は不完全燃焼であり、時間も余っているので、予定を変更して、黒岩山に登ってみることにした。

【牧ノ戸展望所へ】
10

 道路を渡り、まずは牧ノ戸展望所へ。
 今日は黒岩山には誰も登ってなく、道は完全な新雪である。
 50cmほど積もった雪を、ズボズボ踏み抜きながら進んでいく。

【登山道】
11

 展望所を過ぎ、黒岩山へと向かう。
 ここの登山道は、凹型にえぐれているので、雪が吹きだまっており、大変な量の雪である。膝まで埋る新雪をひたすらラッセルして進む。

【登山道】
12

 黒岩山に取りつくと、傾斜が急になっていることから雪の量が減るかと期待していたが、そんなことなく相変わらず膝ラッセルを続けて行く。

【登山道】
13

 途中で動物の足跡が。たぶん鹿であろう。

【登山道】
14

 傾斜を登り切り、稜線上の平たいところに出たら、雪がおそろしく積もっていた。
 ほとんど底なし沼状態で、体重のぶんだけ身体が沈み、腰まで埋るので、通常のラッセルでは進めなくなってしまった。それでピッケルと膝蹴りで雪壁を壊しながら進むことになる。

【縦走路】
15

 雪壁をかきわけ、除雪車みたいな感じで進むうち、縦走路の標識に出た。
 この高さではまたガスが濃くなり、風も強くなっている。
 黒岩山を下からみたとき、山頂あたりに雲がかかっていたが、その雲に突入したわけだ。
 この標識から、黒岩山山頂はもうすぐのはずであるが、視界の利かぬなかこれ以上進む気はしなくなり、ここで引きあげることにした。
 べつだん無理して黒岩山の山頂まで行かねばならぬ理由もないし。

【登山道】
16

 行きは苦労してラッセルしてきたけど、帰りは自分の足跡をたどればいいので楽ではある。まっすぐな傾斜ではときどき滑り下りたりしながら、快調に下って行った。

【登山道】
17

 標高が下れば、ガスから抜け出すことができ、自分がラッセルして来た道も見渡せる。
 向かいの久住を見れば、1400m以上くらいから雲のなかに入っている。

【展望所】
18

 展望所まで下り、黒岩山を見返せば、やはりそれくらいの高さから雲のなかだ。

 本日は久住、黒岩山、どちらも撤退ということになってしまったけど、こういう悪条件の日は無理は禁物なので、まあ仕方がない。

【九重星生ホテル】
20

 牧ノ戸からは長者原まで下り、本日の宿「九重星生ホテル」へと。

【九重星生ホテル】
191

 九重星生ホテルは、登山者が下山後に立ち寄り湯としてもよく使われるホテルで、ここの露天風呂は泉質といい広さといい、素晴らしいのである。
 そして、2月に入り2週にわたって失敗した雪見風呂であるが、今回初めてGetに成功。写真の向かいにある建物が温泉施設である。
 …それにしても、雪見温泉Getは良かったのだが、雪降り過ぎという気がしないでもない。

【夕食】
21

 夕食を食事処で。
 大雪のせいで、今日はキャンセル続出であり、キャンセルしてない客もいまだホテルにたどり着けていませんとのことで、広い食事処、ガラーンとしておりました。
 
 さて明日は天気は回復との予報である。
 本来は大船山の予定であったが、雪の積もりまくった西千里浜の白く輝く雪原は是非ともみたく、明日も牧ノ戸から久住山に登ることにした。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

大雪の九州:登山口までたどり着くからして大変であった。

 2月になって頻繁に来襲している大寒波は、月曜に引き続き、木曜から金曜にかけても九州に大雪を降らせ、各地で記録的な積雪が報告されている。
 2011年冬の大雪のとき、地球温暖化の進む時代、これほどの雪山はもう九州では経験できないだろうと、せっせと毎週山に登ったものだが、それから3年後、あのときよりも更に大量の雪が降ることとなり、…地球温暖化って本当なんだろうか、とも思ってしまう。

 金曜には、大雪による大規模な停電、道路規制、JRの運行停止等が伝えられ、今度の週末は普通ならば家でおとなしくしておくべきなのだろうが、世の中には雪が降るとテンションの上がる人間もごくごく一部おり、私もそのなかの一員なので、山へGo!という気分になった。

 ただし、山に登るにしても、それなりに標高のある山は、登山口まで行くことからして大変そうである。
 祖母傾大崩山系は道路が貧弱なので、しばらくは交通止めになっているだろうから、登山口の近くにさえたどり着くのも無理だろう。
 ならば幹線道路沿いに登山口を持つ、九重山系が狙い目となる。
 それで、土曜は久住山に登り、下山後は長者原で一泊し、翌日は大船山という計画を立てた。

 宮崎からだと、牧ノ戸までは別府から県道11号線を使うのが一番便利である。問題は11号線が通行止めになっていないかだが、ライブカメラで確認すると、車が一台走っていたので、どうやら通行止めになっていないようだったので行ってみた。

【県道11号線】
1

 ありゃありゃ。
 全面通行止めになっている。
 除雪車は入ってるようなんだけど、それでも除雪が追いつかないのか。

 県道11号線が使えないとなると、次は大分道だが、残念ながら別府から湯布院方向は通行止めである。
 とりあえず大分道は佐伯方向へは生きていたので、これを使って、中九州道→竹田→瀬の本という大周りしか選択はなかった。

【中九州道へ】
2

 臼杵ICで降りて中九州道を使い、竹田市へと入った。

【竹田市】
3

 国道57号線から国道442号線に入る。このあたりは、雪は積もっているけれど除雪はされている。

【442号線】
4_2

 雪がどんどん増えて来た。このあたり、交通量は多いので、轍はできている。

【412号線】
5

 そのまま進み、国道412号線へと入った。
 このあたりになると除雪車は入っていないので、フルの雪道である。

【412号線】
6

 この道は交通量が少ないせいか、一車線分しか車は走っていなく、片側通行みたいになっていた。
 向かいからは、JPの赤い軽が。
 この大雪のなか、お仕事お疲れ様です。

【412号線】
7

 ずっと、一車線状態で雪道を進んでいく。

【412号線】
8

 見晴らしのいいところで、九重が見えた。
 天気はいいのだが、山には雲がかかっている。雲は間違いなく雪雲であろう。
 …これは登山には、条件厳しそうだ。

【669号線】
9

 さらに進んでいき、669号線に入り、久住高原を目指す。
 この道、なぜか轍が3本しかない。

【669号線】
10

 九重が見えるが、…やっぱり天気悪そう。

【669号線】
11

 雪道を進むうち、風の通り道となって、地吹雪みたいになっているところに出くわした。
 路面を見ると、風で運ばれてくる雪で、轍が消えかかっている。
 轍についてはいいとして、問題はこの道の地形だ。ここから道路は下りになっており、ちょうど一番風の通るところが窪地になっていて、かなり雪が吹きだまっているようである。
 そこで雪の高さが相当なものであったら、車のタイヤが埋まることになり、スタックしそうである。いくら四駆車とはいえ、前後輪スタックすると、仰向けの亀さん状態になって、進退きわまってしまい、極寒の世界で身動きとれなくなってしまう。
 まあ目の前にガンジーファームが見えてるから、遭難騒ぎにはならないだろうが、無理は禁物である。
 それでとりあえず、車をわきに止め、歩いて積雪の状態を調べようとした。

【669号線】
12

 車を止め外に出たところ、後ろから車が来て、そのまま進んでいき、あっさりと危険ゾーンを越えて行った。
 ならば、と私も車に乗り込み、なんなく進んでいくことができた。

【ガンジーファーム】
13

 ガンジーファーム、この気候のなか、駐車場の除雪も済ませ、営業中であった。
 客、来るのかねえ…。

【669号線】
14

 雪道を進むと、工事箇所が。
 こういう交互通行の信号、道全体が一車線状態となっているなかでは、無意味のような気もするが、運転者はルール遵守である。

【669号線】
15

 信号が青になってからGo.

【669号線】
16

 久住高原ロードパークの入り口。
 これが通行可なら話は早いが、案の定通行止めであった。

【669号線】
17

 乗馬牧場の横を通る。
 馬たちはみんな同じ方向を向いている。
 これは風を避けるためで、馬はみなお尻を風上に向けているのだ。

【669号線】
18

 やっと国道442号線が見えて来た。
 …竹田からはそのまま442号線を使えば楽だっただろうに、という説もあるだろうが、ようは運転手の趣味の問題である。

【442号線】
19

 幹線道路の442号線といえど、状況はハードである。
 このような雪道が続く。それでも、観光バスと何台もすれ違った。
 こんな日でも観光客はいるのである。

 やがて瀬の本高原が見えて来た。
 天気よければ、雪の阿蘇が見えるはずなのだが。

【瀬の本交差点】
20

 ようやく、県道11号線に入る瀬の本交差点へと。
 赤い三角屋根が特徴の、三愛レストハウスが見える。

【11号線】
21

 ありがたいことに、11号線は瀬の本側からだと、交通止めにはなっていなかった。
 しばし進むと、停車中の車の列が。
 これは事故ではなく、チェーンを装着中であった。
 …いったいここまでどうやって来たのだろう?

【11号線】
22

 九重スキー場への分岐のところ。
 今日は極上のパウダースノウが楽しめそうだけど、客は少ないだろうな。

【11号線】
23

 11号線は除雪車が大活躍していたらしく、今までの道を比べ、雪は少なめであった。
 そうして、ようやく牧ノ戸へと到着。

【牧ノ戸駐車場】
24_2

 こんな天候の日に誰がこんなところに来るのだろうと思うだろうけど、それでも駐車場は下のところが満車になっていた。

【牧ノ戸登山口】
25

 車から外に出ると、雪は降っているし、風は強いと条件は悪い。そして50m上ほどの高さはすでに雲のなかであり、これは厳しい登山になりそうだ。
 そしてここまで来るのに時間がかかり過ぎ、登山スタートは午後12時半である。雪山登山ではありえない時刻だ。
 それで、とりあえずは午後2時までに行けるとこまで行き、午後2時になったら必ず引き返すこととし、フル装備でスタートした。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

February 11, 2014

コルク救出法@ベルエポック

 宮崎市のフレンチレストラン、ベルエポックで冬のジビエを楽しむ会に行ってきた。
 いつもながらの佐々木シェフの繊細で優雅な料理の数々を楽しめた。
 その料理のうち、ジビエは、蝦夷鹿と仔鳩を使ったものが二品。

【蝦夷鹿】
1_2

 蝦夷鹿と、季節の野菜のサラダ。これをカシス風味で。

【仔鳩】
2_2

 プレス産の小鳩のロティ。黒トリュフで香りをつけて。
 トリュフの豊かな香りがまず印象的。それに対抗するかのように、鳩の味もまたしっかりとしたものがある。

 ジビエ料理は柳家みたいな、「極上の素材を炭火で焼き上げるのみ」というのも大変よいが、このようにクセのある素材に複雑に手を加えたものも、やっぱり独自の魅力があるのであった。


 さて、本日は最後のデザートのところでトラブル発生。
 持ちこみのデザートワインのコルクが余りに硬くて、スクリューが刺さっていかないのである。こういうことってあるんだ。
 せっかくの持ち込みワインをそのような理由で抜栓せずにすませるわけにはいかず、まずは「引いて駄目なら押してみな」の精神で、コルクをボトルへと押し込んだ。

【コルクがボトル内へ】
30

 このままでもワインは飲めるはずだが、それでは美しくないとのことで、このボトルに浮かんだコルクを取る道具が登場。

【コルク除去1】
33

 道具の正確な名前は何というのかは知らないけど、四脚方式になった器具を差し込み、ワインに浮かんでいるコルクを確実にキャッチ。

【コルク除去2】
31

 そうしてそのまま引きあげると、コルクは無事にボトルから出るのであった。

 この方法は初めて見た。
 なにかのときに役に立つかもしれない豆知識を本日GETいたしました。
 まあ、こんな道具持っていないし、手に入れる気もないので、ただの余計な知識で終わるに決まっているけれど。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

雪の行縢山

 祝日前の月曜日は一日中雨が降っていたが、天気情報によれば、山間部ではそれが雪であり、またもドカ雪になっているとのことであった。

 それで近場の行縢山へと出かけてみることにした。

【行縢山】
1

 延岡市郊外にある行縢山は、巨大な花崗岩の塊であり、たいへん姿のよい山である。ただし、標高がさほどないことと、その位置から雪は滅多に積もらぬ山なのであるが、今回の大寒波により、うっすらと雪化粧しているのが見える。

【登山道】
2

 登山道を登って行くと、標高700mを過ぎたあたりから、道に白いものが見られだした。

【登山道】
4

 渡渉部を越え、標高800mほどの高さになると、もう雪山の世界である。
 行縢山では滅多に見られぬ姿。

【山頂】
5

 雪道をのぼりつめ、山頂へ到着。
 今日は冬独特の、とても澄んだ大気で、見晴らしが大変よい。
 東を見れば、延岡市市街地、それから日向灘がくっきりと姿を見せる。

【北岳】
6

 雪は北斜面側のほうが深いようなので、北岳へも寄ってみた。

【登山道】
7

 やはり北側のほうが雪が深く、そして粉雪であり、これを踏みしめて歩くととても気持ちがよい。

【県民の森】
8

 県民の森まで下れば、東屋も雪化粧。いつもと違う、静かで趣あるたたずまいとなっていた。

 雪の行縢山は、美しく、楽しい山となっていた。
 世間では迷惑な大寒波であったが、それでもこういう置き土産も残してくれたのである。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

February 08, 2014

玉の湯旅館@由布院

【由布院 湯の坪街道】
6_2

 由布院では街の中心部にある宿は、湯の坪街道を通る必要がある。この観光道路は、狭いうえに、歩行者天国のように観光客が大勢歩いているため、車の通行には少々のテクニックを要し、由布院の宿が使いにくい理由の一つになっている。

【玉の湯旅館】
1_2

 その通りにくい道を通って車を止め、本日の宿玉の湯へ。
 玉の湯の庭は由布院の自然を模した雑木林なのだが、今は冬枯れの季節で、悄然とした佇まいである。

【部屋】
5_2

【リビング】
21

 部屋は、和室と寝室と小さなリビングである。
 寒いときには、和室の炬燵が温もってよろしい。
 いつもは旅館ではテレビを見ることほとんどない私であるが、今回はソチ・オリンピックの年であり、女子モーグルを観戦。
 …上村愛子4位は、残念であった。そして、オリンピックで金・銅獲った里谷多英の偉大さを改めて思い知る。

【部屋風呂】
2_2

 玉の湯の温泉は単純泉。
 広い湯船で、湯疲れしない、あっさりした泉質を楽しみましょう。

【庭】
31

 玉の湯旅館は、かつての自然豊かだった由布院を再現するかのように、このあたりに生えている樹々と草を使って、素朴な庭つくりをしている。
 その庭を眺めながらテラスで寛ぐのが、玉の湯滞在の王道であるけど、冬は寒いので眺めるだけにしておいた。
 庭を楽しむには、緑豊かになる初夏からがお勧め。近くでホタルも飛んでいるし。

【食事処】
1

 玉の湯旅館では、夕食は部屋食と食事処とのどちらかを選ぶことができる。
 食事処だと、メイン料理で豊後牛焼きを選んだときに、目の前で焼くことができるので、これを選ぶなら食事処のほうがよい。

【前菜】
2

 旬の素材の盛り合わせ。
 鯛の毬鮨、卵焼き、キンカンの甘煮、揚げ牛蒡、鳥肉牛蒡巻き、菊花蕪、菜の花。
 これに小鉢で、野菜の白和えと自然薯椀。

 どれも地元の素材を用いて、丁寧につくられた料理。
 ただしこれらはボリュームがあるので、のちのメイン料理等に備え、ゆっくりと食べ、胃袋に負担をかけないように注意する必要がある。

【向附】
3

 造りは、鱒の昆布〆にカンパチ。穂紫蘇とクレソンを添えて。
 山葵も含め、これの色合いがうつくしい。

【椀物】
4

 椀は鱧真丈。
 出汁はつよめの昆布出汁。
 繊細さよりも、素材と出汁の旨みを強調した、山間の宿の味といった感じ。

【焼物】
5

 山女の塩焼き。
 ホクホクとした、ほどよい焼き加減。

【煮物】
6

 煮物は、地元の素材を田舎風の味で煮漬けたもの。
 玉の湯の名物でもある。
 家庭的な、素朴で味を楽しめる。

【メイン1】
7

 これも玉の湯の名物、メインディッシュのその1、豊後牛。
 玉の湯ではメインを焼肉と、鍋3種類のどれかを選択でき、鍋のみにすると量が多くなりすぎるので、焼物と鍋を選択する人が多い。
 サシのきれいに入った豊後牛に、それにおまけでタレに浸した地鶏、それと野菜を卓のコンロでじっくりと焼き上げる。

【メイン2】
81

 軍鶏、スッポン、合鴨の3種のうちから選べる鍋のうち、由布院といえば、スッポンの名産地安心院が近くにあるので、スッポン鍋を選んでみたい。
 スッポンの濃厚な出汁と、濃厚な香り、それから地獲れの新鮮な野菜を鍋につっこんで、ぐつぐつと煮て、素材豊かな由布院の魅力を存分に味わおう。

【雑炊】
9

 スッポン鍋のあとは当然雑炊で〆る。
 雑炊は、河豚が一番か、スッポンが一番かは、常なる難問であるが、とにかく今食べているほうが一番美味い鍋と、いつも感じられる。


 玉の湯旅館はおもてなしの宿であって、ここに泊まると、この宿で心いくまで楽しんでくださいという宿の気持ちがひしひしと伝わって来る。そして、料理もその流れにあり、コンセプトは「田舎の豪邸の御馳走攻撃」という感じで、今ある美味いものありったけなんでも食ってください、とばかりに旬の料理が次々に出て来る。
 当然、量が多いわけで、しかしながらこの宿の利用者は年配者が多いこともあり、フルコース全部食べるのは困難な人も多いため、仲居さんたちは常に、客の腹具合を考えながら、「まだ食べられるなら、これはいかがでしょう」と、量を調整しながら料理を出してくる。
 そのため、玉の湯旅館の夕食を全て味わうためには、事前に腹をすかせてくること、料理をゆっくり食べること、酒はほどほどにする等のコツが必要となる。

 本日は昼食抜きで山に登り、しっかりと事前準備をしてきた私は、全食制覇に成功した。それでもやはりメインの時には腹につらかったのは、元々の量が多すぎるのと、さらには酒をさんざん飲んでしまったからであろうで、これは次回への反省点としておこう。

【手押し車】
4_2

 玉の湯はチェックイン午後1時、チェックアウト午前12時という、とてもゆったりとできる時間設定になっている。
 ただし、最少この1時間で部屋の片づけをしなければならないので、従業員の人は非常なスキルがいると思われる。
 チェックアウト間際、部屋の前には玉の湯名物の手押し車が置かれ、テキパキと片づけが行われているようだ。

【大分川】
Cresson

 玉の湯の前を流れる大分川。
 この川、街中を流れる川なのに、6月にはホタルが乱舞するほどの清流である。
 川べりを見れば、クレソンや芹が群生している。
 玉の湯の料理はクレソンが多用されているので、もしかしてこれを使っているのですか?と以前たずねたことがあったが、違っていた。でも、おいしそう。

 向かいには、冠雪した由布岳が聳えているはずだが、今日は雲に隠れていて上のほうまでは見えず。由布院は由布岳が見えて初めて本物の風景になるところがあり、その姿を写真に撮れなかったのは少々残念であった。
 今度はホタルの時期にでも訪れてみよう。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

雪の由布岳

 先週の季節外れの陽気で、九州の山の雪はあらかた溶けてしまい、ひょっとしてこのまま春に突入?とか思っていたら、2月第一週に猛烈な寒気が襲来し、この週末は日本全国「記録的な」ことが頻発する、とんでもないことになっていた。

 九州でも山間部のドカ雪の情報が伝えられ、私は先週雪の乏しかった久住山へ、また行くことにした。

【ミルクロード】
1

 国道57号線からミルクロードに入り、久住を目指す。
 周りを見れば、ほどよい加減の雪の積もりかたであった。
 このぶんならここより標高の高い牧ノ戸は、もっと雪が積もっているはずだろうと思ったが、瀬の本高原あたりから雪が少なくなり、牧ノ戸に着いても雪は乏しく、登山口を見ると、先週よりも雪がなかった。
 どういう気象現象でこういうことになったのか分からないが、今回の寒気による積雪は、牧ノ戸周辺のみを避けていたみたい。
 それで、予定を変更して、行き先を由布岳とした。
 元々、下山後は由布院に行く予定だったので、それほどの大きな変更ではない。

【やまなみハイウェイ】
2

 それでやまなみハイウェイをそのまま走っていったのだが、…飯田高原を過ぎたあたりから道路状況がとんでもないことになっていた。
 道の周囲の樹の枝が着氷現象によって氷結しており、その重みで垂れ下がって、道をふさぐようになっている。車高の高いバスは、それを避けるのに大変であった。
 さらには、その氷の重さに耐えられなくなった木の枝が折れたり、木の幹が避けたりして、道をふさいだりしており、大変な数の樹が損傷を受けていた。あとでニュースを見たら、20キロ以上にわたって100本以上の樹が倒れていたそうだ。
 道路管理の人たちも大勢出て、木を片づけたり、また邪魔な倒木をチェンソーで除去したりしていたが、復旧まで相当かかりそうである。

【由布岳】
3

 難路と化していたやまなみハイウェイをいつもの倍以上の時間をかけて走り、由布岳正面登山口に到着。
 目論見通り、由布岳は雪がたくさん積もっている。

【登山道】
4

 今回は登山口からアイゼンを装着して登山。
 雪をサクサク踏みしめながら歩くのは楽しいものだが、すぐに問題点浮上。
 やまなみハイウェィ同様に、この登山道でも樹々の枝が氷結しており、それが気温の上昇に枝から外れ、次々に落ちて来るのだ。
 それが頭や肩に当たるので、けっこう痛い。氷の大きさは、親指手程度のものばかりだからさほどの衝撃はないのだが、もしかして握りこぶし大のものでも落ちて来たら嫌だなとか思いながら、歩くことになってしまった。

【雨氷の樹々】
6

 上から落ちて来る雨氷に気をつけながら仰ぎみれば、樹々の雨氷が日差しを浴びてキラキラと輝き、きれいである。
 いいものを見られるのはよいが、ここはやはり危険だ。

【崩壊した登山道】
5

 この強い着氷現象は、樹々に相当に存在を与えていた。
 ここでは、樹全体に氷結した氷の重さに耐えきれなくて、樹々がひっくり返ってしまい、登山道が崩壊してしまっている。崩壊部に雪がないことから、少し前に倒れたのであろう。

【登山道】
8

 中腹の登山道では、灌木の氷結はなくなっていた。このあたりは日当たりが良いので、すでに溶けたようである。

【登山道から】
 7

 中腹の灌木帯に到れば、視界が開け、由布院盆地を一望できるはずだが、今日は雲の位置が低く、由布院盆地は雲の下である。

【マタエ】
9

 登山道をのぼりつめて、火口の縁のマタエへと着いた。
 ここは風の通り道となっており、いきなり台風なみの強風にあおられる。
 上空の雲の動きの速さから、今日は風が強いとは思っていたが、由布岳でのここまでの強風は初めて経験した。

【由布岳西峰】
10

 強風にガスが次々に現れては払われ、その合間に西峰が見えた。
 全体が白く染まった、峻厳たる姿。

【由布岳東峰】
101

 本日は東峰へと登ってみる。
 この標高では雪が氷結しており、雪をパリンパリンと割りながらの登山。
 そして、風も吹きすさび、その強風に身体を持っていかれそうになるのを、姿勢を低くして防ぎながら、慎重に歩を進め、東峰山頂に到着。
 この高さでは、ガスはなくっており、眺めがよかった。

【山頂からの東方面】
11

 今日は雲が低く、別府湾方向までずっと低い雲が広がっていた。その上には、紺碧の空が広がり、まるで飛行機から見るような素晴らしい光景である。
 こういう風景は初めてみた。
 今回の登山は気象条件が特異だったため、いつもとは相当に異なる由布岳を経験できた。

【下山時の由布岳】
13

 下山途中に雲が湧いてきて、視界が悪くなってしまった。
 そして登山口近くに戻り、由布岳を振り返れば、由布岳は雲に包まれていた。

【雪だるま】
12

 由布岳正面登山口は南に向いているので、雪が積もったときでも、午後には雪が溶けていることが多いのだが、今日は雪がたっぷりと残っていた。

【由布院盆地】
14

 午前中、由布岳への行き道でちらりと見た由布院盆地には雪が積もっていたので、狭霧台からは雪の由布院が見られるだろうと期待していたが、こちらのほうは由布岳と違って、午後には雪が溶けていた。
 本日は雪の由布院を期待していたのだが、先週に引き続き、雪見温泉Getは失敗となってしまった。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

February 02, 2014

黒川温泉散策、黒川の湯

 黒川温泉は、大分の有名な温泉地の別府や由布院とは違って、こじんまりした小さな街に温泉宿が立ち並ぶ、いわゆる鄙び系の温泉地である。
 交通の便も悪いことから、相当前にはそれこそ知る人ぞ知るという秘境みたいな所だったのだが、当地の人の努力により、今では全国区レベルの人気温泉となっている。

 私が前に訪れたのは、10年くらい前だったけど、そのころは既に観光客が多い温泉地となっており、街中心部の狭い道などはとても混雑していた。
 そして、久しぶりに訪れたら、…人が多いのはそのとき同様だったが、周りの人の言葉が、韓国語、中国語ばかりとなっていた。周囲を飛び交う言葉は異国語ばかりであり、いったいここはどこの国? という状況であって、黒川温泉は全国レベルの温泉地どころか、国際的観光地になっていた。

 たしかに温泉そのものに加え、旅館情緒、街の風情、周りの山々等は、あちらの国にないようなものばかりであり、人気が出るのは理解できるが、…しかしこんな山の中の、ちいさな温泉地がねえ、と少々驚いた。

 その黒川温泉の街の中心部の写真など。

6

7

9

 黒川温泉は、田原川の支流の狭い地帯に沿って、無理やりに建物を詰め込んだような造りになっている。それが、こういう川沿いの温泉地の独特の風景を生み出している。川には竹のランタンなようなものも飾られており、夜にはきれいそうである。

 次は黒川荘の温泉のことなども。

【屏風岩】
4

 温泉宿、黒川荘のシンボルとなっている屏風岩。
 大露天風呂からは、この岩を正面から眺められ、見る角度によっていろいろな模様や形が浮き出て来る。
 前を流れる田原川には、黒川温泉から源泉掛け流しの膨大な湯が流れ出され、温泉成分に富んだ川になっている。

【黒川荘】
3

 黒川荘の離れは、この茅葺門から入る。
 手入れの行き届いた美しい門である。

【部屋露天】
5

 離れには全て内風呂と露天風呂がついており、露天風呂は立派な広さである。
 そして湯は少々濁った碧色で、とても身体が温もる、いい湯である。

【ちんちん地蔵湯】
1

 離れには家族風呂もあり、こちらのほうが部屋風呂より広く、また眺めもよい。
 そして風呂のなか、極上の笑顔を浮かべている「ちんちん地蔵」のたたずまいがじつに良く、この姿を眺めるだけでも楽しい気分になってしまう。
 黒川荘の離れに泊まったときは、部屋風呂だけで満足するのでなく、このちんちん地蔵湯も是非入るべき。


 黒川温泉、じつは2月初旬ということもあり、雪見温泉を狙っていたのだが、突然初夏なみの温暖な気候となり、雪などどこにも無かった。
 雪は無けれど、それならばこの気候で、梅が咲き出したのではと思い、黒川温泉を出たのち、日田に向かって、梅の名所「おおくぼ台梅園」へと行ってみた。
 しかし、数日の暖気程度では花は開くわけもなく、梅林はまだまだ蕾であった。
 しかたなく名物の梅酒を買って、梅の風情は家で味わうこととした。

【梅林】
8


| | Comments (0) | TrackBack (0)

February 01, 2014

和食:黒川荘

4
 
 黒川荘の離れは山荘風のつくりとなっており、高い天井、太い梁、そして囲炉裏がある。
 夕食は部屋食であり、囲炉裏の傍での食事となるのだが、この囲炉裏は雰囲気のための飾りでなく、焼物のときに実際に使うので、食事前に炭を熾す。

【前菜】
5

 前菜は、牡蠣焼きマリネ、揚げ蓮根、鳥肝チーズ寄せ、トマト味噌漬、水前寺海苔柚子浸し、蟹小袖寿司など。
 どれも一工夫ある、酒の進む肴。

【椀】
6_2

 椀は水引人参と薄切大根の奥に、蟹の淡雪真蒸。柚子の香りを少々。
 出汁はやや強めでしっかりとした味。
 田舎風とまではいかないが、山のなかの温泉宿として、いい感じである。

【向附】
7_2

 造りは、鯛、カンパチ、水烏賊、車海老。
 こういう山のなかでべつに海魚の刺身を出さなくともとは思うものの、これは地元熊本の天草産のものであり、地元にこだわった食材でもある。

【向附】
8_2

 熊本名物の第一はやはり馬刺し。
 ランプ、フタエ、ヒレ、タテガミ、と種々の部位の盛り合わせ。
 馬はやっぱり馬刺しで食うのが一番。どの部位も独自の美味さがある。

【煮物】
9_2

 煮物は、牛大和煮、人参、蕪、下二田葱。
 熊本名物の第二は、肥後の赤牛であり、素朴ないい味付けである。

【焼き物】
11

 焼物は、鰆幽庵焼き、海老芋唐揚げ、柿なますと今までの流れとは変わって、京風の料理。
 もっともこの海老芋は地元産とのことで、海老芋はなにも関西限定というわけではないのだ。

【強肴】
12

 この料理で囲炉裏の登場。
 肥後赤牛の炭火焼きである。ほどよいサイズに切られた赤牛を、好みにあわせての焼き加減で食べる。
 …少々、焼きすぎたか。

【御飯】
13

 地元小国の新米、炊き立て御飯はたいへん美味しいのであった。

【デザート】
14

 小国名物はジャージー牛。そのジャージー牛乳を使ってのプリン。それにアップルパイ。


 九州では有数の人気を誇る黒川温泉では、そこの宿の料理のレベルも高いことで知られている。
 黒川荘の料理は、その評判が確かなものであることが分かる、確かな素材と技術を用いた料理の数々であった。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2月の久住山

 年末から1月中旬にかけては九州は寒い日が続き、山にも雪が積もっていたけれど、2月になって急激に気温が上がり、初夏なみの気候になっている。
 雪山目当てで久住登山を予定したが、さて雪はあるのか。

【牧ノ戸登山口】
1

 牧ノ戸登山口。駐車場や売店前にはほとんど雪はない。しかし、コンクリで舗装された登山道には、雪というか、凍った雪が貼り着いていて、いちおうは雪山の雰囲気はあった。

【沓掛山から】
2

 沓掛山から稜線の登山道を眺めれば、ほとんど雪は溶けて泥道となっているようであった。

【登山道】
3

 林間の日の当らないところでは、今まで積もった雪は溶けずに残っていた。

【西千里浜】
4

 牧ノ戸登山道では最も景色のよい西千里浜。
 元が湿原なので、雪が溶けていたら泥田圃のようになっているところだが、雪が残っており、サクサクと雪を踏みしめながら歩くことができた。

【久住分かれ】
5

 久住分かれの窪地は日当たりがよいこともあり、雪は溶けて、湿地となっていた。
 正面に見える久住山も、雪は期待できないようである。

【久住山山頂】
6

 久住山山頂。雪は全くなし。
 とはいえ、やはり眺めはよろしい。
 本日はPM2.5の影響で午前中は山全体が靄っていたのだが、山頂に着くころにはそれらは流れ去り、晴天となっていた。

【天狗ヶ城から】
7

 牧ノ戸からの登山は、冬期は久住登山はおまけみたいなもので、登山者の多くは久住分かれからは、中岳の麓の御池を目指す。
 私も主目的の御池へと行く。
 まずは天狗ヶ城に登り、御池を見下ろしてみた。
 1月の寒気に厚く凍った氷は、数日の暖気くらいでは溶けることもなく、全体に湖面は凍結していた。

【御池】
8

 御池まで下りてみる。
 氷の厚さは問題なく、このように湖面を歩くことができる。

【御池】
9

 湖面は所々氷が割れているところがあったが、それでも中央まで歩くことができた。

 このあとは元来た道をたどって、登山口まで戻った。
 雪山登山のつもりで装備して登ったが、気温が暖かく、感覚としては春なみであり、ほとんど寒く感じるところはなく、それより汗をたくさんかいて大変であった。

【黒川温泉】
10

 本日の予定としては、久住登山で寒い目にあって、その後黒川温泉に入り、身体を芯から温め、極楽気分にひたるはずだったのだが、寒い目に合わなかったので、それはなし。けれども、やはり登山で筋肉を使い、汗をかいた身には、温泉というものはたいへん気持ちのよいものであった。
 宿の湯船のなか、気持ちよさそうな顔をしている「ちんちん地蔵」のように、私もまた笑顔になるのであった。

【Résumé(まとめ)】

 En février normalement, au mont. Kuju de Kyushu la neige s'accumule. Février de cette année, si qu’il fasait chaud, la neige avait fondu.  Par conséquent, j’ai été à grimper cette montagne avec peu de neige.
 Il y a un endroit cérèbre des s à kuju en hiver. C’est Oike qu’exsiste en élévation 1700m. Surface d'un lac gèle en hiver.  Malgré le temps chaud, Oike a été gelé.
 En général Il est des eaux thermales autour de la grande montagne du Japon.
 Après une escalade terne, je suis allé à la source d'eaux thermales à proximité Kurokawa.
 Les eaux thermales guérit grandement la fatigue de l'escalade.

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« January 2014 | Main | March 2014 »