柳家@岐阜瑞浪でジビエ尽くし
ここ数年ジビエシーズンの恒例行事となっている柳家ツアーへと行ってきた。
名古屋市から岐阜瑞浪の柳家まではタクシーで1時間ほど。その間は、車中でシャンパンを飲みながら歓談し、時間を過ごすのもいつものことである。
山のなか、周囲に雪がうっすら積もっている柳家の玄関には注連飾り。
1月からは鴨がメインとなってくる。
ハツ、砂肝、レバー、それにセセリ。
焼鳥屋と同じメニューであるが、もちろん焼鳥屋のものとは比較にならぬ、味の濃厚さ。
焼鳥屋メニューの定番、葱間。
鴨と葱とは相性が良いのであり、いっしょに炭火で焼かれた葱間は、まさに「究極の葱間」とでも呼ぶべく、通常の葱間とは次元の異なる美味さである。
炭火で皮はパリっと焼かれ、それと脂のよく乗った鴨肉と食えば、口のなかに幸福感があふれる。
猪は極上の脂の乗り方。
野生のものなのに、まったく臭みやクセはなく、上品といってよいほどの質のよい脂である。
鹿もまた脂がよく乗っている。したたり落ちる脂をさらに炭火にかけて、その煙で肉を燻して、さらに香りを強くする。見事な技である。
珍しい熊肉も用意されていた。
これも豊かに脂が乗っており、今までの猪や鹿と違った、魅力ある味である。
子鴨は一羽ごとの丸焼きである。
これもまた丁寧に脂を焦しながら、上手に焼きあげられる。
親鴨にもまったく引けをとらない、豊かにして繊細な味。
葱たっぷりの鴨鍋は、その香りからして悶絶もの。そして、スープを飲めば、豊穣たる自然の味が伝わって来る。圧倒的存在感のある鍋。
〆は冬定番の自然薯御飯。
自然薯は、ジビエに負けずおとらず香りと味の豊かな食材であり、この冬のジビエシリーズを締めくくるにふさわしい逸品である。
ジビエ料理の名店柳家、全ての料理を通して、ジビエの魅力を存分に味わうことができた。
もちろん、ジビエはそれだけで美味しいというわけではなく、産地・時期により味のレベルは変わるだろうけど、その産地・時期を選べば、それは極上の料理の素材となる。そして柳家はそれを常に準備している店である。さらにその極上の素材が、代々伝えられてきた見事な技法で、目の前で焼き上げられるわけで、これが美味しくならないはずはないわけであり、柳家での囲炉裏を囲む数時間は、食の収穫祭とでも称すべく、小さなお祭り騒ぎとなる。
今回のメンバーも、食事の間、美味さに感心するとともに、自然のエネルギーが今伝わって来た、これは元気が出る出る、と騒いだりしていて、…じつに効果的な新年からの活気づけとなったのであった。
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Comments
先生、お写真お見事。
あなた進む道まちがえたな。(≧∇≦)
柳家の魅力を superb angle で余すところ無く激写!
また行きとうなってしもうたがな~(^_^;)
例のあれが撮影禁止なのだけが残念。
Posted by: 天ちゃん | January 24, 2014 12:05 AM
野性の素材をシンプルに炭火で焼き上げていく、それが天上の料理となる。柳家ならではの独自の世界でしたね。
ただ思うに、宮崎もジビエの宝庫なのでありまして、宮崎のあちこちにもジビエで頑張っている店もあることだし、P先生にならって、我々もそういう店の発掘、そして応援に励まねば、と思う今日この頃であります。
Posted by: 湯平 | January 24, 2014 09:45 PM