登山:雪の大崩山
花崗岩の大殿堂大崩山は、雪が積もったときは、その峻厳たる姿の魅力を更に増す。昨年末の寒波により、大崩山は雪山となっているとのことなので、雪が残っているうちに訪れることにしてみた。
大崩山の冬の最大の難所「象岩のトラバース」は、鎖が凍っていて通行不能との情報だったので、中ワク塚までのピストンの予定にする。
祝子川ダムから見る大崩山。
さほど雪は積もっていないようだが、昨年、この姿に油断して軽装備で登り、ひどい目にあった経験があるので、今回はきちんとした装備で登ることに。
登山口に着くと、車の数からして、今日は3組ほどが先行しているようだった。
登山届によると、ワク塚→坊主尾根の周回ルートを予定している組もいた。
三里川渡渉部から眺める、大崩山の岩峰群。
空に尖塔を突き付けるこの白い岩の群れは、九州の山のなかでも最も優れた風景である。
川原の岩は凍っていなくて、渡渉は容易であった。
標高1000mを越えたくらいから、雪が出て来る。
袖ダキへの岩壁は、ロープは凍ってなくて、特に問題なく登れた。
袖ダキに登れば、ワク塚の巨大な岩峰が聳える絶景を望める。
いつ見ても、大迫力の光景だ。
袖ダキから登山道に入れば、北側の斜面なので雪はたくさん残っている。この雪が水分が多く、重たい雪であって、進むのには力がいった。
難所の梯子は雪に埋もれてはなく、掘り出す必要がなかったので助かった。
下ワク塚までの道で、下って来る2組の登山者と会った。
2組とも周回する予定だったのが、雪が重くて、行動に時間がかかり、タイムアップとなったので、中ワク塚手間で引き返したとのことであった。
下ワク塚への最後の登り。
ロープは凍ってなく、また岩には雪がはりついていて、これは登りやすくなっていた。
下ワク塚へ登り、まわりを見渡す。
向かいの木内山岳、それに桑原山も、雪山となっていた。
下ワク塚から中ワク塚への岩の稜線は、凍っていたなら、大変なハードルートになるのだが、今日は雪が乗っており、普通に歩くことができた。
もっとも油断してここで足を滑らせると、まず命がないところなので、慎重さは重要である。
中ワク塚は高度もあるので、雪の量も多い。
いつもなら通れるルートが一つしかない中ワク塚手前の岩場も、これだけ雪が乗っていると、どこを通っても登れる。
中ワク塚は、岩の鞍部が到着点のようになっているけど、そこまで雪に埋もれていた。ここまで雪がある大崩山も初めて見た。
中ワク塚から見る、上ワク塚。
高さでいえば、上ワク塚がワク塚の終了点なのだろうが、中ワクから上ワクは、アップダウンが面倒だし、それに私もタイムアップとなっていたので、予定通りに中ワク塚までの行程とし、あとは往路を引き返して下山した。
今日の大崩山は、凍っているところは殆どなく、純粋に雪山登山を楽しめる雪山となっていた。
結果的には、ザックに担いできた20mロープやら登攀具のたぐいは必要なかったわけだが、それでも冬の大崩山ばかりは、そのたぐいを持っているかないかで安心感は全く違い、そしてやはり安心感のある登山は、それだけでも楽しいものである。
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