和食:蟹会席@三朝温泉 旅館大橋
三朝温泉の老舗旅館「大橋」は、建物全体が文化財となっており、部屋もそれぞれ趣のある凝ったつくりのものばかりである。
今回泊まった「水仙の間」は、十八畳一間という、やたらな広さが特徴の部屋。普通に使っては空間を持てあましてしまうので、本来は家族で使うようなものであろう。
卓には最初から八寸、茹で蟹、それに牛肉が並べられている。
八寸は御節であった。
牛肉は東伯牛という鳥取のブランド牛。これはあとで鉄器で焼いて食べる。
そして、なにより目当てのズワイガニ。サイズ大きめのズワイガニを、静かに食べ進めて行く。
椀物は、蛤の紅白真丈。出汁は薄めであり、京風の上品なものである。
ズワイガニは、刺身も魅力。噛めば、ほのかに広がる甘さがとてもよい。
ちなみに二本蝋燭が立っているのは、漁火に見立てた演出とのこと。この料理は、部屋を暗くしてから運ばれてきます。
活蟹のミソと身の甲羅焼き。
熱が通って半生となってところで、モミジオロシとアサツキを掻き回せて頂きます。見た目はなんだが、濃厚な旨を楽しめる。
蟹の身と海藻を使っての椀物。
焼き蟹は、料理人が部屋まで炭火を持ってきて、部屋のなかで焼いてくれます。
部屋中が蟹の香ばしい香りで満ちて、それだけでも幸せ気分。
そして、上手に焼かれた蟹を食べれば、旨みと甘みがたっぷりであり、ひたすら無口で食べ進めていくのみ。
〆の御飯は、蟹の炊き込み御飯。
そして、味噌汁は背子蟹を半分そのまま仕立てたもの。
背子蟹はいろいろと食べ方はあるけど、…これって少々雑な調理ではあるな。
最初から最後まで、ひたすら蟹を食べ続けた会席料理であった。
蟹食べるために鳥取まで500km以上運転してきたけど、その甲斐あるたいへん美味しい料理であった。
水仙の間は、露天風呂付である。
檜風呂と陶器の風呂があり、檜風呂のほうは5~6人入れるくらいの広さがある。
これに源泉掛け流しの湯が注がれ、身体が芯から温まるとてもいい湯だ。
「大橋」は独特の大浴場を持っており、その魅力もたいへん高いけど、さんざん食って、さんざん飲んだあとは、部屋からさらりと風呂に入れる部屋露天はたいへん有難い。
美味しいものをたらふく食べ、美味しい酒をたくさん飲み、そして名湯の部屋露天に入って寛いでいると、これぞ至福の時、という気持ちになってくる。
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