平成25年の年越し@祖母山九合目小屋
大晦日はどこで過ごそうかと迷っていたけど、宮崎県山間部の元日の朝は晴れとの予報だったため、初日の出を祖母山山頂で迎えようと、九合目小屋に宿泊することにした。
今年の年末は大寒波が到来し、九州の高い山はどこも多量の雪が積もっているので、雪山も楽しめるであろう。
県道7号線、宮崎大分県境の尾平越トンネル。
ここまでは南側なので、道路には雪はなかったが、トンネルを越えると、そこから雪国となる。
尾平越トンネルを抜けると、全体が日陰になることもあり、雪道となる。
下り坂なので、徐行しながらゆっくりと下っていく。
雪道は、ただ雪が積もっている道なら走りやすいのだけど、この道路は中途半端に交通量があるので、轍が出来ており、そしてその轍が一部凍っていた。
凍り道ではスタッドレスタイヤがグリップせず、時々カーブで車が斜め方向のまま滑ったりして、なんとも非日常的な感覚を覚えながらのドライブとなる。そのまま制動が効かなければ、下手すれりゃガードレールにぶち当たると焦ったりする時もあったが、雪道にタイヤが乗ると制動は回復するので、滑る、グリップ、ハンドルを切る、とそういう感じのギャクシャクした運転を繰り返し、標高がそうとう下ったところで雪道脱出。
普段こういう道を走り慣れていない者には、スリルに満ちた道であった。
尾平登山口駐車場に着くと、駐車していた車は一台のみであった。
祖母山は、大晦日はけっこう人が多く登るはずだが、今年は例外的に少ないのだろうかと思ったが、…じつはそうでもなかった。
尾平から見る祖母山。
いいぐあいに雪が積もっている。
宮原コース、標高1000mくらいまでは、登山道に雪はなかった。
そして30日くらいから寒波が緩んでおり、気温は晩秋程度であって、冬装備で登っているためずいぶんと汗をかくはめになった。
標高1000mを越えると、さすがに雪が積もっていた。大気も冷たくなり、ようやく雪山らしい登山となる。
ここまで登れば、祖母山もだいぶ近づいてきた。
岩と氷と雪の峻厳たる世界。
標高1200mから雪が深くなり、アイゼン装着。サクサクと雪を踏みしめながらの登山。
宮原尾根を登りつめ、稜線へと到着。
縦走路、高度1500mを過ぎれば、樹々は凍りついており、白く美しい光景が続く。
切り立った岩場で、難所の馬の背も、雪が積もっているせいで、いつもよりは足場がよい。
ここまで来れば、九合目小屋もあと少し。
しばし歩くと、テント場で、今日は3張りのテントがあった。
本日の宿の九合目小屋である。
いつもは週末といえど人の少なき九合目小屋であるが、アケボノツツジと紅葉の時期、そして大晦日ばかりは多くの人が泊まる。今夜は30名ほどの人が宿泊していた。尾平駐車場の車の数からは計算があわないが、大半は北谷から登ってきたとのことであった。
なかは常連の人が主であり、最高齢者は87歳で、肉を担ぎあげて好き焼きで年越しパーティーをやっており、その元気には驚かされる。
私は単独行の人たちの卓に加わり、小屋番さんを交えて、歓談。
そのなかの若者は神原登山口から2時間半で登ってきたとのこと。冬の重装備で雪道をその時間とは、ただものではない。聞けば、トラレンが趣味であり、職業的にもとても鍛えこんでいる人なのであった。もう一人の女性は話をするうち、テントの鉄人Sさんということが判明。いつもはテント泊専門の登山者なのだが、今回は大晦日の九合目小屋の雰囲気を味わいとのことで、小屋泊にしたそうだ。
大晦日、世間は紅白でも見ながら蕎麦でも食って年を越すのであろうが、山小屋の夜は早い。
…早いといっても、それでも10時過ぎなのだが、明かりは消え、明日山頂の初日の出に備えることとなった。
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