祇園さか本@京都四条
秋の京都旅行の食事は、摘み草料理→創作和食→創作フレンチときたので、やはり最後は本格的な京料理で〆たい。
ということで、祇園白川のそばにある「祇園さか本」へと。
まずは京懐石らしく、白粥と食前酒でお出迎え。
八寸も懐石の本道で、シンプルそうで、じつは手のとてもかかったもの。
椀物は、丸吸い。
とても豊かな味で、かつ澄みきったもの。京都の出汁である。
造りは鯛のへぎ造りに、烏賊、それに雲丹味噌。
包丁の入れ方がじつに繊細であり、素材の良さをよく引き出している。
京都といえば、海老芋。それに、鶉のつみれ。
やさしい味の出汁で、ほっこりと炊かれていて、食べれば、口も胃もよろこぶ、そういう品。
鰆の杉板焼き。ほどよい火加減。杉の香りもまたよろしい。
祇園さか本は、京都で最も京都らしい風景が見られる白川沿いにある。桜の季節など、都を訪れ、ここを歩いたことのない人は珍しいであろう。
そして普段は白川沿いに歩きながら、さか本も眺めるわけであるが、今回はさか本からそちらのほうを眺める。風情ある風景であり、そして桜のころは素晴らしい風景が楽しめることであろう。
さか本の名物の「振り湯葉」。
大豆の味豊かな、まろやかな湯葉を食べ、そのあとの汁は出汁でといて、蕎麦湯ふうに飲めば、これもまた美味。
御飯はカリカリに揚げたジャコと、錦糸卵と細海苔の御飯。
全てがシャープな、箸をつけるのが勿体なくなるような、美しい御飯である。
デザートは今が旬の熟柿。
これがワインにあいそうなので、今まで冷酒だったのをワインに変えてみたら、ぴったりであった。
どの料理も、素材と調理がとてもよく調和していて、京料理の醍醐味をしっかりと味わうことができた。
やはり和食は京料理がよい、とあらためて認識した次第。
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Comments
「よねむら」といい、「さかもと」といい、あなたと天は少なくとも食については共通する道を歩んでいるようです。
あまりにも似たコースをたどっているので不思議でしょうがない。このような偶然性をかつてユングはシンクロニシティと呼んだ。
幸いにも幼少時の環境が著しく異なるため、
我々のアイデンティティは保たれているのでしょうが。。。
Posted by: 天ちゃん | November 14, 2013 08:45 PM
………………?
って、「よねむら」とか「さか本」は天ちゃん先生の好みからは、少々ズレていると思ってましたが。
天ちゃん先生だと、京都の店で、洋なら「イル・ギオットーネ」とか、和なら「緒方」とか「桜田」とか、ハリネズミみたいに鋭い針を突き付けてくる攻撃的な店が好みと思ってましたんで。
それはともかく、どちらの店もやんわりと寛げる、とてもよろしい店でありました。
Posted by: 湯平 | November 14, 2013 09:09 PM