祇園よねむら@京都市八坂
丹後からはいろいろな名所に立ちよったのちまた京都市に戻り、京都の寺院の夜景を楽しむ予定であったが、あいにくその日は終日雨であり、どこも立ちよることなくだらだらと運転し京都市へと着いた。
11月に入って、京都の有名寺院ではライトアップが始まる。
知恩院の大山門もライトで照らされ、黄金色に輝き荘厳な雰囲気である。
ただし、夜も雨が降っており、傘さして境内を歩く気にもならず、八坂神社方向へと向かって、本日の夕食の「祇園よねむら」へ。
「祇園よねむら」は、創作系のフランス料理で有名である「祇園おくむら」で修業したシェフが独立して開いた店で、入ってみれば店のつくりがそっくりである。料理の傾向もよく似ていたが、支店というわけではないらしい。
寒いなかを歩いて店に入ったのち、まずは温かいコンソメスープ。
旨みたっぷりでいながら、澄みきった、キレのあるスープ。この時点で、店のレベルの高さが分かる。
オードブルは、小さな料理がいくつも形よく、懐石八寸風にプレートに並べられている。
創作系和食と言われてもいいような感じであり、じっさいこの店の料理は和の要素がよく入っている。
さすが、京都の地のフレンチである。
自家製パンは見た目からして非常に美しい。
小麦粉の味と香りも濃厚で、食感もやわらかくてよろしい。
カニクリームコロッケとビーフシチュー。
洋食店風な料理であるが、味付けはとても繊細である。
甘鯛とホタテとイチジクに生ハムを乗せたもの。
少々サイズは大きめであるが、これはぜんぶいっぺんに一口で食べるのが最も美味しい食べ方。
個性強い素材が、甘さ、塩味、旨さを強調しながら、やはて口のなかでほどよく調和する。
伊勢海老とムール貝、牡蠣、松茸、茸類がどっさり入った贅沢なブイヤベース。
どの素材も出汁の味と香りが強いので、それらが重層的にあわさり、全体としてとても個性の強いブイヤベースのできあがり。
御凌ぎみたいな感じの料理。
蟹をのせた冷製パスタと、雲丹をあわせたもの。
雲丹をパスタにかけて、混ぜて食べれば、これもまた贅沢な秋の味覚が広がって来る。
地元の和牛のロティは、食べやすいサイズに切られ、山葵とともにいただく。
あっさりした肉質で、このコースのメインの〆としてよく合っている。
〆は、じゃこ御飯かカレーライスが選べる。
牛のあとはカレーはきついので、ここはじゃこ御飯で。
フレンチでじゃこ御飯というのも少々変だが、この店ではこれでいいのである。
デザートはグレープフレーツのゼリーにアイスクリームが乗ったもの。
デザートは別腹とはいうが、けっこうな量がありました。
フレンチというのはいろいろなスタイルがあるけれど、この店は和食のレベルが高い京都ならではの、和の良さをふんだんに取り入れた、京都スタイルといってよいような料理を出している。
こういう多彩で、繊細なフレンチは、和食を好む人にとって、とても受けるものだと思い、私もたいへん気にいった。
ところで、この店、オープンキッチンスタイルのカウンター内で多くの料理人が働いているのだけど、そのなかに一人だけ浮いていて、あやしい雰囲気をまとっている人がいたが、…店を出るときの挨拶で、その人が米村シェフというのが分かった。こういう人をカリスマシェフというのだろうな。
「フランス料理」カテゴリの記事
- 白トリュフの会をベルエポックで(2018.11.04)
- ビストロ プティポワ@神戸市兵庫駅(2018.11.02)
- フランス料理:レーヌデプレ@京都市上京区(2018.07.16)
- 弟31回青太マラソン & ワイン会(2017.12.10)
- フランス料理:ロマラン@薩摩川内(2017.11.25)
The comments to this entry are closed.
Comments