登山:涌蓋山
週末は台風が接近してきているので、山には行けないなあと思っていたが、台風は九州からそれる進路になっていた。予報では、日曜日は午前中は曇り時々雨、午後からは晴れ。風はけっこう強い、という登山には微妙なもの。
ならば手軽な山をだらだらと登ってみようと思い、登ったことはないが、一度は登ってみたいと思っていた涌蓋山に行ってみることにした。
涌蓋山は、厳しいところはなく、なだらかな稜線をゆったりと登って行く山として知られており、天候の予測が立てにくいときに登るには適した山であろう。
涌蓋山の登山コースはいろいろとあるのだが、筋湯温泉を周回するようなコースで行くことにした。
登山口からは少々傾斜がきつい道を行き、そして見晴らしのよい稜線に出る。
前方には涌蓋山が見えるはずだが、雲のなかだ。
登山道はいったん林道に出て、林道を歩くうちに鉄条網で遮られた。
ここは右に曲がって、丘の上を行く。
丘に登ると北側からの登山道と合流。
地図によれば、これからまっすぐ牧場に沿って進むはずだが、進むうち登山道は藪に覆われ、やがてもはや獣道とさえいえぬ廃道みたいなものに化してしまった。
湧蓋山みたいなメジャーな山でこんな登山道はありえない、どう考えても正規の登山道は左に見えている太い農道のはずなんだが、…しかしそこに下りようにもずっと有刺鉄線が張っており、また牛も放牧されていて、その一帯は個人の牧場のように思え、入っていくのはためらわれた。
まあ方向としては間違っていないし、迷うはずもない道なので、藪をかきわけそのまま進んでいった。
藪を抜けると、牧柵に。この柵から人は出入りでき、やはりそこの土道が正規の登山道であったことが判明。
涌蓋山へ取り付いてからは傾斜は強くなる。そこを登って行くと、最初の小ピークの女岳に出た。涌蓋山は、やはり見えない。
霧で視界が利かないなか、どこが山頂だろうと思いながら登って行くと、やがて多くの人の声が聞こえだし、ひょこっと山頂に到着。
涌蓋山は独立峰なので、ここからは何も邪魔するもののない360度の雄大な景色が楽しめるはずだったが、まったく視界はきかず、残念。
こういう登山には向いていない天候でも、登山者は多い。
私が登頂してしばらくして、30人ほどのツアー客がいっせいに下って行った。
涌蓋山は山頂付近にたくさんのマツムシソウが生えていて、ちょうど開花の時期であった。
この花は、独特の面白い形をした花である。
下山コースは、みそこぶし山を通るルートにした。
みそこぶし山は涌蓋山より標高が300mほど低いので、雲には覆われていない。
みそこぶし山に登れば、なかなかの景色が広がっていた。
向いに見える四角錐形の山が一目山。あそこを通って、下山するわけだが、けっこうな距離がありますな。
台風が太平洋上を通っている日だったので、風は終日強かった。
その強風に煽られて、斜面一面のススキがまるで波打つがごとく、靡いていた。
それは波濤にも似て、ススキの海とでも言いたくなる、印象的な風景であった。
ススキはずっと風に吹かれ続け、ススキの靡くなかを歩いていく。
一目山が大きく見えてくれば、登山口は近い。
一目山に沿った舗装道を歩き、登山口へ。
ここからは県道40号線を1kmほど歩いて、最初の疥癬湯登山口へと戻った。
登山のあとの楽しみは、まずは温泉。
涌蓋山周囲は九州でも有数の、たくさんの温泉が出るところである。
今回は山川温泉へと。
広々とした大浴場で、ゆったりと体を伸ばし、登山の疲れを癒そう。
「登山」カテゴリの記事
- 森の貴婦人に会いに行ってひどい目にあった話(2020.06.27)
- 令和2年5月 宮崎のアケボノツツジ(2020.05.10)
- 地球温暖化を実感する @冠山~寂地山登山(2020.02.23)
- アクロス山に登ってみる@福岡市(2019.11.16)
- 滝で涼みに日向冠岳へ(2019.07.06)
The comments to this entry are closed.
Comments