レ・ミゼラブル感想:エポニーヌ(2)日本人がエポニーヌを演じる利点など
エポニーヌは舞台女優なら誰でもやりたいと願う名役であり、多くの女優によって演じられ、それは検索すればいくらでもその動画を見ることができる。
ただそれらを見ると、私はけっこう違和感を感じることが多い。
原作のエポニーヌって、極貧の食うや食わずやの生活をしているため、栄養失調で発育不良なのであり、小柄で痩せこけた少女である。しかし、エポニーヌを演じる役者は現代人だからしようがないにせよ、とくに外国の女優などは体格のいい人が多く、その姿からは、エポニーヌの哀れさが伝わってこない。
私にとってエポニーヌの登場シーンで一番泣けるところは、片思いの悲しさを切々と歌う「オンマイオウン」でも、マリウスに抱かれ息をひきとる「恵みの雨」でもなく、テナルディエ一派によるジャンバルジャン邸襲撃の「プリュメ街の襲撃」である。
ジャン・バルジャン邸の裏庭でコゼットとマリウスが逢引しているところ、エポニーヌの父親テナルディエと悪党一派が、強盗しに押し寄せて来る。二人の愛が成就するかどうか大事なところなのに、ここで家に押し入られては滅茶苦茶になってしまう。エポニーヌは扉の前に立ちはだかり、こんな家に入ってもしょうがないよと言い、必死に防ごうとする。しかしテナルディエは邪魔するな、とエポニーヌを容易に押し倒す。
ここの場面は、エポニーヌは原作とおりに小柄で華奢な娘でないと、エポニーヌの健気さ懸命さが、最大限には伝わらない。動画で見られる、体格のしっかりした女優が扉の前に立ったりすると、妙な迫力があって、どうにもしっくりこない。
それゆえ、エポニーヌ役は日本人が演じるメリットのずいぶんとある役に思えた。
日本人ってどうやっても外国人には体格では負けるのだが、そのぶん華奢な体格が普通ゆえ、エポニーヌはどの人がやっても、いかにもエポニーヌという感じになり舞台で自然である。
それで、エポニーヌが最初登場したとき、その姿を見て安心感を覚えた。
私の観た舞台では、エポニーヌは平野綾さんが演じていた。
彼女はエポニーヌ役にしては少々美人すぎるような気がしないでもないが、ただし「エポニーヌは不器量な娘である」との思いこみは、あくまでもミュージカル限定のものである。エポニーヌは歌唱力が要される役なので、配役には容姿よりも歌唱力が優先されるため、その手の俳優が選ばれることが多かったからそういう認識が出来上がってしまったのだけれども、しかし原作には、「エポニーヌは身なりはみすぼらしいけど、美しい娘である」とちゃんと書かれており、というわけで原作準拠のエポニーヌであったといえる。
その平野綾さんの演技は、エポニーヌそのものが乗り移ったような熱演であり、どのシーンでもテンション高く、劇をぐいぐいと引っ張っていた。バリケードでの死の場面でも、じつに迫真的な死にかたであった。銃弾で胸を貫かれたのなら、このように苦しんで死ぬんだろうなと誰にも思わせる悶えぶり、そこでの歌詞が「痛くない、つらくない」というんだから、余計に悲しい。
また先に述べた「プリュメ街の襲撃」での歌唱も上手かった。
エポニーヌは父親たちに、「この家は老人と娘が普通の暮らしをしているだけで、金などない」と言う。この台詞、オリジナルでは「just the old man and the girl. They live ordinary lives」である。このgirlとはもちろんコゼットのことであり、憎い恋敵でありながら現在懸命に守っている対象なのでもあり、非常に複雑な感情をエポニーヌは抱いているわけで、ここのgirlという言葉の歌唱はその感情を込めて歌わねばならず、歌い手にとってはとても難しく、しかし歌い甲斐のあるところである。
日本語版では、「爺さんと娘、ケチな暮らしさ」という歌詞になっているけど、やはりここでの「娘」の歌いかたは大事なポイントとなっており、そして上手くこなせていたと思った。
【Résumé(まとめ)】
Éponine qui joe la rôle importante de les misérables est petite femme dans le original.
Mais quand il est joué à l’autre pays, une actrice de grande physique joue souvent elle.Je me sens mal à ça.
Mais Éponine est joué par la actrice japonaise dans japon. Japonaise est ordinairement petite, nous pouvons voir elles qui ont atmosphère resemblé la Éponine originale.
……………………………………
ついでながら「プリュメ街の攻撃」でのオリジナルのgirlの歌い方、やはりレア・サロンガのものが傑出している。この人、超絶的に上手い歌手である。
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