オーベルジュ ア・マ・ファソン@九重
九重のミヤマキリシマを楽しんだのち、長者原から瀬の本高原方面へと車を走らせ、本日の宿「オーベルジュ:ア・マ・ファソン」へと。
ここは、熊本市内で有名レストランを営業していたシェフが、理想の立地で店をやりたいとの意志で、自然豊かで風光明媚な地、九重に移転して、地元の新鮮な素材をふんだんに使いながら腕をふるっている、「オーベルジュの見本」のような料理宿である。
緑あふれる宿正面には、ヤマボウシが満開であった。…写真には写っていないが。
宿敷地全体では、紅葉するような樹々が多く植えられており、秋に来るとさぞかし見事な景色になっていると思われる。
部屋は山小屋風の雰囲気。
外は瀬の本高原に面しており、その奥には阿蘇五岳が聳えているわけで、晴天のときは素晴らしい眺めが広がっているはずである。
ベランダには寝椅子も置かれ、涼しい風を受けながら、雄大な景色をめでながら寛ぐと大変良い気分になれるであろうが、…梅雨時だけあって、視界は霧に覆われているのであった。残念。
夕食はコース料理。
前菜は、ズワイ蟹のサラダ仕立て。
採れたての、香りと甘みの豊かな野菜に、茹で卵と、それにズワイ蟹。
ズワイ蟹はべつに出さなくとも、と思わぬこともないが、色とりどりの野菜と、それに卵の色のバランスが、絵画的でうつくしい。
車海老、蛤、鯛、と海の幸を使ってのコンソメスープ。
このコンソメスープがとても濃厚なもの。それが、香りの個性的な海の幸と、互いに喧嘩しながら調和しているような、ユニークな一品である。
ホタテ貝を使ってのミラノ風料理。パスタはタッリアテッレを使って。それにオマール海老を添えて。
野菜はオクラにトマトにパブリカなど。
ミラノ風というより、創作系フランス料理っぽいけど、それぞれの料理と素材の個性が強く、複雑で、豊かな味と香りを楽しめる。
そして、シェフの料理の特徴と思うけど、皿全体としての色彩が整っており、やはり絵画的なうつくしさがある。
和牛フィレ肉のグリルとブルーベリーのフランベ。
野菜はオクラ、アスパラ、ソラマメ、トマト、パブリカ。
牛の火の入れ方もよいが、野菜の火の入れ方も上手であり、素材の良さがじつにうまく感じることができる。
プチトマトのコンポートと塩アイスクリームのガトー仕立て。
今までのコースはけっこうな量があり、お腹いっぱいとなっていたが、デザートは別腹ということで、おいしくいただけました。
シェフは料理の途中で挨拶に来られましたが、いかにも美味しい料理を作るのが大好きだという、料理の熱血漢といった印象を強く感じるかたであった。
まあ、そういう人じゃないと、人里離れた地にオーベルジュは建てないでしょうな。
朝食は、和食と洋食を選べるが、この雰囲気のなかでは当然洋食を。
飲み物はジャージー牛乳と、マンゴーとグレープフレーツのジュースを2種。
野菜サラダに、ヨーグルト、かぼちゃスープ。
卵料理は、オムレツ、スクランブルエッグ、茹で卵、目玉焼きから選べる。
オムレツはふわふわの焼き加減。
ちなみに、ノンアルコールワインというのを初めて飲んでみたが、…これって葡萄ジュースだよなあ。
九重の山麓、筋湯への曲がり角にあるこの一角は、有名なケーキ店や、美術館、高級旅館の界「ASO」、スパなどが立ち並ぶ高原リゾートとなっている。
ア・マ・ファソンで、美味しい料理を食べ、部屋で寛いだり、周囲を散策しながら時を過ごせば、とても充実した高原の一日となろう。
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