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June 2013の記事

June 24, 2013

イタリアワインと和食・鮨のコラボ@光洋

 関東に「ヴィナイオータ」という、マニアックなイタリアワインを輸入している酒店があり、その手のワインの紹介を兼ねた、「ヴィナイオータ」開店15周年記念イベントが、光洋で開かれたので行ってみた。

【前菜】
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 ごま豆腐の雲丹乗せと蛸の柔らか煮。
 ワインは微発泡の白。生酒みたいな雰囲気の面白いワインであった。

【握り一貫】
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 「前菜その2」という感じで、光洋のスペシャリテとなっている金目鯛の松前漬け。
 金目鯛は抜群の素材を10日間寝かせたもので、旨み成分濃厚。
 そしてこれには、イタリアワインでなく、定番のゲヴェルツトラミネールのアルザスワイン。
 この組み合わせはたいへん良いと思う。

【椀】
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 冬瓜と白ズイキ アワビと車海老の吉野餡。
 純粋な「和」である椀料理に合わせるワインは、ワイン造りの天才であるパウロ・ヴォドビーヴェッツ氏によるヴィトフスカ2007。
 パウロ氏がいかに天才であるかについての、大田社長の熱い説明あり。ついでに社長持論による「天才とは何か」の説明もあって、…要は、天才もワインも紆余曲折を経て熟成成長するとのことであり、ワインを追い続けた人にしか解らぬところもある含蓄深い話であった。

【焼き物】
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 焼物は、カリスマ漁師である村さんの獲ったスズキの塩焼き。
 よく手入れされたスズキに上手に火が入れられ、尋常ではない身のほっこり加減がよろしい。
 ワインは、これもパウロ氏によるヴィトフスカ・アンフォラ2006。
 大田社長の説明によれば、パウロ氏の凄さは、自分の造ろうとしているワインの姿をはっきりとデザインして、そしてその通りに造り上げるところだそうだ。そして、ワインというものは、葡萄品種や畑ではなく、何よりも造り手によって評価されるべきものであり、「○○が造った」ということがまず一番重要だそうだ。
 パウロ氏の、凝りに凝ったワインの製造法を聞き、この個性あるワインを飲むと、たしかにそれは納得してしまう。

【煮物】
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 真鯛の煮漬けは、洋風の味付けを少々用いて、赤ワインにあうように工夫されていた。
 ヴァルポリチェッラ・ターゾ2009と2004。香り良く、飲みやすいワインである。

【握り】
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 握りは10貫ほど。ワインは4種類くらいを個人の好みにあわせて。
 今回は煮きり、煮ツメとも強めの印象があったが、マグロ、鮭、穴子といったところは、味わいが豊かなこともあり、ワインがけっこう合う鮨だったと思う。

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 やはり問題はヒカリモノ系、それに白身系か。
 コハダはいつもより、強めに塩と酢が利いており、純江戸前スタイル。
 こうなると鮨自体の個性が強く、ならば、辛口の日本酒で飲みたいなあ~と、やはり思ってしまう。

 鮨にワインを合わせることは、今は当たり前に近くなってきているが、江戸前スタイルで仕上げた鮨とワインのマリアージュは、うまくいけば絶品になるはずであり、試行錯誤の末に面白いものがあるのは違いなく、これからの楽しみになりそうである。

 食の世界は幅広く、奥深い。
 マニアックで美味しいイタリアワインに、それに負けじと対抗した光洋の料理、とても楽しい会であった。

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June 11, 2013

ふじ木@宮崎市で、今年の初鮎

 6月になり、鮎が解禁である。
 今シーズン初の鮎の塩焼きをふじ木で食おうとの集いがあり、参加。
 鮎のフルコースみたいな組立てかなと思っていたけど、今の季節の美味いもの尽くしであった。

【山菜】
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 九州ではほぼ終わったが、東北は今が山菜の旬の時期。
 東北からの山菜のお浸し。ツワブキ、ワラビ、シオデ、ミズナなど。
 シオデはアスパラガスそっくりの風味なのが面白い。

【アワビ水貝、蓴菜】
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 アワビは素材が最も伝わる水貝で。美味しいが、顎の疲れる料理だ。
 蓴菜の若芽はまだ小さなもので、まわりのプリプリの寒天質が、より存在感あり。これを土佐酢と一緒に味わえば、さらに美味。

【造り】
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 造りは、南九州名物のシブダイ。
 刺身にすると上品な甘みと旨みで、トップクラスの魚であるが、希少な魚ゆえなかなか口にする機会はない。

【鮎塩焼き】
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 そして出ました、今年初の鮎の塩焼き。
 宮崎市ゆえ大淀川の鮎かと思いきや、地元ではいい鮎が上がらなかったらしく、これは球磨川のもの。
 解禁明けすぐなのに、サイズは立派なものである。
 焼き方も上手であり、見事な黄金色に焼き上がっている。
 皮をぱちんと開けば、爽やかな川の香りが立ちのぼる。

【スッポン】
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 今回のメインはじつはスッポン。
 たまたまいい天然スッポンが入ったとのことで、このあとはスッポン尽くしへと。

【唐揚げ】
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 スッポンの身の弾力を味わうには、やはり唐揚げは外せない。
 こりこり、もちもちの身の食感に、そして濃厚なるスッポンの味がすばらしい。

【丸鍋】
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 すでに鍋の時期は過ぎているはずだが、スッポンは鍋がないとどうにもならない。
 ゼラチンたっぷりの食感と、身の美味さ、それにスッポンのスープ。
 これはたまらない。

【雑炊】
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 〆は、スッポンの雑炊で。
 雑炊は蟹が一番とか、河豚が一番とか、いろいろ意見はあるでしょうけど、こういうスッポンの雑炊を食えば、今までの記憶は吹っ飛び、雑炊はスッポンが一番、とか思ってしまう。


 山菜、シブダイ、鮎、スッポン。
 本日はいろいろなところからの素材を仕入れての、華やかな春の宴であった。

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June 09, 2013

オーベルジュ ア・マ・ファソン@九重

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 九重のミヤマキリシマを楽しんだのち、長者原から瀬の本高原方面へと車を走らせ、本日の宿「オーベルジュ:ア・マ・ファソン」へと。
 ここは、熊本市内で有名レストランを営業していたシェフが、理想の立地で店をやりたいとの意志で、自然豊かで風光明媚な地、九重に移転して、地元の新鮮な素材をふんだんに使いながら腕をふるっている、「オーベルジュの見本」のような料理宿である。

【宿正面】
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 緑あふれる宿正面には、ヤマボウシが満開であった。…写真には写っていないが。
 宿敷地全体では、紅葉するような樹々が多く植えられており、秋に来るとさぞかし見事な景色になっていると思われる。

【部屋】
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 部屋は山小屋風の雰囲気。
 外は瀬の本高原に面しており、その奥には阿蘇五岳が聳えているわけで、晴天のときは素晴らしい眺めが広がっているはずである。

【外風景】
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 ベランダには寝椅子も置かれ、涼しい風を受けながら、雄大な景色をめでながら寛ぐと大変良い気分になれるであろうが、…梅雨時だけあって、視界は霧に覆われているのであった。残念。


 夕食はコース料理。

【前菜】
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 前菜は、ズワイ蟹のサラダ仕立て。
 採れたての、香りと甘みの豊かな野菜に、茹で卵と、それにズワイ蟹。
 ズワイ蟹はべつに出さなくとも、と思わぬこともないが、色とりどりの野菜と、それに卵の色のバランスが、絵画的でうつくしい。

【コンソメスープ】
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 車海老、蛤、鯛、と海の幸を使ってのコンソメスープ。
 このコンソメスープがとても濃厚なもの。それが、香りの個性的な海の幸と、互いに喧嘩しながら調和しているような、ユニークな一品である。

【魚料理】
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 ホタテ貝を使ってのミラノ風料理。パスタはタッリアテッレを使って。それにオマール海老を添えて。
 野菜はオクラにトマトにパブリカなど。
 ミラノ風というより、創作系フランス料理っぽいけど、それぞれの料理と素材の個性が強く、複雑で、豊かな味と香りを楽しめる。
 そして、シェフの料理の特徴と思うけど、皿全体としての色彩が整っており、やはり絵画的なうつくしさがある。

【肉料理】
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 和牛フィレ肉のグリルとブルーベリーのフランベ。
 野菜はオクラ、アスパラ、ソラマメ、トマト、パブリカ。
 牛の火の入れ方もよいが、野菜の火の入れ方も上手であり、素材の良さがじつにうまく感じることができる。

【デザート】
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 プチトマトのコンポートと塩アイスクリームのガトー仕立て。
 今までのコースはけっこうな量があり、お腹いっぱいとなっていたが、デザートは別腹ということで、おいしくいただけました。


 シェフは料理の途中で挨拶に来られましたが、いかにも美味しい料理を作るのが大好きだという、料理の熱血漢といった印象を強く感じるかたであった。
 まあ、そういう人じゃないと、人里離れた地にオーベルジュは建てないでしょうな。

【朝食】
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 朝食は、和食と洋食を選べるが、この雰囲気のなかでは当然洋食を。
 飲み物はジャージー牛乳と、マンゴーとグレープフレーツのジュースを2種。
 野菜サラダに、ヨーグルト、かぼちゃスープ。

【朝食:オムレツ】
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 卵料理は、オムレツ、スクランブルエッグ、茹で卵、目玉焼きから選べる。
 オムレツはふわふわの焼き加減。
 ちなみに、ノンアルコールワインというのを初めて飲んでみたが、…これって葡萄ジュースだよなあ。


 九重の山麓、筋湯への曲がり角にあるこの一角は、有名なケーキ店や、美術館、高級旅館の界「ASO」、スパなどが立ち並ぶ高原リゾートとなっている。
 ア・マ・ファソンで、美味しい料理を食べ、部屋で寛いだり、周囲を散策しながら時を過ごせば、とても充実した高原の一日となろう。

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June 08, 2013

九重のミヤマキリシマ(大船~北大船~平治岳)@平成25年春

 6月定番、九州が誇る美しい風景、ミヤマリシマの咲き乱れる九重を訪れた。
 世界でもここしかないミヤマキリシマの大群落の開花の時期、この山域を訪れる人は多く、1~2万人の人たちが入って来る。
 それゆえ、駐車場は満杯、登山道も人だらけであり、お祭りみたいな登山となる。

【雨ヶ池へ】
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 長者原からまずは坊がつるへと向かう。
 登山道は、この時期名物の渋滞であり、50人くらいの列に入りゆっくりと登って行く。
 そのうち後ろから来た一人の若い男性が、「すみませ~ん、すみませ~ん」と言いながら、強引に人をかきわけ登って行った。私もついそれに便乗して、後ろをついて行ったら、いいペースで渋滞から脱出できた。すると、その男性は立ち止まり、木に寄りかかって、ぜ~ぜ~息を荒げて、「さ、さきに行ってください」と私に言ってきた。…なんなんだ、いったい。

【雨ヶ池】
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 雨ヶ池に着けば、ここから大船、平治岳の展望が広がる。
 平治岳はミヤマキリシマが花開き、ピンクの帽子をかぶったように、ピンク色に染まっている。

【大船山 段原】
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 坊がつるから、まずは大船山へと登る。
 稜線に出たところが、段原。
 このあたりはミヤマキリシマの咲ぐあいは良いけど、大船山の山肌はもうだいぶ散っているようであった。

【大船山山頂から】
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 とりあえず大船山には登らないと落ち着かないので山頂に登ってみた。
 段原方向を観れば、段原火口縁から平治岳にかけての稜線が、見事にピンクに染まっている。

【北大船山から】
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 大船山山頂からはまた段原に戻り、北大船山へと登って行く。
 北大船山の稜線で、ミヤマキシリマとともに、久住岳、中岳を眺める。

【北大船山稜線】
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 北大船山の稜線はミヤマキリシマに覆われており、花の時期さえぴったりあえば、ピンクの絨毯を歩くがごとき登山道となる。
 遠目には満開と思えたのだが、近寄れば、盛りは過ぎ、色はやや褪せていた。
 それでも、やはりこの美しさは格別のもの。

【平治岳】
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 北大船山からの登山道が下りになるころ、正面に平治岳が見える。
 登山道から山頂にかけてのミヤマキリシマがきれいだ。

【イワカガミ】
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 ミヤマキリシマの時期は、九重ではイワカガミも咲いている。
 だいたいは雨ヶ池で咲いているのだが、なぜか雨ヶ池では見つからず、ここで初めて見ることになった。
 繊細な美しさをもつ、可憐な花である。

【登山道】
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 九重はどこも登山道はよく整備されているけど、北大船山から大戸越えまでの道は、落石の巣みたいなところで、苦手である。
 登山者が少ない道なのではあるが、人が入っているときは、岩がよく転がって来るので注意が必要。

【大戸越え】
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 大戸越えまで下りたところ、モータパラグライダーが気持ちよさそうに空を舞っていた。
 すぐ上空からの平治岳の眺めは、さぞかし素晴らしいものであろう。

【平治岳南峰】
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 平治岳へと登り、南峰へ到着。
 ミヤマキリシマの時期の平治岳は、この構図の写真が定番。
 「山」の字の形をした三俣岳、坊がつる、それに南峰の岩峰が、構図としてじつにうまく決まっている。そして、これに平治岳斜面のミヤマキリシマが満開であったら、絶景なのであるが、…残念ながら花のつきは5分くらいであった。

【平治岳本峰】
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 本峰のほうも、花のつきは5分くらい。
 それでも、ここまでピンクに染まるわけであって、平治岳のミヤマキリシマの密度の濃さを物語っている。

 ミヤマキリシマの眺めを十分に堪能して、平治岳を下山。

【坊がつる】
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 坊がつるへと下りれば、午前中よりもさらにテントの数が増え、色とりどりのテントが所狭しと並んでいる。
 これもこの時期ならではの、九重の華やかさである。

【雨ヶ池】
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 坊がつるからは、雨ヶ池経由で長者原へと戻った。
 雨ヶ池では、50人ほどのグループがいて渋滞中。ミヤマキリシマの季節は、県外から大型バスに乗った一団の登山者が訪れるので、このようなグループがいくつも存在している。
 このグループのあとをだらだらと歩いていると、後方の人が「先行きますか?」と聞いてきたので、「じゃあ、先行きます」と言って追い抜いたら、追い抜かれた人が前方の人に「特急さん、通りま~す」と声をかけ、前方の人がよけてくれた。その人を追い抜くと、また追い抜かれた人が「特急さん、通りま~す」と声をかけ、トコロテン方式で50人ほどを追い抜いたのだが、…これって初めて経験したけど、面白い方法ですな。
 しかし、これは下りだったから良かったけど、登りじゃ相当きついな~などとも考えた。


 6月梅雨時の九重、ミヤマキシリマの時期で週末なんとか天気が持ったのはこの日だけだったようで、幸運であった。
 次に九重に来るのは秋の紅葉の時期だろうけど、そのときも天気が良いことを期待。

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June 02, 2013

久留米おいしい一泊二日

 久留米市は天神から急行で30分ほどの位置にあり、けっこう福岡市に近い。
 福岡マリンメッセでイモータルを観たのちは、久留米へと西鉄で移動し、寿司店「鮨よし田」で夕食。

 「鮨よし田」店主はもとは地元の老舗寿司店で働いていたのだが、10年ほど前に独立し開業。江戸前の手法を取り入れた新機軸の鮨を握ろうと、江戸前寿司店、さらに福岡の名店の鮨を参考にして、独自の鮨を久留米の地で出すことにした。
 始めのころはいろいろと試行錯誤していたそうである。ある時、久留米で江戸前鮨を握ろうとして苦心している若者がいるという話を聞いて、安春計の店主が客として店を訪れ、あれこれ話すうち、興ののった安春計店主はカウンターを乗り越え、直接握りを指導した、なんて話もある。こういうのは、「押しかけ弟子」ならぬ、「押しかけ師匠」というのかな。今も師弟関係は続き、柳橋の仕入れなどでもいろいろ指導を受けているそうである。

 本日はお任せにて。
 お任せは、酒によく合う肴が4~5点と、それから握りが10点ほど。

【鱧】
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 鱧は上手に包丁が入れられ、よい加減の歯ごたえである。

【コハダ】
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 コハダはしっかり酢と塩の利いた、純江戸前スタイル。

【鯵】
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 脂のよくのった鯵。

 鮨種は仕事が一工夫、二工夫され、複雑な味わいであり、これに旨みの強い赤酢のシャリがよくあっている。

 以前は新進気鋭の若い店主の店、という感じであったが、店主もすっかり貫禄がついてきて、この店も久留米の名店というより、福岡の名店といえる立派な存在となっている。
 寿司の実力店を掲載することで定評のある月刊誌「家庭画報」にも最新号でこの店が取りあげられており、カウンターではその話題がよく出ていて、主人がてれておりました。


 翌日は「石橋美術館」。
 「石橋美術館」という、ここを訪れるためだけでも久留米市を訪れる価値のある施設であり、また訪れる人も多い。
 美術館収蔵の絵画は当然素晴らしいが、四季折々に花を咲かせる庭園も見事なものである。

【薔薇園】
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 美術館正面は、薔薇と噴水でお出迎え。
 薔薇の季節はもう終わりかけていたが、それでも豪奢な眺めである。

【菖蒲】
2jardin

 梅雨の季節といえば、菖蒲の花。
 雨に濡れる菖蒲はこの季節の風物詩。

【水連】
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 蓮の花もぽつぽつと咲いていた。
 もう少し花開き、陽光の射す季節となれば、印象派風の景色が楽しめそう。

【クチナシ】
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 庭園を歩いていると、濃厚な甘い香りが漂ってきた。
 目をやれば、白いクチナシの花が満開である。あまりに濃く、花の香りに酔ってしまいそうな豊潤な香りであった。


 石橋美術館、庭園を歩き、美術館の絵画を鑑賞したのちは、昼食をサーラ・カリーナで、コース料理。
 サーラ・カリーナは久留米を代表する老舗イタリアンレストランである。
 コース料理のなかから、この店の定番料理をいくつか紹介。

【ミネストローネスープ】
5lunch

 新鮮な野菜と、豆のたっぷり入ったミネストローネスープ。
 トマトの旨みと、それに穏やかな酸味のバランスもよく、完成度の高い一品。

【パスタ】
6lunch

 パスタはポロネーゼ。
 蛸ミンチを使ったユニークなもので、アルデンテの麺と歯ごたえがうまく調和している。
 ソースの味加減も、繊細なものである。

【肉料理】
7lunch

 メインの肉料理は、骨付仔羊のグリル焼。
 キノコ、香草ともにじっくりと焼き上げられ、香り、味とも豊かに仕上がっている。


 サーラ・カリーナはこちらが本家なのであるが、今は福岡のサーラ・カリーナのほうが本店扱いになっているようである。
 福岡店は創作系のイタリアンに傾いているけど、久留米店はいかにも老舗レストランらしい伝統的な、落ち着いたイタリアンである。
 どちらのサーラ・カリーナもそれぞれ個性があり、そして美味。


 久留米市の美味しい一泊二日を堪能してきました。

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June 01, 2013

マイケル ジャクソン:ザ・イモータル・ワールドツアー@福岡2013年

Michel

 シルクドソレイユが、マイケル・ジャクソンの歌に合わせてパフォーマンスを行う、「ザ・イモータル」。シルクドソレイユとマイケル・ジャクソン両方のファンにとっては、一回で両方とも楽しめるというお得なステージである。
 ただし、1+1が常に2以上のものになるかといえば、案外そうでないことも多く、今回はどうなることであろう。

 ステージ開始。マイケル・ジャクソン風のダンスから始まるが、ダンサーのムーンウォークが全くムーンウォークになっていないのにずっこける。そして、マイケルのアップテンポな曲にあわせて踊り出すのだが、どうにも踊りに切れがないし、シンクロがなってないし、…シルクロソレイユ、ダンスユニットとしては微妙だなあ。
 もしこのダンサーたちが、マイケルのバックダンサーをやってたら、あの完璧主義のマイケル・ジャクソンならキレるだろうな、というレベル。

 それでも、シルクドソレイユの得意技である、鍛え上げられた肉体を使ってのパフォーマンスは、やはり見事なものである。世にダンスの上手いダンサーは数多くあれど、ここまで身体が柔軟に動き、高く跳躍でき、絶妙のバランスで身体を支えられるダンサーはシルクドソレイユ以外どこにもいないだろう、と感心してしまうほど。
 とりわけ圧巻だったのが、screamに合わせての新体操風ダンス。これはさすがに見事にシンクロしており、高い跳躍力も、タイミングも全てが完璧。マイケルの音楽と、シルクドソレイユの超絶的な肉体パフォーマンスの素晴らしい融合であった。

 シルクドソレイユの普段の舞台は、瞑想的、思索的なところがあり、激しい演技のなかにも、静かに思考を強いるようなところがあるけど、「ザ・イモータル」は、初めから終わりまでマイケルのリズミカルな音楽に合わせて、踊りまくり、演技しまくっていて、そしてその姿は、彼らが本当にマイケル・ジャクソンが好きで、彼の音楽に合わせて踊り、パフォーマンスすることが楽しくてたまらないという、弾けるような喜びを感じさせるものであった。

 シルクドソレイユの新しい一面を知ることが出来たステージであった。
 まあ、ダンスには少々不満はあったが、シルクドソレイユでしか見られない超人的なパフォーマンスが、よく知っているマイケルの曲にあわせて、2時間濃密に演じられたステージは、やはり大いに見るべき価値のあるものであった。


 「ザ・イモータル・ワールドツアー」 公式サイト

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