九重のミヤマキリシマ(大船~北大船~平治岳)@平成25年春
6月定番、九州が誇る美しい風景、ミヤマリシマの咲き乱れる九重を訪れた。
世界でもここしかないミヤマキリシマの大群落の開花の時期、この山域を訪れる人は多く、1~2万人の人たちが入って来る。
それゆえ、駐車場は満杯、登山道も人だらけであり、お祭りみたいな登山となる。
長者原からまずは坊がつるへと向かう。
登山道は、この時期名物の渋滞であり、50人くらいの列に入りゆっくりと登って行く。
そのうち後ろから来た一人の若い男性が、「すみませ~ん、すみませ~ん」と言いながら、強引に人をかきわけ登って行った。私もついそれに便乗して、後ろをついて行ったら、いいペースで渋滞から脱出できた。すると、その男性は立ち止まり、木に寄りかかって、ぜ~ぜ~息を荒げて、「さ、さきに行ってください」と私に言ってきた。…なんなんだ、いったい。
雨ヶ池に着けば、ここから大船、平治岳の展望が広がる。
平治岳はミヤマキリシマが花開き、ピンクの帽子をかぶったように、ピンク色に染まっている。
坊がつるから、まずは大船山へと登る。
稜線に出たところが、段原。
このあたりはミヤマキリシマの咲ぐあいは良いけど、大船山の山肌はもうだいぶ散っているようであった。
とりあえず大船山には登らないと落ち着かないので山頂に登ってみた。
段原方向を観れば、段原火口縁から平治岳にかけての稜線が、見事にピンクに染まっている。
大船山山頂からはまた段原に戻り、北大船山へと登って行く。
北大船山の稜線で、ミヤマキシリマとともに、久住岳、中岳を眺める。
北大船山の稜線はミヤマキリシマに覆われており、花の時期さえぴったりあえば、ピンクの絨毯を歩くがごとき登山道となる。
遠目には満開と思えたのだが、近寄れば、盛りは過ぎ、色はやや褪せていた。
それでも、やはりこの美しさは格別のもの。
北大船山からの登山道が下りになるころ、正面に平治岳が見える。
登山道から山頂にかけてのミヤマキリシマがきれいだ。
ミヤマキリシマの時期は、九重ではイワカガミも咲いている。
だいたいは雨ヶ池で咲いているのだが、なぜか雨ヶ池では見つからず、ここで初めて見ることになった。
繊細な美しさをもつ、可憐な花である。
九重はどこも登山道はよく整備されているけど、北大船山から大戸越えまでの道は、落石の巣みたいなところで、苦手である。
登山者が少ない道なのではあるが、人が入っているときは、岩がよく転がって来るので注意が必要。
大戸越えまで下りたところ、モータパラグライダーが気持ちよさそうに空を舞っていた。
すぐ上空からの平治岳の眺めは、さぞかし素晴らしいものであろう。
平治岳へと登り、南峰へ到着。
ミヤマキリシマの時期の平治岳は、この構図の写真が定番。
「山」の字の形をした三俣岳、坊がつる、それに南峰の岩峰が、構図としてじつにうまく決まっている。そして、これに平治岳斜面のミヤマキリシマが満開であったら、絶景なのであるが、…残念ながら花のつきは5分くらいであった。
本峰のほうも、花のつきは5分くらい。
それでも、ここまでピンクに染まるわけであって、平治岳のミヤマキリシマの密度の濃さを物語っている。
ミヤマキリシマの眺めを十分に堪能して、平治岳を下山。
坊がつるへと下りれば、午前中よりもさらにテントの数が増え、色とりどりのテントが所狭しと並んでいる。
これもこの時期ならではの、九重の華やかさである。
坊がつるからは、雨ヶ池経由で長者原へと戻った。
雨ヶ池では、50人ほどのグループがいて渋滞中。ミヤマキリシマの季節は、県外から大型バスに乗った一団の登山者が訪れるので、このようなグループがいくつも存在している。
このグループのあとをだらだらと歩いていると、後方の人が「先行きますか?」と聞いてきたので、「じゃあ、先行きます」と言って追い抜いたら、追い抜かれた人が前方の人に「特急さん、通りま~す」と声をかけ、前方の人がよけてくれた。その人を追い抜くと、また追い抜かれた人が「特急さん、通りま~す」と声をかけ、トコロテン方式で50人ほどを追い抜いたのだが、…これって初めて経験したけど、面白い方法ですな。
しかし、これは下りだったから良かったけど、登りじゃ相当きついな~などとも考えた。
6月梅雨時の九重、ミヤマキシリマの時期で週末なんとか天気が持ったのはこの日だけだったようで、幸運であった。
次に九重に来るのは秋の紅葉の時期だろうけど、そのときも天気が良いことを期待。
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