登山:剣山@四国徳島
四国、二日目の登山は剣山である。
剣山は標高1955m、石鎚山に続く四国第二の高峰で、日本百名山にも選ばれている、名高い山だ。
…しかし、じつのところ、剣山は見たかんじ登って面白そうに思えず、名前は知ってるけど今まであんまり登る気はおきなかったのであるが、せっかく四国に来たので、この有名峰には一回は登っておこうと思い、今回の登山となる。
剣山登山口に到るルートは主要なものが3本あるが、国道19号線から貞光で国道438号線に入るルートが一番短距離なので、これで行った。
この観光登山ルート、昨日の石鎚山への石鎚山スカイラインが快適な道だったので、そのような道を期待していたのだけど、それとはまったく異なる、離合も困難な道が何ヶ所もある、きわめて走りにくい道であった。さらに、道が狭いわりに地元の人や登山者の交通量が多く、だいたいは団子状態で車が走ることになり、離合が必要なときは何台も連ねてバックせねばならない、けっこうなハードルート。
剣山自体は登山道は緩やかで整備もされており登りやすい山なのだが、その登山口にたどり着くまでは、相当な運転技術がいり、こっちのほうがよほど苦労を要する核心部であった。
それでも国道438号線が、観光道路ドライブライン剣山に入ると、道路の幅が広がり走りやすくなる。そうして高度をあげていき、ようやく剣山の姿を見ることができた。
左が剣山、右奥の三角錐の山が次郎笈。次郎笈のほうが、山の形はいいな。
GW、人が大混雑で車の駐車もたいへんな見ノ越登山口であった。最後の数台の空きスペースになんとか駐車でき、それから出発。ちなみにその後の車は、道端にずらりと駐車していた。
見ノ越登山口は剣神社の鳥居となっており、これは石鎚山と同じパターン。
見ノ越からは、登山道以外にもリフトが運行しており、これを使えば330mの高さを登ることができ、標高1750m地点まで行くことができる。
ここは、登山道とそのリフトが交差しているところ。上から何が落ちて来るのか分からんためか、トンネルとなっている。
リフトの終着駅が第二の登山口になっているのか、標高1750m地点にも鳥居があり、緩やかな登山道が続いている。
しばらく登れば、剣山の名前の由来ともされている剣岩がある。大きな剣岩と、小さな剣岩の二つ。
ここは絶好の記念撮影スポットとなっており、写真のごとく行列ができていた。
ゆるやかな傾斜の登山道を登りゆき、ほとんどハイキング気分の乗りで、山頂に到着。
ほんとうにただっ広い山頂であり、一面の平地にクマザサが生い茂っている。
天気は良く、四国全体の眺望が広がる。
剣山山頂から次郎笈を望む。
クマザサに覆われた稜線に、一本の登山道が通っており、気持ちのよさそうな道である。
剣山だけ登っても、登山した気分にはなれないので、ついでに次郎笈にも登ってみた。
というわけで、次郎笈からの風景。
次郎笈から剣山を眺めてみると、あらためて剣山がなだらかな山であることが分かる。
巨大な岩塊である石鎚山とは、まったく対照的な山容である。まあ、愛媛と徳島で山系の位置がまったく違うのだから、それはそれで当たり前だ。九州でいえば、岩の連なる祖母傾山系と、なだらかな丘陵地帯である九重山系との対比みたいなものであるが、スケールは残念(?)ながら、四国のほうが大きい。
次郎笈に登ったのち、また剣山へと戻る。
これは鞍部から眺めた剣山の姿。
山の中腹を巻く、もう一本の登山道も見える。これは先に示した大剣神社へ行くルートである。
剣山、とてもなだらかな山なんだけど、じつは信仰の山でもあり、そして修験者の行に用いられている険しいルートがある。
こういう緩やかな形の山にそのようなルートは可能なのかな? とか思いながら、頂上からは行者ルートを使って下りてみた。
…頂上からしばらく下りると、道は岩場に入り、いきなり荒れ果てている。
こういうかなり怪しげな梯子を使い、その足場の悪い、ほとんど崖同然の道を下りていく。
崖道を下りて行くと、さらに道は荒れ果てていき、そのうち進入禁止のロープがあった。はて、他に道なんてあったかなあ?と思いながら登りなおして岩壁を調べると、岩の隙間に鎖が掛けられた、「お鎖」なるルートがあった。垂直に降下するルートであるが、足場が悪く、下りには使いたくないルートではあったが、ここしか道がないので、とにかく下ってみた。
下りてみれば、この鎖場からは普通の山道となっていた。…今までの道、たしかに荒行に用いるにふさわしいハードルートであった。
剣山、なかなか奥が深い。
名所「刀掛の松」まで来て、一般登山道に合流。あとは淡々と下山するのみ。
この「刀掛の松」、壇ノ浦海戦ののち平家敗走のさいに安徳天皇が剣山に登り、そのときに剣をここの松に掛けた、という伝説があることから、その地名になったそうだ。
…しかし、剣と刀はまったく別物なのに、なぜ「剣掛の松」でなく「刀掛の松」になったのであろう? これはたぶん剣山の七不思議の一つになっていると思う。
下山ののち、往きの国道438号線がハードだったので、帰りは穴吹川ぞいに美馬市に出ようかなとも思ったのだが、それだとかなりの遠回りになるので、結局元来た道を使用。
まあ、帰りは道の感じがだいたい分かっているから、ストレスは少なくはなる。
それでも、やはり幾度も離合で大変であった。
写真で示すシーンは、10台ほどの車が連なってバックして離合しているところ。
狭い山道を車で走るのは九州でさんざん慣れているのだけど、このルートは九州と違って車の数が多く、前と後ろの車を懸案しながらのドライブになるので、相当に大変であった。
剣山は登りやすく、けっこう美しい山なので、人気があるのは当然なのだろうが、…登山口にたどり着くまでをどうにかする必要はあると思いました。
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