渋滞の石鎚山(表参道コース)@平成25年GW
GW、大崩山・諸塚山に続いてのアケボノツツジ見物の第三弾は、四国の最高峰石鎚山にしてみた。
石鎚山は特異な山容を持ち人気の高い山であるが、四国にあるのがネックとなる。宮崎からは往復だけで2日間使ってしまうので、なかなか行く気になれなかったのだけど、GW後半は4連休であり、しかも連日好天との予報ゆえ、これは絶好の機会だと初めて石鎚山を訪れることにした。
石鎚山はロープウェイを使って1300mの高さまで行くことができる。
ロープウェイを使わずに行くルートもあるのだが、今回は午後から天気が崩れるとのことだったので、早めに稜線に達しないと稜線が雲に覆われてしまう可能性があるので、ロープウェイを使うことにした。
ロープウェイ駅を降りてしばらくあるくと、石鎚神社成就社があり、ここの鳥居が正式な登山口である。
ここからしばらくは緩やかな下り道が続く。
石鎚山はさすがに高度があるだけに、まだ肌寒い気温であり、山肌には雪も残っていた。
そして平地ではもう葉が茂っているタラノキも、まだ硬い芽である。
成就社から下ったあと、鞍部になり、このあたりから登り道となる。
石鎚山も遠くに姿を見ることができた。
石鎚山は春の訪れは遅く、アケボノツツジはまだ3分から5分咲きといったところであった。
また石鎚山登山道近傍のアケボノツツジは株が少なく、大崩や祖母傾山系と違って、「咲き乱れる」といった華やかさはない。
登山道がピンクに染まる、あの光景を知ってる者としては、石鎚山はアケボノツツジを目当てに訪れるような山ではないな、と思った。
石鎚山は信仰の山であり、登山者も多ことから、登山道はよく整備されている。
石鎚山の名物は、3ヶ所+1ヶ所ある「鎖場」。
これは最初の「試しの鎖」。
石鎚山の鎖は特徴的で、梯子も兼ねているような形態であって、大きな輪っか部に足を入れることにより、鎖のみで登ることができる。
「試しの鎖」は、このあと3ヶ所ある鎖場のための、練習コースみたいなもののようで、これを登れないなら、各鎖場にある迂回路を行きなさい、ということみたい。
計4ヶ所ある鎖場のうち、「試しの鎖」は登ったほうが良いと思う。
というのは、「試しの鎖」は「前者ヶ森」という岩塔への登り道なので、これに登ると見晴らしが大変よいのである。また尖った岩であることから高度感も抜群。
…眺めがいいのは良いとして、雲がどんどん厚くなってきた。予報以上に、天気の崩れるのが早いようだ。
岩塔へ登ったからには、下らねばならない。
難所というのは、下りのほうが登りより遥かに難しいのであるが、ここも当然そのパターン。
いくつも岩がオーバーハングになっており、ステップを見つけるのが難しく、ゆっくりとして下りていけないので、渋滞となっていた。
下に見える青い小屋は売店であり、ここで一休みする人も多かった。
前者ヶ森を過ぎたところで、空が暗くなり、霰混じりの雨が降った。
かなりの強い雨であり、ここで引き返そうかと相談する登山者グループもいた。
稜線の眺めはもう期待できないが、とりあえ山頂は踏んでおこうと、私は雨具を装着して再出発。
しばらく歩くうち、空が明るくなり、雲が流れ、石鎚山もくっきりと見えて来た。
夜明峠への道は、クマザサの茂った、緑あふれる歩きやすい道である。
夜明峠から石鎚山山頂へは、3ヶ所の鎖場がある。
最初は「一の鎖」。
登山者の多いGWだけあって、大渋滞中である。
「一の鎖」に続いて、「二の鎖」。
こちらも大渋滞中。
鎖場は、本当は一つの鎖を使えるのは一人だけなのであって、鎖を登りきるまで次の者は待機するのがルールであり、このような登山者の数珠つなぎは登山常識を外れているのだが、まあ、石鎚山の特例ルールなんでしょうかね。鎖も特殊だし。
「二の鎖」の次は当然「三の鎖」のはずだが、それは基部が崩壊して、現在工事中であり、使えなかった。
それで、この迂回路の階段を使っていく。
石鎚山は、敢えて鎖場を通らねば、易しいルートが整備されているので、初級者レベルでも安心して登れる山である。
階段、石段を登りきりと石鎚山弥山の山頂神社。山頂は広場になっており、大混雑である。
石鎚山というと、この構図が代表となっている。
途中の驟雨でこの光景を見ることは諦めていたが、天気が持ち直してくれて幸運であった。
弥山から険しい岩稜が東南に伸びていおり、その先に聳え立つのが、石鎚山で最も高い天狗岳。
石鎚山を四国最高峰として登った場合は、天狗岳まで登って、初めてゴールとなる。
ただし、今までのコースと違って、弥山から天狗岳へは、梯子やロープのほとんどないヴァリエーションルートとなっており、難易度がアップする。
それなりに難しいルートではあるが、GW中ゆえやはり人が多く、渋滞はあったものの、とりあえず天狗岳へ。
標高1982mは四国最高であり、また西日本最高地点でもある。
この岩の稜線はまだ続きがあり、奥に見える南尖峰へも行ってみた。
地図によれば、南尖峰からは稜線は東に延びており、そこに登山道はあり、基部から夜明峠まで続いてるようであった。
それで、今通って来た稜線は混雑していたので、その道を使おうかな、とも思った。
南尖峰のこの岩の切れ目が、その登山道の入り口のようであり、登山道、というか踏み跡が東の岩稜に続いていた。
しかし、その東稜線というのが、赤矢印で示すごとく、ギザギザの岩が立ち並ぶ本格的な岩場コースである。もし、岩の直上がコースなら、ほとんど4級レベルで、ロープがないと厳しい。
おそらくは、切り立って見えるところには巻き道があるのだろうけど、それでもハードなコースであることは間違いない。
登りならともかく、このような何がどうなっているやら分からないコースを、初回で下りに使う根性は私にはない。それで、元来た道を折り返すことにした。
というわけで、弥山への稜線を歩いて行く。
やはり大渋滞中である。
見てのとおり、じつに危なかっしい渡り方をしているけど、まあなんとか無事に皆渡りきれていました。先頭の立っている人がリーダーなんでしょうけど、見ていて気が気がじゃないだろうな。
弥山へは、あちこちの渋滞に引っ掛かりながら戻り、あとは下山するのみ。
初めて訪れた石鎚山。GWに訪れたのも悪かったのだろうけど、渋滞ばかりが印象強く残ってしまった山であった。
ただし、もちろん弥山から天狗への稜線の眺め、そして稜線を歩いているときの高度感と展望はじつに素晴らしかった。
また今度は人の少なき時期に来てみたいものだ。
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