« 絵画:フランシス・ベーコン | Main | 鮨:すし匠斎藤@赤坂 »

April 07, 2013

鮨:海味@南青山

Sign

 東京の寿司店の料理の構成というと、ツマミは鮨種の切り身くらいで、そのあと握りがメインというイメージがあるが、ツマミを鮨と同じくらいに力を入れてつくり、ツマミ・鮨が同等の比重で供される、新しいタイプの寿司店の代表的な存在である「海味」を訪れてみた。

【雲丹、ノドグロ】
Uni

【ヤリイカ】
Ika

【コハダ握り】
Kohada

 ツマミは、のれそれ、鰆の卵、ヤリイカの身とミミの刺身(筋肉質で身全体が透き通ったような上物)、それにイカ軟骨、焼物は真魚鰹にノドグロ、雲丹は殻付きの新鮮なもの(旨みたっぷり)、今が旬の貝類は大きなトリガイとアオヤギが身とヒモで(貝の清新な香りが素晴らしい)。これも旬のホタルイカは、串焼。そして活き渡り蟹。などなど。
 聞きしに勝る豊富なツマミの数々である。
 これに交互に出される握りは、ネタによって酢と塩加減を変えたりして、ツマミ同様に豊かな広がりの味を楽しめる。そして、これらがじつに酒にあう。酒飲みにとってはたまらない店であり、…ただし鮨を楽しむ場合には、料理構成が賑やかすぎると思う人もいるではあろうな。

 酒飲みの私としては、酒を美味く飲むのに、まさに理想的な店であって、大満足であった。季節を変えて、ぜひともまた訪れたい店である。


 …ただ、料理の印象も強いものはあるが、私としては店主および店全体の雰囲気のほうがはるかに印象強かった。
 入店したときからの、全員での力いっぱいの「いらっしゃいませ~!」の挨拶から、まあそういう店であることは分かったのだけど、注文の一つ一つにも、ほんとうにうれしそうに店主以下従業員全員(たしか5人)が「かしこまりました~!」と全力で応える。
 いい店で、いいものを、楽しく食べ、楽しく飲んでほしいという気持ちが、情熱的に、なんというか暑苦しいまでのテンションで放たれ、店全体が妙な活気で満たされてくる。
 この元気の良さはほとんど体育系のノリであり、もはや「食の応援団」とでも称すべきレベルに達している。客は料理を食べながら、周りからフレー!フレー!と応援を受けているような気分になり、これは懸命に食べますな。

 いやはや、ほんと独特の雰囲気に満ちた店であった。

 もちろん、この店の雰囲気は、業界では半ば伝説的存在となっている店主長野氏のキャラクターによるものであり、それゆえ海味が唯一無二の存在になっている。
 同じ系統の料理を出す「すし匠」が、多くの系列店を出しているのに比べ、「海味」は南青山のこの店一つである。それは、「海味」が何よりも「長野氏の店」であるからであろう。

|

« 絵画:フランシス・ベーコン | Main | 鮨:すし匠斎藤@赤坂 »

寿司」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 鮨:海味@南青山:

« 絵画:フランシス・ベーコン | Main | 鮨:すし匠斎藤@赤坂 »