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April 21, 2013

和食:洋々閣@唐津

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 唐津市には歴史的な重みを感じさせる大きな建造物が数多くあり、唐津市の規模からすると、不相応に思えるほどに存在している。
 …これは現在の唐津市を基準に考えるからいけないのであって、唐津市は元々北部九州の海上交通の要所にあり、さらには豊富な産出量を誇った唐津炭田があったことから、大正の頃まではおおいに繁栄していたのだ。

 唐津城から松浦川を隔てた所にある老舗旅館「洋々閣」も、その唐津の最盛期に建てられた建物である。元は遊郭だったそうだ。
 事情を知らぬ人には、少々寂れているこの地に、なぜここにこんな場違い的に立派な和風建築物があるのかと驚いてしまう、そのような感慨を持たせる旅館である。

 その洋々閣は料理旅館でもあり、とくに秋から冬にかけてのアラ鍋をメインとするアラのフルコースは有名で、それだけ目当てに訪れる人もいるくらいである。
 ただし今はもう春なので、アラは終わっており、4月の料理は季節の魚を使った海鮮料理コースとなる。

【前菜】
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 品数たくさん。小鉢は、鯵の沖造りに、烏賊の塩麹和え。
 八寸は、バイ貝艶煮、合鴨ロース、海老袱紗焼、彩龍皮巻き、など。
 どれも手のかかるものであり、さすが老舗旅館らしい、技術と経験の蓄積を感じる。

【椀物】
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 椀は蛤真蒸。出汁、真蒸ともに蛤の味が豊かである。

【造り】
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 本日の料理は虎魚がメインだったらしく、虎魚の活き造りを菊花盛りに。
 それに内臓や皮の湯引き。これらをもみじおろしとポン酢でいただく。

【煮物】
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 桜鯛の煮漬け。味付けはけっこう濃厚。

【炊合わせ】
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 蕗信田巻、蓬麩、鯛真子、飛龍頭、絹さや。
 この炊合わせ、コースの流れと少しはずれ、けっこう繊細なつくりである。

【合肴】
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 これは名物らしい。
 栄螺袱紗包み揚げ、それに青唐辛子。
 栄螺の香りと歯ごたえが、生の栄螺よりもさらに強くなる、おもしろい料理。

【留椀、御飯】
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 虎魚は、アラが味噌汁でまた登場。
 白身の魚ゆえ、味噌にやや負けがちだが、これはこれでオツな味わい。

 すべてを食べると、かなりの量であった。
 料理は全体として、いわゆる九州の和食系の味付けと調理であり、海の素材に富んだ玄海灘に面した旅館ならではの料理を組み立てていた。

【部屋】
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 元が明治時代に建てられた建物ゆえ、部屋も歴史的な重みを感じさせるものだ。
 それこそ京都の老舗旅館なみに、天井も、床も、床の間も隅々まで手をかけた凝ったつくりをしており、冒頭の話に戻るが、あらかじめの知識がないと「なんで唐津にこんな旅館が」と思ってしまうほどの風格を持つ部屋である。

 こういう部屋で、玄界灘の潮騒を聞きながら、玄界灘の海産物に富んだ料理を食べるのは、とても旅情が満ちてくるものであり、旅で訪れた人にとっては、まことに情緒ある夜を過ごせるであろうと思う。

【陶器ギャラリー】
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 料理の写真に載っている器は、すべて唐津焼であり、そして唐津焼ではとくに、中里家の器が有名なのであって、洋々閣でもそれを主に使っている。
 その器をたくさん並べたギャラリーが洋々閣にあり、わざわざ窯元に行かずとも、唐津焼の魅力のかなりのものをここで知ることが出来ます。

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