屋久島一周サイクリング
今回屋久島を訪れた目的は、大きなものが二つ。一は宮之浦岳登山で、もう一つは屋久島一周サイクリングである。
屋久島での観光を楽しむには常に天候がネックとなる。なにしろ一年中雨の多いところなので、一日好天の日が少なく、そして本日の天気予報は午前が曇り時々晴れ、午後は降水確率50%ということで、さほどよい天気ではないが、サイクリングには支障なさそうである。
というわけで、本日は予定通りに屋久島一周サイクリングを行うことにした。
安房の町で、太平洋より登る日を眺めつつ朝を迎える。
本日の宿は、島の位置で言えば安房の反対側にある永田にとってある。それでまずは永田まで車で移動。
送陽邸の駐車場に車を止め、自転車を組み立てて、午前8時30分スタート。
奥に老人が写っているが、この人から「自転車で一周するなら時計回りがいいよ」のアドバイスあり。日本は左側通行なので、島を一周するなら通常は海側に近く走るよう時計回りになるので、もとからそのつもりではあったが、屋久島一周はだいたい時計回りする人が多いそうだ。
ちなみにこのご老人は、あとで知ったが宿の主人であった。
宮之浦までは、高さ100mほどある坂をいくつも越えて行く。
そのうち一番高い峠には、「東シナ海展望所」という休憩所がある。
東シナ海、それに口永良部島を見ることができる。
夕方には海に沈む夕日がさぞ美しいであろう。
屋久島の中心地宮之浦。
「スーパーネイチャー屋久島」なんて碑もあるが、屋久島ってたしかにsupernatureなところであった。
アップダウンだらけの屋久島周回道路であるが、宮之浦から安房くらいまではアップダウンの規模も小さくなり、さほどの体力を要さずに走られるお気楽ロードである。
小瀬田には「愛子」の名のついた宿や店が多いが、そのわけはこの地に立つ山の名前による。
屋久島では山を、海に近い部にそびえる「前岳」と、その奥にあり人家のあるところからは容易に見えない「奥岳」の二種類に分けているが、前岳の代表的存在である愛子岳。
標高1235m、三角錐の山頂を天に突き立てた秀麗な姿の山である。
本日の朝、車で出発した安房にまた戻って来た。
安房川に、まんてん橋が見える。
立ちならぶ山岳のうち、右奥に見えている一番高い山がたぶん愛子岳。
自転車を走らせるうち、愛子岳とならんで前岳を代表する山「モッチョム岳」が見えて来た。
これもまた形のいい山である。
モッチョム岳を眺めながら走るうち、走行距離が50kmを越えた。
屋久島一周がほぼ100kmなので、半分の距離を走ったことになる。
現在時刻11時20分でまずまずのペースである。
モッチョム岳は三角錐を半分に切ったような形なので、眺める位置によってその姿を大きく変える。横から見ると尖塔のようだが、正面から見ると衝立のようだ。
昼食休憩はモッチョム岳の見えるところでとろうと思っていたが、その名も「モッチョムビュー」という、それに最適のカフェレストンがあり、そこで昼食タイム。
サイクリングはまだ半分残っているので、がっつり栄養補給を取るために、ハンバーグ定食とした。
栄養補給を行ったのちまた出発。
しかし午後から崩れるとの天気予報とおり、雨がパラパラと降り出した。
屋久島の外周道路はバスの定期路線が走っているので、バス停が豊富である。そのバス停に止まり、とりあえずはウィンドブレーカー装着してからまた出発。
雨はやむ気配はなく、どころか本降りになり、雷も鳴り出したのでたまらず雨宿り。
待つうち20分ほどすれば、ようやく小ぶりになって来た。といって雲の厚さからして、雨があがるとは思えず、ここで雨具を上下装着して再出発。
舗装路は雨に濡れ、走りやすいものではなくなり、これからは慎重に走行。
雨のときの自転車走行の基本は、とにかく「ゆっくり」ということである。
雨のなか走るうち、遠く特徴的な滝が見えて来た。
あれが有名な大川の滝であろう。
大川の滝は、日本の滝100選にも選ばれている名滝。
88mの落差を持つ、大きな滝だ。
雨の日のサイクリングなんて、いいことはなに一つないんだけど、滝ばかりは雨のときのほうが流量が多く、迫力があります。
大川の滝を過ぎると、いよいよ屋久島一周サイクリングの核心部「西部林道」が始まる。
遠く見えるあの道へ、高さ300mばかりを登っていかねばならない。
300mを登ったあとは峠になっているわけでもなく、山の中の高い道を、左手に海を見ながらの走行になる。
「林道」というわりには片側一車線の立派な道路だなあ、と思ううち、道路は狭くなり、ここから本格的な「西部林道」となった。鹿に注意なんて看板もある。
西部林道というか屋久島西部は、東側とは植生が異なっており、亜熱帯性の植物が鬱蒼と茂る森となっている。ヘゴなんかが生えているとジャングルの雰囲気だ。
そしてこの森は野生動物が豊富であり、屋久鹿や屋久猿をいくらでも見ることができた。
くねくね道のコーナーを曲がると、突如巨大な一枚岩の岩壁も見えたりして、とても風景の楽しめる道である。
アップダウンが続きながらも道が下り基調になってくると、東シナ海に突き出た永田岬、そして屋久島灯台が見えてきて、西部林道も終わりが近い。
周回道路から外れてはいるが、せっかくなので屋久島灯台にも寄ってみた。
灯台というところがたいていそうであるように、やたらに急峻な道を行く必要があった。
灯台を見て元の道に戻りしばらく走ると、うつくしい永田浜が見えて来た。
ここは日本で最も海亀の上陸する浜としても有名。
永田浜がさらに近付くと、ゴールはもうすぐである。
屋久島一周を終え、送陽邸に無事到着。
時刻は午後3時50分。8時間弱かけての屋久島一周であった。走行距離は結局99.3kmで、100kmは越えなかった。
雨さえ降らなかったらもっと楽しいサイクリングであったのだが、…まあ午前中は快適なサイクリングであったので、それでよしとしよう。
さて宿に着いて、汗をかき、雨に濡れた身にいちばんの御馳走は、宿自慢の海を見渡す岩風呂。
東シナ海を眺めながら、今日の疲れを癒すのであった。
…………………………………
本日の走行距離 99.3km
走行時間5時間21分
平均速度18.5km/h
屋久島一周
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