一月二日京都散策 柊家→俵屋
一月二日は正月であるゆえ、朝はやはり御節に雑煮。
昨日とはメニューが変わっており、御節は、銀鱈貝柱幽庵焼き、紅白蒲鉾、たたき牛蒡、烏賊明太子、裏白、それに湯葉と鞘えんどうと麩の炊き合わせ、鰻巻玉子など。
華やかなる、酒の肴の数々。
雑煮は昨日は白味噌仕立てだったので、今日は澄まし汁にて。
こちらのほうが、料理の実力がよく分かるような気がする。
もちろん、たいへん美味。
柊家に連泊したのちは、次は俵屋へと宿を移す。
柊家のすぐ前の俵屋は、こちらも正月バージョンである。
柊家から俵屋へ移るときは、荷物も宿で移してくれるサービスがある。
今回は自家用車で来たので、ついでに車も頼んでみたら、俵屋の駐車場に移動させてくれた。
ただし、車の移動は柊家の前に止めたのち、全て宿側がやってくれたので、どこに駐車場があるかは不明。もしかしたら、共同の駐車場があるのかもしれない。(たぶん近くにある地下駐車場を使っていると思うのだけど)
京都市内をぶらぶらと散策。
京都市に水族館が出来たというニュースを以前に聞いており、でもあんまり興味は持っていなかったが、新春の特別催しとして、干支である蛇の展示があるというので行ってみた。
…たいへんな人出であり、水族館ってどこでも人気あるのだなあ、と感心した。
とりあえずは、ここの水族館の名物であるらしいオオサンショウウオの群れを見て、それなりの満足を覚えたのち、お目当ての蛇を見て、ノルマは果たした。
水族館の近くにある東寺にも寄ってみる。
この寺の五重塔は、造形的にじつに立派だ。
東寺ののちは、東寺の傍の塔頭、観智院も寄るべきところだ。
宮本武蔵の襖絵を見て、そして枯山水の名庭も見て、新年早々気が引き締まる思いをする。
俵屋旅館、本日は楓の間に宿泊。
柊家旅館旧館はどこも同じような京都情緒に満ちた部屋であるが、俵屋は「京都の旅館」というくくりを突き抜けた独自の世界を持つ部屋ばかりである。
この部屋も、考えに考えぬかれた、精密細工の積み重ねのような完璧な部屋。
…しかし、その完璧さには、息苦しさのようなものはまったくなく、かえってとても寛げるのがまた見事なところである。
二階であり、外の眺めはたいして良くはないはずだが、窓の造りが独特であり、狭い庭の空間が、立体的に部屋に開かれてくるという、じつに面白い趣向である。
正月の夕食は、まずは祝肴から。
柚子を器に、鴨南蛮、大黒しめじ、鮑、松葉人参、筍、長芋、等々。
それに鯛の擦り流しの吸い物。
造りは定番の鯛のへぎ造り。
じつに精緻な包丁の入れ方。
椀物は花びら真丈磯辺仕立て。
出汁は、俵屋ならではの鋭くも澄みきった、見事なもの。
虎河豚、下仁田葱、椎茸を炭火で自分好みに焼き上げる。
どれもいい素材だが、…これはべつに俵屋で食わなくとも、とは思った。
蕪、人参、椎茸、蓮根、菜の花のそぼろ餡かけ。
出汁の味といい、野菜の味といい、じつにうまくまとまっている。
酒をチャンポンでいろいろ飲んでいたのだが、御飯まで食べたのち、赤ワインが余ってしまった。
それで、夕食前だったので、食べずに取っておいた俵屋名物蕨餅で赤ワインを飲む。
これはこれで、けっこういけるのであった。
京都市で正月を過ごすのも、10年近くやればさすがに飽きてきたので、来年からは別の過ごし方をしようと思っている。(海外に行くとか、冬山にこもるとか、南の島に行くとか。あるいは、全国各地の雑煮と御節の食べ比べなんてのもやってみたい)
俵屋の正月は、これが最後であろうけど、いつもながらの、とても満足できた宿と食事であった。
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