松茸異変@平成24年秋
だいぶと肌寒くなってきて、秋の深まりを感じる気候となってきた。
それでは秋の深みを食で味わおうと、「ふじ木」にて、秋のコース料理を食いに行く。
寒くなると、フグの季節である。
とはいえ、まだフグは走りの時期であり、天然フグは身が太っていないので、本日は養殖もの。
それでも、このやや厚切りのフグ刺しは、歯ごたえも旨みも十分。
しばらくすれば、身がさらに美味しくなるのにまして、鍋もおいしくなり、そして白子も出てくるであろう。
アマダイも寒くなってからが旬の魚である。
焼いたアマダイの、ほこほこした食感と、豊かな食味は、いわゆる「くせのない白身魚」の典型的な美味さを感じることができる。
身の痛みが早いので、あんまり市場には出てこないハガツオであるが、きちんと手入れをされたハガツオは、上質な脂がのり放題の豊潤な旨みを持つ魚である。
やはり旬の魚はいい。
って、旬、旬と書いていたが、だいたいの魚は産卵期前の秋からが旬ではあるな。
魚シリーズが続いたところで、ここらで秋の真打、主役、松茸の登場。
松茸はまずは土瓶蒸し。
松茸の香りを味わうには、これが一番の料理である。
松茸は、香りのみならず、それ本体も美味しいので、アマダイと炊合わせての料理も同じく美味。
アマダイと松茸の美味さの相乗効果で、さらに美味しさが増します。
…しかし、今年の松茸は少々おかしい。
どうにも香りが薄い。
普段は無駄にまで過剰に思える松茸の香りが、うっすらとした上品な香りになっている。
というのも当然で、今年は松茸が空前の不作で、国産の香りいい松茸がまったく手に入らず、やむをえず外国産を使わざるを得なかったそうだ。(店主も忸怩たるものがあっただろうけど、今回は常連某氏の「松茸をどうしても食いたい」との強い要望があったので)
それで調べてみると、今年は異常気象のせいで、松茸は全国的に不作であり、凶作と言っていいレベルのこと。
だから、松茸名産地では、例年1kg1~2万円の松茸が、今年は8~9万円と高騰しているそうだ。その値段でも手に入れるのに争奪戦があり、そして手に入るだけ幸運であって、なんと12月からは枯渇しそうな気配とのこと。
私はそれほど松茸に思い入れはないので、そういうものかと思うくらいなのだが、京都の和料理店とかでは、「秋は松茸!」と気合を入れている客が多いだろうから、はたしてこの秋をどうしのぐのだろうと、少々心配にもなってしまう、今年の松茸異変であった。
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