海鮮和食@海里村上(壱岐湯本温泉)
壱岐の宿泊は、「海里村上」にて。
近年、「壱岐に海里村上あり」と称されるようになってきた有名旅館である。
離島壱岐には一ヶ所だけ温泉が湧くところがあり、その貴重な温泉地である湯本温泉に建つ旅館だ。
湯本温泉の湯は鉄分豊富な湯であって、赤錆びた色の湯は保温力抜群。しばらく浸かっていると、身体中に温かな温泉力が満ち溢れる、そういう湯である。
ただ、温泉力にのみまかせていると、のぼせあがってしまうのであるが、露天風呂のほうに入り、潮風にあたりながら湯本湾でも眺めていると、温泉力と潮風の涼しさと、それにいい風景を見る満足感で、密度ある時間を自制力維持したまま過ごせるので、…いい温泉です。
海里村上は海に面しているので、晴れた日は太陽を追いかけることが出来る。
宿の位置からして、夏場は目の前の湯本湾に日が沈む絶景を楽しめそうだが、今は10月なので、日は西方向の山に沈んでしまう。
それでも、窓際のソファに居れば、日が沈むにつれての、雲、空の色の変化を、存分に楽しめる、そういうロケーションの宿であった。
壱岐の宿は、どこでも壱岐で獲れる新鮮な魚介類をてんこ盛りに出して、腹いっぱいに食わせてくれるとの評判が高い。
「海里村上」も、海鮮系の料理旅館であるからして、その流れにあると思っていたけど、たしかにその通りであった。
尤も、前菜は手の込んだもので、唐墨、玉子味噌漬け、鮑肝塩辛…と、やたらに酒の進む肴から出てくる。
椀物は天然貝の沢煮。
いわゆる繊細系の椀ではないが、海の魅力をダイレクトに伝えるそういう椀。
造りの最初の皿は、鮑、キハダ鮪、水烏賊。いずれも壱岐で獲れたての新鮮なもの。
二皿目は、笛吹鯛と石鯛。
笛吹鯛は以前はあまり見ない魚だったが、近頃九州の魚を名物とする店では、ちらほら見かけるようになったな。
壱岐といえば、なんといっても雲丹。
といっても10月はほとんど終わりかけのシーズンなのであるが、なんとか間に合ったようで、活き雲丹をいだたく。
さすがに身は痩せていて、旨みも落ちてきていはいるが、それでも壱岐で、壱岐の雲丹を食うのが、なんともうれしい。
車海老は活きではなく、酒蒸で。タイ料理のような味付けで、おもしろい。
焼き物は天然クエの塩焼き。脂がほどよくのっている。
口直しのような感じで、野菜料理が出てくる。大根と四角豆のゴマ和え。
メイン料理の1という感じで、鮑料理が出てくる。鮑の切り身を、しゃぶしゃぶと、炭火焼で味わうもので、とくに炭火焼につけるバターソースが、アンチョビの味付けがよく利いていて、このソースで食べる焼き鮑はたいへん美味であった。
鮑を焼いたあとまだ残っている炭火がもったいないような気がしたので、雲丹を追加で頼んで焼いてみた。
焼くことにより、さらに雲丹は甘くなり、これはこれで活き雲丹と違った美味しさがある。
メインのその2は、これも壱岐名物「壱岐牛」のサーロインステーキ。
普通に美味しい牛肉である。
〆は、一口カレー、一口パスタ、寿司、壱岐牛ミニすき焼き、玉子丼…等々から選べるのであり、希望すれば何品でも選べるそうだ。
一口カレーというと、大き目のレンゲに盛って出てくるようなものを想像し、これに加えて一口パスタを注文したが、…写真のとおり五口以上はあるサイズであった。
一口パスタもご覧のとおりで、五口くらいはあった。
これでは全メニューをいっぺんに制覇するのは、よほどの大食らいではないと無理であろうな。
海里村上の前は漁港なのであり、港の堤防に沿って明かりが夜間ずっと灯されており、静かな海と夜空へ明かりは流れ、風情のある風景となっていた。
壱岐は歴史も古く、また自然も豊かなことから見どころ多く、そして美味しいものもたくさんある。
福岡市から1時間ほどの距離なので、もっと観光地として流行っていいところには思える。
まあ、壱岐というところがそういう方向に力を入れていなかったのであろうが、しかしこれからは、「海里村上」のような気鋭の旅館が壱岐を引っ張り、盛り立ていくのではないだろうか、と滞在して思った。
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