センチュリーライドに一年ほど出ていないので、ひさしぶりに佐伯で行われるサイクリング大会に出ようと思った。
この大会、じつはセンチュリー以外にも190kmのコースがあり、気をひかれはしたが、8時間半の時間制限で190kmはかなり厳しい条件に思える。それに去年190kmコースに参加した人が、完走はしたものの大変きつい目にあったという話も聞いたことから、ここは無難にセンチュリー(160km)のAコースにしておいた。
【ホテル内】

前日から佐伯市内に宿泊。
佐伯市ではツールド佐伯がサイクルイベントとして根付いているようで、ホテルの宿泊客もサイクリング参加者が多い。
スタート会場とホテルは5kmほどの距離なので、明日は自走していくこととした。ホテルのフロントの人に部屋に自転車を入れていいかとたずねたら、いいですよとのことだったので、有難く入れさせていただき、組み立てとタイヤ圧設定をして、明日はただ乗っていけばいいだけの状態にしておいた。
【開会式】

大会参加者はけっこうな数である。
佐伯市市長や、自転車関係の偉い人たちの挨拶や、選手宣誓などを聞く。
会場には、なんとダースベイダー閣下が御臨席賜られておりました。
【拡大図】

ダースベイダー閣下、黒チャリ片手ということは、このコスプレで走るみたいである。
黒兜かぶって黒マントをひらひらさせて走る姿をぜひ見たかったけど、私と出走コースが違っており、見ることは出来なかった。あとでオールスポーツコミュニティのページに写真が載るであろうから、それで見てみよっと。
【第1エイド】

9月以後、なぜか週末にばかり雨ばかり降ったせいで、トレーニングできていないので、とりあえず時間内完走を第一の目的としてマイペースで走ろうと思っていたが、ついつい20台くらいの列車のなかに入ってしまい、第1エイドまで35~40kmの速度で巡航することになった。
【空の公園への坂】

最初の峠を過ぎて、それから海岸線に沿って走る。
第1エイドをしばらく一人で走っていたのち、後ろから追い抜いてきた10名くらいの列車に便乗し、高速巡航。
海岸線沿いは向かい風が強烈であった。しかし列車はその強風をものともせず、30kmくらいの速度で走っており、よくやるよと思いながらついて行った。
なお、サイクリング大会の列車はレースと違い、先頭者はずっと同じ人のまま牽くというパターンが多いが、今回もそのパターンであり、…先頭の人の脚力には素直に感心する。
空の公園への登り坂になって、列車がばらけだし、各々のペースで登って行く。
【空の公園より】

空の公園からの海の眺めはたいへんよろしい。
広々とした海と、複雑な海岸線、それに小さな島々。
空の公園からは急なカーブの続く下り道となる。とくに危なそうなところでは、大会スタッフが「徐行」の標識を持って注意を呼び掛ける。
私は元々下りが苦手なので、指示に従いブレーキかけながら下っていったが、その私の横を追い抜きペダルを懸命に回しながら猛スピードで下って行く人がいた。ダウンヒルって、根性だせばとんでもない速度が出るので、ダウンヒラーはその速度と転倒への恐怖の克服という、精神的なタフさが求められる。猛スピードで下り、険しいカーブに突っ込んでいくその人を見て、「これがダウンヒラーというやつか。まさに恐怖を克服した男、格好いい。それにあのカーブをあの速度で曲がれるとは、ほとんど物理的限界を突破してるじゃないか。すごい!」とか思っていたら、やっぱり物理的に無理があったらしく、その自転車はタイヤから嫌な音を発したのち、カーブからはみ出てしまい、そのまま草で覆われた崖に激突してしまった。
私があわてて自転車をそこに止めて「大丈夫ですか~?」と尋ねたら、その勇敢なダウンヒラーはむっくりと起き上がって自転車も起こし、「わははは。タイヤが滑っちゃいました」と元気そうに答えたので、私は先に出発した。
あのペースなら再スタート後に、私はすぐ追い抜かれるだろうなと思っていたが、その後は姿を見せず。リタイヤしたか、その後自重したか、そのうちどちらか。
【第3エイド】

坂を下りきって海岸線を走るうち、また10台ほどの列車が横を追い抜いたので、それに便乗し、またも高速巡航。風が強いので、列車に乗っているとほんとうに楽である。
第3エイドは、自転車掛けが置いてあり、けっこう大規模なエイドステーションであった。Bコースの昼食会場になっているので、こういうふうになっていたのであろうな。
Aコースは、次のエイドが昼食会場である。
【第4エイド(昼食のトコロテン)】

第4エイドで昼食。
お握り2ヶに唐揚げ、ごまだしトコロテン、それに柏饅頭であった。
ツールド佐伯の名物は「ごまだしうどん」だったはずで、なぜかそれがトコロテンに化けている。けげんに思うサイクリストも多いようで、そのような質問がスタッフに出ていたが、「今日は暑いので、ウドンでなくトコロテンにした」とのことであった。
まあ、たしかにトコロテンのほうがこの気候では食いやすいが、…栄養補給にはならんなあ。
【海岸線の道】

しっかりと休憩をとったのち出発。しばらくは海岸線に沿った道となる。
このようにたいへん見晴らしのよい道である。
第4エイドからは、サイクリストたちは相当にばらけてしまい、このあとは私は列車に遭遇することが出来ず、残りの80kmのほとんどは一人旅となり、脚に負担のかからぬ程度のマイペースで走ることになった。
【彦岳坂の峠】

Aコースは4つ峠があり、これはその3つ目。津久見市と佐伯市の境である。
ここを下りきったところに第5エイドがある。そこが足切りポイントになっており、制限時間内にたどり着かないと次に進めない。そして次の次の第6エイドは本大会で最も有名な名物「筍寿司」があり、足切りにあうとそれが食べられないという、かなり深刻な事態になるので、もしも足切りギリギリのタイムとかで走っていたら、ここからは相当に気合いを入れて走らないといけないところでもある。
もっとも、今のペースでは足切りになるはずもなかろうから、相変わらずのマイペースで進んでいく。
【第6エイド 本匠の大水車前】

そんなわけで足切りにあうこともなく、無事に第6ポイントに到着。
大水車と河童の置物がお迎えである。
【筍寿司+雪ん子寿司】

ここで名物の「筍寿司」、それに「雪ん子寿司(大根と椎茸の寿司)」を食する。
ツールド佐伯参加者のうちでも、SコースとAコース参加者で、かつ足切りにあわなかった者だけが食べられるという、それなりに価値ある寿司である。
そう思って食えば、さらに美味しさも増すというもの。
…まあ、これ自体はやよいの道の駅にいくらでも売ってはいるのだが。
【宇目坂】

番匠川沿いはずっとゆるゆるした登り坂であり、あんまり坂を登った気がしないうちに、なんとはなしに4つ目の峠にたどり着く。
あとは大きめの峠はなく、下ってからはちょっとしたアップダウンの道が続くのみ。
【第7エイド】

第7エイドからは国道10号線に向かって走ることになる。
ツールド佐伯のコースは全体的に車が少なく、自転車で走りやすいルートであったが、さすがに幹線道路である10号線は車が多いから、なんとなくいやな気になる。
【第8エイド】

10号線に入ってからは車を気にしながらの走行。
150km走ったところで、最後のエイドステーションがあった。ゴール会場まであと15kmの距離なので、素通りしたほうが楽だとは思ったが、べつにレースでもないんだから、せっかくつくってくれたエイドを使わないのも勿体ないので、とりあえず止めて水だけ飲んだ。
でもやはりそういう殊勝(?)な考えの者は例外らしく、他のサイクリストたちはエイド前をびゃんびゃんと快速で通り過ぎていく。
サイクリストが誰もおらず、所在なげにしているスタッフ2名のエイドの写真。少々シュールな光景である。
【ゴール】

残り15kmのそれなりのアップダウンをこなしつつ、大会会場に戻り、ゴール。
当初の予定では、お気楽サイクリングのつもりだったので、4時半くらいにゴールと予想していたが、4時前に到着。前半の列車便乗による貯金がきいたみたいである。
走行距離は165.4km、走行時間は6時間17分、平均速度26.3kmという、1年ぶりのセンチュリーにしてはまあまあのタイムであった。
ところでゴールしたとき、「お疲れさま~」という掛け声があり、その掛け声は本来ここにいるはずはなく、まだ走っている人たちのものだったので、きょとんとしてしまったが、…宮崎チームAコース組は半分ほどが足切りにあってしまい、先に戻っていたのであった。なんでも10分ほどの遅れで足切りにあってしまったそうで、それは惜しかった。
10分くらいなら時間配分考えればなんとかなりそうなものではあるが、また、それに備えてタイムチェックシートを作成していたAさんも嘆いてはいたが、まあ、来年への課題ができたということで、それも良しとするべきか。
ツールド佐伯、町全体の応援が心地よく、また複雑なコースではあったが要所要所に誘導員も配置されており、走って気持ちのよい大会であった。
来年はSコースに出ようかな~、という気にもなってきたが、まあそれは来年また考えることにしよう。
【打上げ】

打上げは、佐伯うまいもん通りの「松の花」にて。
総勢12名での宴会である。海の幸あり、大分名物あり、焼酎あり、酒あり、ワインありで、大量にカロリーを消費したあとらしく、大量に飲み、食い、騒ぐのであった。
…それにしても、覚えているだけで、刺身の造り盛り合わせ、穴子天麩羅、鶏天、蟹クリームコロッケ、茄子グラタン、鰆西京焼き、活き鯵、〆鯖と食い、酒も相当飲んだのだが、一人あたま5000円程度であったのは、おどろくべきコストパフォーマンスの良さであった。
【ツールド佐伯 2012 Aコース】
