ブルゴーニュへ (パリ→ディジョン→ソリュー)
フランス二日目はパリからワインの聖地ブルゴーニュへと向かう。
ブルゴーニュへはこのリヨン駅からディジョン駅までTGVで行く。
ブルゴーニュ地方へ向かうパリのターミナルであるリヨン駅、剥きだしの鉄骨で造られた駅舎が前近代的であり、なかなか格好いい。
このリヨン駅、写真の真ん中に写っている小さな黄色の公衆電話機のようなものが切符販売機であり、切符はここで買うのだが、どうにも使いにくい。リヨン駅はパリの主要駅なんだから、本来なら「みどりの窓口」的な切符売り場がどこかにあるはずなのだが、どこにも見当たらず。異国人にはきわめて不親切なつくりだな。
あと、自分たちの乗る列車のプラットホームが列車が来るまで判明しないので、どこで待ったらいいかも分からず初めて使う身としては不安になる。
日本の手から足とりの親切な鉄道に比べれば、フランスの鉄道は全体的に使い勝手が悪いと思う。
私たちのグループは、バラバラに行動したのだが、別行動でディジョンに向かった者はTGVに乗るつもりが、なぜか在来線に乗る羽目になり、余計な時間をかけてディジョンに着くことになったりした。
日本人的感覚からすると、フランスの鉄道の管理はずいぶんとアバウトでありアンカインドであった。
(Facebookでリヨン駅の状況をUpすると、「TGVがちゃんと来ただけでいい。私らのときは予告の放送もなく、欠便になって困った」とか「TGVはどこに来るか分からないから、来たら大荷物かかえて移動が大変ですわ」とかのresponseが来て、…フランス鉄道、けっこう使いこなすのは厳しいみたい)
フランス、パリを離れると一挙に郊外、というか田舎になる。
地平線が見えそうな農耕地が、何十キロも延々と続き、それが終わったあと小半径の都市があって、それからまた同じ風景が続く。
フランスって、点と点を結んだ国なんだなあと実感。
ブルゴーニュの入り口はディジョン(Dijon)。かつてのブルーゴニュ国の首都である。ドイツの国境に近いため、幾多の戦禍に見舞われた都市であるが、そういう傷跡が今はほとんど残らぬ、中世的な雰囲気を漂わせた、趣ある街であった。
ここから、本日の目的地であるソリューに行かねばならないのだが、後続の者を待つ必要があり、その間ぶらりとディジョンの街を散策。
パリのような雑多で小汚い街と違い、古き時代をきちんと残した、静かで清潔な街で、…そしてこれはブルゴーニュ地方の都市の特色であり、私はずいぶんと気に入った。
さて、ディジョンからは更にソリュー市に行く必要がある。そこに本日の宿泊地であり、夕食のレストランでもあるオーベルジュ「ベルナール・ロワゾー」があるからだ。
ただ後続の者と合流する必要があるので、ディジョンにしばし滞在することになる。
現在同行中のW氏はディジョンのカフェで時間を過ごしたいとの希望。駅前にタクシーが一台止まっていたので、そのタクシーで近くのカフェまで行くことにするが、地方の主要駅前にタクシーが一台しか止まってないことに危機感を覚えたらしいW氏が、タクシーの運転手にいろいろ交渉する。
でもタクシーの運転手は困惑した表情で、「I can’t speak English」と答える。
教訓:フランスでは地方では英語は通じないと思ったほうがいいです。
それでもめげないW氏は、懸命にいろいろと複雑なことを言う。要は、「まずカフェに行き、そのあと友人と合流し、それからソリューに行きたい。それを予約したい。また値段も知りたい。」とのことで、それを英語と身振り手振りで話すのだが、伝わる気配なし。
それを眺めていて私も疲れたので、とりあえず、バックからノートを取り出し、以上の状況を書いて見せる。今そのノートみると以下のことを書いており、けっこう間違った言葉と文法で書いてはいるが、
Nous voulons aller au café. Après 2 heures , Nous attendre un ami qui vient dans le TGV suivante. Puis Nous voudrais aller Saulieu “Restaurant Bernard Loiseau” Combien argent il faut pour aller en voutre taxi à le?
まあ、それにてとりあえずは意思の疎通ができ、運転手もそのノートに時間と値段を書きこんで、交渉は成立。
W氏は、「どうだ。言葉の通じなくともジェスチャーだけで、けっこう通じただろ」とか主張していたが、…んなわけ、ないっしょ。
教訓:異国では、せめて指さし会話帳のごときものを持っていけば、なんとか会話は成立します。
―今思えば、翻訳アプリ付のタブレットとか持って行けば、もっと便利であったのでは。タブレット、私持ってはないのだが、今度行くときは購入しよっと。
そして、後続の者と合流してソリューのベルナール・ロワゾーへと到着。
以上で分かるように、けっこう不便なところにある宿・レストランなのである。しかし、ベルナール・ロワゾーはここを目当てに世界中から客が集まってくる、そういう食とワインの聖地のようなところである。
夕食の時には、さらに別ルートで来た者とも合流。
様々な空港から出発した者たち5名がようやく、ここで合流。
今年の3月に宮崎市のワイン会で「ワイン好きの者なら一度はブルゴーニュに行かねばならぬ!」と盛り上がった話が、酒の勢いそのままに、半年後に実現した、というある意味稀有な話。
ただし、日本の裏側にあるようなところで、宮崎で見慣れた者たちがまた集うのも、新鮮味がないというか、日常の持続じゃんとか、まあ、いろいろと突っ込みどころのある話ではあった。
…でも、それなりに心動く会合ではあったのである。
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