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September 2012の記事

September 22, 2012

フランスよさらば。でもワインの日はまだまだ続く。

 フランス旅行も本日で終了。
 よく食べ、よく飲み、よく歩いた一週間であった。
 前半は時差ボケでけっこう苦労したが、ようやく慣れたのに、日本に戻るとまた時差ボケが始まると思うと、少々憂鬱になるがしょうがない。

【ホテル】
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【ホテル部屋】
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 パリでの滞在5日間は、すべてホテル・フーケッツバリエールにて。
 このホテルは凱旋門に近く、シャンゼリゼ通りにも面しておりたいへん便利なところにあった。
 部屋も広くて、清潔であり、アメニティも充実しており、さすが五星ホテルである。
 まあ、そのぶん値段もけっこうなものではあったが。
 …こういうホテルって二人くらいで使うように出来ており、一人で使う分には不経済であり、一人でも二人でも値段は同じなので、今度来るときは二人で来るべきだなと思った。反省点にしておこう。

【空港】
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 ホテルからは30分ほどで空港に到着。
 シャルルドゴール空港は、あまりに広く、何度来ても使いにくいところである。
 とくに使用客が多いので、税関抜けるのも、ゲートくぐるのも相当な時間がかかり、買い物や税の払い戻しを受ける人は、かなり早めに来る必要があります。
 まあ、私は何も買い物していなかったので、税関は関係なかったので、余裕を持ってロビーに着いたが、同行の者は税関の行列にてこずり、時間ギリギリに飛行機に乗ることになった。

【機内食】
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 パリ発羽田着のJALの機内食、和食と洋食が選べるのだが、洋食を選択。
 いままでさんざんフレンチ食ってきて、さして美味くもない機内の洋食食わんでもとの意見もあろうが、毎日ワインばっかり飲んでいたので、身体が自然とワインを欲するようになり、それゆえ洋食を頼んだ次第。

 パサパサした食事を肴に、ワインを飲んでそれなりに満足。
 さて、パリは午前中に発だが、羽田へも午前中に着く。着く日は日曜なので、…そうなると東京で寿司でも食いたくなった。
 それで羽田に着いて午後の便を探すと、なんとどれも満席であった。
しょうがないので元々取っていた午前中の便で宮崎へと飛んだ。

【宮崎空港】
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 宮崎空港の荷物のコンベアは、このように宮崎牛の置物に先導されて荷物が流れて来る。
 いちおう名物である。

【光洋にて】
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 頭が寿司モードになっていたので、空港帰りに光洋にて鮨を食う。
 ここでもワインを飲みながらである。
 そのうちカウンター隣にはI氏が現れ、たがいにびっくり。
 I氏も私がパリにいた頃フランスを旅行しており、FBで連絡をとりあっていたのだが、旅程の関係で合流はでき なかった。
 それが宮崎に戻ったところで合流とは、世界は狭いものである。
 いや、まあ、宮崎の食い物好きは、だいたい同じようなところに出没するので、そこで会う確率は高いのではあるが。


 フランスの旅、得るものは多かったが、とにかく身体がワインまみれになっており、酒をワインしか受け付けないようになっているので、ドライアップにはしばらくかかりそうである。


 …じつは、旅行記はチビチビと書いていたので、この記事を書きあげたのは3カ月後なのだが、いまだにワインが抜けないなあ。
 和食でも鍋でもワイン飲んでおりまする。

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September 21, 2012

フランス食紀行(7) ル・ムーリス Le Meulice

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 パリ最後の夜は、レストラン ル・ムーリスにて。
 フランス食紀行を締めくくるにふさわしい、一般的に考えられるところの「フランス的な」内装を誇るレストランであった。ベルサイユ宮殿を模した店は、高い天井、大きなロココ調の絵画、きらめくシャンデリアと、豪華そのものである。
 訪れる客も、ドレスアップした人ばかりで、ここでの食事が日常を離れた「ハレの世界」であることがよく分かる。
 このレストランは、非日常的、高級豪華感を味わうためには、うってつけの場所である。

 レストラン、ル・ムーリスの感想については、以上でよいような気もするが、せっかく料理の写真も撮ってきたことだし、料理も紹介。

【アミューズ・ブッシュ】
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 蛙の足のスープに、ハイビスカスの花のソースで香りをつけたもの。
 上品な味である。

【アントレ】
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 温めたパインと、野菜のピストゥー。
 南仏の郷土料理だそうだが、洗練された甘さと旨みを感じる。

【アントレ】
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 フレッシュフォアグラの赤ワイン煮込み。
 他のレストランのフォアグラ料理がずいぶんと手の込んだものが出て来たのに対し、これはフォアグラの素材を前面に出してきている。
 そうなると、どうもフォアグラって、素材そのものにはあんまり魅力のないようなものに感じられ、ちょっと狙いが斜めにいっているかな、とも思った。
 同じテーブルの者たちは、一口程度食ったのみで手を止めてしまったが、…美味しくはないけど不味くもないものだったので、私はきちんと全部食べた。しかし、フォアグラ2枚というのは、どんなフォアグラでもtoo muchだと思う。

【魚料理】
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 舌平目を黄ワインのカスタードソースで焼いて、ワカメに載せたもの。エシュロットを添えて。
 これも今流行っているらしい、低速調理風のじっくりした焼き加減で、焼かれたもの。うまく魚の旨みが身に封じ込まれた見事なものである。
 魚そのものは、普通かな。

 コースの料理には、それぞれにワインがグラスでついており、いずれも美味しいワインであり、料理があんまりピンとこないぶん、ワインのほうが楽しめた。
 また、テーブル者たちはワインテイステイングバトルをやっていたが、ワインマニアW氏は、品種、地方まで当てており、感心いたしました。

【デザート】
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 フランス料理、恒例の2回戦。デザートシリーズの始まりである。
 まあ、たくさん出てきました。
 そして、これらはどれもたいそう高いレベルにあって驚いた。
 いずれも美しく、典雅で、美味しい。
 これぞ三星というものばかりで、とくにW氏は感激して、あとでパティシエを呼び出してもらい、彼との2ショットの写真も撮っていた。そしてあとで調べて知ったのだけど、この店のパティシエはフランスでもトップレベルの料理人とのこと。
 フランス料理は現場で食うときには、徹底的に腹をすかして、デザートまで食い尽くさねば真価は分からないというのは、あらためての大事な教訓である。

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パリ散策(2)

 昨日モンマルトルの丘に登ったわけだが、パリではもう一ヶ所、パリ全体を見下ろせる展望所があるので、それにも登ることにした。

【セーヌ川】
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 セーヌ川にかかるコンコルド橋の上から見えるエッフェル塔。
 先の美しいアレクサンドル三世橋を一緒に構図に収めるこの構図は、「いかにもパリ」という、絵葉書にもなりそうな風景。

【エッフェル塔】
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 セーヌ川に沿って歩いていけば、やがてパリの名物、エッフェル塔の前に。
 世界一有名な塔、パリの代名詞に近い存在である。

【エッフェル塔の階段】
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 エッフェル塔の展望所は階段を登っていける。
 エレベーターでは高さに応じて料金をとられるが、…歩いても取られる。
 ただしエレベーターには長蛇の列があるのに対し、階段利用のほうはさっさと上がれるので、4ユーロ払ってこちらを登ってみよう。

【第二展望所から】
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 徒歩だと第二展望所までしか登れないが、それでもけっこうな高さである。

【展望1】
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 展望所からパリ市内を眺める。
 日本とは異なるタイプの望遠鏡も設置されていた。

【展望2】
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 シャン・ド・マルス公園のほうを眺めてみる。
 パリは公園が多く、そしてそのどれもが幾何学的にすっきりした形をしている。

 第二展望所から第三展望所まではエレベーターを使っていけるようだったが、チケットを買うところがなかったので、第二展望所で止めることにした。

【イエナ橋から】
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 エッフェル塔を降りてからはイエナ橋を渡って、パリ中心街のほうへ戻ることにする。
 エッフェル塔に登ったくらいから雨が降り始めていた。
 「フランスは湿度が低く、雨に濡れてもすぐ乾くので、原則的にフランス人は雨が降っていても傘をささない」という事前情報があり、話半分には聞いていたが、それは本当であった。
 ただし、日本人の私がその風習に従う理由もなく、私は傘をさして歩いていった。

【モンソー公園 門】
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 パリは古い建物だらけの殺伐したところのある都市だけど、それでも所々に緑あふれる公園があり、市民の憩いの場となっている。
 そのうち一つモンソー公園(Parc Monceau)が、ホテルに近かったので行ってみた。

【モンソー公園1】
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 この公園はいろいろな意匠で造園されていて、古代ギリシャ風の庭園があったりする。

【モンソー公園2】
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 モンソー公園には、ギリシャ庭園、アフリカ庭園、イギリス庭園、とあるのだが、日本庭園もある。
 日本人からすると、いろいろと突っ込みどころの多い「日本庭園」なのであるが、…まあ、日仏友好の印として、ほほえましいものではある。

【モッパーサン記念像】
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 モンソー公園には、モッパーサンもよく逍遥に訪れていたとのことで、記念像もあった。
 他にもいろいろなフランス文化史を飾る人物の彫像があり、散策して、見るもの多き公園であった。

 パリにはこのような公園がいくつもあるのであり、美術館や、博物館、建造物以外にも、訪れるところ多き街である。
 まじめに見てまわったら、一ヶ月でも足りないであろうなあ。

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September 20, 2012

パリ散策(1)

【メトロ】
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 パリは地下鉄が網の目状に張り巡らされていて、しかもどの路線を乗り継いでも一括1.7ユーロ(200円弱)で移動できるので、たいへん便利である。
 これを使って、パリのあちこちを散策した。
 …もっとも、パリ地下鉄は切符の自動販売機の使い方が結構面倒で、外国の観光客などが悪戦苦闘している姿を何度もみかけた。パリの地下鉄駅は自販機だけ置いていて、informationがないところが多かったからであり、国際観光都市のわりにはこういうところは不親切だと思う。


 本日は、モロー美術館を経由して、モンマルトルの丘に登ることにする。
 パリは通りにはたいてい名前がついており、現在地がどこか分かりやすいので、迷いにくい街である。

【セザンヌ通り】
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 目的地に行くにはどういう通り方をしてもいいのだが、フランスの大画家ポール・セザンヌの名前の付いた通りがあったので、そこを通ることにした。
 「RUE PAUL CESANNE」と、セザンヌの名前がついているくらいだから、セザンヌにちなんだ何かがあるかと思ったが、…普通の通りであった。


【シェイクスピア】
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 SHAKESPEAREと名のついた店発見。
 店が開いてないので、何の店か分からなかったけど、たぶんシェイクスピアの本を売っている店なのであろう。
 フランス文化至上主義の気配のあるパリの通りの、町角のとても目立つところに堂々と英語があるのが、ちょっと面白い。…まあ、シェイクスピアってのは、フランス人だって仰ぎみざるを得ない別格の存在なわけではあるが。この人ばかりは、ラシーヌだって、モリエールだって、ジロドゥだって、束になってもかなわない。

【贖罪礼拝堂(Chapelle expiatoire)】
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 パリの繁華街に続くオスマン通りを歩いていると、雑多になってきたパリ市街で、そこだけ違う空気が漂っているような、静謐な雰囲気に満ちた美しい建物があったので、寄ってみた。
 建物前の公園に置かれていた説明書きによると、ここはルイ16世とマリー・アントワネットを祀った礼拝堂のようであった。

【プレート】
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 礼拝堂の門のプレートには、「この『贖罪礼拝堂』は、ルイ16世王と王妃マリー・アントワネットが21年間休息(reposer)したところに建てられました」と書かれてある。
 ということは、ここは国王夫妻の別荘みたいなところだったのかなと思ったが、21年間も別荘で休むわけもなく、なんだか変だなとは思った。

 それであとで調べてみると、なんと国王夫妻はギロチンで処刑されたあと、他の処刑された者たちその他大勢と一緒くたに埋葬されていたとのこと。で、処刑者たちが埋葬された墓地のあったところがここなのだ。
 そして21年後に、さすがにフランス国家元首であった国王夫婦をそういう共同墓地に埋めたままにしておくのはいかんだろうということで、埋葬し直そうということになったのだが、掘り返すと、もはや誰が誰か分からない状態になっており、かろうじて着ていた服によって国王夫妻の同定ができ、それから改めて歴代フランス国王の教会に埋葬し直したとのこと。
 「21年間の休息」って、そういう意味だったわけだが、…ひでぇ話だ。
 まあ、この礼拝堂に「贖罪」という言葉をつけているところに、フランス人の後悔と反省が認められはするのではあるが。


【モンマルトルの丘】
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 贖罪礼拝堂からモロー美術館へはだんだんと坂を登って行く。
 そして、モンマルトルの丘は、坂に従って高いところへ高いところへと登っていけば、どこから行ってもたどり着く。
 目的地は坂の頂点なわけだから。
 そのモンマルトルの丘、パリ有数の観光地だけあった、観光客もまた多い。
 ここはかつて画家や詩人が数多く集ったところだけあって、その手の土産物屋が多く、また名物の似顔絵書きも当然やっていた。

【パリ風景】
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 パリのどこからも見えるということは、こちらからパリも全部見られるわけで、たしかに、パリを一望のもとに見渡せる。

【サクレ=クール寺院(Basilique du Sacré-Cœur)】
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 モンマルトルの丘の象徴、サクレ=クール寺院。
 階段脇の白い聖者の彫像みたいに見えるものは、じつは白塗りの人のパフォーマンスなのである。これが動き出すのを見ると、少々驚きます。

【ムーランルージュ】
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 寺院や、その周囲を散策し、そしてモンマルトルの丘を降りたところに、かの有名な赤い風車のムーランルージュがあった。
 ロートレックの絵なんかでも有名な、踊り子のショーがあるところである。
 パリに5泊もしたんだから、一回くらいは、世界に鳴り響くキャバレー、ムーランルージュのショーを見に訪れても良さそうなものであったが、食い気が先行している者ばかりのツアーであったため、ついに夜はレストラン以外どこも寄らない旅で終わってしまった。
 もう少し若くて元気なときにパリに行けば、レストランとキャバレーのダブルヘッダーを組めたのかもしれないが、なにしろレストランがハード過ぎて、中年族にはとうてい無理であったなり。

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フランス食紀行(6) ルドワイヤン(Ledoyen)

 私の記憶が確かなら、昔の日本でのフランス料理のイメージは「滅多に食べられぬ豪華な料理」というものであったのだが、それから時代が流れて食の洋食化が進み、フランス料理というのは、数ある料理のうちの一種という範疇に入っている。
 それでも、その昔の「豪華たるイメージ」そのものであったのが、ルドワイヤンであった。

【ルドワイヤン】
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 正面から見るPavillon Ledoyen。
 貴族の大邸宅とでもいうべき、壮麗なレストランである。
 このレストラン、歴史も古く、ナポレオンがやがての妻ジョセフィーヌにここで出会ったとのエピソードもある。

【Le chat de Ledoyen】
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 ルドワイヤンの玄関近くには、人懐っこい三毛猫が一匹いて、ドアマンと一緒に客を迎えていた。
 ドアマンの様子からは、レストラン居つきの猫みたい。
 「Le chat de Ledoyen(ルドワイヤン猫)」と呼ばせてもらおう。

【レストラン内景】
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 レストランのなかは、豪華にして荘重な内装。
 この雰囲気のなかでは、当然にして立派なフランス料理が出て来るのは間違いないであろう。

【アミューゼブッシュ】
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 アミューゼブッシュはこの店の名物「Gelee au gingemble(ジンジャーのゼリー)」。
 ジンジャーの淡い香り、それに、ぷるぷるふるふるした食感が面白い。

【アミューズ】
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 アミューズは、これらの美しくも、食欲を進めるような小品が続き、つぎからのスペシャリテ連続の前座を務める。

【La carte de Ledoyen】
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 ルドワイヤンのメニュー表を示すけれど、我々が頼んだコースは、メニュー表で赤で囲ったルドワイヤンを代表するスペシャリテ3品をメインとしたもの。
 どれも、この店ならではの個性豊かなものである。

【スペシャリテ1】
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 「Grosses langoustines Bretonnes Emulsion d’agrumes (ブルターニュ産大手長海老、柑橘類のエマルジョン添え)」
 海老の香りいっぱいの大手長海老に、これも柑橘系の香りの豊かなエマルジョンソースをあわせ、フランス料理の王道とでもいうべき、濃厚な味と香りの料理。

【スペシャリテ2】
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 「Blanc de turbot de ligne juste braise pommes rattes truffe (白い平目のブレゼ、ジャガイモとトリュフ)」
 これは見ただけでは何の料理かは分からないけど、ブレゼした白い平目の身を長方形に切って、それに黒トリュフを海苔のように載せて、ピアノの鍵盤みたいなユニークな形にしている。それにポテトを泡々のカプチーノ仕立てにしたものを敷き詰めたもの。
 平目もポテトもトリュフも、それにバターもたいへん良いものを使っており、それらの味と香りの多重層を楽しめる、いわゆる足し算の料理。

 …ところでパリのレストランの魚料理って、Turbotばかり出ているような気がする。フランスには魚はTurbotしかいないのかな、などと思ったが、W氏によれば西洋人は海産資源の保護という概念がないので、大西洋のいい魚はほとんど獲り尽くされてしまい、まともな魚はTurbotくらいしか残っていないとの言。…本当かいな。

【スペシャリテ3】
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 「Ris de veau en brochettes de bois de citronnelle rissolee, jus h'herbes (子牛の胸腺の串焼き、レモングラスの香り、それにハーブのジュース)」
 リードヴォーって、有名な料理のわりには私は初めて食ったのだけれども、まさに初めて体験する味と食感と香り。
 味にしろ食感にしろ、そしていい加減の火の入れ方にしろ、きわめて個性ある「濃厚系」の料理なんだけど、全体の印象としては、キレのよい爽やかな料理。おそらくは、最初の印象が見た目脂たっぷりなのに、じつはまったくそうでないというギャップがあったのも加味しているからなんだろうけど、繊細にして、緻密な料理であった。

【デゼーレ】
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 フロマージュののちは、フレンチ特有の二回戦、デザート劇場の始まり。
 このクイニーアマンはルドワイヤンの名物。
 甘さと旨さを濃厚にしたジャンボクロワッサンとでもいうべき料理だが、これだけで昼飯一回分になりそうなカロリー量。
 フランス人なら、難なく完食するのだろうけど、普通の日本人にはぜったいに無理であります。

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 マカロンやフルーツや焼き菓子。
 これを乗せている台も美味しそうであったが、スプーンで叩いてみると固い音が返ってきたので、どうもこれは食い物ではない模様。
 でも砂糖を焼き固めたもののような気もしないでもなかったが、すでに腹いっぱいになっていたので、強引に壊すようなことはしませんでした。


 ルドワイヤンは、料理にしろ、店そのものにしろ、私たちが憧れていたフランス料理の店にもっとも近いもののような気がする。
 料理そのものでは、アルページュのほうが、素材の良さや、調理の技術、それに時代の最先端を行く意気込み等で、食通には受ける店とも思えるが、それでも異国人がはるばるとフランスを訪れたとき、フランスというものを知るためには、ルドワイヤンは最も適した料理店のように思えた。

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September 19, 2012

パリ美術館巡り

 パリというのは美術館の宝庫のようなところであり、大はルーブル美術館から小は個人経営のものまで、魅力ある美術館が山ほどある。
 ただ時間的に多くは行けないので、とくに行きたい3つの美術館に絞って訪れてみた。

(1)モロー美術館
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 この美術館は観光地からはずれた住宅街のなかにあり、分かりにくいところにある。…ギュスターブ・モローの邸宅をそのまま美術館にしたのだから当然なのではあるが。
 それゆえ、この美術館はモローの絵の愛好家しか訪れない場所であり、そして扉のところには、フランス語、英語とともに、日本語で「扉を押して下さい」と書かれてあった。モロー、日本人に人気のある画家のようである。
 …もっとも、客少なき美術館のなかのアジア人は、私以外はChinoisばかりだったのは、日本の不景気さおよび中国の景気の良さを意味しているんだろうな。

【美術館内】
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 モロー美術館は珍しく写真撮影可であった。それでカメラで館内を撮っている人が多かったが、…フラッシュ焚くのは止めたほうがいいと思ったなり。
 この部屋にぎっしりと飾られた絵は、その多くが画集で見た覚えのある有名なものばかりであり、モローの絵は、あまり散逸せず、この美術館に集まっているようであった。

【サロメ】
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 モローの名画の数々に満足しつつ、ここで一番の目当ての絵「サロメ」を見る。
 中学生の頃にこの画を画集で見て、なんと美しい絵だと思い、それからずっと実物を見たいと思っていたけど、実物でみる美しさは、当然のことながら画集で見たものよりも、はるかに迫真的なものであった。
 「踊りの報酬として預言者の首を望む」、というサスペンスな場面を描いたものにも関わらず、この絵は、とても静かで、美しかった。
 この絵では、種々に発光する光源があり、それぞれが独自の光を放ちながら、ゆるやかに融合し、調和している。そしてその色は絵全体のなかで混ざることにより、まるで音楽の和音のように響き、登場人物3人はおのおのが、その玄妙なる音楽に静かに聞きふけっている、そういうふうに見える、あるいは聞こえてくる、不思議な感覚を与えてくる絵であった。
 この絵を見るためだけでも、パリに来る価値はあった、せつにそう思う。


(2)オランジェリー美術館

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 次はメジャーどころのオランジェリー美術館。
 この美術館の目玉はモネの睡蓮の絵。
 この絵を収める一室の天井には大きな曇りガラスがはめられており、そこからの間接的な日光を浴びて、睡蓮の絵は、「光の魔術師」と呼ばれたモネが表現したかったはずの、独自の美しさを表現している。
 この一室だけでも素晴らしいが、その他の部屋の印象派の絵もまた見事。

【睡蓮(Wikipediaより)】
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(3)オルセー美術館
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 ルーブル美術館に次ぐ、フランスの象徴的美術館。
 パリに訪れた人は、誰しも訪れたきところである。
 ただ、ここに入る時はチェックが厳しく、また周りには自動小銃抱えた兵士が護衛に何人もいて、ヨーロッパのテロの厳しさも実感させてくれた。

【蛇に噛まれた女(Wikipediaより)】
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 オルセー美術館では、絶頂美術館という本が、いいガイド本であり、美術における官能の表現についてオルセー美術館の数々の作品を挙げて説明していた。そこで、オルセー美術館で入って最初に正面にある彫刻「蛇に噛まれた女(作:クレサンジュ)」が、官能の表現として、最高級のものであり、そして三次元の造形が最も官能の表現に向いている、というふうなことが書いてあった。
 なるほど、そういう事前知識があると、この作品が名美術品の宝庫のオルセー美術館のなかでも、とりわけ傑出した作品ということがよく分かった。

 この美術館の収蔵する美術品の数は圧倒的であり、そしてそのなかには一品だけでも日本に来れば、3ヶ月間満員御礼(福岡の美術館でよくそういう現象が起きる)になるという絵が、山ほどある。
 オルセー美術館は人多き美術館であるが、それでも日本に比べればずっと少なく、落ち着いた雰囲気で、たくさんの名画をじっくりと見ることができた。

 (ただし、たくさんの名画をじっくり見たせいで、印象派の画家では、セザンヌがずば抜けた存在ということも、個人的にはよく分かった。印象派の画家って、いい意味でも悪い意味でも、アマチュアの絵という印象がどうしてもあるのだが、セザンヌだけは、デッサン、描画、色彩、構図、精神性、全てに途方もなく高い力量を持った存在と思い知った。これもオルセー美術館に行っての大事な収穫である。)


 芸術の都パリとはよく言われるが、まったくそのとおりで、訪れたかったけど、時間のなかった美術館が、まだまだ山ほどある。

 パリ、また訪れなくては。

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フランス食紀行(5) アルページュ L‘Arpège

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 パリにフランス料理店は数あれど、そのなかで最も人気があり、予約を取るのも困難な店、アルページュ(L‘Arpège)。
 それほどの有名店なのであるが、店自体は、ロダン美術館のすぐ近くの普通の路地に面した、カフェレストラン風の一見素っ気ない建物。
 三星レストランの多くが、洋館や城風の、「いかにも」という風情の建物だったので、これはかえって新鮮に思える。

【アミューズ ブッシュ(Maison de cusine)】
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 アミューズブッシュは、野菜のカナッペ。
 野菜を得意とする店であり、まずは野菜の可愛らしい料理から。


【アントレ1(belle saison)】
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 アントレ一皿目は、「美しい季節」と名付けられた、トマトの冷たいスープに、アイスクリームを浮かせた料理。
 まず、このトマトの酸味と香りがただものではない。そしてトマトの味の豊かさも。
 このスープに、マスタードのアイスクリームを少しずつからめれば、味は微妙に変わっていき、さらに奥深き味を知ることができる。

【アントレ2】
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 アルページュの看板料理の一つが、この半熟卵。
 半熟卵は本来はシンプルな料理のはずであるが、まず上に載せているクリームからして甘みと酸味が絶妙。そして、その奥の半熟の黄身が、見事な半熟加減であり、そして黄身の味が濃厚であることから、クリームとあわせて、じつに複雑で繊細な料理となっている。

【アントレ3】
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 ショゼ島のオマール海老に蕪。それにアルガンオイルと酢と蜂蜜で味を調えて。
 海老と蕪の素材が素晴らしく、豊かな香りに満ちているのに、さらにスパイスで香りを加え、重層的な香りの料理となっている。

【アントレ4】
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 アルページュの名物料理、自家菜園の野菜のラビオリ。
 このコンソメスープの味がまず素晴らしいのであるが、さらにラビオリの中にもそれぞれ異なった味のスープが入っており、香りと味の三重奏、四重奏を楽しめる。

【アントレ5(Arlequin)】
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 アルページュは特に野菜料理に力を入れているが、その代表的料理が、この「自家菜園の野菜のArlequin(アルルカン)」。
 アルルカンといえばどうしてもピカソの哀しい絵のシリーズを連想してしまうが、こちらのアルルカンは「陽気な道化師」という感じで、色彩鮮やかに、皿の上に魅力を花開かせている。
 それぞれの野菜は、茹でたり、焼いたり、燻製にしたりで、その素材を最も美味しくするような火入れをされており、とんでもなく美味である。

【平目】
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 メインの魚料理は、ブルターニュの岬で獲れた平目のグリルである。
 まずはこの大きな平目のグリルを、客の前に持ってきて、その大きさで驚かせてくれる。

【メイン 魚料理】
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 先ほどの平目のグリルに、野菜とワインソースをあわせて、「Turbot de la pointe de la Bretagne grille entier au Cote du Jura」という料理となる。
 ソースも野菜も平目も、全てが美味。

【鴨】
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 肉料理は鴨である。これも大きい。
 …なお、他のテーブルにも同様に一匹丸々持ってきていたので、どうやら鶏も平目も、一テーブルにつき一匹ずつのようであった。すなわち一番美味しいところのみを料理に出して、残りは捨てていたのでしょうな。なんと贅沢。

【メイン 肉料理】
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 この鴨料理は、「Rotisserie grand heritaje de Louise Passard (ルイーズ・パッサール直伝の大きな炙り焼き屋)」というユニークな名前。
 ルイーズ・パッサールって有名な料理人なんだろうか?と調べたら、アラン・パッサール氏の祖母なのであった。アラン・パッサール氏の最初の料理の師匠は、彼のおばあさんだったのである。
 鴨料理は、「肉の魔術師」と呼ばれたアラン・パッサール氏の火の入れ方の素晴らしい技術を、思いっきり知ることのできる逸品。
 肉の焼き加減には、ウェルダン、ミディアム、レアとあるわけだが、本当に美味しい焼き加減は、アラン・パッサール氏のやりかたに尽きる、と断言したくなる、全体にほどよく火の入った見事な焼き方。


 三星レストランの定義は、「そのために旅行する価値のある卓越したレストラン」ということだが、アルページュはまさにそれそのもののレストランであった。
 素材も、技術も、全てがきわめて高水準であり、一品ごとに感嘆と驚きのある、素晴らしい時間が楽しめた。
 まあ、値段もそれ相応に、結構なものであったのではあるが…

【デザート(caprice d’enfant「子供の狂想曲」)】
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【デザート】
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 本場のフランス料理というのは、二回戦方式、あるいはダブルヘッダー方式になっており、コースがいったん終了したのちは、新たなコースとしてデザートが始まる。
 デザートは量も質も本コースと同じくらいなのであり、これらを全部完食できる人たちを見ると、人種が違うなあ、と思ってしまう。
 ミルフィーユもマカロン、ヌガもすべて美味。しかし、全て食うのは私らにはとても無理である。

【M. Alain Passard】
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 フランス料理界の至宝ともいえるアラン・パッサール氏は、とても気さくで、かつサービス精神の旺盛な人であり、各テーブルを回り、ユーモアたっぷりに挨拶を交わしていた。
 日本という遠方から訪れてきた私たちには、一緒に記念撮影のサービスもありました。

【パッサール氏サイン入りメニュー】
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 さらに、パッサール氏サイン入りの本日のメニューもいただけました。

【couteau】
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 レストラン・アルページュのサービスとして、OPINELのフォールディングナイフの持ち帰りがある。
 デザインの優れた、洒落たクトーであり、さっそくアウトドア用に使わせてもらうことにした。


 アルページュ、今思い起こしても、驚きと、感嘆と、喜びに満ちた食体験であった。
 名店ばかりを訪ね歩いたフランス食紀行の、クライマックスとなった一夜であった。

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大聖堂の町シャルトル

 パリから車で1時間半ほどの位置にある、小さな町シャルトルは、世界遺産であるノートルダム大聖堂があり、古き時代の街並みも残っていることから、パリからの日帰り旅行の目的地として人気がある。
 フランスの観光地としては、本当はモンサンミッシェルに行きたかったのであるが、あそこはパリからだと距離的に日帰りは無理なので、その中間点くらいにあるシャルトルに行ってみることにした。

【ウール川】
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 シャルトルの町なかを流れる運河ウール川。
 きれいな流れであり、魚もけっこう泳いでいた。

【大聖堂への坂】
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 大聖堂は、シャルトルの丘のてっぺんにあるので、どういうルートを通っても、坂を登って行けばたどり着く。

【シャルトル市街】
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 シャルトルは大聖堂周囲が最もにぎわっていて、趣味のよい店がいくつも並んでいた。

【大聖堂】
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 坂を登りつめれば、そこには二本の鐘塔を天に突き立てている、巨大な建築物がある。
 これがシャルトルのランドマーク、ノートルダム大聖堂である。
 ノートルダム(Notre-Dame)は「私たちの貴婦人」という意味で、イコール聖母マリアのことである。マリアは聖書の重要人物であり、かつ人気者なので、フランスには、あちこちにノートルダム教会があるのであるが、シャルトルの大聖堂はマリアが着ていた服を聖遺物として寺の宝にしており、由緒正しき教会なのである。

【大聖堂】
3

 シャルトルの大聖堂の建築様式としての特徴は、二つの塔が違った様式で建てられていること。手前がロマネスク、奥がゴシックである。
 大聖堂は、半分が火事で焼失してしまったため、再建のさいに、元通りにはせずに、そのときの時代の様式で建てたため、そうなってしまったそうだ。
 日本人からすると、なんともアバウトな話に思えるが、フランス人はそういう気質の民族であるのは間違いない。

【ステンドグラス】
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 大聖堂のステンドグラスは、「シャルトルの青」と言われる独特の深みある青が鮮やかな色彩を誇っており、また絵の美しさからも、美術的価値のたいへん高いもの。
 本日は晴れていたので、射してくる光も豊富であり、その魅力を大いに味わえた。

【シャルトルの町】
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 シャルトルは小さな町であり、教会裏の公園から一望することができる。
 パリとはまったく異なる、これはこれで風情ある風景。


 シャルトル、意外に見どころの多い町であり、旧市街の建築物とか、ピカシェットの家とか、ずいぶんと見残したところが多かった。
 ここに来るなのなら、朝早くから来るか、あるいは泊まりにするべきだったと反省。

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September 18, 2012

フランス食紀行(4) サンドランス Senderens

【Senderens】
9

 パリに戻っての夕食、第一軒目はサンドランス。
 フランス料理界ヌーベル・キュィジーヌの鬼才と呼ばれたアラン・サンドランス氏の店である。本来は三つ星レストランであったのだが、店の新方向を探求するために星を返上し、より多彩な人が訪れるようなレストランを目指しているそうだ。

【店内】
Room

 そして店内に入ってみると、ここはたしかに普通のフランス料理店とは雰囲気が全く異なっている。
 調度品や内装は、よくいえばカジュアル、悪くいえば安っぽい。そして特筆すべきは照明であり、壁際に飾られている鏡の前の明かりは、赤・黄・青と刻々と色を変え、どうにも落ち着かない。

【店内 テーブル】
Table

 そして天井からはピンクの照明がテーブルを照らし、その照明は蝶の模様を透かしているので、テーブルの上をこんな蝶が舞っている。
 面白い趣向といえばいえるのだろうが、この照明は料理店としてはいかがなものかと思わぬでもない、というか思う。

【アントレ】
Saumon

 このピンクの照明で料理がどう見えるかいえば、上の写真のごとし。
 これは「Saumon demi-snacké (origine Écosse), sushi de légumes et pamplemousse」という料理で、皿の上に乗っているのは「スコットランド産の鮭と、野菜とグレープフレースの寿司」である。
 さすがに店のなかで見た実物の料理は、目と脳の働きにより、写真ほどまでにはピンクがかっては見えなかったのであるが、それでもせっかくの料理の色彩がずいぶんと照明に邪魔をされていた。

【アントレ(補正)】
Saumon2

 私は今回のフランス食べ歩きのために、高性能コンパクトデジカメSony RX-100を購入したのであるが、RX-100なら、とりあえずRaw dataで記録しておいて、あとでホワイトバランス補正したらどうにかなるかと思っていたけど、いろいろ条件をいじってもこれが限界。かえってノイズが強く出て、どうにも妙な写真となってしまう。
 Photoshopを使えばまだなんとかなるのかしれないが、私にはスキルないっす。

【アントレ】
Homard

 これはこの店の名物のオマール海老のバニラ風味(Homard a la Vanille)。
 バニラの強い香りが海老の香りを邪魔しそうに思える料理であるが、なんのなんの、海老も香りが強く、そして二つの香りが相乗効果でなんとも言えぬ香りと、そして味をつくっている。
 …しかし、色がなあ。
 こういう写真を並べていると頭がくらくらしてしまう。


 とかなんとか言いながら、前菜にメイン、全てがとても美味しかった。
 どの料理も工夫に満ちていて、時代の先端を行くという意気込みをおおいに感じられたし、そしてそれにまったく破綻がなく、コースとしてまとめあげていたのも素晴らしい。
 そして、サンドランスでは、それぞれの料理に対してワインを一杯ずつ合わせており、これが料理・ワインともに存分に魅力を味わえた。これは、あとで行ったムーリスも同じ方式だったけど、これこそ最もマリーアジュを楽しめる手法だと思った。

【デザート】
Dessert

 フランス料理店の常として、ここでもデザートは大量に出て来た。これは最初の一皿。
 ところで、私たちが日本人ということで、最初に厨房のパテシィエが紹介された。彼は埼玉からお菓子の修業に来た若い日本人であり、何の伝手があるというわけではなかったのだが、サンドランスという店に魅力を感じて、自分で紹介状を書き、そして独力で就職したとのこと。
 こういう活力ある人たちが修業したのち、また日本に戻ってきてくれると、日本のデザートの文化はもっともっと向上するのではと期待する。

 サンドランス、照明と内装はいただけなかったが、料理とワインに関しては見事なものであった。
 そしてこの店のもう一つの特徴としては、「使いやすさ」というものがあったと思う。サンドランスが三星を返上してまで求めたもののうちのそれが大きな部分であったのでは。
 他の三星レストランでは店の雰囲気にどうしても非日常的なものを求める緊張感があったのに対し、サンドランスではそのような雰囲気はなく、ビストロ風な、気楽に料理を楽しもうという雰囲気があふれていたように思う。
 そして、他の店では英語がもっぱら飛び交っていたのに対し、この店のみはフランス語のほうが多く、地元の人がよく使っているようであり、地元の人に愛されている店なのであろう。

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ソーリューの朝

【ソーリューの街】
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 ブルゴーニュ地方の小さな町ソーリュー(Saulieu)は、我々のような食いもの好きにとってはレストラン、ベルナール・ロワゾーのある町ということで有名なのだが、じつはロワゾーよりも町の中心に建つ教会のほうで有名になっている。

【サンタンドシュ教会】
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 ソーリューは小さな町であり、そして教会は小高いところにあるため、ソーリューのどこからでも教会の塔を見ることができる。
 その塔を見ながら、ゆるい坂を登っていけば容易に教会、サンタンドシュ教会(Saint Andoche)に着くことができる。

 サンタンドシュ教会はロマネスク建築の代表的存在だそうで、建てられたから1000年以上も経つという、歴史的価値も大きい教会だ。
 教会内部の柱の彫像の芸術性が高いとのことで中に入ってみたかったが、午前10時からの開場とのことで、結局入る機会をもてなかった。

【広場(Place du Dr. Roclore )】
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【教会前の通り】
2

 ソーリューの一番栄えているところは、教会前の広場と通りであり、地元の人専用のような店がいくつかあった。

【石畳の街】
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【ソーリューに馬車】
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 パリのような、道路にゴミが落ちまくっている街とは違い、フランスの地方都市はいったいに清潔感がある。
 ソーリューの朝は、道を掃除している人たちをよく見たし、そしてこの街ではゴミはドラム缶みたいなものにいったん入れられるのであるが、それを回収しているのはなんと馬車であった。
なんだかよく分からないが、いかにもフランスの地方都市!という感じだ。

【アレクサンドル デュメーヌ氏肖像画】
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【朝食】
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 朝の散策ののちは、ロワゾーに戻り朝食。
 今回の食紀行中は、夕食の量が多いために、原則的には一日一食で済ませていたのだけど、世界一とも称される「ロワゾーの朝食」は、一度は経験してみたかったため、朝食をとってみた。

 「コンチネンタル」と呼ばれるフランス式の朝食はシンプルであるけど、それぞれの料理のレベルは高いものであった。
 生ハム、半熟卵、パテ、パン、コンフィチュール、どれも美味。
 まあ、世界一ということはないだろうけど、とても美味しかったです。

【Dijon駅】
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 ソーリューからはTGVでパリに戻るので、いったんはディジョン駅までタクシーで行く。
 ディジョン駅、ピンクの看板に「Vous avez rendez-vous avec le train」と書かれてあるのが、なんだか洒落ていていいですね。これが英語だと、「You have a promise with the train」で、なにも面白くない。
 でも、rendez-vous(ランデブー)という言葉があると、旅立ちの楽しさが伝わって来る。これがフランス語の良さだな。

 なお、手前の図入りの説明書きみたいなものは、フランスによくある貸し自転車の使い方の説明表示板。一度使ってみて、街中を自転車で走りたかったのだが、じっくり読んでみても、使い方がなにがなにやらさっぱり分からなかった。

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September 17, 2012

フランス食紀行(3) ベルナール・ロワゾーBernard Loiseau 二日目 

【le Jardin de Loiseau】
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 ロワゾーでの二日目の夕食。
 テーブルが窓際だったので、うつくしい庭を眺めながらの食事である。

【アミューズブッシュ】
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 アミューズブッシュは昨日同様に可愛らしい料理が並ぶ。

【アントレ】
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 野菜スープは、野菜の味が濃厚で、かつ優しい味。
 ふんわりとした食感も見事。

【メイン1】
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 本日は肉料理のコースであり、こらから肉料理が並ぶ。
 一番目は「Suprême de pigeon rôti,moelleux de fèves à la fraicheur de légumes et gelée de betterave,jus à l’ail des ours」というもので、鳩のローストに豆や茸を合わせたもの。

【メイン2】
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 2番目はフォアグラのソテー。生フォアグラにも似た感じの、くどくない、あっさりした味である。

【メイン3】
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 3番目は牛のフィレ。焼き加減はミディアムにした。
 和牛のフィレとは異なり、肉の味がより直線的にしてくる、…肥後の赤牛にも似た感じの牛肉であった。
 TGVから見たフランスの農村は、広大な牧地に牛を放し飼いにしていたけど、ああいうところで育てた牛が、このような健康的な味になるのでは、とも思った。

【デザート】
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 デザートは昨日同様に、手間暇をかけて造られた、複雑にして奥深きもの。
 本場のフランス料理では、デザートも主役級といってよいくらいの位置にあることを再確認した。


 ロワゾー、一日目は魚コースで、二日目は肉コースであったのだが、そうなるとそれぞれのコースが、かえってメリハリが乏しく、どうにも意図がよく分からなかった。
 ただし、各料理の完成度や、独創性、それになんといっても美しさ。はるばる、この地に来て食べる価値のある、さすが三星レストランの料理であった。

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ブルゴーニュ: ルイ・ジャド、それに黄金の丘

 ブルゴーニュに来たからには、ワイナリーそれにワイン畑を訪れよう。
 まずはワイナリー、Louis Jadot。
 Louis Jadotはブルゴーニュで最も有名なワイナリーであるが、宮崎のワイン輸入業者がここと縁が深いということで、そこから話がついての訪問となった。

【Louis Jadot】
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 傍目には、普通の広い洋館であるが、もちろんそうではなく、ここの地下は秘密基地みたいに大変広くて、そこにワイン樽がごろごろしている。

【新しいワイン樽】
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 このオークのワイン樽は、2012年のブドウが収穫されて、それが詰められるのを待っている。

【ワイン樽】
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 これらは昨年度2011年のワイン樽。
 ワインの詰まった樽はみな横に倒されている。ワインを寝かせる、ってこういう意味だったんだな、と妙なところで感心する。

【ワイン試飲】
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 数多くのワイン畑から収穫された葡萄は、その名前の入った樽に入れられている。2011年のものはもう飲めるのであり、それらたくさんの種類のワインを試飲させてもらった。 Clos Saint Denis, Puligny Montrachet Pucelles, Chamolle Musigny Prazeys, Beaune Clos des Ulsules, Vosne Romanee Petits Monts, Meursanlt Genevrries…等々。
 ワインの試飲はワイン樽のコルク栓を外したのち、長いスポイトのようなものでワインを取り、それをワイングラスに入れてする。全部まじめに飲んでいたら、とんでもなく酔っぱらってしまうゆえ、口のなかをすすぐような形にして残りは、漏斗みたいなものに捨ててしまう。

【M. Jacques Lardiere】
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 ルイジャドのワイン醸造のチーフのJacques Lardiere氏。
 ブルゴーニュのワイン界の超有名人である。
 ワイン樽をバックに、ワインが好きで好きでたまらないという強大なオーラをまとったこの人は、少々浮世離れした、ワインの妖精みたいな雰囲気がある。(「妖精」といってしまうには、あんまりpetitではないが)
 Lardiere氏、ワインのことを話したら、喋ること、喋ること。堰を切ったダムのごとく、もう止まらない。いや、こんなに早口で、そして大量に喋る人って久しぶりに見た。
 その洪水のごとき言葉の流れを少々堰止め、W氏が美味しいワインをつくる秘訣を教えてほしいと尋ねたら、「only…」と答え、それに「collect、select、control、mature」と続ける。全然onlyじゃないじゃん、とか私は心のなかで突っ込んだが、…まあそういう大変な手間暇をかけてワインは出来あがるのである。


 ルイ・ジャドで大量のワイン樽を眺め、多くのワインを試飲し、チーフの有難い話も聞いて、大変満足させていただいたところで、次はワイン畑めぐりである。

【シャンポール=ミュジニー村】
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 ブルゴーニュの葡萄の村、シャンポール=ミュジニー村の標識。

【黄金の丘(Cote d’Or)】
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 ブルゴーニュの、葡萄がたくさん植えられた丘陵地帯は、「黄金の丘(Cote d’Or)」と呼ばれている。夕方には夕日を浴びて黄金色に輝く、とかの詩的な意味ではなく、ここの葡萄をワインにすることでお金がたくさん儲かる、という意味で名付けられた、そうとうに即物的な命名である。

【Château du Clos de Vougeot】
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 ブルゴーニュのワイン畑の風景を引き締めているのが、Clos de Vougeot城。
 この城は現役であり、ワイン騎士団の本部となっているそうだ。

【Romanée Conti】
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 ワイン畑は、Les Malconsorts、La Tache、Les Chaumes、Grand Echezeaux…と有名どころをタクシーで回ったわけだが、どこも同じようなものだったので、写真はそれらを代表してロマネ・コンティを一枚。

【注意書き】
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 なお、ブルゴーニュのワイン畑はたいへんアバウトであり、観光客の立ち入りは自由であったが、さすがにロマネ・コンティだけは、このようにやんわりと「立ち入り禁止」を告げる注意書きがあった。

【葡萄】
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 ブルゴーニュの葡萄は刈り入れにあと数日であり、今が最も実ったところである。これがワイナリーに運ばれて、それこそ「collect、select、control、mature」されることにより素晴らしいワインとなり、世界中に売られていくことになる。

 私たちが日本で飲んでいるブルゴーニュのワインの、源流のごときものに触れることができ、なかなかためになった一日であった。

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September 16, 2012

フランス食紀行(2) ベルナール・ロワゾー Bernard Loiseau 一日目

 ワインの聖地であるブルゴーニュの田舎町ソリューのオーベルジュ、ベルナール・ロワゾー。
 フランス料理の伝説的シェフである故ベルナール・ロワゾー氏が一代で築き上げた世界で最も有名なオーベルジュであり、ここに泊まり食事をするためだけのために、世界各地から多くの人がこの辺鄙な地に訪れるという、まさに三つ星の定義そのものの存在である。

【部屋】
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 泊まった部屋はメゾネットタイプで、一階がリビング、二階が寝室となっていた。
 伝統的なクラシカルなたたずまいとともに山荘的な雰囲気もあり、古びた街ソリューの宿にふさわしい。

【庭】
Eljardin

 庭はヨーロッパ風の庭園で、樹々がメリハリの利いた形で植えられている。
 花を咲かせる樹々が多かったが、今は花の時期ではなく、花が少なめだったのが少し残念。
 正面に見える瀟洒な建物がレストランである。


 ディナーのコースメニューは、宿のHPから引用したのがこれ→(「bernard_loiseau.」)であるが、DéliceとClassiquesの二種類があり、Classiques(クラシック)のほうにロワゾーの名物メニューが多く含まれている。
 我々は連泊なので、それぞれのコースを楽しめるのかなと思っていたが、一日目はメインが魚ばかり、二日目はメインが肉ばかりという、なんだか変なコース設定となっていた。段取りになにか間違いがあったのだろうか。

【アミューズ】
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 アミュース ブシュは二皿。フライやシュー、サーモンの小品がいくつも出て来る。それぞれ面白い香りと味付けがされている。

【アントレ1】
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 人参のムースをトランペットの形に仕上げたもの。それに羊肉のカロネリ。
 優しい味つけである。

【アントレ2】
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 これはベルゾーの名物料理のようで、「Carpaccio de crevettes Black Qwehlijus de tête réduit,sauce au velouté de brebis et herbes du potager」という料理。「頭を取ったBlack Qwehlijusという海老のカルパッチョ。それに家庭菜園(ポタジェ)のハーブで香りをつけたビロードのような舌触りを持つ羊肉のソース」だそうだが、メニューの内容と料理がイマイチ一致しないようで、なにやらよく分からん。
 それはともかくとして、フランス料理でありがちな濃厚な味付けはなく、かえって素材を際立たせるような、ミネラル分を強めに使ったような、尖鋭さのある料理であった。

【魚料理1】
6

 魚料理の第一は、磯魚のスープで味を調えた鯛のフィレ。それに花ズッキーニを添えて。
 火加減が絶妙であり、身も美しく焼きあがっているので、多彩な色のソースとの色のハーモニーがきれいである。

【魚料理2】
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 これもロワゾーの看板料理、「Sandre à la peau croustillanteet fondue d’échalote,sauce au vin rouge」。
 「Sandre(サンドル)」という魚を皮目をパリパリに焼いて、エシュロットを添えて、赤ワインのソースで食べる料理。これはどういう魚ですかとたずねたら、「川で獲れるシーバス」とのこと。日本で言うところの「川鱸」のようである。
 たしかに川魚特有の香りがあり、それを強く焦すことで独特の魅力のある味にしていた。そして赤ワインソースは、「水の料理」ロワゾーならではの、すっきりした鋭い味で、素材の良さをくっきりと引き立てるもの。

【デザート】
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 デザートはCarrousel(回転木馬)と名付けられたもので、なんとなく雰囲気は分かる。くるくると回り出しそうな菓子。手間をうんとかけた美術品のような一品。

【デザート2】
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 このアーモンドチュイルも上品な甘み、香り、歯ごたえ、全てよろしい。


 今日は魚主体の料理であって、魚の素材そのものでは日本料理のほうが上のような気はしたが、その料理の技術、工夫はやはり驚かされるものがあった。
 そして〆のデザートはやはり本場のもの。たいへん高いレベルのものであり、見て、食べて、感心することしきりであった。

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ブルゴーニュへ (パリ→ディジョン→ソリュー)

 フランス二日目はパリからワインの聖地ブルゴーニュへと向かう。

【リヨン駅】
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 ブルゴーニュへはこのリヨン駅からディジョン駅までTGVで行く。
 ブルゴーニュ地方へ向かうパリのターミナルであるリヨン駅、剥きだしの鉄骨で造られた駅舎が前近代的であり、なかなか格好いい。
 このリヨン駅、写真の真ん中に写っている小さな黄色の公衆電話機のようなものが切符販売機であり、切符はここで買うのだが、どうにも使いにくい。リヨン駅はパリの主要駅なんだから、本来なら「みどりの窓口」的な切符売り場がどこかにあるはずなのだが、どこにも見当たらず。異国人にはきわめて不親切なつくりだな。
 あと、自分たちの乗る列車のプラットホームが列車が来るまで判明しないので、どこで待ったらいいかも分からず初めて使う身としては不安になる。

 日本の手から足とりの親切な鉄道に比べれば、フランスの鉄道は全体的に使い勝手が悪いと思う。
 私たちのグループは、バラバラに行動したのだが、別行動でディジョンに向かった者はTGVに乗るつもりが、なぜか在来線に乗る羽目になり、余計な時間をかけてディジョンに着くことになったりした。

 日本人的感覚からすると、フランスの鉄道の管理はずいぶんとアバウトでありアンカインドであった。

 (Facebookでリヨン駅の状況をUpすると、「TGVがちゃんと来ただけでいい。私らのときは予告の放送もなく、欠便になって困った」とか「TGVはどこに来るか分からないから、来たら大荷物かかえて移動が大変ですわ」とかのresponseが来て、…フランス鉄道、けっこう使いこなすのは厳しいみたい)

【TGV車窓風景】
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 フランス、パリを離れると一挙に郊外、というか田舎になる。
 地平線が見えそうな農耕地が、何十キロも延々と続き、それが終わったあと小半径の都市があって、それからまた同じ風景が続く。
 フランスって、点と点を結んだ国なんだなあと実感。

【ディジョン】
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 ブルゴーニュの入り口はディジョン(Dijon)。かつてのブルーゴニュ国の首都である。ドイツの国境に近いため、幾多の戦禍に見舞われた都市であるが、そういう傷跡が今はほとんど残らぬ、中世的な雰囲気を漂わせた、趣ある街であった。

 ここから、本日の目的地であるソリューに行かねばならないのだが、後続の者を待つ必要があり、その間ぶらりとディジョンの街を散策。
 パリのような雑多で小汚い街と違い、古き時代をきちんと残した、静かで清潔な街で、…そしてこれはブルゴーニュ地方の都市の特色であり、私はずいぶんと気に入った。

 さて、ディジョンからは更にソリュー市に行く必要がある。そこに本日の宿泊地であり、夕食のレストランでもあるオーベルジュ「ベルナール・ロワゾー」があるからだ。
 ただ後続の者と合流する必要があるので、ディジョンにしばし滞在することになる。
 現在同行中のW氏はディジョンのカフェで時間を過ごしたいとの希望。駅前にタクシーが一台止まっていたので、そのタクシーで近くのカフェまで行くことにするが、地方の主要駅前にタクシーが一台しか止まってないことに危機感を覚えたらしいW氏が、タクシーの運転手にいろいろ交渉する。
 でもタクシーの運転手は困惑した表情で、「I can’t speak English」と答える。

 教訓:フランスでは地方では英語は通じないと思ったほうがいいです。

 それでもめげないW氏は、懸命にいろいろと複雑なことを言う。要は、「まずカフェに行き、そのあと友人と合流し、それからソリューに行きたい。それを予約したい。また値段も知りたい。」とのことで、それを英語と身振り手振りで話すのだが、伝わる気配なし。

 それを眺めていて私も疲れたので、とりあえず、バックからノートを取り出し、以上の状況を書いて見せる。今そのノートみると以下のことを書いており、けっこう間違った言葉と文法で書いてはいるが、

 Nous voulons aller au café. Après 2 heures , Nous attendre un ami qui vient dans le TGV suivante. Puis Nous voudrais aller Saulieu “Restaurant Bernard Loiseau” Combien argent il faut pour aller en voutre taxi à le?

 まあ、それにてとりあえずは意思の疎通ができ、運転手もそのノートに時間と値段を書きこんで、交渉は成立。

 W氏は、「どうだ。言葉の通じなくともジェスチャーだけで、けっこう通じただろ」とか主張していたが、…んなわけ、ないっしょ。

 教訓:異国では、せめて指さし会話帳のごときものを持っていけば、なんとか会話は成立します。
 ―今思えば、翻訳アプリ付のタブレットとか持って行けば、もっと便利であったのでは。タブレット、私持ってはないのだが、今度行くときは購入しよっと。

【ベルナール・ロワゾー】
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 そして、後続の者と合流してソリューのベルナール・ロワゾーへと到着。
 以上で分かるように、けっこう不便なところにある宿・レストランなのである。しかし、ベルナール・ロワゾーはここを目当てに世界中から客が集まってくる、そういう食とワインの聖地のようなところである。

 夕食の時には、さらに別ルートで来た者とも合流。
 様々な空港から出発した者たち5名がようやく、ここで合流。
 今年の3月に宮崎市のワイン会で「ワイン好きの者なら一度はブルゴーニュに行かねばならぬ!」と盛り上がった話が、酒の勢いそのままに、半年後に実現した、というある意味稀有な話。
 ただし、日本の裏側にあるようなところで、宮崎で見慣れた者たちがまた集うのも、新鮮味がないというか、日常の持続じゃんとか、まあ、いろいろと突っ込みどころのある話ではあった。
 …でも、それなりに心動く会合ではあったのである。

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September 15, 2012

フランス食紀行(1) ル プレ カトラン Le Pré Catelan

 フランス食紀行の第一日目はル プレ カトラン。
 パリ郊外のブローニュの森のなかにある、白亜の洋館のなかのレストラン。元々王侯の別荘だった館であって、内装は豪華そのもの、いかにもフランス!という感じである。
 メニューを見るとアラカルトも多いけど、組み立てかたが良く分からないので、コース料理(Le Menu du Pré)を頼んだ。

【アミューズ】
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 まずはアミューズ。雲丹のプリンに、グリーンピースソースを客の前でふわふわのエマルジョン仕立てにして盛り立ててくれます。香りがよく、しかも味も濃厚。

【アントレ】
2

 次はさっそくこの店の看板料理みたいな、トマト料理。
 メニュー(→ここのLa carte)によれば、「Préparée en salade,Huile d’Olive parfumee a la vanille et zestes de citron vert,Tomate 《Mozzarelle》 an gelée」という長ったらしい名前の料理。
 これがたいへん美しい。皿に薄く敷かれた淡い金色のトマトのジュレに、赤がトマト、緑がバジル、白がモッツァレラチーズの小さなゼリーの球を載せ、まるで点描派の絵のような、色の煌めきと瞬きを感じさせる、スプーンを入れるのが勿体なくなるような料理。…もちろんすぐにスプーンですくって食べるわけだが。
 香り、口触り、咽越し、すべて良し。

【アントレ2】
3

 トマト料理はもう一皿。
 スパイスを利かして、卵、果物を添えたトマトは、トマト自体の味がとても濃厚である。
 日本では食えない種類のトマト。

【アントレ3】
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 トマト料理に続いては、またこの店の名物料理であるキャビアと蟹の料理。
 店の名前入りのキャビアの缶がそのまま出て来るので、キャビア一缶食うんかいなと思いきや、キャビアの下には蟹がぎっしりと詰め込まれていて、これを一緒にスプーンで食う。キャビアと蟹が重層的に味が積み重なり、じつに濃厚な味わいである。
 更にその隣に蟹料理の皿があり、こちらは濃い蟹のスープをクリーミィに泡立てたもの。これをウイキョウバター(au parfum de fenouil)で満たされたスプーンですくって食べる。こちらも香り、味とも濃厚。

 …濃厚、濃厚、としつこく書いているけど、じっさい濃厚であり、味、香り、そして量が濃厚で、ヘヴィーである。
 さすがフランス料理! なんだけど、メインに行くまえにすでに疲れてきた。

【魚料理】
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 「Le Turbot Aux Algues Beurre aux zestes de citron vert」
 メインの魚料理はカレイと海老を海海苔のようなもので巻いたもの。それにバターソース。
 この手の料理はややスースが重たく感じられるが、それでもそれぞれの素材の美味さもよく分かる。

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 つけあわせに、ジャガイモのムース。このジャガイモの味がまた濃厚。日本のジャガイモではここまで濃い味は出ないだろう。しかし、つけあわせにしては結構な量があり、ヘヴィーだ。

【肉料理】
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 肉料理はたしか豚の頬肉と野菜と豆の煮込み。
 このへん、あんまり味覚えていない。ただ、これもけっこうヘヴィーな料理だったような。

【フロマージュ】
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 さすが本場だけあって、フロマージュの量は多く、香りも濃厚。遠くからでも、ぷんぷんと匂って来る。
 数片を選んで食べてみると、香りと同様、味も濃厚。
 …なんだか同じことばかり書いているな。

【デザート1】
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 「La pomme soufflée croustillante, crème glacée caramel, cidre et sucre pétillant(林檎の焼きスフレ、キャラメルのアイスクリーム、パチパチ跳ねる砂糖菓子)」
 デザート1は名物料理、林檎のスフレ。
 この完全な球形がまず面白い。

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 これは水飴を瞬間冷凍かなんかで丸く整えているのであって、スプーンで叩くと、粉々に割れる。その水飴の皮の部分を食べると、口のなかでパチパチと爆ぜてユニークな食感である。
 料理名にある動詞「pétiller(ペティエ)」がよく分かる。
 中の林檎のシャーベットも上品な甘さで大変美味。
 さすが本場のデザートはレベルが違う。…しかし、量多い。

【デザート2】
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 「Le Citron Comme une Tarte Meringue Croustillante, Sorbet Basilic」
 レモン風味のバジルのシャーベットに、焼きメレンゲがいくつも刺さっている。
 これも美味しいが量多い。これだけで、小食な人の食事一食分のカロリーはありそう。

【デザート3】
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 デザートはさらに出て来る。
 なんだか、わんこ蕎麦状態になってきた。
 ケーキにマカロン、エクレアと、いかにも本場そのものの大変美味そうなデザートであるが、さすがに見るだけでお腹いっぱい。

 結局デザートは途中でギブアップして、〆のエスプレッソへ。
 うーむ、口惜しい。

 本場のフランス料理って、まずコースだけで日本の普通のフレンチの1.5倍以上の量はあり、しかも味が濃厚なので、気分的には2倍くらいの量に感じられる。さらにデザートの量が半端なく多いので、完食して日本男児の意地をみせるには、充分すぎるくらいの胃袋の準備が要されることが分かった。
 これは戦略を立て直す必要がある。
 おかげでこの後私は毎日朝昼抜きの一日一食主義を通すことになったが、まあそれはあとの話。

 「ル プレ カトラン」、美味いかどうかといえば、「とんでもなく美味い」部類のレストランであることは間違いないが、今回ばかりは胃袋の準備不足と、それに時差ボケから、このレストランの実力を真に味わう余裕がなかった。
 これはまたいつの日かリベンジに来なくては。

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パリ散策 -快晴のパリ

【凱旋門】
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 パリは爽快なる秋晴れ。天高く、空は透き切って青い。
 Le ciel de Paris est haut et beau bleu !
 パリといえば、まずは凱旋門。パリはここを起点として街路が放射状に伸びているため、パリではどの道をたどってもやがてはここにたどり着く。

 凱旋門は有数の観光名所のため、観光客も多い。その観光客のなかにまぎれて歩いていると、屈強そうなpolicemanに呼び止められ、彼の身分証明書を見せられたのち、私のウエストバッグを指さして早口の英語でまくしたてて来る。そのバックは、私がカメラを取り出して首にかけたのち、チャックを半開きにしたままにしていたため、「あぶないから閉めろ」とのことなのかな?と思い、チャックを完全に閉めた。しかし、どうも違うみたいで、まだ早口で話してくる。 あまりに早口なので何を言ってるかよく分からず、「Please speak me more slowly」って、フランス語では「S’il vous plaît, parlez me plus lentement」だったよなあと思い、そう話してみたが、まったく通じない。
 …よく考えてみれば、いくらフランスに居るからといって、わざわざ英語で話しかけてくれているのを、フランス語で返す理由などまったくない。それに、フランス語が通じても、フランス語で話しかけられてくるのも困るし、初心に戻り、英語で「もっとゆっくりしゃべってくれ」と言った。
 結局、「あなたのバッグのチャックが開いているが、何か盗まれていないか調べてくれ」とのことであった。バッグのなかを見て、「Nothing is stolen and lost, thank you.」 とか答えたら、頷きながらそのplicemanは去っていったので、なんとかその場は終了。

 教訓:フランス人はフランス語しか喋らないと言われているが、パリでは英語が通じるので安心して英語を話しましょう。

【凱旋門からの風景】
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 凱旋門はパリの中心であるため、そしてパリは狭い都市なので、ここからパリの全貌を見渡せる
 西のグラン・アルメ通り側には近代的建築群、南側にはかのエッフェル塔。東側はシャンゼリゼ通りだが、逆光なので、その写真は没。

【ベルルッティ本店】
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 パリはブランドショップでの買い物の本場である。
 パリのブランドショップでは、Berlutiにしか興味がなかったので、シャンゼリゼ通りから少々奥まったところにある、Berluti本店を訪れてみた。
 …本場の本店のくせして、客がいないっす。
 Berlutiって日本でも客の少ない店だが、本場でも少ないんだなあ。

 「高級靴Berlutiは、日本では高いが、パリに行けば安く買える」というのが、ネットではよく伝わっている説なので、話のネタに本場の店の値段をチェックしたかったのだが、Berlutiパリ店、なんと値札がない。これは「希望者小売り価格」というやつで、値段は交渉しろ、とのことなんかなあ?
 値段は知りたかったが、買う気もないのに値段の交渉をするわけにもいかず、少々困った。

 Berlutiの店員はとっても親切だったが、こちらは「Sorry I’m only looking.」としか言えず、まあ、BerlutiのAlexandraを履いてる東洋人が単なる冷やかしの客でないのは明らかなので、こちらが無駄に恐縮する理由はないのだが、…客がまったくいないので、どうにも居心地が悪く、店の商品全体を見たあと、さっさと出てしまいました。

【Puiforcat】
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 午後は買い物好きの人達に同行して、買い物へGo。
 まずは「Puiforcat」。
 この店、私は全然知らなかったのが、食器ブランドとして超一流の店で、日本にも支店があったのだが、あまり売れずに撤退したため、これを買うためにはパリまで来ないといけないそう。
 たしかに美しい食器がずらりと並んでいた。
 記念に写真を撮ろうと思い、店主(エレガントなマダム)に、「S’il vous plaît, est-ce que Je peux prendre des photos ?」と尋ねてみたら、やっぱり、「はぁ?」という顔をされてしまった。しかたなく、「I would like to take a picture. Can I taka ?」と聞いたら、「no problem」ということであり、写真を撮ってみました。

 教訓:フランス語の発音は(特に「r」)とっても難しいので、日本できちんとしたレッスンをやらない限り、現地で使うのは恥ずかしいのでやめておきましょう。

 同行者は食器を買いまくり、私もstering silverのコップがあまりに美しいので欲しくなったが、「毎日手入れしないと黒ずんで汚くなる」というアドバイスを聞いて、断念。そりゃ面倒だ。

【エルメス というかジョンロブ】
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 エルメス本店に行ってみる。
 サントノーレ通りは、世界的ブランドがたくさん並んでいたが、そのなかでもフラッグシップはやはりエルメスらしく、客がたくさんいた。
 エルメスって、皮製品以外にもこんなにたくさんの種類の商品があったのかあと感心したが、私が驚いたのは、エルメスに併設していたジョンロブの靴。
 靴一足、800ユーロ程度であった。ジョンロブがパリだと8万円で買えるんだあ。
 いくら円高といえ、ジョンロブが10万円を切るとは。
 こりゃ、ジョンロブが好きな人とかは、観光目当てにパリに来るにしても、格安航空機使って、ついでにジョンロブ二足くらい買ったら、十分に元が取れるなあとか思った。

 パリ、ブランドショップは異国からの客が行列するくらいに大勢いるけど、その理由が分かりました。

【パリ、騎乗警察官】
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 その後もパリ市街をうろついていたのだが、このような風景も目撃。
 馬に乗ってパリを警護している警察官である。
 う~む。なんというか、さすがパリ。

【ル プレカトラン Le Pré Catelan】
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 夕方は、今回の旅行の主目的であるレストラン巡り。
 その第一歩はプレカトランである。
 パリの郊外、ブローニュの森のなかにある、たいへん雰囲気のよいレストラン。
 しかし、このレストランに入って、リザーブしていた者の名前を告げると、「そのような人の予約は入っていない」とのパンチを食らってしまった。

 Quelle chose terrible! (なんてこったい!)

 店のほうもいろいろ調べると、どうやら同時刻に日本人客の予約は入っているが、全然違うエージェント、それに客の名前とのこと。
 …結局は、宮崎のエージェントがフランスのことに慣れておらず、他のエージェントに頼み、そして電話で連絡をしているあいだに、日本語とフランス語のやりとりのうち伝言ゲームのような感じで、予約をしていた者の名前が元とは似ても似つかぬ名前に変わってしまったということが判明。
 そういうわけで、少々のトラブルののち、無事に客席にはつけたわけだが、最初からこれでは、のちの行程が思いやられるなあと思った。
 こういう予感は、残念ながらたいてい当たるのだが、まあそれはのちの話として、ここからはおおいに三ツ星レストランの実力をみせてもらった。

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September 14, 2012

フランスへ行く前に、なぜか銀座「青空」へと

 地方に住んでいる人間にとって、日本というのは外国に行くのにずいぶんと不便な国である。代表的国際空港である成田や関空は、地方空港とネットワークを結んでいる主要空港の羽田や伊丹と離れているので、乗継に余分な時間と手間がかかり、海外旅行に行くときはここのところがずいぶんとネックになる。

 しかし、フランス行は羽田から直行便が出ているので、これは大変に便利であった。フランス、じつは日本にとても近い。
 なにせ、交通の便が良くなったのに加え、フランスが地球の西側にあるので時間のコストパフォーマンスがよい。飛行時間は半日かかるのに、時差のおかげでそれが半分で済む。夜の1時半に出発しても、現地では早朝6時半に着くわけで、実質羽田とパリは5時間で結ばれている。国内でも5時間以上かかる所はいくらでもあるわけで、それからすればフランス、とても近い。

 まあ、帰る時はそのときの時間の貯金を一挙に吐き出す羽目になりはするのだが、そういうことを考えなければ、羽田発フランス、これは何度も行ってもいい! と言い切れるくらい、時間的にお得な旅行である。

 ただし夜中の1時半という出発時間は、パリの午前に着けるという点ではよいが、国内便との連絡との関係では少々微妙な時間ではある。地方便は夜の10時くらいでだいたい羽田着終了なので、そのあいだの時間をつぶす必要が生じてくる。

 羽田空港は国際便増便から、いろいろと施設が増えて面白くなったという話があるので、そういうところで時間をつぶそうとは思っていたが、同行者から、せっかくなので、銀座青空に行きませんかとの提案あり。

 明日からフランスで三ツ星レストラン食べまくりのツアーが待っており、胃袋を整える必要がある。その場合、空港の食事処か、空港周辺の居酒屋で軽く酒を飲むというのが常識的思考ではあると思う。
 それなのに、三つ星レストラン行の前に、日本の実質的三ツ星レストランである「青空」で寿司を食うというのは、屋上屋を重ねるというか、過剰なプレリュードというか、食の準備の間違いというか、とにかく常道を外している。
 …とは思ったものの、東京に来たなら「青空」は食いたいし、少しでも「青空」が思考に入ったなら、ぜひとも食わねばならない気になってしまった。
 というわけで、二つ返事で「青空」行きに同意し、行ってしまった。
 うーむ、いろいろと反省。

【青空の鮨】
Harutaka

 「青空」の寿司は、「日本で食べられる寿司」の頂点に位置するものであろう。
 こういう寿司が存在しているのが、日本、そして日本の抽象である銀座の実力であろうな。
 そして、フランスでの食紀行の前に「青空」はどうかと思った私であるが、フランスでの食紀行が進むにつれ、プレリュードとして青空に行ってよかったと思った。

 というのは、異国に行くと、それが素晴らしい文化を持っていればそれに圧倒されるわけだが、…そして圧倒されたけど、ただしその圧倒には、自分自身にその圧倒のされ方を分析する「核」があり、その「核」は青空を代表とする和食の経験であった。
 和食は、「いい素材を仕入れ、それをいい調理で仕上げ、そして自分の店ならではの料理に仕上げる」。それに尽きると思う。これがしっかりできた店は名店となり、これこそ基本だ。
 そして、この基本はフランス料理でもまったく一緒であった。
 じっさいに料理の最先端を走っている国、日本とフランスでは考え方が似通っており、フランスのnouvelle cuisineは日本食からおおいにインスパイアされており、また日本のほうも和食はフランス料理の手技をどんどん取り入れている。
 美味しいものって、世界のどこでも根本は一緒なのだ。

 そして、和食で素晴らしいものを食ってきたからこそ、フランスに行ったときに、フランス料理の素晴らしも、よくよく分かった。これは日本人ならではのadvantageであろう。私は絶品と言ってよいフランス料理を食いながら、ああ日本人でよかったと思った。
 素晴らしい料理、そして素晴らしい文化に接すると、日本人、自分がどれほどの価値あるバックグラウンドを持っているかを知り、日本という国の有難さが分かります。まあ、これらはフランスに行ってからののちの話。


 青空で酒飲んで鮨食ったのちは、羽田国際ターミナルに行き、シャルル・ドゴール空港行の便の出発を待つ。
 ここのラウンジもまた立派であり、そして夜の空港もじつに風情がある。
 
 羽田空港、いい空港だ。

【夜の羽田空港】
Airport

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September 13, 2012

フランス行くところ、行きたいところ(4) ブドウ畑

 ブルゴーニュのワインって種類が多いので、有名どころ以外はとても名前なんて覚えてられないのだが、なぜそんなに多いかと言えば、ブルゴーニュにはワイン畑の数が多いことによる。フランスのワインの規格は厳密なので、ワイン畑の数に応じて名前がつけられており、ワイン畑の多いブルゴーニュでは、当然それに比例してワインの種類もあるわけだ。

 ブルゴーニュのワインは人気があるため、はるばる海を越えて日本にもやって来る。そして、そのなかでもとくに素晴らしいワインがワイン会などに出され、こんなに美味しいワインはいったいどんな所から産まれるのだろう? 一度その産地を見てみたい、というふうな思いからも今回のツアーは組まれたわけである。

 延々とブドウ畑が広がる、「黄金の丘」(Côte d'or)と呼ばれる丘陵地のなかで、とりあえずは、これは是非とも見とかなければ、という畑。

 グラン エシェゾー !
Echezeaux_fig

 ラ・ターシュ !!
La_tache

 モンラッシュ !!!
Mont_rachet

 ロマネ・コンティ !!!!
Romaneeconti

 まあ、畑だけ見ていても、やがては欲求不満になるだろうから、どこかのワイナリーにでも寄るのだろうが、今のところどうなっているのか不明。


【ボーヌ :オテル・デュー】
Beaune

 ワインの聖地ブルーゴニュの中心地がボーヌ(Beaune)。
 ワイン市場がたくさんあり、様々なワインを試飲することができる。
 ここで飲み過ぎないようにしよう。

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September 12, 2012

フランス行くところ、行きたいところ(3) レストラン2

 ・アルベージュ (L’Arpège)
Larpge

 オーナーシェフのアランパッサール(Alain Passard)氏はアラン・サンドラス氏に師事していた。以前は「肉の魔術師」と呼ばれるほど、肉の焼き具合が上手であり、肉料理で有名だったが、狂牛病などの事件を境に野菜料理に目覚め、今は野菜料理のエキスパートとして知られるようになった。用いる野菜は自家製というこだわりよう。店内にはその野菜が飾られている。
 野菜は徹底的に美味さを引き出すスタイルであり、それらの料理を食べると野菜に対しての考え方が変わるそうである。
 野菜の他の看板料理は「半熟卵」にラビオリ。

 この店、パリで最も予約の取れない店ということになっているが、よく取れたもんだ。宮崎の旅行代理店の実力、あなどるべからず。

 地図
 公式サイト


 ・ルドワイヤン (Ledoyen)
Ledoyen

 1792年創業という非常に歴史ある老舗レストラン。ナポレオンも訪れたことがあり、ここでジョゼフィーヌと出会ったそうだ。コンコルド広場の近くという一等地にある。
 グランシェフのクリスチャン・ル・スケール(Cristian Le Squer)氏は、Cusine bourgeoise、いわゆるフランスの古典的、家庭的な料理をベースにした料理を得意とする。贅沢な素材を用いるよりも、鮮度の良い魚や、仔牛の胸腺などを使った料理のほうに特徴があるとのこと。

 地図
 公式サイト


 ・ル ムーリス (Le Meurice)
Room2

 宮殿ホテル「ル・ムーリス」のレストランであり、ベルサイユ宮殿を模したという内装はゴージャスそのものである。
 シェフのヤニック・アレノ(Yannick Alleno)氏は44歳という年齢の若き気鋭の料理人。フランスの郷土料理の伝統も取り入れながら、新たな試みを加え、大胆で冒険的な料理を特徴とする。

 地図
 公式サイト


 以上の6軒を回る予定。
 それにしてもフランスの一流レストランは、どれも公式サイトを持っていて、それに月ごとのメニューが詳しく載っているから事前に検討でき便利である。さすが食の大国フランスであると感心。
 (ルドワイヤンのサイトはなにがなんやらよく分からんが)

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September 11, 2012

フランス行くところ、行きたいところ(2) レストラン

 ・プレカトラン Pre Catelan
Precatelan

 ブローニューの森の中の、大変雰囲気のよいレストラン。
 ロブションの一番弟子のフレデリック・アントン氏が総料理長。「素材の香りと風味を巧みな現代性で演出し、精密でありながら芸術的な料理を創る」そうだ。たしかに料理の写真を見てみると、絵画のような色彩を持つ、美しい料理が撮られている。メニューをみてみると、魚料理が得意な感じである。

 地図
 公式サイト


 ・サンドランス Senderens
Senderens

 ソースこってりの伝統的フランス料理からの脱却を図った、「ヌーベル・キュィジーヌ」の鬼才と呼ばれた料理人、アラン・サンドランス(Alain Senderens)の店。
 日本料理にも興味を示しており、日本料理の素材、手法を応用したフランス料理も得意としている。美山荘の中東氏とはコラボもやっており、今回はその美山荘からの紹介みたいな感じで訪問、名物料理は「オマール海老のバニラ風味(Homard a la Vanille)」、「フォワグラのキャベツ包み(Foie gras de canard au chou)」、「鴨のアピシウス風(Canard Apicius Plat de l'Epoque Romaine)」など。

 ところで、日本語のwebでこの店とシェフのことを調べると、Wikipediaでさえ「サンドランス」と表記されているけど、どう考えても「サンドラン」としか読めないですよねえ。

 地図
 公式サイト


 ・ベルナール ロワゾー(BERNARD LOISEAU)
Loiseau_2

 このレストランの前オーナー、ベルナール・ロワゾー氏はヌーベル・キュイジーヌからさらに一歩進め、バターやクリーム、オイルなど排除し、肉などの焼き汁を水でデグラセしてソースを作る手法で料理をつくり、それを称して「水の料理(cuisine à l'eau)」と自ら呼び、その独創的な才能から、料理界のモーツァルトとも称された。
 ロワゾーのスペシャリテは「蛙grenouilleの腿肉のニンニクのピュレとパセリソース添え」。これは写真で見ても、ものすごく美味そうであり、是非とも食わねば。
 それに加え「鶏のデュメーヌ風」も是非食わねばならぬものだそうである。

 地図
 公式サイト

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September 10, 2012

フランス行くところ、行きたいところ(1)

 宮崎市のワイン好きの者たちが、7日間ほどフランスに滞在して、「有名な食事処(いわゆる星付レストラン)でワインを飲みまくるぞ~!、ついでにブドウ畑も見まくるぞ~!」というツアーを組み、それに私も参加を予定しているのであるが、いったいどういうレストランに行くのか、どういうブドウ畑に行くのか、などをまったく調べもせぬまま、その時期が迫ってしまった。

 とりえずは、泥縄式に勉強をせねばならぬのだろうが、レストランとブドウ畑だけで済ますのも勿体なく、パリの美術館巡りをしたり、観光名所のいくつかも訪れたい。

 それで、それらのレストランや、美術館、観光名所等をいくつかチェックして、ブログにずらずらと並べてみよう。
 それにより、それらを勉強するモチベーションも上がるであろう。
 …しかし、フランス行きまであと一週間もない。あせあせ。


 美術館

 (1)ギュスターヴ・モロー美術館
 ギュスターヴ・モロー(Gustave Moreau)は象徴主義の先駆者で、芸術史上に大きな位置を占める画家であるが、同時代の印象派のほうが人気があることから、本邦ではマイナー系に思われているようだ。
 しかしこの人の絵は、何を題材にしても、神秘的な奥行があり、そしてまた色も澄んだ美しさを持ち、精神性と審美性の双方を高いレベルで兼ね備えたものであって、同時代の著名な画家たちに決して劣らぬ、大画家だと思う。
 ただ、モローの絵って、ヨーロッパでもそれほど人気はないようで、そのため散逸は避けられており、主要な作品はモロー美術館にどっさりとそろっている。
 それらをじっくりと見て過ごしたい。

 地図
 公式サイト

(2) オルセー美術館
 日本人は印象派の画家が好きであり、そして私も当然好きである。
 オルセー美術館は、印象派の絵の収蔵数からいって、印象派の殿堂みたいな美術館であり、ここも是非行かねばならぬ。
 じつは前に一度パリに行ったとき、ルーブルとここは外せないと思っていたのだが、なにしろルーブルに収められている作品数が膨大過ぎ、ルーブルにやたらに時間をとられ、結局ここは訪れる時間がなかった。
 そういうわけで、今回は是非とも訪れねば。

 地図
 公式サイト


(3)オランジュリー美術館
 印象派好きの者としては、オルセーのあとはここも訪れたい。
 この美術館はなんといってもモネの睡蓮の美術館であり、光の魔術師であるモネの睡蓮の連作を実物大で、細部まで見てみたい。

 地図
 公式サイト

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September 09, 2012

私の好きな絵(4):サロメ (作)モロー

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 聖書の伝えによれば、パレスチナ王ヘロデの後妻の娘サロメは、王宮での祝宴で玉座の前で舞踏を舞い、それはたいそう見事なものであった。喜んだ王は褒美を与えようとした。するとサロメは王国で布教活動を行っていた預言者ヨハネの首を望み、かくてキリストの先導者ヨハネは首を切られることになった。

 他の歴史書の記述もあわせてみれば、ヨハネはけっこう過激な活動家であったらしく、ならば世に不穏をもたらしかねぬヨハネは、為政者サイドから斬首されても仕方のない立場の者ではあり、サロメおよびその周囲の判断は、さほど間違ったものではなかったようだ。

 ただしそれでは、「美しき少女が、預言者の首を望む」という戦慄的な話が、相当に即物的なものとなってしまい、それでは面白くないとのことで、時代を経るにつれ、サロメのエピソードには様々な文芸的修飾が加えられ、やがてサロメは「宿命の女,運命の女」としての位置を持つようになる。
 すなわち、「サロメは愛する男を殺すことでしか自分の愛情を表現出来ない。そういう呪われた定めに生まれた女だ」というふうな。

 この「宿命の女サロメ」の像を確立させていくうえで、大きな役割を果たしたうちの一人が、画家ギュスターブ・モローである。
 モローは19世紀に活躍したフランスの象徴派画家であり、神秘的な画風が特徴であるが、彼はサロメを題材として多くの絵を描いている。
 その多くのサロメシリーズの中で、最も私が愛好するのが冒頭に示した絵。

 これはサロメの絵の定番である、サロメが踊りを終え、褒美として、腕を差し上げ「ヨハネの首を」と望むシーン。

 絵で示される王宮はなんの華やかさもないものの、壁に残る鈍い金色がかつての爛熟を示すようでもあり、しかし今はその爛熟を過ぎ、全体が崩れ、溶解していきそうな、廃墟的な雰囲気を濃厚に漂わせている。
 中央の玉座に座るヘロデ王は、なんの生気もなく、人間というより、情念だけを残した乾ききったミイラにも見え、また玉座の横の帯刀した衛士は、ただ次の出番、預言者の首を切るだけのために存在しているようであり、二人とも命を感じられぬ置物のようだ。
 この死と滅びの雰囲気に満ちた異様な王宮で、一人サロメだけは、瑞々しい生気を放っている。
 彼女は絵のなかで最も目立っており、それは光の使いかたによる。絵のなかで光源は本来は左にある赤・青の奇怪な発光灯なのだろうが、サロメは明らかに自ら白く光っており、その光で、暖かさ、柔らかさを表現し、この崩れかけた、虚無に沈むような王宮のなかで、独立した美しさを誇っている。

【サロメ:拡大図】
Salome2

 そのサロメのクローズアップ図。
 モローはサロメの絵をたくさん書いており、とくにそのなかでは「刺青のサロメ」「出現」などが有名であるが、それらで示された、暗い情念を持つ、悪魔的なサロメとは異なり、ここでのサロメは、清楚で、可憐な美少女である。
 まあ、だいたいが聖書のテキストによるサロメは、「母親の言うことをよく聞く、純真で、踊りの上手な娘」だったので、このサロメがもっとも原文に近いものなのではある。

 モローの後期の作品からサロメ像はさらに発展し、それはビアズレーやクリムトなどによる、なんとも禍々しい世紀末的なサロメの絵まで行きつくことになる。そして、そういうサロメに食傷気味な現代人の私としては、モローによるこの「原サロメ」あるいは「初期サロメ」といってよいサロメはかえって新鮮に思え、絵全体の独自の美しさからも、サロメの純粋な美しさからも、たいへん好みの絵となっている。


 …ただし、以上は画集やwebの画像からの私の感想なのではあって、本物を見た人の感想によれば、たとえば王宮の衛士は、凄まじき形相でサロメを睨んでおり、その眼力と表情からは、この絵は決して静的なものではなく、次のシーン、ヨハネの斬首と、そしてサロメの殺害をダイレクトに導く波動のようなものが示され、静的な美しさとともに、じつは迫力あるドラマも感じられる絵らしい。


 やはり、これは生を見てみないといけませんな。


 ……………………………………

 参考web

 ・モローのサロメの絵一覧の紹介web
 ・モロー美術館

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September 02, 2012

伊勢海老解禁 シャンシャン茶屋@日南市

 8月までが伊勢海老の産卵期であり、9月2日から伊勢海老漁が解禁となる。
 それで、宮崎の9月は伊勢海老を食ってから始まるということで、伊勢海老を食いに行くことにした。
 宮崎市でも延岡市でもどこでも伊勢海老は食えるのだろうけど、産地に近いところで食うほうが趣があってよいとのことで、日南市の海沿いの海鮮食堂まで行くこととなった。

【シャンシャン茶屋】
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 伊比井の浜に面する、「シャンシャン茶屋」にての伊勢海老の会。
 ここから見える小湾に、すでに伊勢海老は居て、海の底を歩いているそうだ。

【伊勢海老刺身】
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 伊勢海老に加え、マグロ、アジ、カンパチ、イカ等々の海の幸の造り。
 今年の9月は、8月31日がちょうど満月であり、夜行性の伊勢海老は海が明るくなる満月前後は活動性が落ちるので、解禁日は不漁だったそうだが、それでもなんとか伊勢海老をかき集めて、宴会に間にあわせてくれたとのこと。

【伊勢海老:焼き】
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 伊勢海老は焼いたほうが身がしまって、そして香りも立ち、私は好きである。
 ほっこり、ぷりぷりの身の食感がまたよろしい。

【伊勢海老:茹で】
4

 茹で伊勢海老も、また身の旨みが増し、これも美味い。
 伊勢海老は私は熱を加えたほうが美味しくなる食材と思う。

【伊勢海老:味噌汁】
5

 伊勢海老は、味噌汁との相性がとてもよい。
 海岸沿いの漁師町とかでは、宴会のときには定番のごとく、大鍋に何匹もの伊勢海老の頭を入れてつくった味噌汁が出て来たが、「海の魅力」そのものの豪快な料理であった。

 造り、焼き、茹で、味噌汁、と腹いっぱいに食い、伊勢海老を堪能した夜であった。

【鯖寿司】
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 新鮮な魚介類のみならず、鯖寿司なんかも店の名物。
 これもなかなかのものであった。

【夜景】
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 宴が終わるころには日も暮れており、月があたりを照らしている。
 この月の明かりは、伊勢海老にも届いているのであろう。


【おまけ:伊勢海老の行列】
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 伊勢海老といえば、南方の伊勢海老は隊列を組んで移動するそうである。
 宮崎も南方には位置するので、ここの浜の伊勢海老も、寒くなった時期は行列して、さらに深きところへ移動していくのであろうか?
 行列組むなら一度は見てみたいものである。


 …………………………………

【Résumé(まとめ)】

 La pêcher de Ise-homard en Miyazaki préfecture devient l'enlèvement d'une proscription du 2 septembre.
 Nous sommes allés au restaurant qui était proche à la mer pour manger un Ise-homard le jour.
 Nous avons mangé les vie et brûlé et bouilli et soup miso.
 Nous avons été satisfait pour être très délicieux
 Le Ise- homard est une matière excellente de la cuisine de mer.

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