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August 2012の記事

August 29, 2012

映画:ダークナイト ライジング

Dark_knigt


 バットマン新シリーズ三部作の完結編。
 前作では敵役ジョーカーから、悪人狩りをやっているバットマンの行為は、「個人の鬱憤晴らしで、正義でもなんでもない」と喝破され、ジョーカーが破滅したのちは、腑抜けのごとく消沈したバットマン(=ブルース・ウェイン)が、引退生活を送っている場面が冒頭に示される。

 しかし、ウェインの生活とは関係なしに、退廃と混沌の街ゴッサムを破壊し浄化することを己の使命と固く信ずる、悪役ベインの登場により、いったんは平和の街となったゴッサムが、また犯罪者の跋扈する街となる。

 8年間虚脱していたウェインは、その報を聞いて活気が入り、バットマンとして活躍しようとする。
 けれども、そのハッスルしているウェインに対し、彼が最も信頼している執事から、かつてのジョーカーと同様に、「あなたは悪人(と自分が思っている者))とバトルすることにしか生きがいを持てない人間だ。結局それは身の破滅を招く」と諭され、それでも、それしか自分の生きがいはないと信じ、ウェインはバットマンとして復活する。

【ベイン】
Bane1

 悪役(ヴィラン)のほうに、より魅力があるバットマンシリーズであるが、そのシリーズのヴィランは知力・体のどちらかに偏った能力を持つ者ばかりなのに、ベインはその双方を持つ怪物。
 呪われた街ゴッサムを消し去ることを己の使命とし、自らの卓越した能力をその目的のために最高度に発揮する。これに関しては、前作のジョーカーのような哲学的、思索的な、…分かりやすくいえば、わけのわからない、破滅的衝動による破壊行動と比べ、目的がはっきりしているので、その行動がずいぶんと分かりやすい。
 たぶん能力のある革命家というのは、こういう存在なのであろう。

【警官:ジョン ブレイク】
Robin

 この映画のなかで、その魅力において主役級を食っていたのが、若き警官ジョン・ブレイク。
 幼少の頃にバットマンの正体を見抜き、その後も有能な警官として活躍する、知力、体力、ともに高く、そして正義感に満ちた好漢。その一途な正義感により周囲とも衝突するが、極めて有能なため、軋轢をものともせず事件を解決の方向に導いていく。
 彼とバットマンの会話のうち、どう考えてもこの警官は、「あの人」だろうなと思うのだが、そういう気配がないまま終章に進み、やっとそういう結論が出て、みな納得する。
 そういうおいしい役。

【バットマン】
Batman

 いわゆる「アメリカン・ヒーローもの」のなかで、コミックとは微妙に異なるものの、映画におけるバットマンは、他の陽気なヒーローとおおいに違った性格を持つ。
 アメリカは、元が途方もなく大きな国だから、光も影も、それに比例して大きい。そして、バットマンはその影を代表するヒーローで、アメリカの暗闇、矛盾を一身にまとったようなところがある。

 ブルース・ウェインは、その幼少の頃に経験した悲劇に打ちのめされ、そこから自分がバットマンになることによって、その悲劇のどん底から逃れたつもりであったが、実は、それからずっとバットマンに呪縛された日々を送っていた。そしてそれは、ゴッサム・シティ、そしてアメリカからの呪縛でもあった。

 「ダークナイト・ライジング」は、ウエィンが多くの犠牲を払って、バットマンの呪縛から逃れて、自身の人生を取り戻す、そういう個人の、没落と試練と再生の物語であった。

【キャットウーマン】
Cat_woman

 アン・ハサウェイ演じるところのキャットウーマンは、ずいぶんと微妙な役どころではある。この美しい泥棒が持つ高度なスキルは、高度なわりには、やっていることはコソ泥に過ぎず、いったい如何なる立場の悪人なのかよく分からない。
 そして、自分のことしか考えないような我がままな泥棒なのに、彼女をウェインが信頼しきっているところも、観ていてどうにも納得しがたい。
 それでも彼女の介在によってストーリーはずいぶんと進んでいき、そして終末間近のクライマックスの、ベインとバットマンの「男の闘い」で、突如介入したキャトウーマンが、いかにも彼女らしい現実的な解決法で、無理やり決着をつけるところは観ていて妙な爽快感があったりはする。

 まあ、そういう感じで、この映画のなかで「最も役どころが分かりにくい」キャットウーマンであるが、最後の最後で、伏線を回収しつつ見事にその役割が決まり、観客は、「あ、そういうわけだったのか」と、静かな感動を覚える。

 暗く、暗鬱な、やりきれなさばかり感じる「ダークナイト三部作」であったのに、その完結編でこういう、ほのぼのした結末で〆るとは!

 ノーラン監督、あっぱれなり。

 

 ダークナイト ライジング 公式サイト

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August 28, 2012

地球最後のニホンカワウソ

【ニホンカワウソ】
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 ニホンカワウソはかつては日本中の河川に広く生息しており、人々の身近で暮らしていた、さして珍しいものではなかったそうだ。
 日本の河川に住む生き物としては、最大級の大きさであることから、妖怪の「河童」のモデルになったという説もある。
 しかし、ニホンカワウソは毛皮が良質なことから乱獲が進み、昭和に入ってから数が激減したため保護獣に指定され、1964年には天然記念物となった。

【カワウソ VS カッパ ©吉田戦車】
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 カワウソは、もしかしたら今の若い人たちには吉田戦車の漫画のほうが有名になっているかもしれない。
 このカワウソ、本物の可愛いニホンカワウソとは似ても似つかぬ、いかにも吉田戦車風スタイルの怪しげな生き物であるが、このカワウソは友達の河童を強く嫉妬している。
 それは河童がハワイに旅行に行ったことをたまたま知ったためで、それを知って以来、ハワイに行けないカワウソは、河童が羨ましく羨ましくてならない。
 なぜカワウソがハワイに行けないかといえば、カワウソは天然記念物であり、絶滅危惧種に指定されているため、国外への持ち出しが禁止されているからである。そういう貴重種である以上、自分の意思がどうあれ、カワウソは国外には行けないのだ。
 河童もカワウソなみの貴重種のはずであるが、日本政府からは貴重種の指定はないので、渡航は自由なのである。それで、上の画像は、羨ましさのあまり友達の河童を攻撃しているカワウソの図。

【須崎市 マスコット】
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 ニホンカワウソといえば、高知のイメージがあり、そして高知県須崎市は「カワウソの町」として、カワウソを市のマスコットとして、そのキャラクターの絵がいろいろなところに貼られている。

 今年の1月に私が高知を旅行したとき、須崎市も通ったけれど、町のあらゆるところにあったカワウソの絵を見て、ここがカワウソの本場であることを知った。そしてできることなら生のカワウソを見たいと思い、カワウソを飼っているであろう水族館がないかなあ、などと思いながら街を走ったのであるが、そのようなものは見つからなかった。
 まあ、とりあえず、私は希少で珍しいものながら、ニホンカワウソはまだ高知県に生息していると思っていたのである。

 しかし、環境省は平成24年8月28日、ニホンカワウソは既に絶滅していると発表した。
 ニホンカワウソは1979年にその姿を認められたのを最後として、30年以上、誰もその姿を見ていない。このような大型獣が誰にも姿を見られてない以上、絶滅したと判断するしかないとのことであった。

 …なんと、ニホンカワウソはとっくの昔に絶滅していて、地球上にはもはや存在していないのであった。

【最後のニホンカワウソ】
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 そういうわけで、1979年、この写真に撮られたニホンカワウソが最後の一匹であったようだ。
 このニホンカワウソは、両親から別れたのち、仲間を探してずっと高知の川で暮らしていたであろうに、誰とも会うことは出来ず、ずっと一匹で暮らし、そして誰にも知られぬまま孤独のうちに生を終え、そしてその一匹の死をもって、地球上からニホンカワウソは姿を消したのである。

 なんとも哀しく、せつない話である。


 とはいえ、生物である以上、種の寿命というのは確実にあり、ニホンカワウソのみならず、全ての生物は絶滅の運命を持っている。
 今、地上で繁栄を謳歌している人類だって、その運命は決して免れない。
 それが何万年後か、何百年後か、あるいは数日後か、それは誰にも分からないけど、人類も種の寿命を迎え、そして最後の一人となる人は必ずいる。
 その最後の一人となった人は、何を見て、何を聞き、そして何を思うのであろう。

 人類最後の一人、という魅力的なテーマでは、いろいろとSFが書かれているが、そのなかで私にとって最も印象的であったSFの一編、ブラッドベリの「火星年代記」の一章を紹介したい。
 厳密にいえば、一人ではないのだが、いきなり人類の絶滅を見る羽目になった者の視点からの地球の描写。

 登場人物は火星への移民の一人。
 火星にはわずかの移民が住んでいたのであるが、ある時、彼は先住人であった火星人の幽霊のごときものに、「君たちはここで住むしかなくなった。だから火星の土地を君に渡そう」と言われ、広大な火星の土地の権利書を渡される。
 なにがなんだかよく分からないまま、地球で何事か起きたのだろうかといぶかり、火星の夜空を眺めるうち、それは起った。

 Earth changed in the black sky.
 It caught fire.
 Part of it seemed to come apart in a million pieces, as if a gigantic jigsaw had exploded. It burned with an unholy dripping glare for a minute, three times normal size, then dwindled.

 黒い空で地球の姿が変わった。
 それは炎に包まれた。
 地球の一部はまるで巨大なジグソーパズルが爆発したかのように、百万の破片に分裂した。地球は燃え上がって汚い水滴のような閃光を瞬時に放ち、3倍ほどの大きさに膨れ上がったのち、それから小さくなった。

【地球】
Earth

 地球が、そして人類がどのような終末を迎えるかは分からないが、この小説のように全面核戦争で燃え尽きる、なんてのは止めてほしい。
 小説での描写そのものは、大花火みたいで、とても美しいけど。

 それにしても、今読み返すと、この場面の年代は2005年11月ということになっているんだな。
 2012年現在、ブラッドベリの予想に反して、人類は火星に移民どころか、火星への有人宇宙旅行さえできていない。しかし、とりあえずは滅亡もまだしていない。
 私が生きているあいだは、地球も、そして人類も滅びてほしくはないけど、さてどうなることやら。


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 引用文はRay Bradbury作The Martian chroniclesの"November 2005: The off season"より。

 火星年代記: レイ・ブラッドベリ作 1950年出版

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【Résumé(まとめ)】

 Au Japon il y avait des grands mammifères que s’appelle « Nihonkawauso » que habitait le fleuve. ll a été désignée comme monument naturel, et il était célèbre.
 Kochi province est célèbre comme son habitat, Suzaki-ville fait l’animal fétiche.
 Meis Ministère de l'Environnement a annoncé que s’ éteinait à le 28 oût, 2012. Le animal éteinait avant plus de trente ans.
 Cette photo est l’ animal que a été vu la dernière fois. Ce animal est considéré comme le dernier.
 Il a vécu beaucoup dans la solitude, est mort dans la solitude, les résultats, Nihonkawauso a disparu de la face de la terre.
 C'est une histoire triste et solitaire.

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August 25, 2012

安春計@夏

 夏といえば、安春計の「鮎の風干し」と「新子」である。

【鮎の風干し】
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 鮎はその醍醐味を味わうには、塩焼きに限るとは思うけれど、内臓を外し、風干しにされた鮎は、鮮烈な鮎の香りが立ち、これはこれで鮎を魅力を大いに引き出した料理だと、食うたびに思う。


 安春計の肴は、五種の料理にこだわっているそうで、それは刺身、焼き物、酢の物、煮もの、それに野菜だそうだ。
 言われてみれば、いつもこれらがセットででますね。

【鰯の梅干し漬け】
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 今回の酢のものは、梅干しにより旨みと酸味を利かした鰯の酢漬け。梅干しも鰯も両方美味しく、互いに魅力を高めている。

【新子+雲丹】
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 酢と塩の利かせかた、シャリとのバランス。
 安春計の新子は、やはりいつ食ってもいいなあ。
 夏になれば、安春計の新子は是非食わねばならぬ、風物詩である。


 安春計の店主は近頃FICを結成したとのことが、福岡の寿司好きの者たちのあいだで話題になっていた。
 FICとは「福岡(F)いいかげん(I)倶楽部(C)」の略称であり、柳橋市場を主に使っている寿司職人の集まりだそうだ。メンバーは三名で、安春計店主が会長、そして副会長は近松さんで、あと見習いが一名とのこと。
 メンバー増えましたかと尋ねてみると、FICではスケールが小さいので、名称を「日い協」に変更したとのこと。これは「日本いいかげん協会」の略で、たしかに気宇壮大な名前だ。ただし、メンバー数は変わらず、いまだ三名だそうだ。
 「日い協」は寿司職人なら誰でも参加可能なのだが、入会条件は「柳橋に朝イチで仕入れに来ること」だそうで、…それって全然いいかげんと違うじゃない、というのは野暮な突っ込みなんだろうなあ。

【招き猫ならぬ読書猫】
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 安春計は唐津焼きの陶器で有名だけど、なかには変わったものも置いており、入り口の台に、アンティーック風の「読書をする猫」の置物が新しく置かれていた。
 寿司店では招き猫はよく見るけど、読書猫は初めて見る。
 そして、これが店の落ち着いた雰囲気によく合っていた。


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【Résumé(まとめ)】

 Restaurant “Asuke”que fournis sushi à Fukuoka-ville, est un le bien établi de sushi
 Pour chaque saison, Nous mangeons les plats que sont délicieux avec des ingrédients de saison.
 De l'été au Japon, le plus delicious sushi est “une alose à gésier de taille minimum” que applle Shinko.
 Sel et vinaigre avons souvent fort, Asuke Shinko mètre est très délicieux.
 Mangez ceci, un des plus grands dans le plaisir de l'été

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August 19, 2012

映画:プロメテウス ネタバレ編

 「宇宙に存在しているであろう神にも等しい高次的存在」は、SFにとって魅力的なテーマであり、それを題材としたSF小説や映画はいくつも作られている。
 「プロメテウス」もその系列に位置する作品であり、古代遺跡に残された手掛かりから、その高次的存在を求めて人類が恒星間旅行をする話だ。
 プロメテウスに登場するその高次的存在と目された異星人は「エンジニア」と呼ばれているが、そのエンジニアは、実は人類が想像していたものとは真逆のものであった、というのがオチとなっており、それが新鮮に感じられた。

【エンジニア@太古の地球】
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 映画冒頭。舞台は3万年も前の太古の地球である。上空に巨大な宇宙船が浮かび、そこから降りたと思われる白い巨人が登場。彼は宗教的儀式のように「黒い液体」を捧げ持ち、それを飲み込む。
 すると巨人の肉体は沸騰するかのごとく膨張し、そして海にダイビング。身体は海に溶けていき、そこから生物的活性を持つらしいDNAが放たれ、どうやらこれが地球上生物の素となった模様。

 プロメテウスの神話さながら、我が身を犠牲にして人類の進化を助ける、このエンジニアのその目的はなにであったのか?

【惑星LV223:宇宙船内部】
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 地球に残された手掛かりに従い、30光年の距離を越えて、目的とする星系へとたどり着くと、そこにあった惑星はエンジニアの母星ではなく、宇宙船中継基地のようであった。
 その惑星にあったエンジニアの宇宙船の内部には、礼拝堂のような宗教的施設があり、彼らが「神」と拝んでいたとおぼしき巨大な頭像がある。
 この頭像、のちにエンジニアそのものをモデルにしていることが分かる。
 彼らは、神を見つけること、あるいは造ることは出来ず、自らを拝むしかなかったようである。

【惑星LV223:宇宙船操縦室】
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 宇宙船操縦室にダヴィッドが入って、操縦法を調べているところ。
 ホログラムを起動させると、数々の惑星が映し出され、エンジニア達は地球のみならず、数多くの惑星も訪れたいたことが判明する。


 知的生命体が恒星間宇宙旅行という大事業を行うとして、そのような巨大な労力と費用のかかるプロジェクトを行のは切羽詰まった理由が必ずある。
 最も通常の理由は、その生命体が種として行き詰ってしまい、解決策を求めるため、宇宙に進出するというものであろう。それにより、その生命種は生存圏を拡大できる可能性が生まれ、さらには更なる知的生命体へのコンタクト、いわゆる神探しも行うことができる。
 エンジニアは宇宙進出に成功し、そして遥かの昔から宇宙の探査を行っていた。地球からあっさり引き上げていることから、彼らは生存圏拡大には興味を持っていなかったようであり、そして宇宙船の頭像から示される宗教的希求心から、彼らの主目的は「神探し」であったようだ。
 ところが、頭像がずっと彼らの形であったことから分かるように、彼らはついに宇宙で自分たちを越える生命体に出会えることはなかった。どころか彼らは、彼ら以外に宇宙に生物を認められなかったのだろう。
 おそらく進化の袋小路に入ってしまい、これより進化の方法を持たぬエンジニア達は、神が得られなかった以上、種として衰退していくしかない。
 そこでエンジニア達は、神を求めるために、神を探すのではなく他の手段を行う。その方法が「黒い液体」である。「黒い液体」は、遺伝子に活性を与え、人工的に進化させる物質であるが、それにより、

 (1) 自らの肉体を進化させ、神を目指す。
 (2) 自らの遺伝子を他星にばらまき、そこで生じた生命体が神に進化することを期待する。
 の二つの手段で、エンジニアは神を求めることになる。

【失敗1】
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 (1)は、どうやら大失敗したようで、一人の実験台となったらしいエンジニアが凶暴化して、宇宙船一つがほぼ全滅となってしまった。その失敗の映像が、ホログラムとして残されていたが、全容は不明。

【失敗2】
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 生命の存在が可能そうな地球で遺伝子をばらまく。-このこと自体が、エンジニアが神でなかった更なる証拠ではある。無から有を造りだせるのは真の神だけであり、超文明を誇るエンジニアといえでも、生物は自分の生命を鋳型として造り出さざるを得なかった。

 かくて地球に知的生命体人類が誕生し、エンジニアは定期的に地球を訪れ、彼らの進化の手助けをし、これ以上の援助が必要なくなったところで手を引く。
 人類が彼らなりの進化を遂げ、やがて神に近づくまでの存在になったとき、エンジニア達を訪れてほしいとの地図を残して。

 すなわち、エンジニアが地球に残した星系の地図は、招待状というより、「自分たちを救ってほしい」という一種のSOSだったわけである。

 …やがて人類は高度の進化を遂げ、ついには21世紀末には恒星間飛行も出来るほどの技術を獲得し、エンジニアの星を訪れたのだが、

【エンジニアぶち切れの図】
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 宇宙船には、不幸な生物事故からただ一人生き残った者が居て、コールドスリープから目覚めたそのエンジニアと、人類はついにファーストコンタクトを行う。

 しかし、じつはプロメテウス号惑星探索の真の目的は、「ウェイランド社の社長が高齢になって死にかけているので、不死の術を得るために、社長自ら計画を練ってエンジニアの星を訪れた」という、はなはだ即物的、俗物的、形而下的なものであった。
 それゆえ、社長はアンドロイドを通訳として、「自分を不死にしてくれ」てなことを頼む。

 はるか昔に地球に種を播き、高次の存在になってほしいと、人類の成長を見守って来たエンジニアとしては、これはぶち切れますね。
 高文明、高知能の持ち主のエンジニアといえでも、ここは激怒せざるを得ない。
 エンジニアは寝ざめの不機嫌さも相まって怪力まかせに、社長、アンドロイド、ついでにお付きの者も、ぶち殺し、この壮大な宇宙の旅はどっちらけの結末に終わってしまった。

【ついでの結末】
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 話はまだ続きがある。
 あまりの地球人の情けなさに呆れたエンジニアは、それでも生物的上位者としての使命があることに気付く。
 己の力では神への進化は無理であった人類ではあるが、「黒い液体」の力を借りれば、進化するんじゃないの? 自分たちには合ってなかったが、人類なら合わぬとも限らない。
 そういうわけで、エンジニアは宇宙船を始動させ、地球を目指す。

 …しかし、プロメテウス号クルーはそうは思わない。
 宇宙船内部の「黒い液体」を生物兵器と思い込んでいるので、(彼らはエンジニアが自ら黒い液体を飲む冒頭のシーンとか知るはずないから、そう思っても仕方はないが)、生物兵器満載の宇宙船を地球に遣っては地球の破滅だと、プロメテウス号自らを宇宙船にぶつけ、それを阻止した。
 まあ、黒い液体の効果については、既に乗組員を使ってデヴィッドが人体実験をやっているので、その悲惨な結果からは、黒い液体によって人類が神に進化できるかどうかは、極めて勝ち目の少ない賭けとは思うので、この判断はそれなりに正しかったと、人類側からは思う。

 そういうわけでの、クルーにとっても、エンジニアにとっても、またウェイランド社にとっても、さんざんな結果に終わってしまったLV233探査計画なのであった。


 ネタバレその2


【メレディス・ヴィッカース】
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 ところで、この映画、役者陣では見た目でシャーリーズ・セロン演じるところのヴィッカースが最も魅力あり、非常に重要な役割りを果たしているように見える。
 最初の登場シーンの腕立て伏せのところなんてのも、いかにも意味深そうだ。

 そして、彼女はじっさいに非常に重要な役だったのだが、…それは我々が期待するところの重要さ-例えば、

 (1) 人類のなかで、極めて高い知力と体力を有していたため、ウェイランド社から特別に選別された。
 (2) 自身が神になりたいため、この機会を待ってウェイランド社に入社し、その目論見通り、この計画に選抜された。
 (3) じつは、彼女自身が地球人の進歩を見守っていたエンジニアそのものであった。(エンジニアの雄はごつくていかつかったが、雌は華奢できれいだったとか)
 (4) じつは、彼女は、人類の中で最も進化した神にも近い全能の存在であり、それでこのプロジェクトの趨勢を観察するために、無理やり参加した。

 というふうな、セロンの外見にふさわしい「彼女は超特別である」との役割を発すると、観客は思っていたのに、…映画での役割は、まったく違っていた。

 まあ、惑星探査チームのなかで、最も重要な役と言えば言えるのだけど、これってずいぶん地味な役だなあ。

【ヴィッカース個室にて】
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 ウェイランド社の重役であり、社長の娘でもあるヴィッカースは、このプロテウス号計画に最初からまったく賛成ではなかった。
 異星人の存在なんて元から雲をつかむような話だし、異星人がいたとしたらそれはそれで、一企業の手に余る大問題だ。さらに妙な菌を積んで戻ったりしたら、地球規模のバイオハザードを起こしかねない。
 そして、これが重大なところだが、なによりプロメテウス号のチームがまったく信頼できないような面々だった。彼らにこのビッグプロジェクトを任せておくと何をしでかすか分からない。
 それで、彼女は嫌々ながらこの遠征に参加し、チームを監視していたわけ。

 行け行けどんどんの乗りで盛り上がっているクルーに対し、彼女のみが一貫して冷静であり、まともな判断を下していたのは、そういうわけだったのである。

【ヴィッカース最後のシーン】
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 せっかくシャーリーズ・セロンという大物女優を起用しておきながら、見せ場は最初の腕立て伏せだけかい! という感じで話が進むなか、ヴィッカースは特攻に出たプロメテウス号から脱出する。
 しかしそこへ墜落してきた巨大な宇宙船が、ごろんごろんと転がって来て、これに追いかけられ、必死で走って逃げるも、追いつかれ押し潰されてしまう。
 う~む、セロン久々の見せ場がこれってのはひどいと思う。

 (…なお、映画で観ていると「横に逃げろよ!」と突っ込みを入れたくはなるが、自分がその状況になったと考えると、あんな巨大なものが覆いかぶさってきたら、たしかに横も縦もなく、ただ必死に逃げるのみではあろうな)

 どうにも不憫な役である。シャーリーズ・セロンは、もうギャラとか考えなくていいような俳優なんだから、仕事選べよ! と思ってしまったのはぜったい私だけでないはず。

 というか、この映画のなかで、シャーリーズ・セロンの位置はやっぱりおかしい。彼女は主役級の位置をしめてしかるべき女優であり、たいした活躍の場もない挙句、宇宙船に押しつぶされて終わってしまう端役では、誰も納得できない。
 
 ゆえに、先の私の考察でいって、彼女の正体は(4)にしたい。
 
 彼女こそ、エンジニアが待ち望んでいた「神」なら、彼女は万能であり、物語の流れにもピタっとはまる。
 そして、次作の冒頭のシーンで、宇宙船を押しのけ、「あ~、びっくりした」と言いながら、地中からセロンが出てくると、ここからいくらでも物語は動き出す。
 それなら次作にも彼女は出てくるし、だいたいこの作で終わっては、セロンは不完全燃焼に過ぎる。


 ネタバレ その3


【アンドロイド デヴィッド】
David

 プロメテウス号の惑星探索計画が散々な結果に終わるのは調査隊の無能にもよるが、もう一つはアンドロイド、デヴィッドの暗躍のせいもある。
 このアンドロイド、機能的には超高性能なわりには、ロボット三原則を一切無視して、人間の言うことはきかないわ、人間に危害は加えるわで、本来人間の役に立つべきロボットの風上にも置けない存在である。
 ただ、このアンドロイド、製作したのがウェイランド社ということが最初に示されている。ウェイランド社作のアンドロイドって、既に映画エイリアンに出てきており、それは人間に危害を及ぼすことを全く意に介さず、会社の利益に尽くす、愛社精神に富んだ、厄介な存在であった。
 だからデヴィッドは一般的にはおかしくみえても、ウェイランド社の仕様としては、普通のアンドロイドではあるのだ。

 デヴィッドは乗組員を危機に落とす一方で、ウェイランド社と社長のためには懸命に働いている。そして、働いた結果は、社長が言ったように「全て無駄であった」で終わってしまう。
 哀しくも、空しい、結局こいつはなんだったんだ、てな役であった。


 とか、いろいろ文句を書いたが、この映画の映像美は見事の一言に尽きる。
 100億円以上の製作費をかけて造り出された、奇怪な宇宙船の造形や、嵐の惑星の情景、プロメテウス号の飛行の雄々しさ、等々見どころはいくらでもあり、それらだけでも映画史に残る大作だと思う。
 次作も楽しみだ。

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August 18, 2012

映画:プロメテウス

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 21世紀後半、考古学の研究が進み、未開発であった古代の遺跡の調査がなされた。すると、9つの遺跡で奇妙なことが発見された。9つの遺跡は、異なる時代、異なる文明のものなのに、同じようなモチーフが描かれた壁画が残されていたのである。それには人類に文明を教える一人の巨人の姿が画かれており、そしてその巨人は天空の一つの星座を指し示していた。
 現代の天文学によりその形の星座は確かに銀河系に存在していることが判明したが、しかし望遠鏡とてなき古代には、その星座は見ることも、認識さえもできない、遥か彼方にあるものであった。

【星座図】
0

 この壁画の星座は巨人たちがどこから来たかを示しているに違いない。壁画は地図であり、そして人類への招待状であると科学者たちは判断した。
 「我々はどこから来たのか、何なのか、どこに行くのか」。この深遠な謎、-人類の創造、そして進化という、大いなる謎を解明するために、探査計画が立てられた。
 17人の専門家を乗せた宇宙船プロメテウス号は、遥か30光年の恒星間飛行を行い、目的の惑星へと到着。そして、ここで数々の不思議な生物、事物、事件に遭遇する、という話。

【宇宙船内部+アンドロイド】
1

 2年間に及ぶ飛行を行っているプロメテウス号は、そのあいだ乗組員は冷凍睡眠しており、船の航行と生体の管理はアンドロイドのデヴィッドが行っている。
 このデヴィッド、アンドロイドだから当たり前からも知れないが、まさに生きているコンピューターという感じで、2001年宇宙の旅のHAL9000をそのまま動けるアンドロイドにしたような存在である。
 宇宙船の内装を含め、未来の技術の進歩が映像的にとてもよく分かる、いいシーンだ。

【惑星LV223】
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 やがてプロメテウス号は目的としていた惑星LV-223へと近づく。
 巨大な輪を持つLV-223を前にプロメテウス号は防御ハッチを開き、嵐の大気のなかに突っ込んでいく。
 未知なるものへの遭遇へと心が躍る。

【統括責任者ヴィッカース登場】
Celon

 惑星着陸が近くなり、乗員たちは次々に眠りから覚める。
 その中でチーム統括責任者である、シャーリーズ・セロン演ずるところのメレディス・ヴィッカースは一足先に目を覚まし、身体を慣らすために腕立て伏せをやっている。
 彼女は知的な美人であり、さらに強靭な肉体も併せ持つ、ただならぬ人物のようである。このミステリアスな女性の登場で、惑星探査の謎解きに加え、それに複雑な人間劇も生じそうな、そういうことを思わせる、短いけど印象的なシーンだ。


 ここまでは、長編映画の幕明けとして、たいへんよろしい。
 まず映像が壮大で美麗であり、謎かけも魅力的であり、この映画は傑作では、と期待させる見事な冒頭である。

 …しかし、その期待も次からのシーンでずっこけ、これは駄作かもしれないとの予想が生じ、その予想はついに裏切られぬまま、終末まで突っ走ってしまい、あっけにとられたまま終幕を迎えるという、残念な映画であった。
 ここまで費用をかけて、素晴らしい映像美を造り上げた映画なのに、じつにもったいない。

 話を続ける。
 ヴィッカースのあとに、次々と乗組員は目覚め、そして惑星探査のための会議が開かれる。

【会議1】
3conference

 惑星探査統括責任者のヴィッカースが、計画立案者であるウェイランド社社長の講義の立体ビデオを乗組員に見せ、この計画について説明。
 ウェイランド社が総力をかけて、巨額のプロジェクトであることが示される。まあ、ここのところは良い。
 しかし、問題は次からである。

【会議2】
4conference

 ヴィッカースの説明のさいに、17人の乗組員が映される。
 この惑星探査計画、世界を代表する大企業が、1兆ドルという国家予算規模のの費用をかけて、恒星間飛行の出来る最新式宇宙船を打ち上げ、そしてその目的が、人類初の地球外知的生命体探索、という巨大プロジェクトなわけだから、そのスタッフは、人類選りすぐりのエリートであり、知力、体力、精神力抜群の者たちがそろっているはずである。
 …しかし、会議に並ぶその面々、どうみてもそのたぐいのエリートには見えない。なんというか、田舎のビル解体工事に繰り出されたセミプロ程度のチームにしか見えない。
 世の中、人を外見だけで判断するなとはいわれているが、この映画の場合、彼らは見た目通りの能力の者たちであった。

【探索チーム】
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 惑星LV-223に着陸してから、調査チームは早速岩山のようにカモフラージュされた宇宙人の基地に入り、そこで数々の貴重な発見をするのであるが、このチームが、やってることが馬鹿すぎる。
 何が起きてもおかしくない異星人の基地のなかにいるのに、慎重さは全くなく、専門家とは思えぬ、場当たり的で、墓荒し的な調査しかしない。しかも、このチームはリーダーらしき者はいるものの、全然統率力はなく、チームはバラバラにしか動かない。
 そうして、妙なところで無謀であり、いらぬものばかりに手を出し、そこで自滅的危機を招いてしまう。
 まったく、観ていてイライラする。

 どうやら彼らの子供じみた行動は、異星人に対する思い込みがあったらしい。彼らは無邪気にも異星人をサンタクロースのごとき、人類に恩恵のみ与える庇護者的存在と思い込んでいたらしく、調査が進むうち、異星人はそのような単純な存在でないことが分かり、そのときには彼らの破滅は間近に迫ってしまっていた。

【心からの叫び】
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 というわけで調査チームのサブリーダーは、「私たちは間違った!」と叫ぶのであるが、これは台詞が間違っている。
 この深遠なる「人類起源探索の計画」は、そのものは全く間違っていない。
 あの壁画をみれば、知的生命体ならば必ず行うべきプロジェクトだ。

 しかし、人選が間違っていた。

 つまり、選抜された彼らがもう少しまともな者たちであったら、すなわち彼らよりも慎重で、知的で、専門性豊かな者で探査チームを組んでいたら、このプロジェクトは粛々と進み、実り多きファーストコンタクトとなったであろう。
 つまり、「私たちは間違った」のでなく、「私たちが間違いであった」のである。だから、観客は「お前らが馬鹿だから、こうなったんだよ」と突っ込みを入れたくなる。


 この映画、謎はけっこう残されたままでいったん終わり、その謎解きは続編の「プロメテウス2」に任せられるそうだ。

 ただし、一番肝心の謎である、乗務員たちも(アンドロイドは除く)、そしてウェイランド社社長も分からなかった「巨人とは何であったのか? 巨人は人類に何をしたかったのか?」という謎については、本編の画像でけっこう明らかにされており、…次作はそこを軸に進めるのかなあ?

 その謎について、私なりに解題してみたい。それについては次回にて行う予定。

 
 プロメテウス(ネタバレ編)


プロメテウス 公式サイト

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August 13, 2012

ひょうたん島クルーズ@徳島市観光

 徳島の観光の最大のコンテンツは「阿波踊り」であるけど、他にもいろいろとあり、そのなかで一番のお勧めは「ひょうたん島クルーズ」とのことで、行ってみることにした。

【ひょうたん島】
Hyoutann

 「ひょうたん島」というのは、徳島市の中州のことで、…というか徳島市そのものが中央部が中州そのものなので、その瓢箪の形をしている徳島市を船で一周するというクルージングである。

【橋くぐり】
1_3

 徳島というところの特徴なのであるが、県の規模からしてはオーバースペック気味の大河「吉野川」が県を貫いていることから、徳島には橋がたくさんかかっている。
 徳島市も吉野川およびその支流がたくさん走っていることから、「水の都」とでも称すべく川だらけの街なので、橋も当然たくさんかかっている。
 そのたくさんの橋を船はくぐっていく。

【橋くぐり】
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 船に乗っているときは、橋がとても低く見え、橋をくぐるときには頭にぶつかりそうに思えるため、乗客はこのように身構えている。

【橋くぐり】
3

 しかし、運転手は慣れたもので、頭上数10cmに迫る橋はものともせず、通常の姿勢で運転する。

【橋くぐり】
4

 しかし、なかには本格的に低い橋もあり、これはきちんと身をかがめないと頭がぶつかってしまう。そういうときは運転手があらかじめ注意を促し、そして運転手も身をかがめ、そうして橋をくぐっていく。
 この橋は、川の潮位が上がったときは、走行不可能になるそうだ。

【徳島市街】
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 橋くぐりが印象深いけど、徳島市も広く見渡するクルージングであり、徳島市街やそれに徳島のランドマーク眉山もよく見ることができる。

【船々】
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 この川は、生活用にも使われおり、漁を終えた船や、また農作物を積んだ船も行きかっている。

【船着き場】
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 眺めよき景色と、街の雰囲気、それから橋くぐりのスリルを30分弱ほど楽しんだのちに、元の船着き場に戻る。

 本家水の都ベネツィアほどの優雅さはないものの、日本の水の都徳島市は、それとは異なる独自の魅力があり、このひょうたん島クルージングはそれを頼めるものであった。


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【Résumé(まとめ)】

Parlant de la ville d'eau, Venise est célèbre
Il est une ville d'eau au Japon, Tokushima ville c'est le cas.
Le Tokushima, il ya une île de "hyoutann île croisière ".
Paysage de la ville, en passant sous le pont pour le plaisir, vous pouvez en profiter.

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August 12, 2012

夕食は、郷土料理店「さわらぎ」@徳島市 にて

 阿波踊りを見終えて、まだまだ喧騒の残る街を歩き、夕食の店を探す。
 徳島駅前通りに、よさげな小料理屋を見つけたので入ってみる。

【メニュー】
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 店のなかは居酒屋っぽかったが、メニューを見れば地元の食材ばかりにこだわった純郷土料理店であった。

【鳴門わかめポン酢サラダ】
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 鳴門わかめは、やはりポン酢があう。
 良い具合の歯ごたえである。

【鳴門蓮根南蛮漬け】
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 鳴門市は蓮根の名産地だそうで、たしかにJRからは線路沿いに広い蓮畑をいくつも見かけた。

【蓮根豆腐】
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 蓮根はいろいろな食べ方があるけど、豆腐にする手もあったのだ。
 これは独自の風味と食感があり、いけます。

【すだち酒】
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 柑橘系に関しては、徳島はスダチ文化である。しかもかなり強烈な文化を持ち、大分のカボス並になんでも使いたがるところがある。
 それはそれでよいとして、酒にも「すだち酒」というものがあった。
 面白そうなので頼んでみたが、超甘口酒であり、辛党にはとても勧められませぬ。

【鮎の塩焼き】
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 徳島の魚の名物は、鯛、鮎、鱧、鰻といったところ。
 この店の鮎は当然天然鮎であり、吉野川の支流の勝浦川という川で獲れたものだそうだ。
 きちんとした鮎の香りのある鮎であった。

【鱧の天麩羅】
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 鱧の天麩羅は唐揚げのごとく、かなりカリカリに揚げている。
 ビールを飲むときなんかは、いい感じのツマミとなる。

【そば米】
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 徳島の山間部の郷土料理である、「そば米」。
 蕎麦を使った雑炊である。
 蕎麦独自のもぞもぞした食感が特徴。
 こういう料理食うと、やっぱり蕎麦の実は、挽いてこねて伸ばして切って、蕎麦にして食ったがよいことが分かったりもする。


 昨夜の古今青柳の鯛と鰻に引き続き、徳島の地元料理を満喫した夜であった。


 ついでに、昼食べた郷土料理も紹介。

【たらいうどん】
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 これは一人前であるが、本来のたらいうどんはもっと大きなたらいにうどんを入れ、多人数でいっぺんに食べるものだそうだ。
 うどんそのものについては、特殊なものというわけでもなく、宮崎の名物である釜揚げうどんと似たようなものである。茹でたてのうどんを、つけ汁で食うスタイルだ。木の香りが漂うのが特徴といえば特徴か。
 美味しいうどんであるが、これは一人前600円する。600円といえば、まあ宮崎とかでは普通の値段ではあるけど、隣の香川県ならこの量だと100~200円といったところだな。
 香川県でうどんがこの値段になったら革命が起きるぞ、てな値段であり、県が隣に移るだけでかくも違ってしまうのかと、しばし感慨にふけったりした。


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【Résumé(まとめ)】

 Il y a plusieurs choses dans le produit distingué du repas de Tokushima.
 Je les ai mangés dans un restaurant japonais “Sawaragi”de Tokushima-ville
 C’est un algue blune et une valeur du lotus de Naruto-ville.Sweetfish et pike congre de Tokushima-ville. Et porridge de riz et légumes du soba . C'était le plat que c'était caractéristique chacun et était délicieux.

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阿波踊り@平成24年夏

【盆踊り:デパート前】
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 四国徳島の盆は、阿波踊りを迎え、本番前の昼から独特の熱気に満たされている。そして、大気も熱気に満ちている。…以前の盆は涼しくなりかけの時期だったのだが、近年の盆って夏の暑さのさなかである。
 午後6時からの本番前から、各所で練習がてら踊っているグループもあるのだが、見ていてとても暑そう。
 阿波踊りは、けっこうな身体の動きを要する踊りであるから、やはり日が暮れてからのほうが見る方も踊るほうも楽ではあるな。

【太鼓練習】
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 徳島の街なかは、いたるところで太鼓と笛の音が鳴っているが、本番に備えてみな懸命に練習しているのである。
 その一つ、新町川ほとりの練習場。

【徳島中央公園前】
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 日暮れも近くなり、踊り手が徳島市中心地にどんどん集まって来た。
 すでにウォーミングアップ中の集団もいる。

【阿波踊り本番】
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 阿波踊りは市内の中心街の道路を車両通行止めにして行われる。
 踊りは他人数のグループ(連)ごとに行われ、その連の数がまた多く、次から次へと連が繰り出されてくる。
 全部見るのに、4時間ほどかかりました。

【阿波踊り 男踊り】
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 阿波踊りは二種類あって、浴衣に陽気、快活、勇壮に踊るのが男踊り。
 世間一般の人が思い浮かべる、「えらいやっちゃ、えらいやっちゃ、ヨイヨイヨイヨイ」の踊りはこっちのほう。
 ただし、この有名な掛け声はあんまり聞かれなかったなあ。
 一番多かったのが、ヤットサーヤットサーのほう。

【阿波踊り 女踊り】
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 華やかな女浴衣に編笠を深くかぶり、優雅に手足を舞わせて、踊るのが女踊り。
 踊りの形は全然違うのに、これも男踊りと同じ二拍子で踊るわけで、両方の踊りを対比しながら見るのも面白い。

【阿波踊り にわか連】
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 阿波踊り、徳島では誰もが踊れるような普遍的なものらしく、連に入っていない者でも、個人で勝手に参加することが可能。
 思い思いの服装で(基本は浴衣だが)、周りの音楽に乗って、ずらずらと踊っておりました。

【阿波踊り 盲導犬】
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 連には様々なものがあったけど、そのなかに盲導犬に引かれて踊る人達もいた。
 目の見えぬ人も、片手で盲導犬に導かれつつ、見事な踊りで通って行く。
 この賑やかな踊りのなか、盲導犬はしづしづと自分のリズムで歩いていた。


 全国有数の大規模な祭りだけあって、たいへんな踊り手の数であり、4時間近く観ることになった。
 これだけ阿波踊りを見続けるていると、感覚が少しおかしくなり、踊り見物からの帰り道、普通に歩いている人の姿が、かえって変に見えてしまった。

 阿波踊り、量、質とも、見るだけで踊りに酔いしれてしまう、そういう魅力を持った踊りであった。

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【Résumé(まとめ)】

 J'ai regardé le Awa Danse Festival.
 C'était un festival du plus grand dans niveau de Japon, et même beaucoup de gens ont dansé.
 Il y a deux genres à danser. On est une danse de l'homme et l'heroicness est une caractéristique. Par une danse de la femme, l'élégance est une caractéristique autre.
 Pour voir ces danses, j'ai complètement été charmé par une danse.

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August 11, 2012

古今青柳で「鯛の淡々」を楽しむ

 徳島の和食といえば、まずは「古今青柳」か「壺中庵」。
 今の時期は名物料理でいえば、古今青柳は鯛で、壺中庵は鮎となる。鮎にも惹かれたが、鮎だと少し前に行った美山荘とキャラがかぶってしまうので、鯛を目当てに古今青柳を選んだ。

【古今青柳】
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 古今青柳は、ホテルリッジの一部門であり、鳴門の小島の突端みたいなところにある。20万坪という広大な土地に、10部屋だけのリゾートホテルと高級料亭があるわけで、まあなんともバブリーではある。どう考えても、採算があうとは思えぬが、そこはオーナーである優良企業大塚製薬の道楽といったところか。

 古今青柳に着き扉を開けると、マネージャーらしき人から、「まさか、今回も自転車じゃないでしょうね?」と言われる。
 徳島空港からならともかく、伊丹空港から自転車で鳴門市に来るほどの気力はさすがに私にはない。というか、自転車は明石大橋渡れないし。

【庭】
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 古今青柳は鳴門海峡と鳴門大橋に面している。それゆえ、絶景を期待していたのだが、…鳴門大橋、遠すぎ。あれじゃ、大橋じゃなくて、普通の橋にしか見えない。
 もうちょっと橋に近いところに作れば良かったのに、とたいていの人は思うはず。

【前菜】
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 前菜は、海老、蒸アワビ、鳴門ワカメに酢のジュレをかけたもの。それに白髪葱を添えて。なんだか特殊な酢を使っているようで、酢の味が豊かである。
 見た目にも、色鮮やかで美しい。

【造り】
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 全国津々浦々で鯛は獲れるわけだが、最も身が引き締まっている鯛が「鳴門鯛」。
 鳴門は渦潮が生じるほど海の流れの激しいところであるから、その急流に鍛えられた鯛は、身が筋肉質であり、甘み、旨みも抜群。

【八寸】
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 古今青柳、第一の看板料理「文箱八寸」。
 いろいろな素材から、小さな工芸作品のような料理を十種類以上作り、それを二段重ねの文箱に入れたもの。
 華やかであり、そして種々の味の料理を楽しめる。

【鯛の淡々】
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 古今青柳の、第二にて最強の看板料理、「鯛の淡々」。
 鯛をいかに美味く料理するかということを徹底して研究してきた、小山氏の一つの最終的解答。
 酒と少々の昆布出汁で蒸された鯛の頭は、自らの出汁で相乗的に鯛の旨みを増させ、そして弾力豊かな頬肉がその旨味を吸い取って、これぞ鯛の最高の味、とでも宣言したくなるような、そんな素晴らしい料理となっている。
 青柳の鯛の淡々を食わずして、鯛を食っというなかれ、ですわ。

【御凌ぎ】
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 これは徳島の郷土料理、「ボウゼの寿司」をアレンジしたもので、ボウゼの幼魚の握り寿司である。徳島のマイナーな素材であったボウゼの料理は、青柳によって全国的に有名になったとのこと。
 …ただし握り寿司で食うよりは、たぶん姿寿司のほうが美味しいはず。

【椀】
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 椀物は夏らしく、鱧に蓴菜、それにスダチ。
 この店の料理は、全体的に味付けが濃い目であり、地方の料亭などによくある「高級田舎料理系」とでも称すべく種類のものなのだが、椀はけっこう控えめな出汁であり、スダチも皮だけを使ったもので、繊細な椀であり、気にいりました。

【鰻】
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 徳島は吉野川の支流で獲れた天然鰻の蒲焼。
 天然鰻の特徴である厚めの皮をしっかりと焼いて、香ばしさと、それから歯ごたえを強調している。

【ご飯】
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 ご飯は、天日干しの新米が土鍋炊きたてで出てきます。
 ふんわり、つやつやの、じつに美味しいご飯。

【鰻丼】
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 この美味しい白米は、鰻にそれから卵の黄身を乗せての鰻丼が是非ともお勧めの食べ方とのことで、当然それをやってみる。
 うむ。それぞれの美味さが、相乗効果を発し、これはやみつきになりそうな豊かな味である。

【水菓子】
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 水菓子は、桃、梨、葡萄。
 どれも美味しいのであるが、とくに千切りにされた梨の、涼しげな食感と食味が夏のデザートとしてじつに良いものであった。


 古今青柳、和食としては私は京都の店のほうが好みであるが、やはりここは鯛を食べる店であって、刺身も良いし、そして「鯛の淡々」は孤高とも言える高みに達した鯛の料理に思える。
 鯛の好きな人は一度は訪れるべき店だと思う。

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【Résumé(まとめ)】

  Il y a un restaurant appelé le "Kokin Aoyagi" dans la place où est loin au centre de NarutoVille.
  Naruto-Ville est la place où une brème de mer délicieuse est produite.
  Un est restaurant de la nourriture japonais qui donne la cuisine de la brème de mer pour cuisine spéciale.
 Dans la restaurant, "TanTan de brème de mer " est le plus délicieux de la cuisine de la brème de la mer.
  C'est le cuire que Monsieur Koyama qui est cuisinier célèbre a créé.
  Parce que c'est étouffant avec liqueur et kombu, je tire vraiment le goût de la brème de mer avec une bonne brème de mer.
 Il cuit pour vouloir une personne qui aime des brèmes de mer pour l'éprouver par tous les moyens.
  Mais c'est haut. Lorsque vous rangez le cours dans où c'était, Il faut trente-milles yen au moin pour seulement cuire des charges.

【TanTan de la brème de mer 】
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阿波踊りへの道 -徳島までは遠かった 

 なんとなく「夏はやっぱり祭りを観るべきだ」モードに昨年より入っており、去年は東北の「ねぶた祭り」に出かけたので、今年は日本を代表する祭りである徳島の「阿波踊り」へと行くことにした。

 宮崎から徳島に行くにはいろいろなルートがあるが、一番楽そうな「宮崎→大阪を飛行機で、伊丹空港から徳島までは神戸三宮経由で高速バスを使って行く」コースにした。空港から三宮までは順調であったが、三宮で徳島行きのバスに乗ろうとしたら、なんと本日の高速バス「阿波エクスプレス」は全て満席である。
 よく考えてみれば、というかよく考えなくとも、本日から盆の帰省ラッシュが始まるわけで、かつさらに四国最高の観光コンテンツ阿波踊りが重なるわけだから、この路線は一年のうち最も混む時期に入っている。ゆえに、この事態は当然予測してなければならなかった。

 しようがなく他の便を探すが、お隣の香川行きも、午後遅くまでまったく席は空いていないのであった。
 とりあえず四国に渡ってしまえばJRというものがあるのでなんとかなるが、問題は四国へ渡る手段である。調べると、神戸港からは徳島行きのフェリーはないが、香川行きの「ジャンボフェリー」があったのでそれに乗ることにした。

 フェリーというものは、高速バスと違って乗船が可能な人数はたいへん多いので、予約なしでも乗れたが、さすがに盆ラッシュで、船内は満員御礼と言いたくなるくらいの人であった。
 普通の客室部には人は収まりきれず、通路やロビー一面にゴザがひかれて、その上に客は座っている状態。バスや列車と違い、船というものは輸送力が豊であるなとも感心した。

【フェリーと小豆島】
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 ジャンボフェリーはいったん小豆島の坂手港に寄った。以前に訪れた「二十四の瞳映画村」の近くの港である。少々の懐かしさを覚えつつ、小豆島の景色を眺める。
 乗客は4分の3ほどは小豆島行きの人であったらしく、彼らがどっさりと坂手港で降りたのち、高松港まではぎっしり詰めの状態から脱することとなった。

【高松駅】
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 高松港に着いて四国に上陸すれば、あとはなんとかなる。
 そしてJR高松駅は高松港の近くにあるので、JR特急を使って徳島を目指した。
 …しかし高松駅って、高松市の人口規模のわりにはずいぶんと近代的で立派な駅だなあ。

 神戸から高松までの船旅は4時間半ほどの時間がかかり、高松に着いたのが午後4時過ぎであった。時刻表をみると宿泊地の徳島市まで行ってしまうと、鳴門市「古今青柳」での夕食の時間にはとても間に合わぬことが分かったため、「古今青柳」へは直接向かうこととして、「勝瑞駅」から各停に乗り換え、鳴門駅へと向かった。

【勝瑞駅】
3

 勝瑞駅は特急が停まる駅のわりには、ローカル色が豊かで、鄙びた感じのいい駅であった。路線も単線である。

【古今青柳】
4

 鳴門駅からはタクシーで古今青柳へと行き、着いたのは夕暮れ時の午後6時半である。
 家を出てから、12時間以上かかってしまった。
 12時間ありゃ、普通はたいていのところには行けるよなあ。それなのに、たかが直線距離で400kmしか離れていない徳島までがやっとかあ。
 宮崎も徳島も、交通の不便なところであることよ。
 まあ、それでもこの大混雑の時期に、なんとかたどり着けたことだけでも良しとしよう。

【移動図】
To_tokusima1

 

  ………………………………………………………

* フランス語を勉強する必要が生じ、時々要約を仏語で書きます。あくまでも勉強のためなので、いわゆるbrokenです。


【résumé】
 Je suis allé regarder la Awa Danse à ville Tokushima de Shikoku.
 Il y a une coutume pour se souvenir de l'âme du mort à une ville natale dans le milieu d'août a appelé « Bon » au Japon.La Awa Danse est une danse du festival. C'est le plus haut festival possible au Japon et plus que cent-mille gens participent et dansent.

 J'ai utilisé un avion et le train et le ferry pour Tokushima de Miyazaki.
 Parce qu'il avait négligé des préparations correctes, il a pris le temps supplémentaire , Je suis arrivé le soir.

【Awa Danse de Tokushima ville】
Awa_danse


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August 10, 2012

オリンピック雑感(2): 日本女子レスリング、強すぎ。

 ロンドンオリンピック、あまり前評判が高くなかった日本陣もけっこう健闘しており、各種目でメダル量産中である。ただし、メダルの色は銀・銅が多く、あと一歩のところですっきりしないので、競技を見ていて少々欲求不満にもなってしまう。

 どちらが金か銀かなんて、セレクトにセレクトを重ねて集った世界中のトップアスリートの、そのなかを勝ち抜いてきたもの二人の、あるいは二チームの争いなんだから、どちらかを取る確率は2分の1だろうにとか思ってしまうのだが、じっさいに競技を見ていると、金と銀の違いは紙一重どころか、歴然たる差があるのであり、金を取るべきものは順当に金を取る、というのが実感である。銀のレベルの者が金を取るのは、奇跡を期待するしかなく、そして奇跡など滅多に起きない。

 その、銀や銅ばかりで、やや欲求不満が残ってしまう日が続くなか、いきなり女子レスリングで金メダルラッシュである。
 そして、それが観ていてまったく安心でき、なんのハラハラドキドキもなく、日本の選手たちは金メダルを手中に収めた。金メダルとは、かくがごとく取るべし、という見本のようなものである。
 まあ、48kg級の小原選手は、決勝戦で少々危ういところもあったが、31歳というピークを過ぎた年齢なので仕方のないところはあった。

【48kg級 小原選手】
Obara

 この喜びよう、いいですね。

 63kg級では伊調馨が五輪三連覇、55kg級では吉田沙保里がやはり五輪三連覇という天晴れな成績で金メダルを取っている。
 まったく、日本の女子レスリング強すぎ。

 ただ、日本女子レスリング、歴史を調べると、一人の怪物の存在によってずいぶんと複雑な人間ドラマが生まれていることが分かる。
 上に示した小原選手の写真、たいへんな喜びようであるが、この歓喜の涙には深~いわけがある。

 小原選手は元は51kg級の選手であり、世界選手権で四連覇を果たすなど、無敵の存在であった。しかし北京オリンピックで初めて女子レスリングが種目に選ばれたとき、51kgは階級になく、オリンピックに出場するには体重を下げて48kg級に出るか、増やして55kgに出るかしかなかった。
 48kg級には彼女の妹がいるので、姉妹同士で争うわけにはいかず、体重を増やして55kg級に出ることになった。しかし、当時の日本の55kg級には吉田沙保里という途方もないモンスターがいた。51kgの四連覇の覇者も、吉田沙保里にはまったく歯が立たない。北京五輪出場をかけての試合では敗北を喫し、そしてこれはいわゆる完敗というものであって、なにを努力すればどうなるというレベルの敗戦でなかったため、将来を絶望し彼女は鬱になってしまったそうだ。

 ところが妹が引退したことから、また妹より強い48kg級の伊調千春も引退したことから、急遽五輪48kg級出場のチャンスが生まれ、国内戦を勝ち抜いたのち、見事に金を獲得した次第。
 あの号泣もよく理解できる、というわけだ。

【伊調馨】
Icho

 63kg級の伊調馨の試合は、見ていて他の選手とはまったくレベルの違う、格の違いを見せつけるものであった。この勝利で彼女は五輪三連覇を果たし、しかも153連勝という、まったくの負けなしである。
 このとんでもなく強い、無敵の女王とでも称すべく伊調馨も、じつはどうしても勝てない相手が一人いた。
 もちろんそれは吉田沙保里であり、元々は55kgの伊調馨は、同じ階級の吉田に二年続けて日本選手権で負けたことから、この階級に未来はないと悟り、それで体重を増やして階級を一つ上げ、それからは連勝街道まっしぐら、というわけ。


 こうしてみると、日本女子レスリング、いや世界女子レスリングでは吉田沙保里というとんでもない化け物がいることから、彼女を中心にしてレスリング界は動いていたことが分かる。
 今述べた伊調姉妹や坂本姉妹、それから彼女らと同様に強かった山本姉妹等は、常に吉田を意識せねばならず、また世界の強豪たちも世に出るためには、絶対に越えられない存在である吉田にどう対処すべきかを考えてから行動を決めねばならす、この10年間は55kg近傍のレスラーにとって、「吉田問題」は避けて通れぬ難問であった。
 「吉田さえいなかったら…」と思っている選手が、この世にたくさんいるであろうな。

 吉田沙保里は今回のオリンピックで、予定調和的にあっさりと三連覇をはたしたが、その成績をWikipediaで調べると笑ってしまう。

【吉田沙保里 戦績(Wikipediaより)】
Yoshida

 10年間、あらゆる選手権で負けしらず。
 取った金メダルは合計20個。当然、金以外のメダルはなし。メダルは全て、金・金・金…である。
 お伽話じみているが、こういう人が現実界に実在するわけだから、人間というのはその能力にはキリがないんだな。
 とにかく、私たちは吉田沙保里という伝説的存在を生の時間で見られたわけだから、じつに幸運なことであった。

【人類最強の女 吉田沙保里】
Yoshida_saori

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August 07, 2012

サイバーショットRX-100でシンコを撮ってみる@光洋

 とある理由で新しいコンパクトデジカメが必要となり、いろいろとコンデジを物色していたのであるが、6月に新発売されたsonyのサイバーショットDSC RX-100の評判がよく、そしてRX-100で撮られた写真が非常に鮮明であったので、RX-100について調べてみた。
 するとRX-100、レンズのF値はF1.8で、撮像素子は1インチCMOSセンサーというコンデジではありえないようなハイスペック。これほどの性能なら、デジイチに遜色ないような、いい写真が撮れそうである。
 というわけで、RX-100を購入してみた。

 買ったからには、なにか撮影したい。
 今は盛夏ゆえ、良さげな被写体として、「強い木漏れ日のなか、必死の形相で鳴いているクマゼミ」なんてのを撮ろうと思って外に出てみたが、セミの鳴き声はいくらでもすれど、肝心の姿は見つけられず、しょうがないので青空に浮かぶ入道雲でも撮ってお茶をにごしておいた。
 ならば、なにか食い物でも撮ってみようかと思ったところ、ちょうどFacebookに、「光洋に今年初のシンコが入手しました」との情報が載っていた。そういえば、私も今年はまだシンコを食っていなかったのであり、これは是非とも食わねばと、撮影テストも兼ねて光洋に行ってみた。


 シンコを目当てに行った光洋であるが、海がずっと荒れていた日々がようやく落ち着いてきて、本日はひさしぶりに素晴らしい素材が存分に揃ったとのことである。

【サバ】
2saba

 いわゆる秋サバなのであるが、8月にして出現。
 ほどよい脂の乗りではあるけれど、秋サバ独特の脂の濃厚さは、まだ本番のものほどではない。しかしそれがかえって新鮮な食味を与えてくれ、まるで「脂の乗った関鯖」のような感じ。

【アジ】
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 アジは丸々と太った、他の魚かと思うほどのサイズ。
 身と皮の美しさからして見事。

【マグロ】
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 マグロは藤田水産の扱う、塩釜であがったもの。
 藤田水産のマグロって一時は流行ったけど、ちかごろ九州ではあまり見かけなくなったのは、九州の人の舌にあまり合わないマグロであったからか?
 しかし光洋では、きちんと仕入れております。

【マグロ】
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 酸味の利いた、いかにも江戸前鮨のマグロである。
 藤田水産のマグロにはいろいろな意見があるけれど、こういうマグロを食うと、やはり鮨のマグロを熟知した業者だなあと思う。

【シンコ】
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 本日目当てのシンコ。
 シンコという魚、並んでいるのを見るたび、こういう金魚みたいなものを食うのはいかがなものかと思ってもしまうのだが、…まあ、いいということにする。
 見た目もきれいで、美味しそうなんだし。

【シンコ】
1sinnko

 シンコの四枚づけ。
 シンコ独特の軽やかな香りが、噛めば口のなかを通り過ぎていき、今の季節しか味わえぬ香りを楽しめる。
 やはり、シンコを食わねば夏は始まらない。
 九州では、夏は、シンコを食い、そして阿蘇望を走って、それから始まる。

【アオリイカ】
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アオリイカはねっとり感を残しながら、身の切れ味もよい。

【牡丹海老】
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牡丹海老はジャンボサイズで、密度ある食感と、それに豊かな甘さがたまらない。

【稲荷寿司】
9inari

 本日の変わり種は稲荷寿司。
 どこかで見たような稲荷寿司と思う人がいるかもしれないが、どちらも福岡の寿司屋のもので、右は「鮨おさむ」、左は「たつみ寿司」のものである。
 新たな寿司を開発中の店主は、宮崎ならではの稲荷寿司を作ろうと思い立ち、試作に入ったのだが、どうにもうまく進行せず、頭が沸騰状態になってしまったため、いったん頭を冷やすために福岡の名店に、全国的知名度を誇るその稲荷寿司を食いに行った。
 そこで得るものは多かったみたいなのだが、そのついでに土産にとたくさん買ってきて、これを越える稲荷をつくるぞとの決意よろしく、客にふるまっているわけ。
 さて、いずれ「光洋の稲荷寿司」がカウンターに出て来る日はありやなしや。

【ウニ】
10uni

 ウニは唐津のもの。
 旨みと甘みがだいぶと増してきました。

【穴子】
12anago

 穴子はふんわりと煮られ、とろけるように柔らかく、味も豊かなものである。

【スイカとカルヴァドス】
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 穴子のあとは、干瓢巻き、玉子焼きと続き、水菓子は西瓜。
 西瓜とともに供されたのが、calvadosの12年もの。
 甘みたっぷり、水分たっぷりの西瓜に、calvadosを少しずつ合わせて飲むという面白い楽しみ方。
 これはこれでありだが、けっこうマニアックな世界だな。


 写真の話に戻って、RX-100、シャープに撮れていて、けっこう立体感もある。コンデジにしては、これは上物だな、というのが感想。
 ただ、比較のためにデジイチのNikonD3100でもいくつか撮ったのだが、やはりデジイチのほうが明るく撮れるし、また画像の肌理細やかとか立体感はずっと勝っていると感じる。
 より上手く撮るためには、コンデジといえど、撮影条件を丁寧に変えていく必要があると思った次第。

 参考までに比較画像。上がRX-100で、下がD3100。
 比較のためには、バックグラウンドを同じようにするため、ホワイトバランスを調正するべきなのだろうけど、Rawデータを面倒なので記録していなかったので、撮影した条件(オート)そのままで出しています。

【アジの造り】
Comparaison1

【牡丹海老の頭揚げ】
Comparaison2


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August 06, 2012

オリンピック雑感: 未来のバタフライ

 ロンドンオリンピックでは日本競泳陣が大活躍で、続々とメダルを量産しており、そして宮崎県出身の松田丈志選手がバタフライ200mで銅メダルを取ったときなどは、宮崎県では号外新聞が出るほどの騒ぎとなっていた。

 水泳競技は、一般人としてはオリンピックの時くらいしか真面目に観ることはないのだけど、クロール、平泳ぎ、背泳ぎに比べると、バタフライってどうにも妙な水泳法ではあるな、と見るたび思うのは私だけではないはず。

 陸に住む人類が、泳法というものを知らない時代、川や海に落ちるなどしてやむを得ず泳がねばならなくなったとき、その泳法はたぶん苦し紛れの犬かきに似た、ジタバタした泳ぎであったと思われる。
 それの発展形として、速く泳ぐためのクロール、楽に泳ぐための平泳ぎ、息継ぎをせずにすむ背泳ぎは、これらは必然性をもって、自然に発生したであろう。たぶんこれらの泳法は種々のバリエーションをもって、あらゆる国、人種を問わず、普遍的に存在した泳法と思われる。

【バタフライ Wikipediaより:クリックすると動きます】
120pxbutterfly_stroke3_2

 しかし、バタフライに関しては、これが自然に発生する理由が思い当たらない。
 足の動きは生理的な運動であるキックでもバタ足でもなく、二本足歩行の人類としては無理のある垂直方向の水かきである。
 そして手の運動とはいえば、腕と上体を一挙に水面上に押し上げる、極めて筋力のいる泳法であり、さらに足と手の運動は身体全体が協調性をもってくねくねと動かねば、効果的な推進力が得られず、…すなわち、えらく体力と技術のいる泳法なのである。
 このような面妖な泳法は、もちろん自然発生するはずもなく、平泳ぎのレースが行われるうち、抜群の筋力のある者によって、「もっと早く平泳ぎを泳ぐため」に開発された、平泳ぎのバリエーションなのである。
 だから、他の泳法とは違って、バタフライは、いつ頃、誰によって開発されたかは、きちんと記録に残されている。

 この不自然な泳法バタフライが、自然な泳法に匹敵する認知性を持つようになった理由といえば、おそらく、その「格好良さ」によるものであろう。
 じっさい他の泳法に比べて、明らかにバタフライは迫力があり、水泳のプロの泳法、という気がする。

【Matt Biondi】
1

【Michael Gross】
2

 バタフライは見ているだけで、気分が高揚するようなダイナミックな泳法であるが、とくに大柄で筋力抜群のスイマーが泳いでいるときが、迫力抜群である。
 ビオンディやグロスのような大男がバタフライで泳ぐ様は、大型の砕氷船が凍った海をバリバリ砕きながら突進するような、問答無用の力強さがあった。

 こういう妙な泳法であるけど、魅力あふれるバタフライにはじつは欠陥があり、推進が不連続なので、連続して推進するクロールにはスピードで負けている。
 水をすいすいとすり抜けていくクロールよりは、水を叩いて進むバタフライのほうが、よほど見た目に豪快なので、私としてはクロールに勝ってほしいのだが、現状の泳法では無理のようであり、自由形にバタフライが登場することは今のところない。

 ただ、バタフライはクロールに勝る利点がある。
 水泳とは水の抵抗との戦いでもあるのだが、上半身が水面に出るバタフライは、そのときは水よりも抵抗の少ない空気を相手にしているので、そのぶん水の抵抗が少なくてすむ。

 となると、上腕の力を上げ、今よりさらに身体の大部分を水面から放り出すようにすれば、水の抵抗はずっと少なくなり、推進力も増すはずだ。

 現実にそのような泳法を行っている動物もいて、たとえばトビウオなんて、その典型である。トビウオは水中で思い切りヒレを動かし、その勢いで空中に飛び出し滑空する。

【トビウオ】
Tobiuo_2

 トビウオのように水面の上をずっと飛べとは言わないが、(だいたい飛んでしまうと水泳は失格になる)、水をかくときに身体の殆どが浮き上がるように泳ぎ、上半身が着水したときにまたそれを繰り返して、水面上をぴょんぴょんと跳ねるように泳げば、これはけっこうなスピートの出るバタフライとなろう。

 上半身を極度に鍛え、下半身は徹底的にスリムにすれば、決して不可能な泳法ではないと思う。
 まあ私が考えつくらいだから、本職は必ず考え付いてはいるだろし、そいういうトレーニングをしている選手も当然いる可能性はある。

 20世紀後半に出現したバタフライという泳法が、21世紀さらに進化し、やがては最速の泳法として自由形に登場することを私は夢想している。

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August 04, 2012

日向ひょっとこ祭り

 日向市では夏祭りに「ひょっとこ踊り」というものがあり、宮崎県では最大級のお祭りだそうだ。
 地元の人の楽しみにしている祭りであり、職場でも毎年参加しているので、私も話のネタに、チームに入っており、衣装足袋まで揃えていたのだが、突発的な事情により職場は本年は参加中止。だからといって個人で踊りに参加するほどの情熱はなく、とりあえず見物だけ行ってきた。

【ひょっとこ踊り】
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 踊り手は、「キツネ」「おかめ」「ひょっとこ」などの面をかぶり、その面に応じて踊りながら行進する。
 ユーモラスで、快活な踊りである。
 これはそれなりにストーリーがあるみたいで、上手い集団だと、その流れが分かったりする。

【ひょっとこ踊り2】
2

 この祭り、けっこう気合いが入っており、雨が降っても続行。それが大雨でもだ。本日は天候が不安定であり、ときおり豪雨といっていいほどの雨が突発的に降って来る。
 それでも踊るのである。

【ひょっとこ踊り3】
3

 ひょっとこ踊りは、全国的に踊り手が集まるので、熊本からも来ていた。
 「クマもん」はいつのまにか熊本を代表するキャラクターになっており、どこでも見るようになったなあ。
 熊本には熊はいないし、それに熊本の「熊」は当て字なのだが、という突っ込みは野暮なのでやめておく。

【ひょっとこ踊り4】
4

 ひょっとこ踊りは雨が降っても、それに日が暮れても行われる。
 日が暮れてからのほうが、風情があってさらにいいみたい。


 踊り手総勢2000人の参加、というから日向市の規模からいえば、相当な大きさの祭りであり、会場周辺は人で満ちあふれていた。
 この祭り、伝統的なものというわけではなく、昭和59年頃から有志の者たちで始めたものらしいが、今ではずいぶんと立派な祭りとなっており、見ごたえあるものであった。


 …日向市のひょっとこ祭りも良かったが、今年は盆休みを利用して、日本の最大級の夏祭り「阿波踊り」を見物に徳島に行くことにした。
 ついでに、古今青柳の「鯛の淡々」も食ってこよっと。

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