サイクリング:京都美山荘→栗尾峠→高雄→高槻→伊丹空港
美山荘までの行きは時間の関係で伊丹空港から京都駅までバスを使ったが、本日は時間をゆったりと使えるので、美山荘から伊丹空港までの100kmほどの道のりを自転車で行くことにする。
行きは花背峠を越えて来たけど、帰りは少々遠回りになるが、高雄を経由して京都市に入り、それから国道171号線を使って伊丹空港に着く計画とした。
しっかりと朝食を食って、美山荘を出発。
午前中で、すでに暑い。
美山荘の飼い犬クロも暑そうにしている。
クロは柴犬なので強いはずなんだけど、周りの犬のほうがもっと強いそうで、よく尻尾をかじられているそうだ。
山のなかにちょっとした集落があるところが、鞍馬方面と高雄方面の分岐点。左に曲がって橋を渡ると鞍馬方面で、まっすぐ行けば高雄方面。
酷道とも称される477号線は、たしかに花背峠あたりは酷道であるが、こちらの川沿いのルートは広々とした道で、路面の状態もよく快適に走行できる道だ。
時速30kmで快調に進んでいく。
国道477号線は桂川に沿って走る道で、休日を利用して水遊びしている人たちをよく見た。
国道477号線から162号線に入って栗尾峠を目指す。
向かい山に、栗尾峠越えの道が見えているが、気温は30度である。
これは山越えは暑くなりそうだ。
栗尾峠は160mほどの高さを登ることになる。
さほどの高さはないのだが、漕ぎ続けるうちに、暑さがどんどん増してくる。
心拍数は上がりっぱなしである。
それでもなんとか峠に着けば、展望所からは桂川と京北の町が見え、なかなかの光景。
そして峠を過ぎて、風を受けながらクールダウン。
峠を降り切ったところに、ラーメン店があった。「いのししラーメン」が名物らしく、さすが山間部のラーメン店である。
昼飯時ということもあるのだが、こんな辺鄙なところにあるのにけっこうにぎわっていた。
栗尾峠を下りてからの道は、山の植林がとてもよく整備されている。
これがかの京都の名物「北山杉」なのであって、近頃のまったく整備されていない荒れた杉林ばかり見ている私としては、ずいぶんと新鮮に感じられた。
…それにしても気温は上がるばかりで、33度である。
162号線を走行していると、「笠トンネル」という長大なトンネルがあり、こちらは自転車で走行したが、次なる長大なトンネル「中川トンネル」は、標識はないものの自動車専用トンネルっぽかった。
左側に、川に沿っての旧道らしき道があり、こちらを通行することにする。
この旧道は中川町を通るもので、トンネルの方はバイパスのようであった。
中川町は北山杉を扱う木材工場と古い構えの家々が立ち並び、風情のある町であった。
162号線を走り続けるうち高雄に入る。
ここは神護寺が有名な観光地であるが、桜の季節でも紅葉の季節でもないのに、けっこう観光バスが来ていた。
この暑いさなか、神護寺の階段を登るのは大変だとは思うのだが、それでも人を引き付ける魅力のあるところなんだな。
御経坂峠の登りは80mほど。
それでもこれだけ暑いと足にはこたえる。
とりあえず、ノルマの峠はこれで終了。
あとは伊丹空港までの50kmは、下りか、あるいはフラットな道となる。
京都市内に入れば、さらに暑い。
しかし、ここは金閣寺の前の通りなのだけど、この暑いなか金閣寺に参る観光客もまた多いのであった。
京都市内を北から南へ真っ直ぐ走ると、国道171号線への分岐へとぶつかる。
171号線をひたすら走れば、やがて伊丹空港に着く。
美山荘の前の寺谷川が桂川の支流だったわけだが、その桂川に沿ったり離れたりして走行するうち桂川もだいぶ川幅が広くなった。
171号線はさらにこの川に沿って走行するわけで、国道477~171号線を走るこのサイクリングコースは「桂川コース」とでも称してよいようなコースであった。
街中をずっと走って行く国道171号線、とにかく暑かった。
街そのものに暑さが充満し、かつアスファルトの照り返しも強いし、車の熱気も吹きかけて来る。
体感温度としては40度を軽く超えている。
これに比べれば、山のなかの33度なんて涼しい部類であった。
そして峠越えコースでは、登るときは暑いが、それを我慢して下りに入れば、風を受けて涼しくなり、メリハリが利いている。
しかし街中のフラットコースをただただ走っていると、熱が身体にこもる一方で、これは真面目に身体を冷やさないと熱中症になりかねないと思った。
とにかく涼しいところで休憩を、と最初に見つけた飲食店CoCo壱番屋に入った。
店内に入れば、別世界のごとくクーラーがきいており、涼しい涼しい。そして栄養補給と水分補給を兼ねて、アイスコーヒーを注文。
カレー屋に入ってカレーを注文しないのもなんだが、サイクリング中にカレーなど食っては胃がもたれてしょうがない。
カレー屋でだいぶ体調が回復し、そしてまた暑いなか自転車を漕いで行く。
午後4時をまわると、日も傾き、だいぶと楽になった。
そして飛行機が急峻な角度で跳んでいる姿が見えだしたら、空港は近い。
国道171号線を離れ、飛行機のほうへ向かって行き、ようやくにして伊丹空港到着。
走行距離102.5km、獲得標高580mのサイクリングであった。
本日のサイクリングの要所は栗尾峠越えと思っていたが、なんのなんの、街中の平坦な171号線のほうがよほど暑くて苦しく、けっこうな精神力と体力が要った。
「阿蘇望」変更の、「京都三峠越え」。
二日間で、花背峠、栗尾峠、御経坂峠の3つの峠を越え、合計140.7km、獲得標高1380mを走ったことになる。阿蘇望には高さではまったくかなわないが、しかし体力の必要度では似たようなものであった。
なにはともあれ、自分としては夏のノルマを果たした満足感はじゅうぶんにあります。
自転車で汗を大量にかいたあとは、なんといっても生ビール。
ついでに大阪名物の蓬莱の豚饅を食いながら、熱中症にもならずに無事に伊丹空港にたどり着けたことにひと安心するのであった。