アケノボツツジ@祖母山2012年
GW二日目は祖母山へアケボノツツジを見に行くことにした。
天気は本日の夕方から崩れるそうで、そうでなければ一泊しての祖母傾縦走も考えたのだが、雨のなか縦走してもしかたないので、日帰り登山とする。
尾平に着いて登山口前の駐車場に車を止めようとするも、ほぼ満車であった。それで引き返して、ほしこが山荘のほうに止めた。
祖母山へは、黒金尾根か尾平越えかどちらかで登ろうと思っていたけれど、ほしこが山荘からなら尾平越え登山口が近いので、尾平越えからの半縦走ルートで登ることにした。
尾平からの尾平越えルートは、今までは車道しか使ったことはなかったけど、今回は標識に従い、右方向への登山者用のルートを使ってみた。
コンクリ舗装路が尽きたところから踏み跡に従い登っていったら、この坑口跡みたいなところで枯沢に突き当たってしまった。そこから先は道はないようである。
ここ登山道じゃなかったのかなあと思い、ザックから地図を出して確認すると、わ、全然違うところを歩いていた。
登山道はずっと手前で左に入らないといけなかったのである。たぶん標識を見落としたのだな。
ただ、地図ではこの枯沢を登っていけば、尾平トンネル前の駐車場に出るようだ。それならドンピシャで正規登山道に合流する。
そして例え沢を一・二本読み違えていても、登っていけば車道に出るのは確実なので、そのまま枯沢を登っていくことにした。
登ることしばらくして、小型バスの残骸が出現した。まわりにタイヤも転がっている。こんなところに車を捨てるわけはないので、車道から転落してしまった事故車なんでしょうね。
この山域では、親父山のB-29や大崩山の大和航空機の墜落碑が有名であるけれど、尾平越えにもこんなものがあったのか。祖母山、やはり奥が深い。
事故車のあったところからさしたる距離もなく登ったのち、尾平越えのトンネル前へと出た。
そこから縦走路に入ると、ぽつぽつとアケボノツツジが咲いていた。
花を通して、祖母山を見る。
アケボノツツジ、それにムシカリの花などを眺めつつ、縦走路を歩き、障子岳山頂に近付くと、山頂を囲うように金属柵が立てられていた。
なんのためかと思ったら、鹿の食害を防止するためのものだそうだ。
祖母傾山系は植生の豊かなところであり、とくにスズタケが山を覆うがごとく茂っていたのだが、鹿に食われるために絶滅危惧種になりかけているそう。傾山のほうではスズタケはほぼ絶滅してしまったそうだ。これ以上スズタケが減ってしまっては、植生全体に多大な影響が生じるから、その予防のために張ったわけだが、…でも登山にとってはこの柵はかなり邪魔ではある。特に冬に登ったときなど厚いグローブで戸の開閉をするのは大変だろうな。
障子岳から祖母山までの縦走路は、アケボノツツジはまだ蕾の状態。
黒金尾根分岐部のアケボノツツジは、とくに花のつきが多いので好きなのであるが、このようにわずかに蕾が付いているのみであった。
祖母山山頂より、本日歩いた縦走路を眺めてみる。
山頂にはまだマンサクも咲いていた。
山頂を下りて、九合目小屋に寄ってみる。
小屋番さんに、柵の出来た理由や、山の登山者数などを聞いてみた。昨年はさっぱりだったが、今年は登山者が増えているそうである。
本日も泊まり客は既に10名以上は予約済だそうだ。
そのうちの一人が84才の矍鑠たる老人で、なんと18kgの荷物を神原から担ぎあげてきた。その中身は写真に示す「好き焼きセット」であり、鍋、燃料、それに大量の肉と野菜。荷物の重さもすごいが、84才で「好き焼き」というのもまたすごいことである。
下山路は宮原尾根経由で。
馬の背ではミツバツツジが咲いていた。
岩にしがみつくように生えている、こじんまりした灌木の花も、また可憐でよろしい。
宮原尾根ではアケボノツツジはほぼ満開であった。
大崩山、祖母山をあわせ、この尾根筋のアケボノツツジがいちばん華やかに咲いていました。
下山中、雲が厚くなってきたけれど、なんとか雨が降らぬうちに下山。
ふりむけば屏風のごとき、祖母山の姿。
今日はあの山のなかに、まだ多数の人が残っているのである。