高知編(4)高知土佐山→須崎市→土佐久礼 59.9km
高知土佐山、高知の山のなかのオーベルジュの朝食は、麦トロ飯。
オーベルジュだからといって朝食は洋食、というわけでもないのである。
自然薯は香りが豊かで、粘りも強く、朝から元気が出そうな料理だ。
天気予報によれば今日は一日中雨とのことで、じっさいずっと雨であった。
雨具を着て、国道56号線をずっと行く。
山道を過ぎたところが須崎市であった、ここではマスコットであるニホンカワウソの絵が所々にあった。
高知名物の特別天然記念物ニホンカワウソは、この地が本場であったようだ。
それで、どこかの水族館みたいなものがあって、そこでニホンカワウソが飼われていないかなと、それらしい施 設を探しながら走ったが、見つからずに、結局須崎市を素通りしてしまった。
…のちに分かったことだが、ニホンカワウソは2012年に絶滅が確定され、1970代で既に地球上から姿を消していたとのこと。
「高知にニホンカワウソが居る」というのは、それまでは常識みたいなものであったので、残念なことであった。
(そのときの感想を書いたページ)
須崎市から海沿いの道になる。
海沿いとはいえ、それなりにアップダウンのある道だ。
本日は雨中の走行ゆえ、ときおり雨が強くなると、とても走れなくなるときがある。そういうときはどこかに雨宿りする必要があるのだが、四国の幹線では、定期的にお遍路さんの休憩所が置かれているので、たいへん助かる。
というわけで、驟雨のなか、自転車入れて休憩所にて雨宿り。
ここは、なにもお遍路さん専用というわけでもないだろうし。
…それにしても雨の日ってお遍路さんはどういう格好で歩いているのだろうか? 雨合羽は似合わないし、といってクラシカルな簑姿も変だし。
今の季節、歩きお遍路さんはマレであり、さらに雨の中歩いている姿も見たことないゆえ、少々疑問に思った。
(のちに雨の中のお遍路さんを何人も見たが、お遍路の装束+雨合羽でした。さすがに蓑姿の人はいなかった。)
高知市からは四万十川→足摺岬→宿毛というルートを通る予定であり、今日は四万川くらいまで行こうかとは思っていたが、ずっと雨だったので、60km走ったところで走る気もなくなり、土佐久礼というところに宿を取ることにした。
ちなみに四国というところは、お遍路さんのおかげで、お遍路さんのコーズ上にはどんな小さな町でも一軒くらいは宿があるので、たいへん楽である。
この土佐久札という町、なんの事前知識もなかったが、そこそこ栄えている町で、町内には鮮魚店が多く、魚の品揃えも豊富であった。漁業の盛んな町のようである。
宿は、町中の「福屋旅館」という素朴な旅館。
強い雨と風だったので、雨具は当たり前のこととして、中身もそうとうに濡れており、まずは雨具に衣服を乾燥させる。
ノースフェイスの上下雨具に、ノースフェイスのフリース、ブラックダイヤモンドの手袋、とけっこうな本格的な重装備なんだけど、これでも雨が浸み行ってくるから、雨中の自転車走行ってつらい。
町の雰囲気からして、夕食は鮮魚攻撃?とも思ったが、民宿などによくあるパターンの「普通の家でちょっと大事にしないといけないときに出す家庭料理」であった。
ちなみによく知らなかったのだけど、高知はイチゴが名物だったそうである。
翌朝は、町中をしばし散策。
この町には「昭和通り」という通りがあり、そこそこ有名だそうだ。
そして、この通りの壁にいくつもの看板があったが、…たしかに昭和の香りがする懐かしいものばかりであった。
四国にはお遍路さんのルート上の町には、このような「へんろ道」の標識があって、道迷いしにくいようになっている。
四国はお遍路さんを大事にしている所なのだ。
そして、散歩からの帰り道、宿をたつ人の装束姿を見て、もう一組泊まっていた客がお遍路さんということを知った。
こういう小さな町の宿って、やはりお遍路さんが主力の客であろう。そしてお遍路さんは基本的に一回きりだから、人生一回の、一期一会の宿というわけなんだな。
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