高知編(1) 日和佐→室戸岬 82.7km
日和佐からは国道55号線を走って、四国を代表する名所室戸岬へと向かう。
この道は四国の周回道路みたいなもので、お遍路さんたちも使うので、お遍路道でもある。
日和佐からはゆるい坂を登って、日和佐トンネルへと至る。
お遍路道ゆえ、所々に写真のごとくお遍路さんの休憩所が設けられている。
ところでトンネルとは自転車乗りにとっては天敵のごときもので、
・暗くて視野が悪い
・車が走ると音響がトンネルに満ち、後ろから来る車の位置が分かりにくい
・狭くて隣が壁なので、大型車がぎりぎり横を走ると逃げ場がなく、巻き込まれそうになる
・道の端にはペットボトルなり弁当箱なり、いろいろとゴミが捨てられており、これを踏んで転倒する危険が常にある
等々、走行に大変厳しい条件に満ちており、じっさいトンネルでの自転車事故は多く、命を失った人もいる。激坂や、ダートの悪路などが好きな自転車乗りはいても、トンネルの好きな自転車乗りってまずいないだろう。
しかしながら、日本全国のうち四国のトンネルは、トンネル内の明かりがけっこう明るく、また道がよく掃除されていてゴミが少ない、といった特徴があり、ずいぶんと助かった。
もちろんこれはお遍路さんたちのために整備されているからであろう。お遍路さんたちもトンネル内を歩いていくゆえ。
このようにお遍路さんたちの安全のために、トンネルの出入り口には反射タスキが用意されている。
四国とは、お遍路さんたちのための地でもあるのだ。
国道55号線で見つけた看板。
じつは私は香川県でこのような、さぬきうどんも食べられるコンビニが必ずあると思っていた。あれほど、うどん大好き県だから。
しかしながらそのようなコンビニは一軒も見つけられず、…ようするに、香川にはうどん店がたくさんあるからコンビニで食わずともいいとのことだったんだろうな。
そして、香川でなく、徳島で「さぬきうどんコンビニ」を発見。
なんとなくうれしくなった。
ちなみに、自転車乗りのオアシスであるコンビニは、四国ではローソンとファミリーマートはよく見かけたが、セブンイレブンは一軒もなかった。
なぜかはしらぬが。
徳島内で峠を越えて、あとは小さなアップダウンのある道を走っているうち県境があった。
徳島高知の間には四国山脈があるはずだが、ここの県境はずいぶんとあっさりした県境であった。
高知では国道55号線は全体的に平坦となりそして四国の南東端、室戸岬に到着。
足摺岬と違って、室戸岬はどこがどう岬になっているか分かりにくい。
とりあえずは燈台まで登ってみた。
高台を漕いでいき、かなりの距離を登ったところに燈台がある。
眼前には茫洋たる太平洋が広がっている。
燈台の近くに、四国八十八箇所霊場の第二十四番札所である最御崎寺(ほつみさきじ)がある。
若き空海が修業を行った地に近き、由緒ある寺である。
本日は道路には歩きお遍路さんはまったく見かけなかったが、さすがに札所にはお遍路さんたちが何人も集っていた。
お遍路さんを書いた本はたくさんあるが、そのなかに「ママチャリお遍路1200km サラリーマン転覆隊」というものがある。
私も愛読している「サラリーマン転覆隊シリーズ」は、とある広告会社の多忙なサラリーマンたち(webもある)が、激務のなか知恵をひねって時間をつくりだし、色々と過激な遊びを楽むさまを書いた本であり、そのシリーズのなかに、(遊びではないのだが)ママチャリで四国八十八ヵ所を回る話がある。
彼らはあの重たいママチャリで八十八ヶ所全部まわったわけだが、彼らが最御崎寺へ行く道は私も本日通ったけど、国道55号線から寺への道は、10%を越える激坂が九折に延々と続く道であり、…これをママチャリで登るのは並の脚力では無理である。(私だってママチャリではたぶん登りきらない)
サラリーマン転覆隊の人達、本を読んでいるときに、ただ者ではないとは思ってはいたが、やはりただ者ではなかった。
民宿「うまめの木」にて夕食。
高知は当然のことながら魚の宝庫であって、獲れたての新鮮な魚がたっぷりと出て来た。刺身はイサキにカンパチ。それにアカネキントキの潮汁。あと、つみれ揚げや、肝や貝の煮ものなどなど。
室戸岬は観光地ゆえ、観光ホテルのごときものがけっこうあるのだが、せっかくお遍路の本場みたいなところなのだから、お遍路さんも泊まっているであろう民宿に泊まったのであるが、この寒い1月はお遍路のオフシーズンなので、客など今日どころか、今年に入ってまったくいないのであった。
そして、宿の人によれば、お遍路さん自体が全体的に年々減ってきており、観光県高知としては、四国独自の新たな観光資源を開発しないと、いずれどうしょうもなくなるとのことである。
うーむ、それは大変ですねえ。
ただ、お遍路さんって、「讃岐うどん」以上の四国の最大級の観光コンテンツであり、これに代わるようなものがそうそう開発できるわけもなく、結局はお遍路さんの数を増やすような方向で努力しないとどうにもならないような気もするわけで。
…なんかいい知恵ありますかねえ。
とりあえず、高知は魚美味いっす。
お遍路をしようかと思っている人で、魚が好きな人がいれば、これもついでの目的として、ぜひ高知まで来てはいかかがでしょうか。
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