兵庫編(8) 淡路島→明石→姫路 82.2km
チャイニーズオーベルジュホテルの朝食は、中華点心みたいなものが出て来るのかなあと漠然と予想していたが、厚切りトーストのタワーであった。
昨日のビジネスホテルに続き、二日続けてのトーストである。
ひょっとして淡路島は、トースト文化?
淡路島に渡ってからは強風吹きすさぶ日が続いていたけれど、本日は穏やかな天候であり、空もきれいに晴れている。
海岸線に沿って快適なサイクリング。
その途中に「枯木神社」なる神社あり。
ちっぽけな神社であるが、由緒は正しく、推古天皇の時代にこの海岸に香木が流れ着いたことから、香木を御神体として祀った神社であり、日本書記にその記事が載っている。その香木は、日本で最初に発見された香木だそうだ。
しかし、香木って東南アジアが原産地であるのだけど、そんな遠くから、九州、瀬戸内海の島々でトラップされずに淡路島に流れ着くのは無理がありすぎ、…まあその神秘性も兼ねて御神体となってのでしょうかね。
淡路島は阪神大震災で大きな被害を受けたのであり、そのときの被害の様を記憶として残すべく、当時被災した建物を現状の形で保存している。
多くの建物が倒壊したなか、この家は当時の建築基準を遥かに上回る強度で建てられており、震源直上にあったのに、微妙な壊れ加減で済んだ。
地震の力そのものを、視覚的に実感させてくれる断層。
阪神大震災時に地面が割れたわけだが、その地層のズレが保存され、天然記念物となっている。
写真のごとく、0.5mの高さで二段に地面がずれている。
この0.5mのずれで、関西ではあれだけの被害を受けたわけだが、東日本大震災では海底で50m以上も地層がずれたのだから、いかに東日本大震災が桁外れの規模の天災だったかが分かる。
晴天のもとを海岸線に沿って走行を続けるうち、明石大橋が大きく見えてきた。
ここまで来れば淡路島一周もゴールは近い。
淡路島一周は、眺めも変化に富んでおり、名所も多く、また車も少なくて自転車が走りやすいことから、関西屈指の人気サイクルコースとなっているわけが走ってみてじつによく理解できる。
淡路島を一周して、明石港へと戻る。
明石といえば、名物は明石焼き。
昼食は港近くの店「今中」で、明石焼きを一枚。
あつあつ、ふわふわ、とろーり、と食えば思わずにんまりとする美味しさ。
数は20個と多く、みな同じ味付けだから食ううち飽きそうにも思えるが、じつは時間とともに食感と味が変わるから、まったく飽きのこない美味さ。
これはビールのツマミとしても合うだろうので、ぐいっと飲みたい気分だったが、あと30kmほど走らないといけないので、自粛。
【姫路のおでん】
本日は姫路市に泊。
12月に一度泊まっており、ここにまた寄る予定はなかったのだが、小豆島経由で四国に行くには姫路港に来る必要があるのだ。
宿泊したホテルのエレベーターに「姫路は、『姫路おでん』の町です」てなポスターが貼ってあった。
姫路では『姫路おでん』なるものが名物とは知らなかったので、今夜はそれを食うことに決めた。
フロントにあった案内表に従い、宿に近いおでん屋を順に訪れるが、いずれも満席であり、姫路はさすがおでんの町と感心した。
そして三軒目の店「十七八」が席が空いていたので、ここでおでんを食う。
そのおでんは、きちんとした素材を、きちんとした出汁でじっくり煮込む、極めて真っ当なおでんである。美味いのは確かだが、これのどこが『姫路おでん』なのかよく分からず、そのポイントを聞いてみたら、この店は普通のおでん屋なのであった。
なんでも、『姫路おでん』は生姜醤油をかけて食うのが特徴なのであり、しかしそうするとどれも全部同じ味になるので、「十七八」ではしていません、とのことである。
「十七八」は創業80年にもなる老舗おでん屋であり、現在は三代目となる70代と思える陽気な女将が店主である。その女将と話しているうち、端で飲んでいた常連の人と旅の話で盛り上る。その人は、30年以上も前にNHKのシルクロード特集の撮影に現地スタッフとして同行した経験があり、じつにいろいろと興味深い話を聞かせてもらった。
姫路は、姫路城を工事で見損ねていたので、再建なったときはまた来ようと思っているが、その時は是非来てくださいと女将に言われたので、この美味いおでん屋にはいずれまた来てみようと思った。
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