京都編(8) 京都市(晴鴨楼)
本日は大晦日。
2011年も本日で最後である。
日本の歴史にとって、最大級のろくでもないことが次々に起きた年であったが、なにはともあれ本日で2011年は終了である。
昨日観た「ニューイヤーズ・イブ」ではないけれど、年が変われば、なにか良いことが起きるのではないかとの期待を込めて、新年を迎えよう。
柊家での朝食。
京都の旅館の朝食は、なんといっても湯豆腐であります。
これに焼き魚、煮しめ、だし巻き、等々、美味しいものが並び、それを肴に朝から飲んでいると、それだけで大晦日が完結してしまいそうだ。
宿近くを散策し、「本因坊発祥の地」をまず訪れる。
寺町通りには、囲碁初代名人の本因坊算砂が住んでいた寂光寺塔頭「本因坊」があって、それを記念したモニュメントが一昨年つくられたとのことで、見てみたかったのである。
通りには、由緒を記した立て札と、それに碁盤が置かれている。季節のよいときに、ここで碁を打つのも風流かもしれない。
正確な場所はここ。
それから上賀茂神社に行くと、来年の干支の龍がすでに登場。
一年の終わりに、人のけがれや罪を記した人形(ひとがた)を、境内のならの小川に流す「人形流し」。
最初はちらほらと流れる程度であったが、それから、どっと尽きることなきがごとき人形が流されてきて、人の業の深さというか、業の多さに驚かされるなり。
大晦日の宿は、五条大橋近くの「晴鴨楼」。
立派な門松に注連縄がお出迎えである。
「晴鴨楼」というから、鴨料理が得意なのかなと思っていたが、鴨料理は出ず。
旅館の名前は、鴨川に近いから付けられたそうで、鳥の「鴨」とは関係ないそうだ。
大晦日しか食べられない料理、「年越し蕎麦」。
年越し蕎麦にもバリエーションがあり、けっこういろいろな宿で経験したが、晴鴨楼では京名物「にしん蕎麦」であった。
NHKの紅白歌合戦を眺めながら蕎麦を食うという、日本人の典型のような大晦日を過ごし、さて初詣に行こうかと八坂神社へと行ってみた。
八坂神社は、火縄を回しての「おけら祭り」があるので、それを見たかったのもある。
しかし、なんと2011年大晦日は空前の人出であったため、午後11時の時点で交通規制がとられ、それからは神社に入るのは禁止されていたのであった。
仕方ないので、それでは知恩院の除夜の鐘を聞いてみようと、円山公園を通り、知恩院へ。そこで、300mを越える行列を見て、これは厳しいかと思ったが、とりあえず並んでみた。
数十人ずつを入れていく方式で、交通をさばいていたけど、あと1回というところでタイムアップとなり、知恩院には入れず。
やれやれ、2011年はどうにもついていなかった。
翌2012年は、このツキが好転することを願いつつ、夜空に響く除夜の鐘を聞きながら、酔っ払いが妙に多い、深夜の喧騒の街をぶらぶらと歩いた。