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December 2011の記事

December 31, 2011

京都編(8) 京都市(晴鴨楼)

 本日は大晦日。
 2011年も本日で最後である。
 日本の歴史にとって、最大級のろくでもないことが次々に起きた年であったが、なにはともあれ本日で2011年は終了である。
 昨日観た「ニューイヤーズ・イブ」ではないけれど、年が変われば、なにか良いことが起きるのではないかとの期待を込めて、新年を迎えよう。

【朝食】
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 柊家での朝食。
 京都の旅館の朝食は、なんといっても湯豆腐であります。
 これに焼き魚、煮しめ、だし巻き、等々、美味しいものが並び、それを肴に朝から飲んでいると、それだけで大晦日が完結してしまいそうだ。

【本因坊発祥の地】
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 宿近くを散策し、「本因坊発祥の地」をまず訪れる。
 寺町通りには、囲碁初代名人の本因坊算砂が住んでいた寂光寺塔頭「本因坊」があって、それを記念したモニュメントが一昨年つくられたとのことで、見てみたかったのである。
 通りには、由緒を記した立て札と、それに碁盤が置かれている。季節のよいときに、ここで碁を打つのも風流かもしれない。

 正確な場所はここ

【上賀茂神社 干支】
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 それから上賀茂神社に行くと、来年の干支の龍がすでに登場。

【上賀茂神社 人形流し】
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 一年の終わりに、人のけがれや罪を記した人形(ひとがた)を、境内のならの小川に流す「人形流し」。
 最初はちらほらと流れる程度であったが、それから、どっと尽きることなきがごとき人形が流されてきて、人の業の深さというか、業の多さに驚かされるなり。

【門松】
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 大晦日の宿は、五条大橋近くの「晴鴨楼」。
 立派な門松に注連縄がお出迎えである。

【夕食】
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 「晴鴨楼」というから、鴨料理が得意なのかなと思っていたが、鴨料理は出ず。
 旅館の名前は、鴨川に近いから付けられたそうで、鳥の「鴨」とは関係ないそうだ。

【年越し蕎麦】
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 大晦日しか食べられない料理、「年越し蕎麦」。
 年越し蕎麦にもバリエーションがあり、けっこういろいろな宿で経験したが、晴鴨楼では京名物「にしん蕎麦」であった。

【八坂神社】
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 NHKの紅白歌合戦を眺めながら蕎麦を食うという、日本人の典型のような大晦日を過ごし、さて初詣に行こうかと八坂神社へと行ってみた。
 八坂神社は、火縄を回しての「おけら祭り」があるので、それを見たかったのもある。
 しかし、なんと2011年大晦日は空前の人出であったため、午後11時の時点で交通規制がとられ、それからは神社に入るのは禁止されていたのであった。

【知恩院】
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 仕方ないので、それでは知恩院の除夜の鐘を聞いてみようと、円山公園を通り、知恩院へ。そこで、300mを越える行列を見て、これは厳しいかと思ったが、とりあえず並んでみた。
 数十人ずつを入れていく方式で、交通をさばいていたけど、あと1回というところでタイムアップとなり、知恩院には入れず。

 やれやれ、2011年はどうにもついていなかった。
 翌2012年は、このツキが好転することを願いつつ、夜空に響く除夜の鐘を聞きながら、酔っ払いが妙に多い、深夜の喧騒の街をぶらぶらと歩いた。

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December 30, 2011

京都編(7) 京都市(柊家)

【朝食】
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 年末年始は自転車には乗らずに、ゆったりと過ごす予定ゆえ、朝食はビールとともにいただく。
 朝から優雅な気分にひたれます。

【柊家】
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 八坂神社から四条通り、切り通しと行き、今日の宿、麩屋町通りの「柊家」へ自転車を置きに行く。
 柊家も歴史の長い宿であるが、北海道から自転車でこの宿に来たのは私が初めてだろうな。…って、向かいの俵屋のときでも書いたか。

【錦市場】
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 京都市内の散策は、京都の台所錦市場を。
 いやはや年越しのために買い物をする人達で、身動きできないほどの人の数であった。
 こういうところに来ると、このときばかりと人が集まる、年末の雰囲気がよく分かる。

【映画:ニューイヤーズ・イブ】
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 二条の東宝シネマで、映画「ニューイヤーズ・イブ」を観た。
 ニューヨークのニューイヤーズ・イブ(大晦日)の、年越しイベントを軸にした、数々の人間ドラマを描いた作品。
 本来は明日31日に観るのが適切な映画であろうけど、早く観たかったので本日に。
 この映画、出演者が、ロバート・デ・ニーロ、ヒラリー・スワンク、ハル・ベリー、ジェシカ・パーカー、ミシェル・ファイファー、アビゲイル・ブレスリン、ジョン・ボン・ジョビ…といった名スターがずらりと並び、ギャランティーだけで製作費吹っ飛んでしまわんかい?と余計な心配をしてしまう。
 その名優たちが、年越しという、一年の最も特別な時のなかで、恋愛あり、和解あり、再会あり、といくつもの人間ドラマを演じ、…観るほうにも、「年が明ければ、自分にもいいことがあるのではないだろうか」と、ほのぼのした感動を与えてくれる秀作。
 良かったです。
 ただ、この映画観たせいで、すでに気分は年越しになってしまい、明日の大晦日がどうでもよくなってしまった気がしないでもない。

 映画を観たのちは、柊家に戻る。
 大女将が挨拶に訪れ、いつもながら元気のお姿で、…と言いたいところであるが、いつもの着物姿ではなく、ジャージルックである。
 なんでも先日転倒して骨折してしまい、和服での挨拶はきついとのことで、しばらくこの格好だそうだ。しかし歩く姿にはとくに問題はなく、そして、こういう文化遺産のような人が現役で仕事している姿を見ると、「京都の旅館の精神」のような、尊いものを感じます。

【柊家 夕食】
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 京都では慣れ親しんでいる柊家の料理。
 ここの料理は典型的な「京料理の御馳走」。
 独特の華やかさがあり、分かりやすい美味しさがある。
 …ただ、量の多さがきついのがちょっと難。
 御馳走攻撃!という感じもあり、食事が終わるときは、腹いっぱいの満足感に満ち、そのまま一日が終わってしまいます

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December 29, 2011

京都編(6) 浜大津→京都市(祇園畑中) 37.1km


【義仲寺】
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 滋賀大津市は、木曽義仲が討ち死にした所であり、その地に義仲寺がある。
 前回行きそびれたので、行ってみた。
 猛々しい武将という義仲のイメージとは裏腹に、古色蒼然とした静かな寺である。
 松尾芭蕉は義仲を好んでおり、この寺も訪れて句を詠んでいるけど、この寺と芭蕉の侘び寂びの精神はうまくマッチしていると思った。

【国道1号線】
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 滋賀県から京都への国道1号線は、ゆるやかな峠越えがあるのみの楽な道である。この道、通るのは初めてのはずだが、既視感を覚える。そして進むうち、ここは絶対に通ったはずと思ってきた。

【月心寺】
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 そして、この建物が見えて、確かにここを通ったことを思い出した。
 6年前、私はこの「月心寺」に来るために、滋賀からレンタカーで走ったのであった。
 月心寺は、日本で最高級の精進料理が食べられることで有名な寺である。
 この寺の精進料理を経験するには、10名以上人数がそろわないと予約が出来ないという、九州の人間にとってはハードな関門がある。それをなんとかするべく、福岡の有志が人数を集めて京都に遠征したさい、それに私が便乗して、訪れたのであった。
 ちなみに精進料理ってノンアルコールだろうから車で来たのであったが、「般若湯」なるアルコールも出ることを来て知り、しまったと思った記憶がある。
 精進料理そのものについてはさして記憶に残っていないが、料理よりも、個性的な庵主さんのほうが圧倒的に記憶に残っている。
 あの時点で既に80歳を超えた御高齢の方であったが、まだ現役であろうか?

 1号線から京都に入ったのちは、昼食をとりに行く。

【妖怪ストリート いのうえ】
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 京都の北野天満宮の前に妖怪ストリートという商店街がある。
 商店街の店の前に、その店手製妖怪人形が置かれ、商店街にずらりと妖怪が並ぶ、る楽しい通りである。
 そのなかに「いのうえ」という定食店が一軒。ここも妖怪が二匹が置かれ、そして妖怪提灯も下がられているが、この店の名物が「妖怪ラーメン」。

【妖怪ラーメン】
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 どこが「妖怪」かといえば、おどろおどろしい見た目である。
 イカ墨たっぷりの黒いスープに、くちなしで染めた紫色の麺。黒いピータン、真っ赤なパブリカをまぶしたチャーシュ、と怪しさたっぷりのラーメンである。
 味はというと、…ニラが少々きつくて、他はあっさり系なのにバランスが悪く思える。まあ、そのバランスの悪さも妖怪っぽいというところか。
 なにはともあれ、話のネタにはなります。

【八坂神社】
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 本日の宿は、八坂神社傍の「祇園畑中」。
 京都の観光地へ行くのに便利なところにある宿である。
 料理の美味しいことでも有名。

【祇園畑中】
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【部屋】
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 祇園畑中は、いかにも京都の宿という感じの、じっくりと落ち着ける宿である。
 大浴場もあるので、(大というか中だな)、風呂に入ったのち外の景色でも眺めながら部屋でくつろぐことにする。

【夕食】
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 京都の料理は若手の料理人のところなど、時代の先端を行く和食を出すぞという感じの、研ぎ澄まされた料理を出すところが多くなっているけど、旅館では中庸系のものが多い。
 祇園畑中もその系統のもので、京料理の本流の、穏やかな感じの料理が続く。
 料理、接遇、そして部屋も含め、落ち着ける宿である。

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December 28, 2011

滋賀編(3) 亀山→甲賀→浜大津 80.1km


【国道1号線】
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 亀山市を出発して、とりあえずは甲賀市方面に向かう。
 遠くに見える県境の山はうっすらと雪がかぶっている。
 これから峠越えなんだが、いやな予感がする。

【国道1号線】
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 高度をどんどん上げていくと、寒くはなるが、雪の積もりはさしたることはない。
 山には軽く積もっているけど、道路にはまったくない。

【鈴鹿トンネル】
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 ようやく県境の峠になる鈴鹿トンネルに到着。
 ここが1号線の最高点となる。
 ありがたいことに道路にも、また周囲にも雪はまったくなかった。
 昨日の愛知と比べると、ずいぶんな違いである。
 日本は地形が複雑なだけあって、県ひとつ違うだけで、気候がまったく異なっている。

【甲賀忍者屋敷】
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 甲賀といえば、伊賀にならぶ忍者の聖地。
 忍者好きとしては訪れざるをえないであろう忍者屋敷へと行ってみた。…いや、べつにそんなに忍者は好きではないのだが。

【お知らせ】
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 しかしなんということか、甲賀忍者屋敷は、昨日から年末年始の休みに入っているのであった。
 年末年始って、絶好の稼ぎ時と思うんだけどなあ。

【信楽のタヌキ】
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 甲賀市は忍者で有名だが、また信楽焼の里でもある。
 それゆえタヌキの置物が街中、ゴロゴロしているのだろうと思って、タヌキを探しながら走行したが、やっとこの変なタヌキを一匹みつけた。

【信楽のタヌキ2】
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 タヌキが予想以上に数が少なく、おかしいなあと思っているうち、ドライブイン「たぬきの村」の前を通ると、やはり大中小のタヌキがずらりといました。
 大きなのは、3mはあります。

【琵琶湖】
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 信楽町からは県道16号線を通り、琵琶湖へと出た。
 琵琶湖湖畔に自転車を止めて休憩していると、ママチャリに生活道具を満載したホームレスっぽい人が前に立ち止まり、話しかけてくる。自転車生活長き先輩は、「荷物をいっぱい積んだ自転車を漕ぐ秘訣はブレーキの効きにある」とかの話をし始め、しばしブレーキ談義となった。

【ホテルからの風景】
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 前に滋賀に来たとき同様に、浜大津に宿泊。
 滋賀ではここが交通の要所となる。
 宿は前に泊まった「ホテルブルーレイク大津」にした。前泊まったとき、自転車で私が来たことを知ると、自転車を隣の施設の室内に止めさせてくれたので、「自転車に優しい宿」と認識したからである。

【鮒寿司】
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 夕食は、宿近くの寿司店「長吉」にした。
 ネタケースのネタはあんまりやる気がなさそうであったが、適当にそれを選んでそれを飲んでいた。店主と雑談するうち、ネタケースの中以外にも、面白いツマミがあることが分かり、それを頼んでみる。
 まずは、琵琶湖名物鮒寿司。
 じつは私は鮒寿司って初めて食ったのだけど、和風のブルーチーズをまとったパルマハムみたいな感じで、酸味と食感が独特であり、これはいい酒のアテとなる。

【モロコ素焼き】
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 続いては、琵琶湖名物モロコ。
 京都料理の主役級の魚モロコは、たいていは軽く味付けして出て来るのであるが、店主に言わせると、モロコは素焼きが一番美味しいとのこと。
 というわけで、モロコの素焼きにしたのだが、モロコって川魚特有のクセがあって、素焼きだとそのクセが出過ぎの気がしないでもない。まあ、慣れるとこれが美味く感じるんだろうな。

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December 27, 2011

三重編(3) 名古屋→桑名→亀山 74.8km


【名古屋市内】
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 二日続けて大寒波が襲った名古屋市はまだ雪は残ってはいるものの、天気が晴れとなったので、京都方面に向けて名古屋を脱出することにした。
 雪はこのように更地には積もってはいるものの、道路は除雪されている。

【国道側道】
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 名古屋からは、大垣経由で米原市に出て、それから滋賀に入ろうと思っていたのだが、山のほうに向かうにつれ、車道は除雪されているものの、路側帯には雪が残っており、自転車が走行するのは危険だ。しかし、歩道を行こうにも、こちらはさらに雪が積もっており、走行自体が無理となる。
 これを無理して行ったところで、米原市はおろか大垣市にさえたどり着かないと思い、進路を南方面の国道1号線に変更。

【CoCo壱番屋】
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 こっちのルートは楽なので、なんだかやる気が落ち、途中でみかけたCoCo壱番屋で昼食休憩。
 腹がいっぱいになると、サイクリングはつらくなるが、亀山市までの道はたいしたことはない。
 そして奈良から名古屋にやって来た道をそのまま引き返すルートを通り、亀山市に宿泊。


【博多ラーメン一竜】
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 亀岡市ではホテルの近くで夕食。
 宿泊した「ホテルエコノ亀山」の周囲はファミレス、ネパール料理店、居酒屋、コンビニ、本屋などがずらりと立ち並んでおり、ずいぶん便利である。案外と、こういう便利なロケーションのホテルは珍しい。

【博多ラーメン】
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 その店々のなかに博多ラーメン店があったので、それにしてみた。
 それにしても、居酒屋や寿司店以外だと、豚骨ラーメン店ばかり行っているような気がするなあ。
 豚骨ラーメンと生ビールの組み合わせはたいへんよろしく、そして麺はやはりバリカタで頼む。
 …しかし、三重県の麺の固さは九州より一ランク柔いみたいで、替え玉はハリガネにしておいた。

 さて、明日は三重滋賀県境を越えるわけだが、このルートだと県境越えには峠がある。はたして、雪の積もり具合はどんなものであろうか。

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December 26, 2011

愛知編(5) 名古屋市

【雪の中の名古屋ツインタワー】
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 昨日も寒かったが、本日は大寒波は名古屋市にも及び、大雪が降っている。
 滅多に雪が積もらない地ゆえ、積雪8cmくらいの量でも大変な事態なのであり、新幹線は上下とも不通となり、高速道路も一部通行止め。
 名古屋はちょっとした陸の孤島と化している。
 私も当然ながら、サイクリングする気もせず、二日続けての停滞となる。

【コンビニ おでん】
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 寒いので、あったまるような料理、-名古屋名物味噌煮込みうどんか、コーチン鍋でも食いに行こうかと思ったが、雪降るなか遠くまで歩く気力も起きず、ホテル近くにあったコンビニでおでんを買い込み、これで一杯やりながらぬくもることにする。

 それにしても、コンビニのおでんって、けっこう美味しいんだよな。

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December 25, 2011

愛知編(4) 名古屋市

 昨夜は京都で夕食を楽しんだのちは、トンボ返りで名古屋に戻った。

 次にどこへ行くべきかといえば、年末年始は京都で過ごすことはここ数年の習慣にしているので、その方向に向かわねばならない。
 京都へのルートは名古屋に来るときは三重経由で来たので、次は大垣~米原~京都という東海道本線に沿ったルートで行く方針とする。

 そこで大垣市に向けて本日Goの予定だったのだが、間の悪いことに、滅多に来ない大寒波が中京地方に到来してしまい、岐阜方面山間部は雪が積もっているとの情報である。
 それで本日はホテル泊を延長し、名古屋市に停滞することにした。

【鯖寿司】
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 朝食のために、京都駅伊勢丹地下の朽木旭屋で買っていた鯖寿司である。
 京都の鯖鮨は、ここか「花折」が好みである。どちらも少々値段は張るが、せっかくの京都の名物なので、京都に来たときはこれらを食いたい。
 そして、鯖寿司は当然、いい酒の肴ともなる。
 本日は自転車漕ぐ必要がなくなったので、朝からこれをツマミにビールを飲み、だらだらと過ごすことになった。

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December 24, 2011

愛知編(3) 名古屋市 忘年会2日目

【トゥ・ラ・ジョア 海老芋のウニ風味】
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 忘年会2日目の昼食は、名古屋市の創作系料理店「トゥ・ラ・ジョア」にて。
 会員制に近い店であり、名古屋では最も予約の困難な部類の店だそうだ。
 名古屋市在住の食の大御所のような人が今回の忘年会の主催者であったので、そのおかげで我々一行がこの店を経験でき、ありがたいことである。

 トゥ・ラ・ジョアはいちおうフレンチに分類される店なのだが、実質的には大阪のカハラみたいな、自在な創作系の店のようであった。
 その日のメニューを、メニュー表から書き写すと、

 ・源助大根と鮑の椀物
 ・トラ河豚のスープ
 ・海老芋のウニ風味
 ・下仁田葱と真鱈白子のオーブン焼
 ・カニ真丈の甲羅蒸
 ・すだち牛のビーツソース
 ・Mのサラダ
 ・帆立貝ご飯
 ・ブッシュドノエル

 調理も素材も過剰なくらいに手間暇かけているのだけど、フランス料理にありがちな、出来た料理もその流れで「過剰なもの」になる、ということはまったくなく、どの料理も見事にバランスが取れており、スマートかつクールな料理であった。
 同じ創作系の「カハラ」がホームランバッターが次々と出てくる打線とすれば、この店はイチロークラスの巧打者がずらりと並ぶ感じである。

 写真で紹介している料理は、海老芋に辛味風味のウニを芯に入れて、茹でたものに、ウニを和えて、アラレで食感にアクセントをつけたもの。
 相当な試行錯誤を経て、完成された料理なのだろうけど、複雑にして、深く、鮮やかな味にただただ陶酔するのみ。そして見た目も、写真のごとく、優美である。

 トゥ・ラ・ジョアは、ミシュラン言うところの三つ星店、まさに「そのためだけに旅行して訪れる価値のある店」である。
 これは来年も来なくては、と、主催者の予約に便乗して、私も来年の同時期に訪れることにした。


 忘年会2日目の夕食は、名古屋を離れ、京都の割烹「桜田」にて。
 その時間で、自転車で京都市に行くのは無理なので、新幹線で訪れることにする。
 新幹線だと、名古屋から京都までなんて、あっという間だな。

【京都 桜田】
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 2011年忘年会は、「柳家」「トゥ・ラ・ジョア」と個性の強い店を2軒訪れたのち、京料理の伝統の粋のような店「桜田」で〆となる。

 桜田は数多い京料理の名店のなかでも、スタンダードに近い、本流の京料理を出してくれる店である。
 いい素材を仕入れ、それを引き立てさせるような、切り方、煮方、蒸し方、焼き方で、シンプルながらも精緻な計算で成り立つ料理の数々。
 長い歴史のある京都でしか味わえない、「日本人の究極の家庭料理」を堪能しました。

 写真は虎魚の椀もの。
 研ぎ澄まされた出汁が、くっきりと具材の味を際立たさせ、立体的に迫る山水画のごとき世界。和食の世界の奥深さというものを教えてくれます。
 京料理、そして桜田の真骨頂。

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December 23, 2011

愛知編(2) 名古屋市 忘年会1日目

【名古屋ツインタワー】
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 世間は年末の連休である。
 連休とは関係なく日々を過ごしている私であるが、この連休は、食通氏たちが名古屋に集まっての忘年会があるので、それに参加するべく私も名古屋へとやってきた。
 参加者は、九州の者は飛行機で、東京の者は新幹線で来たわけだが、私は北海道から自転車である。

 なぜ名古屋で忘年会?というわけは、主催者が名古屋在住なのと、この時期ジビエが最も美味しい店が岐阜にあるので、そこで忘年会を開くから、という理由による。

 昨夜名古屋に到着していた私は、昼間は映画を2本、年末の話題作「MI4」と「リアルスティール」を観て、それから名古屋駅前に行き、そこで参加者全員と合流。ワゴンタクシーに乗って、1時間半ほどかけて岐阜瑞浪市の「柳家」に到着した。

【柳家】
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 日本で最高峰のジビエ料理を食べることができると評判の「柳家」。
 ここを経験するのはけっこうハードルが高く、まずやたらに不便なところにあることと(良い素材を手に入れるためには仕方ないのである)、それと参加者が4名以上でないと予約ができないことから、九州在住の者としてはこういう機会がないと、滅多に来られるものではない。

 柳家は、囲炉裏をみなで囲み、目の間でジビエが炭火で焼かれる方式。
 焼け焦げる肉と脂の香りが、食欲をぐんと刺激いたします。
 出されたものは、
 ・野鳥の丸焼き
 ・仔鹿ヒレ+ロース
 ・猪 
 ・羆
 そのあと、しし鍋、芋粥で〆となる。

 いやはや、驚きました。
 私は今までジビエを、いわゆる獣くささ、野性の味を楽しむものと思い、変化球的な食材と思っていた。
 しかし柳家の料理は、野生の肉がいかに澄んだ、肉の旨さをストレートに示す、自然の恵みそのものなことを教えてくれた。とりわけジビエの脂なんて、くどくもしつこくもなく、ただただ純粋に美味いので、いくらでも食えることになる。
 新たなる食の世界の魅力を、岐阜の山奥で知りました。

 そしてワインは九州のW氏秘蔵のDRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ)の赤ワインがぽんぽんと開く。これがジビエにじつによく合う。
 DRCをW氏が用意したわけは、全国から集った食通氏たちに、九州のワインマニアの矜持をみせるとの意気だったそうだ。その意気やよし、といったところではあるが、…いったいいくらかかったんだろう。 

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December 22, 2011

愛知編(1) 四日市→桑名→名古屋市 46.7km

【海蔵寺】
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 桑名市の名所、というわけではないのだが、九州の歴史マニアとしては一度訪れたいところ「海蔵寺」。
 江戸時代、名古屋の治水工事を薩摩が担当したのだが、難工事のため、藩士の事故死や自死が多発した。この工事は治水と同時に薩摩への嫌がらせでもあったので、幕府は地元民に対して薩摩藩士にはいっさい協力するなとの無茶なお触れを出していた。それで薩摩藩士に死者が出ても、どこでも供養してくれなかったなか、この寺の住職だけが「せっかく遠くから工事に来てくれているのに、死者の供養もしないなんて馬鹿な話があるか」と憤り、この寺が薩摩藩士の葬儀を一手に引き受けたのである。
 海蔵寺は、そういう、いわゆる仏道の本筋を通した寺なのだ。

 それにしても、こういうイザコザがつもり積もって、薩摩は幕府に恨みをためていき、その結果、維新のときに薩摩は怒りを爆発させ、完膚なきまでに幕府を潰そうとしたわけで、幕府も愚かなことをしたものである。        

 四日市市からは、国道1号線の側道を走って名古屋市に着。
 途中、揖斐川、長良川、木曽川の三つの橋を越えたが、どこもえらい長い橋で、…こんな大きな川の治水工事を、江戸時代に完遂できた薩摩藩士の努力に感心した。

【鮨処成田】
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 夕食は、名古屋市栄の「鮨処成田」にて。
 ここの鮨は、地元三河の食材を用いながら、名古屋流とでもいうべく独自の肴、鮨が供され、私としてはけっこう好みなのである。
 写真は、穴子の蒸し鮨。
 穴子という素材は温かくすればするほど、甘味と旨味が増すものだが、これはその理想形。たぶんシャリはこれ専用のものを使っているんじゃないかなあと思うのだけど、ふんわり柔らかい穴子に、もっちりしたシャリがよく合い、絶品の鮨となっている。 



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December 21, 2011

三重編(2)伊賀→亀山→四日市 75.5km

 伊賀市から国道25号線を使って亀山市へと向かう。
 国道25線は途中で自動車専用道のバイパスとなり、自転車は旧道を走ることになる。この旧道がまさに酷道であって、道は狭くなるし、舗装は剥がれ、途中で砂利道になったりしていて大変であった。車はほとんど走ってなく、廃道に近いような道路なんだろうけど、途中にあった採石工場のためだけに残している道路に思えた。

【亀山 シャープ工場】
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 酷道25線を抜けると亀山市。
 亀山市といえば、三重が世界に誇るシャープの液晶パネル生産巨大プラントで有名なので見にいってみた。たしかに途方もなくでかい工場である。
 ただし、液晶パネルは今や赤字産業となり、この工場はシャープのお荷物と化し、生産拠点をどんどん他に移しているわけで、…時の変化の激しいことよ。

 亀山市からは国道1号線を走る。
 この国道1号線は自動車専用道になっていて、自転車は並行する側道みたいなところを走るのだが、やたらにアップダウンの激しい道であり疲れた。

【鈴鹿サーキット】
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 やがて国道1号線が普通に自転車が走れるようになると、鈴鹿市が近い。
 鈴鹿市といえば、サーキット。せっかくなので寄ってみた。
 といってイヴェントがあるわけでもなく、ただ前まで行っただけである。
 しばし休憩すうち、ポルシェが轟音たてて入っていった。サーキットで走るんだろうけど、これが正しいポルシェの使い方であろう。

【四日市】
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 今日は津市に泊まるか、四日市市に泊まるかどちらにしようと思ったのだが、「津市は県庁所在地なのに何もない」ということで有名なので、工業都市四日市市に泊。
 しかし駅前うろついてみたけど、四日市市も何もないっぽいなあ。

【夕食】
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 よさそうな店が見つからず、ホテルに戻ってホテルのレストランにて夕食。
 ここ数日油っこいものばかり食べていたので、刺身、湯豆腐とあっさりしたものを注文。
 豆腐という食材は、なにをやってお美味しいなあなどと思いつつの夕食であった。



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December 20, 2011

三重編(1) 奈良市→伊賀 45.8km

【伊賀忍者博物館】
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 奈良市からは木津川に沿って走行して、伊賀市へ着。
 伊賀市といえば、もちろん忍者の里。
 日本人としては、国際的に最も有名であろう日本の名物「Ninja」の本拠地を一度は訪ねる必要があると思っていたのだ。
 この忍者博物館には本物の忍者屋敷を移籍したものであって、いろいろと仕掛けがあって、面白い。案内の人が、壁抜けの術などを実践してくれて、こういうものが実際にあったことに感心する。
 忍者についての資料も豊富であり、忍者の歴史、生態がよく理解できた。
 忍者マニアにとっては、訪れるべき場所であろう。

【松尾芭蕉生家】
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 伊賀市は、また俳聖松尾芭蕉の生まれ、住んだところとして有名。
 芭蕉の生家は保存されており、庭には芭蕉の号の由来となった芭蕉も植えられている。
 この芭蕉という植物、バナナみたいであり、南洋系の雰囲気が強く、松尾芭蕉のわびさびの世界とはどうも外れているのでは、と思っている人は多いはず。

【ラーメン】
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 伊賀市の食べ物といえば伊賀牛が名物だそうだ。日本って、そこら中に名物和牛が存在しており、畜産のレベルが高いことがわかる。
 その伊賀牛は、すき焼きが特に美味いそうだが、一人ですき焼き食っても仕方ないので、宿近くのラーメン店「伝丸」で夕食。
 北海道ラーメンとのことで味噌ラーメン店かと思いきや、豚骨ラーメンもあった。豚骨ラーメンは以前は九州限定みたいなものだったけど、いつのまにか全国どこにでもあるようになっている。



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December 19, 2011

奈良編(1) 堺→金剛トンネル→奈良市 88.0km

【金剛トンネル】
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 堺市から奈良に行くには、いろいろなルートがあるが、一番単純な国道310号線を選択。河内長野からはずっと登坂で、盆地のなかの奈良へはやはり高さを稼ぐ必要がある。
 県境はこの金剛トンネルであり、ここを過ぎればあとは下りだ。

【せんと君】
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 奈良市のホテルに着くと、フロントにはあの「せんと君」が。
 変てこキャラとして有名になった「せんと君」は、平城京1300年祭用の1年間限定キャラと思っていたけど、まだ現役なんだな。

【串カツ】
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 大阪名物の「串カツ」を大阪で食おうと思いつつ、食い損ねていたが、ホテル周囲に「串カツ」の店を見つけ、おまかせで食う。
 大阪の食い物は全体的にそうなんだが、コストパフォーマンスがいいですね。千円で腹一杯。



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December 18, 2011

大阪編(2) 大阪→堺 34.8km

【堺市サイクルセンター】
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 堺市といえば御陵で有名だけど、じつは自転車の聖地でもある。
 仁徳天皇陵近には、全国的にも稀なレベルの、たくさんの自転車の展示をしている博物館があり、黎明期から現在に至る数々の自転車を見物。

【餃子の王将】
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 堺市での夕食は「餃子の王将 堺東店」にて。
 私が以前大阪に住んでいたとき、この店にはちょくちょく寄っていて、思い出の店なのだ。
 久々に訪れる店は、相変わらず賑わっており、怪しい中国語の略語が飛び交う戦場のような忙しさの厨房であった。
 店の味は、おそらくは以前とはあまり変わりなく、懐かしいものであった。…しかし30年近くたつのに値段がほとんど変わっていないのも、またすごいことである。
 ただし、油ギトギト、煙草の煙もうもうが当たり前であった王将が禁煙店になっていたのが、時代の流れを感じた。


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December 17, 2011

大阪編(1) 神戸→大阪 32.2km

【神戸市風景】
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 神戸市の裏山的存在の布引展望台にロープウェーで登って、神戸市の風景を眺めてみた。
 ここから見ると、神戸市って、海と山にはさまれた狭い地に、ぎっしりと建物がつまった街ということがよく分かる。 

【大阪府へ】
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 国道2号線を走行していき、小さな橋を渡ると、ここから大阪府との標識があった。
 県境というのは、どこもそれなりのドラマがあるのであるが、こんなあっさりした県境は初めて経験する。

【リッツカールトン】
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 出張などで大阪に滞在するときはリーガロイヤルを使うことが多いのだけれど、今回は、誰もが素晴らしい褒める大阪リッツカールトンに話のネタに泊まってみることにした。
 部屋に入れば、たしかに凄い。どっかの貴族の部屋のようである。眺めも淡路島まで見えてたいへんよろしい 。
 そしてホテル全体としても、いたるところに個性的な空間があり、ディズニーランドのごときテーマパーク的楽しさがあった。
 観光などで大阪に来る人には、受けるだろうな、という感想。
 しかしビジネスとかで使うには、ちょっと…という感じもある。

【御堂筋イルミネーション】
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 大阪市に来た目的はこれ。
 御堂筋のイルミネーション。道と街が光に満ちている。

【川添】
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 夕食は「川添」で。
 ここは大阪北新地のフレンチで、シェフの川添氏は、あのカハラの一番弟子であり、師匠譲りの創作系の料理を出す店である。
 そして川添シェフと宮崎の食通W氏は、幼少からの付き合いもある方とのことで、大阪市に行ったときには是非と勧められていたので、これを機会と行ってみた。
 料理は小技大技を適宜用いた、創作感と遊び感にあふれた料理。
 楽しく美味しくいただけました。
 写真はフレンチとしては反則の旬の素材を用いた海鮮丼。でも、〆としてぴったりはまっていました。

 Facebookに「リッツカールトンなう。」などと書き込んでいたら、たまたま仕事で大阪市に訪れていた九州在住のワインマニアI氏から、一緒に飲みませんかとの誘いあり。
 それで「川添」で合流することとし、ワイン飲みながら、店主も含めて楽しく歓談。
 Facebookって、遊びのツールとしてはほんとうに便利だなあ。



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December 16, 2011

兵庫編(4) 姫路→神戸 71.3km

【明石大橋】
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 兵庫県といえば、「姫路城」に「神戸の夜景」が大名物であろう。
 それで本日は神戸市を目指す。
 国道を走り、明石市に至れば、瀬戸内海に明石大橋がかかっている。
 いやあ、でかい橋だねえ。

【神戸市】
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 神戸市に到着。
 夜景が目当てなので、宿は山近くの小高いところにある高層ホテルにした。
 夕暮れ時はこのような風景である。

【神戸市 夜景】
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 日が暮れ、100万ドルとも称される神戸の夜景。
 携帯のカメラじゃあこんなものであったが、実際に見る夜景は、山と海との狭い合間に、街の光が凝集していて、たしかに見るべき美しき夜景であった。

【渾鮨】
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 夕食は三宮の繁華街にある「渾鮨」という寿司店にて。
 モダンなバーといった感じの内装の面白い雰囲気の店であった。
 この店は穴子に自信があるようで、いろいろと工夫を加えた穴子のツマミや鮨が出て来た。
 繁華街のただなかの店だけあって、気楽な感じで鮨が食える、飲んだあとでも使える、そういった感じの店であった。


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December 15, 2011

兵庫編(3) 日生→姫路 56.3km

【日生諸島】
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 朝は日生町を散策。
 宿の裏に、高台の公園があったので、そこから日生諸島を眺める。
 私は日本海側の風景をずっと見てきたわけだが、それと比べると、海も島の形もずいぶん穏やかである。
 瀬戸内海側に住む人は、日本海側に住む人に比べて、気象的にはずっと恵まれていますな。
 海に並ぶ規則正しい建築物は、橋脚であり、四年後に大橋が開通の予定とのこと。

【牡蠣フライソフトクリーム】
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 港近くの「五味の市」には牡蠣オコに並ぶ名物、C級(?)グルメの「牡蛎フライソフトクリーム」が売っている。
 一種の「奇食」であり、ソースを塗った牡蛎フライと甘いソフトクリームのミスマッチング感が売りである。味については論評は避けるが、なにはともあれ冬に食うものじゃねえな。
 食ったのち、お腹が寒むい…

 日生町からは、国道250線を走り、赤穂市によって赤穂大石神社に寄る。
 ちょうど蚤の市をやっていた。
 そのあとも250線を走り、姫路市へと到着。

【姫路城】
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 姫路市といえば、なんといっても国宝姫路城。
 今まで訪れたことがなかったので、この高名なる世界遺産へ行ってみたが、なんと修復中なのであった。
 やれやれ。
 修復中の天守閣を公開しており、それはそれで面白いものがあったが、やっぱり白鷺城のきちんとした姿のほうを見てみたかった。

【串焼き屋】
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 姫路市の夕食、は串焼き屋「まんねんろう」にて。
 「博多流串焼き」だそうで、そこのメニューに博多流の串焼きの食べ方が載っている。それによれば「キャベツ用の酢も使って、酢をつけて串を食うのが博多流」とのこと。
 そ、そうなのか?
 博多の串焼き屋はけっこう知っているけど、そんな食い方したかなあ。それでも兵庫式博多流に従い、串を酢にちょいちょいつけながら食うと、けっこうアクセントがあり、食欲が進む。なるほど、これはこれなりにいけるのであった。


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December 14, 2011

岡山編(4)岡山市→日生 80.5km

 岡山市からはいったん海岸線に出て、それから海岸線に沿って走行し瀬戸内の穏やかな風景を眺めながら走行。それから途中にいったん山に入り、山神山という山の峠を越えたところ、なにやら怪しげな神社みたいなものがあったので、そこに寄ってみた。
 坂を歩いて登って山頂近くに着くと、巨大な石製の円盤が飾っている。不思議物件発見、とか思ったが、これは御神体との説明書きがあった。撮影禁止とも書いていたので、web上の写真を紹介。

【山神山】
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 山神山からの風景は良く、瀬戸内海を眺めながらぶらぶら歩いたのち下って行くと、受付の建物にいた管理人らしき夫婦から、せっかく訪れたのも縁というものだからお茶でも飲んで行きなさいと言われ、お茶と水菓子の接待を受けるあいだ、この宗教施設の教義をえんえんと聞かされてしまった。
 まあ、これもたしかになんかの縁なんだろうな。

 山神山を下って、また海岸線に沿って走行。
 本日の目的地は、昨日もそこの名物である牡蠣を食った日生町。日生町には「牡蠣オコ」という有名なB級グルメがあり、本場のそれを食ってみようと思ったのである。
 そして、ルートとして日生町へと渡る橋を通る予定であったが、近くに来て気づいたのだが、どうもその橋は自動車専用道「岡山ブルーライン」につながっているようである。そうなると自転車は通れない可能性がある。(自動車専用道でも歩道がついている道路は結構多い)
 スマートフォンで調べてみると、…自転車は駄目であった。
 それゆえ、下図に示すように、片上湾をぐるりと迂回する羽目になり、20kmほど余分に走ることとなった。

【片上湾】
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 この自転車旅行では、安全のため極力日が暮れての走行は避けていたが、今回はこの誤算が響き、日が暮れての走行となってしまった。
 キャットアイのライトのみでは心もとないので、さらにヘッドライトも装着して走り、暗いなか日生町に到着。

【牡蠣オコ(福来)】
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 日生町での目当ては、ご当地B級グルメ「カキオコ」。牡蛎のたっぷり入ったお好み焼きである。
 日生町にはもう来ることもないだろうから何軒も食べ歩きをしようとおもったが、一軒目が「福来」、二軒目が「もりした」という店で、合計二枚食ったところで腹一杯になり、ギブアップ。
 お好み焼きって、けっこう腹にきます。
 「福来」は「牡蛎の入った普通のお好み焼き」という感じだったけど、「もりした」はあっさりした醤油ダレの味付けで、牡蛎の個性をうまく生かしたお好み焼きであり、A級グルメに近いのでは、とも思った。

 なお、本日は平日ゆえ食べ歩きが出来たが、休日ともなると近郊の県からどっと人が訪れるので、どの店も長い行列ができ、食べ歩きは困難になるとのこと。
 そこまでして食うようなものでもないとは思うけど。



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December 13, 2011

岡山編(3) 岡山市

【後楽園】
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 本日は岡山市に停滞。
 小春日和ののどかな天候のもと、周囲を散策。
 岡山市といえば、まずは後楽園。晩秋の静かな公園の佇まい。
 …それにしても遠景の高層マンションが思いっきり不粋である。

 それからオリエント美術館、博物館と寄って、夕食へ。

【山もと】
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 岡山市の寿司店では、「山もと」がNo.1との世評なので、そこにしてみた。
 中に入れば、いかにも都会の寿司屋という感じの、高級サロン的空間が広がっている。使い方としては、接待系と同伴系が多いのだろうという気もするが、寿司はいたって本格的、正統的な江戸前鮨であった。
 そして素材は、ツマミ、鮨とも地元瀬戸内海のいい魚を用いた、地元の美味いものを供するとの気合いの入ったもの。

 職人気質の店主は、ヅケ場では厳しい雰囲気があるけれど、それでも鮨の話をすれば、鮨についての熱い話が聞ける。
 私が全国旅行中です、てな話をすると、店主も思うことあり、しばらく店を閉めて車での日本一周に出た経験があるとのことで、…旅の先輩として学ぶべきこと多かったです。
    
 写真はママカリの鮨。
 岡山名物ママカリは、福岡での辛子明太子みたいなもので、これさえあれば飯が無限に食えるようなモノだが、それを鮨にしたものである。
 鮨としては微妙だが、鮨はやっぱりこういうふうに郷土食の遊びもほしい。

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December 12, 2011

岡山編(2) 津山→岡山市 68.3km

 津山で一番有名なのは、やっぱり「津山事件」ではあろう。
 日本の犯罪史上でも有数の特異な事件であるゆえ、小説の題材にもよくなっており、80年近く経ってもいまだ忘れられることはない。
 ただ、有名だからといって、気軽にかつての事件の地を訪れるようなものでもなく、結局パスして、岡山市へとそのまま向かった。

 さて、この自転車旅行は「全国有名寿司店食べ歩き」も兼ねており、そして岡山には全国的知名度を誇る寿司店「ひさ田」があり、これは外せない。
 というわけで「ひさ田」を予約。
 「ひさ田」は赤磐市桜ケ丘というところにあり、岡山市からはずいぶんと離れている。だから赤磐市に泊まろうかと思ったら、…宿自体がまったくない。その界隈では、岡山市に全部宿は集中しているようで、周辺の市はそこからJRを使って行くしかないようであった。

 しょうがないので岡山市のホテルに宿泊し、JRとタクシーを使って「ひさ田」へとたどり着いた。

【ひさ田】
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 肴は
 ・渡り蟹、蟹味噌の酢和え
 ・河豚刺、白子を摺ったものを乗せて
 ・水ダコと山葵の茎
 ・脂のよくのった鰆、皮を少々炙って
 ・クチコ炙り
 ・モッツァレラチーズのヅケ

 鮨は、寒鰤、海老、赤貝、鱚、烏賊、細魚、アコウ、雲丹、玉子、穴子、干瓢巻きといったところ。

 どの料理も、素材が良いのは当然として、ちょっとした寝かせ方、煮かた、〆方、炙りかた、酢や醤油の使い方等が、非常にsharpでclearであり、綿密な計算に基づいた、…なんというか理系的な肴や鮨に思えた。
 つまりはどの料理も、その料理がそうあるべきであろう美味さのツボに、ストレートに入って来るので、たしかにこれはクセになる美味しさだ。ひさ田独自の世界であろう。
 全国から客が集まって来るのもよく分かる。

 …ただし、この店の辺鄙さはどうにかならないものかねえ。
 この地に出店したのは、親父が店をここに出してくれたというくらいの理由なのであるが、この地に店を構えて既に18年。常連客からは、もっと便利なところに移ってくれよとしょっちゅう言われるも、まだまだこの地で頑張りますよと、ニコっと笑って言われた。

 写真は「ひさ田」の名物、モッツァレラチーズのヅケ。
 モッツァレラチーズをヅケにするという発想の飛躍が素晴らしいが、そうして出来た料理は、これはこうすべきという説得感に満ちている。



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December 11, 2011

岡山編(1) 倉吉→人形峠→津山 67.3km

 山陰を今年初めて襲った大寒波も昨日より緩み、山間部にどっさりと積もったはずの雪も今日は溶けてきているはずである。
 この機会を逃すと、自転車では中国山地を越えられなく可能性があるので、本日出発。

【国道179号線】
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 平野部を離れ、標高が高くなると雪国に突入である。
 周囲の田畑には雪が積もっているけど、国道部はしっかりと除雪がなされている。こういう感じで、人形峠までもってくれることを願うが、山に入って行くにつれ、歩道部には雪が積もり車道しか自転車は走行できない状況になっていった。

【人形峠を越えて】
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 鳥取岡山の県境は、かの有名な「人形峠」。
 せっかくなので峠越えを目指したが、峠への道は雪で閉ざされており、結局バイパスである人形トンネルを通ることになった。
 このトンネルは側道が狭く、ライトも暗く、自転車で走るには向いていないところであるが、車がほとんど通っていないのに助けられた。
 トンネルを越えれば、岡山県である。これからは当分雪の心配はないであろう。

 人形峠トンネルを越えると、道はひらすら下り道となり、ずいぶんと楽になる。岡山市までそのまま下って行くと、行きすぎになるので、本日はその中間点である津山市に宿泊。

 倉吉で仕入れた情報によれば、津山市は「魚はダメだが牛は美味い」とのことである。作州牛というブランド牛があるそうだ。
 ただ、あんまり牛は食いたい気分でもないので、他になにかあるかと聞くと、「行ったことはないけど、津山市にはジビエ料理を出す洋食の名店があるらしい」とのこと。
 ネットで検索しても「津山でジビエ料理を出す店」というのは出てこなかったが、おそらくはこの店であろうイタリア料理店「シエロ」に行くことにした。

【シエロ】
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 津山市での夕食はイタリア料理店の「シエロ」にて。
 私の勘は正しく、「津山でジビエ料理を出す店」はこの店であった。店主自ら猟に行ってジビエを仕入れるそうだ。ただ残念ながら今年の中国山地は暖冬で、まだジビエが旬に至らず、本日はジビエの用意はなく、普通のメニューであった。
 「シエロ」は、若い研究熱心な夫婦がやっている店で、岡山の地方都市津山でもワイン文化を広めようと活発な普及を行っている、いわゆる熱い店で、好感が持てた。
 食材も地元のものをよく使ったもので、写真に示す日生の牡蛎を使ったパスタもいい出来だった。

 津山を訪れることはもうないだろうけど、もし訪れる機会があればまた再訪したい店である。



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December 10, 2011

鳥取編(3) 鳥取市→倉吉市 11.5km

【三朝神社】
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 午前中は三朝温泉を散策。
 写真は三朝温泉の守り神的存在である三朝神社。
 さすが温泉地だけあって、手水も温泉である。
 寒いなか、ほかほかと湯気を立てながら流れる手水は、心あたたまる光景だ。

【イカ回し】
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 私が鳥取に来ていることを知って、弟が、自分の後輩が倉吉市に居るのでよかったら案内させるよと連絡してきた。有難くその後輩氏に鳥取の名所を車で案内してもらう。
 行ったのは「白壁土蔵群」「後醍醐天皇上陸の地」「投入堂(望遠鏡で観察)」「山本おたふく堂」「山陰海岸線」など。
 写真は海岸線のいくつもの売店で見かけたイカの一夜干しの図。一夜干しって、普通はぶら下げて潮風に当てているものだけど、このへんはなぜか回転させていた。一種の名物なのかな。

【寿司店 清十郎】
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 夕食は、倉吉市で一番のお勧めの寿司屋「清十郎」にて。
 地元の食材をうまく使ったつまみ系統が充実していた。
 写真のミニ牡蛎土手鍋なんて、なかなかの力作です。


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December 09, 2011

鳥取編(2) 鳥取市→三朝温泉 43.2km

 自転車の天敵である雪とは今のところ無縁で来られたが、明日は大寒波が襲来し、鳥取の山間部では雪が積もるとの予報である。
 予定では「三朝温泉+投入堂」なので、山間部の県道31号線を走りたかったが、雪に積もられてはたまったものではないので、投入堂は諦め、海沿いの国道9号線を走ることにした。

 朝、自転車に荷物を設置していると、アイウェアを落としてしまい、レンズに傷が入ってしまった。新品に買い替えようと、品揃えが豊富そうな、駅近くのサイクルショップ「フクハマ」にと寄って、そこでアイウェアを購入。
 店主に今日はどこまで行くんですか?と聞かれ、「三朝温泉です。峠越えだと雪が積もるみたいなんで、9号線で行きます」と言った。すると「峠越えのルートの方が面白いし、距離も短いですよ。今の時期、そう雪が積もることはありません。大丈夫です。峠越えのほうがお勧めです」とのこと。
 たしかに国道9号線より31号線のほうが楽しそうなルートであるし、そして地元の人が大丈夫と言うんだから、それは信頼性がある情報と思われるゆえ、31号線ルートで三朝温泉に向かうことに変更した。

 …結局は、ぜんぜん大丈夫じゃなかったんだが。


【県道31号線】
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 天気は雨であるけど、遠くに見える山はうっすらと冠雪していた。

【県道31号線】
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 山間部に入ると、平地にも雪が積もっており、今年初めて見る雪国となっていた。道路は今のところ雪は積もっていないが、はてどうなることやら。
 そのまま進んでいくと、峠への坂道になったくらいで、道路にも雪が満ちてきた。雨は雪へと変わり、しんしんと降ってきて、ときおり通った車の轍のあともすぐに消えてしまう。
 自転車のタイヤはグリップしなくなり、漕げなくなってしまった。

 さてどうするべきか。
 峠の迂回路なんてものはないので、峠越えを諦めたなら、相当な距離を引き返して、海岸線まで出ないといけない。
 雪道を自転車押していく手間と、大周りの手間を比較するに、押して行ったほうが総合的に楽と判断した。ちょっとした雪山なら登れる装備も持っていることだし。

 そういうわけで雪山登山用の装備を装着し、雪に埋もれた車道で、自転車を押していくこと2kmくらいしてようやく佐谷峠に到着。

【佐谷峠】
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 一面雪景色の佐谷峠である。今朝から降ったのだけど、既に降雪量は50cmを越えている。
 この峠で終了というわけでもなく、ここから下りの2kmほども押して歩くことになった。

【投入堂】
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 国宝投入堂への入り口。
 ここに登りたかったのだが、登ろうとしても、たぶん途中の番所で登山禁止と言われるだろうな。

【三朝温泉】
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 投入堂より、消雪パイプが設置されていて、そこからは普通に自転車に乗ることができた。
 押すのと漕ぐのでは、機動性はずいぶんな違いである。
 そうやって着いた三朝温泉。雪はうっすらと積もっている。

 三朝温泉は「大橋」という旅館に宿泊。
 宿に着くと、宿の人が私に「とても雪が降っていたんですね。大変でしたでしょ。これで拭いてください」とタオルを渡す。
 なぜ私が山越えルートで来たのが分かったのだろう? 不思議に思ったが、宿の人は、私のヘルメットに大量の雪が積もっており、私が雪だるま状態になっていることを指摘。…気付いてなかったよ。

【三朝温泉夕食】
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 雪のなかを走ってきて、すっかり冷えきった身には、三朝温泉のあったまる湯は極楽のようなもの。
 気分がよくなったところで夕食。
 丹後半島以後、カニ料理を避けるために旅館泊はしないようにしていたが、この雪では、さすがにこの雪では、温泉旅館で夕食がベストであろう。
 そして、夕食はやはりカニ料理であった。

 ところで、この「大橋旅館」。
 見た目には、「千と千尋の神隠し」に出てきそうな、やたらに年数を経た旅館であったが、部屋はじつに立派なものであった。
 そして、料理も田舎の温泉宿を遥かに越えたレベルであった。
 失礼ながら鳥取の田舎の温泉旅館になんでこのレベルのものが、と驚くくらい。予想以上の名旅館だった。


 雪は夕方になっても止まず、どんどん降って来る。
 雪見酒が楽しめたのはラッキーではあったが、これでは明日予定していた人形峠越えての岡山入りは、とても無理である。

 明日はこのあたりに停滞して、寒気の緩みを待ってから、岡山に抜けることにした。



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December 08, 2011

鳥取編(1) 湯村→鳥取市  46.3km

【県境】
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 湯村からいったん海岸線まで出たのち、国道178号線を走行。県境の峠を越え、鳥取県へと入る。
 県境の部分はバイパスがあるので車はほとんど通らない、自転車専用みたいな道だった。

【鳥取砂丘】
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 鳥取といえば、やはり砂丘。
 世評では「たいしたことない」とか言われるけど、やっぱり大きいですよ。
 砂丘に近づくまでは、小雨なので眺めるだけにしようとしたが、これ見るとついつい登ってしまった。
 てっぺんまで達すると、いきなり海からの強風を浴び、この大きな砂丘が風によってできたことが体感できる。

【笹すし】
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 本日は、鳥取市に宿泊。
 鳥取に長く住んでいた者に鳥取市の美味い店を尋ねると、「そこそこ美味い店はあるが、すごく美味い店はない」とのことで、お勧めの店はなし。

 それでは適当に鮨でも食うかと、宿の近くの「笹すし」で夕食。
 写真は、お任せ寿司のなかの、セコガニ、ズワイガニ、カレイの真子まぶしの寿司。
 地方流の鮮魚寿司系統でもなく、和食系にちょっとひねった寿司の数々。
 けっこう出来のよい寿司が続き、これは好みであった。
 接客もよく、地元にあれば常連になるに違いない良店であった。


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December 07, 2011

兵庫編(2) 城崎温泉→湯村温泉 63.6km

【山陰海岸】
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 山陰海岸線は国立公園だけあって、変化に富んだ風光明媚なところである。
 ただこういうリアス式の海岸の常としてアップダウンが激しい。
 インナーローでスタンディングでないと越えられないような激坂まであった。

【蛙岩】
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 山陰海岸は奇岩、奇勝が数あれど、この「蛙岩」が一番ユニーク。
 たしかに蛙の形で、しかも赤く、赤蛙である。

 山陰海岸を抜けて、まずは大乗寺へと行く。
 大乗寺は応挙寺とも呼ばれ、円山応挙とその一門の絵が多数残されている寺である。
 寺内には案内員が一人つき、丁寧な説明をしてくれて、事前に調べておかなくとも寺の歴史、それに絵についての履歴等がよく分かる。

 大乗寺ののちは、国道178号線を走行するうち、鉄道ファンには有名である、餘部鉄橋跡を見ることができた。
 さらに走行すると、面白い標識を見つけた。

【湯】
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 「湯」というシンプル極まりない地名。こういう地名が実際にあるのだな。

 …って、今日の目的地は湯村温泉なのであるが、着いてみて知ったのは、湯村温泉の地名が「湯」であるということだった。地元の人に聞いたところ、湯村温泉はあくまでも通称で、本当の地名が「湯」だそうだ。それだと言いにくいので「湯村」にしているそう。

【湯村温泉】
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 その湯村温泉、夢千代日記の舞台になったことくらしか知らなかったが、とりあえずここが「湯」である理由はよく分かった。
 湯村温泉は、温泉が膨大な量が湧き、後ろに見えている川もすなわちそのまま温泉である。しかもあまりに熱いので、川には立ち入り禁止の看板まで出ていた。
 町の家々にも全て温泉がひかれているそうである。
 さすが、「湯」。納得である。

 湯村温泉では、ここでも旅館は避け、ホテルに宿泊。
 ホテル近くの串焼き屋「とり夢」にて、焼き鳥をツマミにビールを飲む。
 温泉メインの観光地なので、飲食店は少なく、そして客も少なかった。

 この焼き鳥屋も客は私一人だけであった。
 そのうち店を経営している夫婦と雑談していて旅の話となる。夫婦も旅行好きで、去年は香川に讃岐うどんを食べに行く予定だったのだが、想定外の大雪が降り、湯村を脱出できずにおじゃんとなったとのことで悔しがっていた。
 私は香川での讃岐うどん巡りを今後に予定しているので、それなら私が香川で讃岐うどんを食いまくってリベンジしますよと宣言し、おお、とか言われたが、今思うに…べつに私がリベンジしても何も意味はなかったよなあ。



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December 06, 2011

兵庫編(1) 丹後間人→城崎 57.7km

【三養荘朝食】
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 三養荘朝食。
 朝からノドグロである。これを肴に一杯やりたいところであるが、サイクリングが控えているので、ぐっと自制。

 さて間人に来たからには、残りの丹後半島を走るのは必然として、次はどこに行くべきか。近くの観光地といえば、あの「城崎温泉」があるので、そこに行ってみることにする。

【小天橋立】
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 丹後半島を過ぎて少し行ったところに、「小天橋立」という名勝がある。
 京丹後市の久美浜湾にかかる砂洲が天橋立のミニチュア版みたいな形となっているので、「小橋立」と名付けられたそうだ。
 自転車でそこを走ってみたが、なにがなんやらよく分からなかったので、通り過ぎたのち小天橋立の向かいにある「兜山」という小山に登ることにした。自転車では途中までしか行けず、あとは徒歩で登り、そこから眺めた風景。
田園と、紅葉と、それから湾に中洲。なかなかの絶景である。
 
【県境】
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 京丹後市から兵庫県に入るには、トンネルで抜ける国道と、峠を越える県道の二つのルートがある。トンネルルートのほうが楽そうだったが、トンネルは通らずに済むなら通らずに済んだほうがいいので、峠越えルートを選択。
 さほどの高さのない峠であった。
 やはり西日本に来ると、県境もスケールが小さくなる。

【城崎温泉】
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 本日は城崎温泉に宿泊。
 ここも有名な旅館がいくつもあるけど、そこでは蟹のフルコースなのは分かりきっているので、ホテルに宿泊。
 城崎は、源泉を一括管理して、いい状態の温泉を限られた施設で提供するようにしているため、温泉を楽しむためには外湯巡りが名物となっている。
 歴史ある外湯は、いずこの建物の雰囲気もよく、そして浴衣に下駄で湯巡りをする宿泊客も多く、城崎の地に独特の風情を与えていた。
 これは、いい温泉地である。

【こ夢】
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 夕飯は宿近くの居酒屋「こ夢」で。
 小粋な女将の切り盛りしている、雰囲気のいい店で、古谷三敏のコミックにでも出てきそうな店である。
 寒い日のおでんは、やはりいい。とてもいい。
 女将に山陰のお勧めを聞くと、「大乗寺と余部は外せない」とのプランに乗り、明日はさらに西に向かうことにした。


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December 05, 2011

京都編(5) 舞鶴市→天橋立→丹後半島間人港(三養荘) 96.6km

【天橋立】
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 日本三景である天橋立。
 天橋立はそこを歩けばただの浜辺の松林だが、展望所に登ってから眺めると、たしかに素晴らしい名勝だ。
 天橋立は自転車の走行が可能で、向かいに見える丹後半島へのショートカットルートとなっている。

【経ヶ岬】
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 丹後半島周回ルートはアップダウンの多い道で、登っては下り、下っては登りの繰り返しで、かなり疲れる。
 それでも半島最北端の経ヶ岬まで来れば、ゴールは見えてくる。

【間人】
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 間人町から見る若狭湾。
 こここそ、間人蟹の産地である。
 今日も港から漁船が出港し、たくさんの間人蟹を採って戻ってきたのであろう。

 三養荘に着くと、「ほんとに自転車で来たんですかあ。心配してたんですよ。京都市から間人は、同じ京都府といっても本当なら自転車で来れるような距離ではないですから」とのお迎えの挨拶。
 200kmは、じつはロードバイクなら一日で来れる距離ではあるのだが、一般の人の自転車に対する感覚はそんなものでしょうね。

 「間人」は、聖徳太子の生母の間人皇后がここに住んでいたことから付けられた由緒正しい名前であるが、今ではそういうことより、蟹の名前のほうで有名にいる。
 その間人蟹、夕食のときに、これからこの間人蟹を料理しますよ、と緑のタグのついた活き間人蟹をまずは持ってきて見せてくれた。

【間人蟹】
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 これがはるばると間人を訪ねてきて初めて見る間人蟹である。
 でかいですね。
 この大きさを比較する適当なものがなかったので、とりあえずサイクリング補給食のスニッカーを並べてみた。
 ちなみに三養荘では蟹二杯を使ったコースの料金は5万円。もろもろ考えるに蟹一杯ぶんの値段は2万円強といったところか。京都市だと3万円は軽く越えるから、たしかに現地はかなり安くなるみたい。まあ安いといっても、客観的に考えればかなり高価な蟹である。…そういう蟹なんで当たり前か。

 以下に蟹フルコースをずらずらと紹介。

【突出し】
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 蟹を調理しているあいだは、この突出しで酒を飲みながら蟹の到来を待ちます。

【造り】
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 造りは蟹に、鰤、甘エビ、鯛。
 蟹の造りは手で持って、直接食べましょう。

【焼き蟹】
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 このまま造りで食える蟹を炭火焼きでさらに美味しくする。
 焼き加減で美味しさも変わるので、ベテランの仲居さんが焼いてくれます。
 いい具合に焼けたものから食っていく。
 蟹ミソもとても香りよく焼けている。

【茹で蟹】
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 茹で蟹は一杯まるまるである。
 でかい蟹であるので、たいへんな量があります。

【蟹天麩羅】
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 大きな脚一本使っての天麩羅。
 蟹の甘さがひときわ引き立っている。

【蟹鍋】
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 季節の野菜も使っての蟹鍋。
 蟹とは殻からもとてもいい出汁が出て、うまい鍋となる。

【蟹雑炊】
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 〆はその出汁を使った蟹雑炊。
 いやはや、ひたすらの蟹尽くし。食いました、食いました。

 間人蟹、普通のズワイガニとそんなに味に際立った違いはないとは思うものの、サイズの大きさ、身の詰まり方は、はっきりと違っており、豪快に食えるのが甚だの利点だと思った。
 箸を殻に入れると、身がプチプチと外れ、大きな身がどっさりと出て来るので、食いやすく、そして食いでがある。
 さすがにズワイガニの王者間人蟹である。

 …ただ、さすがにこれほどの量の蟹を食うと、本当に今シーズンはもう蟹はいいと思った。
 (あとで三朝温泉でコースを食うことにはなったのだが)


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December 04, 2011

京都編(4) 亀岡市湯の花温泉→舞鶴市 93.2km

【県境】
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 丹後半島間人が目的地であるが、あと200km近くあるので、本日は途中にある舞鶴か宮津まで行くことにして出発。
 久しぶりに天気が良く、快適にサイクリング。ちょっとした峠を越えたら、そこは県境であり、いったん兵庫県に入った。
 東日本に比べ、近畿の県境の峠はソフトである。

【舞鶴市へ】
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 亀岡から綾部までの道は基本的に平坦だったので、このまま国道27号線を使っては少々運動が足りない気がしたので、舞鶴市に入るルートとして府道74号線を使ってみた。これが廃道みたいなとんでもない峠越えルートであり、やたらに傾斜の激しい道たいへんに疲れた。

【舞鶴】
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 舞鶴市では、高層ホテルのオーシャンビューの部屋に宿泊。
 舞鶴湾と、それに舞鶴クレインブリッジが良く見える。
 夕食はこの風景を眺めながら、コンビニ弁当で。

【舞鶴港】
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 舞鶴港といえば有名な軍港。
 軍艦も当然停泊しております。

【肉じゃが】
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 舞鶴市は軍港都市なので、そういうところは海軍由来のカレーか肉じゃがが名物になることが多いのだが、舞鶴では肉じゃがであった。


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December 03, 2011

京都編(3)京都市→亀岡市湯の花温泉 37.7km

【俵屋朝食】
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 俵屋朝食。
 丸々した鮭、瓢亭卵、湯豆腐、蜆汁、炊きたて御飯、…至福の朝食である。
 良い朝食は最強の酒の肴というセオリーに従い、俵屋の朝はいつも酒を飲んでいた記憶があるが、本日はサイクリングなので自粛する。

 さて、サイクリングの方向であるが、まだ雪は降ってこないようなので、いったん日本海側の丹後半島へ行こうかと思う。
 丹後間人の間人蟹目的である。それには理由がある。

【参考図 間人蟹】
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 11月からズワイガニ(北陸では越前蟹、山陰では松葉蟹)が漁解禁となり、北陸はカニ一色だったわけであるが、北陸で最もいい蟹を仕入れることに血道をあげている某寿司店で聞いた話。
 店主によれば、「今の季節、越前蟹を求めて県外の人も北陸にたくさん訪れてくれる。しかし、じつは北陸では最高の蟹は得られない。ズワイガニは、丹後間人港の間人蟹(タイザガニ)が文句なしに最高で、形も味も図抜けている。けれど間人蟹は当店で仕入れられない。それは距離の問題でなく、値段の問題である。越前蟹は1万円であるが、間人蟹は三万を越える。その値段のカニだと北陸では料理として組み立てられない」とのことであった。

 間人蟹はズワイガニの一番のブランドということは私も知っており、京都の高級料亭では5万円くらいの料金でそのコース料理が出ることくらいは知っていた。ただ京都の料亭で、焼くか煮るしか料理法のないカニをわざわざ食わなくとも思っており、食う気もしなかったのだが、そこまでプロが言うのなら、話のネタに一回くらいは間人蟹を食ってみようかなと思ったのである。

 カニは距離によって美味さが変わる典型的な食材なので、どうせ食べるなら間人で食いたい。それゆえ、丹後の間人港で間人蟹を出す店を検索すると、…けっこうある。
 京都市ならいざ知らず、あんな不便なところでそこまで間人蟹の需要があるのだろうか? そこでは間人蟹と称するも、じつは出てくるカニは、「なんちゃって間人蟹」じゃないのかな、とどうも不信を持ってしまった。わざわざ丹後半島の北端まで行って、そのへんで食えるズワイガニを食わされてはたまったものではない。

 こういう情報はプロに聞くのが一番確実だ。
 そういうわけで、仕入れのプロである俵屋で情報を仕入れるべく、仲居さんに「丹後に行きますんで、本物のタイザガニをだす店を教えてください」と尋ねた。料理部に聞いてきますとのことで、しばらくしてメモが来て、「和久傳or円山」と書かれてある。
 …それくらい知ってますわい。というか、私の聞き方が悪かったのかなあ?
 「いや京都市ではなく地元間人での話です」と再度尋ね、「三養荘なら確実です」とのことであった。三養荘の料理長は俵屋の料理場で働いていたそうである。これはおおいに期待できますね。

 それで丹後半島を目的地とした。

 (ちなみに間人に行って分かったけど、間人では間人蟹の料理は料理する前にタグ付きの間人蟹を見せるので、「なんちゃって間人蟹」が出て来る余地はなかった。つまらぬ杞憂であった。)

【東福寺】
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 京都市ではあと一ヶ所、東福寺で紅葉を見物した。
 通天橋の紅葉は、空気までがその色に染まるかのごとき、圧倒される紅葉に満ちた空間であった。

【慈恩弘国】
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 次は昼食目的で、弘法大師の寺、東寺の近くにある「慈恩弘国」にと寄ってみた。
 ガンダム世代としては一度は訪れたかったのである。
 ここはお好み焼き屋で、「ザク焼き」「ドム焼き」等のお好み焼きが、連邦軍のコスプレをした店員によって運ばれてくる、という凝った店なのだ。
 …しかし、お好み焼き屋なのに昼は営業していなかった。
 事前の調べが足りませんでした。

 「慈恩弘国」のwebpageは→ここ

 京都市からは国道9号線を道なりに進んでいき、亀岡市の湯の花温泉のビジネスホテルに宿泊。
 温泉街にあるホテルのはずだったが、周りにはなにもないところであって、ホテルの夕食の五目鍋を食った。


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December 02, 2011

京都編(2) 京都市 31.8km

【自転車修理】
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 北海道から京都まで、雨あり霙ありのけっこう過酷な気象条件のなか、重い荷物を積んで走って来たため、走りの感覚がおかしくなってきた。
 どうも後輪がよれてきているようなので、サイクルショップで調整。ついでにブレーキシューも交換し、ワイヤも調整。すると、だいぶ走りが良くなった。

【龍安寺石庭】
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 日本人で知らぬ者のいない庭、龍安寺石庭。
 休日だと狭い寺のなかに人がいっぱいとなるのだけど、今日は平日なのでさほど人はおらず、落ち着いて眺めることができた。
 庭石の配置はもちろん素晴らしいのだが、背景のアクセントとなる紅葉もまたいい。

【神護寺】
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 龍安寺からはまた坂を登っていき、高雄の神護寺に来たが、高いところにあるゆえ、紅葉はほぼ終了であった。
そのぶん人も少なく、静かである。
 高雄あたりは知る人ぞ知る京都という感じで、いい雰囲気のところだと思う。

 神護寺に来たので、名物の「かわらけ投げ」に行った。展望台から谷に向けて素焼きの皿を谷投げる、厄除け行為である。
 展望台に着くと、一人旅の若い女性が皿を懸命に投げていたが、全く飛ばないので不思議がっていた。そのあとに私が投げたら普通に飛んで行ったので、「どうしたら飛ぶのです?」と聞いてくる。
 一つは力なんだけど、もう一つは皿の向きであり、その女性は皿を下向きにして投げていたのでそれを指摘したら、ずいぶんと喜んでいた。
 …これって、遠くに飛ばさないといけないというものでもなかったはずではあるが。

【金閣寺】
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 神護寺から山を下りて、京都観光のスーパースター金閣寺にと寄る。平日でもやはりここは人が多かった。
 金閣寺の写真は池とともに撮るのが定番だが、秋なので紅葉に隠れた奥ゆかしい金閣寺を紹介。

【暁翠庵】
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 京都の秋は何度も訪れたことがあるが、平地での紅葉は今回が一番ジャストタイミングで、いずこも見事であった。
 さて、本日の俵屋は一階の暁翠の間。
 ここの庭には楓が一本あり、その紅葉を期待していたが、…まだ緑のままであった。
 なにごとも全てがうまくいくはずはなし。 

【俵屋夕食】
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 俵屋の夕食は、これを食えば、ああ日本人に生まれて良かったなとしみじみ思える、進取と伝統と、それに調和のあるもの。
 和食の名店多き京都でも、頂点近くに位置するものであろう。

【スティーブ・ジョブズ@俵屋】
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 俵屋関連で、今年初めて知って驚いた情報は、あのアップルの故スティーブ・ジョブズ氏が、俵屋を愛好してよく泊まっていたとのこと。
 言われてみれば、たしかに簡素でありながら奥行き深く、単純でも複雑、分かりやすそうで実はオーナーにしか分からない世界がある、完璧を目指した迷宮みたいな存在は、アップルと俵屋で、見事に合致するもんなあ。
 ジョブス氏が好んでいたのもよく理解できる。

【暁翠庵寝室】
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 そして、ジョブズ氏が特に気に入っていた部屋が暁翠庵だそうで、ということはこのベッドのどちらかにジョブズ氏も寝ていたわけである。
 偉人も使っていた、歴史的なベッドなのだ。
 私のごときものが使うのは畏れ多きことだが、といって床に寝るわけにもいかないので、このベッドで寝させていただきました。


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December 01, 2011

京都編(1) 浜大津→田谷峠→京都市(俵屋) 45.6km

 【三井寺】
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 滋賀大津といえば、三井寺は外せない。中世にあの比叡山延暦寺に拮抗する勢力を持ち、屈強な僧兵たちで焼き討ち合戦を演じて来た寺である。(中世の寺は血気盛んだったのだ)
 訪れてみれば、ちょうど紅葉の盛りであった。
 これで晴天ならもっと映えただろうが、あいにくの曇天である。
 それでも、この紅葉を見たのち高台に登れば、大津の街並みとその背後の琵琶湖を見渡せる、素晴らしい風景が広がっていた。

【田ノ谷峠】
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 三井寺を見たなら、次はライバル延暦寺は行かねばならぬ。
 県道30号線を使って延暦寺に向けて坂を登っていく。
 そして300mの高さを登って田ノ谷峠に着き、ここから延暦寺への分岐なんだが、…え、自動車専用道になっている。そしてここから先延暦寺に行くにはこの道しかないのである。
 なんてこったい。

【実相院】
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 延暦寺の紅葉は諦め、京都市まで下っていき、それからまた北上して紅葉の名所実相院へと。
 ここで眺める実相院の庭の紅葉。
 今までさんざん眺めてきた自然のなかの紅葉に比べ、人工美の極致のような。絵画のごとき光景。思わず息を飲みこむ美しさ。

【鞍馬寺】
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 さらに北上を続け、ついでに山も登っていき、鞍馬寺へ。
 駐車場に自転車をとめたのち、ずいぶんな高さの石段を登っていき相当な高さを登ったところに鞍馬寺はある。
 鞍馬寺では紅葉の盛りはすぎていたが、参道沿いの紅葉はなかなかのものであった。

【俵屋旅館】
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 京都ならではの人の手のよく加わった紅葉を堪能したのち、京都市中心部、俵屋旅館に到着。
 俵屋は創業300余年の老舗旅館だから、北海道から来た客はたくさんいたであろうし、徒歩のみで遥々と来た人も江戸時代や明治初期にはいたであろう。
 しかし、さすがに北海道から自転車で俵屋に来た者は、俵屋の長い歴史のなかでも、私が初めてであろうな。
 宿の人も私が自転車で来たことにびっくりしていた。

【高台寺夜景】
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 京都の秋は、夜の紅葉のライトアップは見逃せない。
 今回は高台寺を訪れてみた。
 ライトアップされた満載の紅葉が臥竜池に映り、夢幻的にまで美しい。

【鮨まつもと】
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 秋の京都の夕食は「鮨まつもと」で。
 この店は京都に来たとき、昼食にときどき利用していたが、夕食では初めてである。
 和食の街京都に来てわざわざ鮨を食うのもなんであるが、今回の旅行は鮨食いツアーも兼ねているので、なるべく各県では一軒は寄るようにしているのである。
 店主も、京都に来た東京の人は和食店に行きますので、この店に来るのは地元の人で大半ですよ、と言い、つまりは京都に根付いた江戸前寿司店なのである。
 この店は、ネタだけとっても東京や北陸のレベルにはかなわないのは仕方ないが、それでも京都で本格的な江戸前鮨が食べられるということで貴重な存在である。

【俵屋朝食】
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 俵屋の朝食は、三階の「栂」という部屋で洋食を。
 このずんぐりしたトースターが、俵屋の名物であり、骨董感がよろしい。
 トースト、目玉焼き、ベーコン、サラダ、マーマレード、すべて美味しいが、とりわけ香り豊かなコーヒーが絶品である。



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