京都編(6) 浜大津→京都市(祇園畑中) 37.1km
滋賀大津市は、木曽義仲が討ち死にした所であり、その地に義仲寺がある。
前回行きそびれたので、行ってみた。
猛々しい武将という義仲のイメージとは裏腹に、古色蒼然とした静かな寺である。
松尾芭蕉は義仲を好んでおり、この寺も訪れて句を詠んでいるけど、この寺と芭蕉の侘び寂びの精神はうまくマッチしていると思った。
滋賀県から京都への国道1号線は、ゆるやかな峠越えがあるのみの楽な道である。この道、通るのは初めてのはずだが、既視感を覚える。そして進むうち、ここは絶対に通ったはずと思ってきた。
そして、この建物が見えて、確かにここを通ったことを思い出した。
6年前、私はこの「月心寺」に来るために、滋賀からレンタカーで走ったのであった。
月心寺は、日本で最高級の精進料理が食べられることで有名な寺である。
この寺の精進料理を経験するには、10名以上人数がそろわないと予約が出来ないという、九州の人間にとってはハードな関門がある。それをなんとかするべく、福岡の有志が人数を集めて京都に遠征したさい、それに私が便乗して、訪れたのであった。
ちなみに精進料理ってノンアルコールだろうから車で来たのであったが、「般若湯」なるアルコールも出ることを来て知り、しまったと思った記憶がある。
精進料理そのものについてはさして記憶に残っていないが、料理よりも、個性的な庵主さんのほうが圧倒的に記憶に残っている。
あの時点で既に80歳を超えた御高齢の方であったが、まだ現役であろうか?
1号線から京都に入ったのちは、昼食をとりに行く。
京都の北野天満宮の前に妖怪ストリートという商店街がある。
商店街の店の前に、その店手製妖怪人形が置かれ、商店街にずらりと妖怪が並ぶ、る楽しい通りである。
そのなかに「いのうえ」という定食店が一軒。ここも妖怪が二匹が置かれ、そして妖怪提灯も下がられているが、この店の名物が「妖怪ラーメン」。
どこが「妖怪」かといえば、おどろおどろしい見た目である。
イカ墨たっぷりの黒いスープに、くちなしで染めた紫色の麺。黒いピータン、真っ赤なパブリカをまぶしたチャーシュ、と怪しさたっぷりのラーメンである。
味はというと、…ニラが少々きつくて、他はあっさり系なのにバランスが悪く思える。まあ、そのバランスの悪さも妖怪っぽいというところか。
なにはともあれ、話のネタにはなります。
本日の宿は、八坂神社傍の「祇園畑中」。
京都の観光地へ行くのに便利なところにある宿である。
料理の美味しいことでも有名。
祇園畑中は、いかにも京都の宿という感じの、じっくりと落ち着ける宿である。
大浴場もあるので、(大というか中だな)、風呂に入ったのち外の景色でも眺めながら部屋でくつろぐことにする。
京都の料理は若手の料理人のところなど、時代の先端を行く和食を出すぞという感じの、研ぎ澄まされた料理を出すところが多くなっているけど、旅館では中庸系のものが多い。
祇園畑中もその系統のもので、京料理の本流の、穏やかな感じの料理が続く。
料理、接遇、そして部屋も含め、落ち着ける宿である。
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