富山編(1)糸魚川→宇奈月→黒部市 74.4km
本日は県境を越え富山に入る。
新潟-富山の県境には、峻嶮なる北アルプスが日本海に落ち込む、「親不知」という古来より有名な難所がある。遭難者も多かったそうだ。
さすがに現在では道路事情もよくなっているから遭難はあり得ないが、経験上そういう所は自転車にはいまだ厳しいことが多いゆえ、気合いを入れて行こう。
国道8号線を走行中、妙な景色に遭遇。
この箇所では公孫樹が街路樹であり、葉は黄色に染まっていたのだが、そのせっかくの黄葉の時期に、ずらりと切り倒されている。
残っているのは、黄色い落ち葉と、それに切り株だけというなんともシュールな光景。
せめて銀杏の実が成ってから切ればいいのにとか思った。
やがて国道は海沿いになる。
日本海を眺めながらの走行だ。
今日はさほど風は強くないが、それでも日本海は荒波である。
波濤が岩礁に強くぶつかり白波を上げている。
北陸の海は冷たく、そして厳しい。
さて、そろそろ親不知が近付いてきた。
親不知は峠となっているので、ここからはずっと登り道である。
坂をひたすら登り、親不知に到着。
天嶮トンネルが峠となっている。
このトンネルは50年以上も前に開通した山岳トンネルであり、当然自転車のことなど考えては造られていないゆえ、ここを通るのは非常にDangerousである。
しかし、このトンネルは新道のバイパス部分ゆえ、旧道を行けばトンネルを通らずに済む。
そしてトンネル前の注意書きにも、「自転車・歩行者は旧道を使うように」と書いており、ありがたく旧道を使わせていただいた。
旧道は海岸沿いの険しい崖を削って無理やり道を通したような造りである。
昔はここを自動車が通っていたわけで、大変だったでしょうな。
しかし今は旧道は自動車通行禁止になっており、自転車・歩行者がゆったりと安全に通れる道となっている。そして景色は抜群によく、こんな素晴らしいところを自転車でさらりと通るのはもったいないので、自転車を押して風景を堪能しながら歩いていった。
親不知を過ぎ、海岸線に下っていくと、「ヒスイ海岸」という観光名所がある。
糸魚川の名物ヒスイの原石がこの海岸に転がっていることがあるとかのことで、砂浜には下を見ながら散策している人をちらほら見かけた。
私もしばしヒスイを探しながら歩いていたがそれらしきものは見当たらず。
看板に「波打ち際に見つかることが多い」と書いていたので、波打ち際まで行って探してみたが、時にやってくる大波のせいでびしょ濡れになる結果のみに終わってしまった。
国道8号線をずっと走っていき朝日町に入ると、澄んだ青空を背景に、後立山連峰がくっきりと見えた。
今日から本格的な寒波が訪れたせいで、高き山は冠雪していた。
白く輝く朝日岳に白馬岳、美しい。
季節は冬に近く、今日降った雪はそのまま根雪となりそうだ。
こういう美しい山々を見ると、その麓まで行きたくなる。
それで宇奈月温泉を通って、黒部渓谷まで登っていった。
紅葉の時期は外れていたが、冠雪した山がぐっと近付いて見える。
宇奈月温泉では、黒部渓谷の鉄橋を渡るトロッコ列車が名物。
しばし待っていたが、あいにく通らなかった。
ここは絶好の撮影スポットであり、紅葉の時期には、紅葉を背景にこの赤い橋を渡るトロッコ列車を撮ろうと、カメラマンが大勢集まるのだろうなあと思った。
黒部渓谷からは黒部川に沿って下り、黒部駅近くの民宿に宿泊。
この宿の夕食はホッケ一匹、トンカツ、アオリイカ一匹の刺身、というアバウトなもので、けっこうな量があり、全部食うと腹一杯となって疲れた。
民宿はこのパターンが多いな。
「ともかく量を出すぞ」という感じの。まあ、それはそれでいいのだが。
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