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May 20, 2011

寿司:銀座青空

 東京に行く用事があり、当然そこで食事をするわけだが、東京といえば江戸前鮨である。仕事が終わって夜に宮崎空港を発つと、午後10時前には浜松町にはたどり着く。この時間でもやっている東京の寿司店で、食べたいところといえば、まずは「青空」だ。
 駄目モトで当日予約をしてみると、あっさりと席が取れた。人気店がこれだと、まだ震災・原発事故の余韻で、銀座は閑散としているのかなあと思ったが、…元々午後10時以後は予約の取りやすい時間だそうだ。

【銀座青空】
1

 青空は次郎系統の寿司店であるが、ネタを切ったものがそのままツマミとして出てくる師匠たちの店と異なり、様々な工夫をこらしたツマミが出てくる。
 炙りアラのポン酢和え、アワビのしゃぶしゃぶの肝和え、イサキの焼き物、ノドグロの焼き物、カツオの燻し、それに雲丹二種類、マコガレイ、トリガイなどなど。
 どれも素材の良さと仕事の良さが秀逸。酒が無限に飲めるがごとき、酒の最良の友のごとき、素晴らしいツマミの数々が供される。
 この尋常でなきツマミの美味さが、まずは銀座青空の特徴である。
 これは、師匠の店「次郎」では、せっかくすごいネタがあるのだから、これをもう少し弄って酒のツマミに出してくれないかなあと、そこはかとなく思いつつ、とてもそういうことは言い出せる雰囲気ではなかった、酒飲みの客の欲求不満を、青空氏が察知して、自分の店ではそれを改革したのでは、などとも思ってしまった。

【イサキ炙り】
4

 ツマミの一点、「関イサキの炙り」。
 豊後水道の関サバ・関アジが有名なところでは、関イサキというイサキも獲れるそうで、これは脂の乗りと、身の上品な香りが、並みのイサキとは異なる次元のものであった。
 さすが、と思わずうなってしまう上物。


 もっともツマミはたしかに素晴らしく美味いのだが、当たり前のことながら、銀座青空は、超一級の鮨を出す店である。
 ネタは当然、すべてその時期に獲れる最良のものが用意されており、それが良い加減の仕事をされており、なんともやわらかで、これが丁度よいという具合に、〆られ、寝かされている。そこにこれも強さは控えめだが、それでもしみじみと美味さの広がるシャリが合わされ、じつにバランスのよい、華やかで、やさしい鮨となって、ツケ台に出てくることになる。そしてその鮨の形が、じつに美しい。鮨の見本といっていいくらに美しい。

 私は前に青空に来たときは、師匠筋の「水谷」や「次郎」の、あの緊張感あふれる完成度の高い鮨とは異なる青空の鮨に、まだ師匠たちのレベルには達していないな、まだまだ甘いなどと思ったのだが、それは大きな間違いであって、すでに独自の鮨の道に進んでいたわけだ。
 今回そのことを知り、己の不覚ぶりに反省しきりであった。まあ、反省したって、なにがどうなるわけでもないのだが。

【大トロ】
2

 いいマグロを仕入れ、適切な時期を選んでまな板に乗せ、上手く包丁を入れ、鮨を握る。その大変な過程を経て、口に入れると至福を感じる鮨が出来上がる。

【車海老】
3

 師匠筋の、人をあんぐりとさせるような、圧倒的な車海老は青空では出てこないが、こちらのサイズのほうが、鮨としてはバランス良いと思える。
 茹で立ての、香り高くて、ほんのり甘い海老は、ただただ美味い。

 穴子、厚焼き玉子に、カンピョウ巻を頼んで、〆となる。
 いやはや、すべてが間然なき、見事な鮨であった。


 店主は修行歴は長いが、まだ30代の若さ。
 今の寿司界の本道を行く、頼もしき若者である。
 これからもまた進歩続けていく、青空の鮨が楽しみだ。

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Comments

青空、恐らく日本の鮨屋として十指に入ると思われます。こはだと玉とあなご食いたいな。。。

Posted by: 天ちゃん | May 24, 2011 02:57 PM

一般的には10本の指に入るということになりましょうが、個人的には3本の指に入れてもいい感じです。そして鮨もよかったですけど、総合的な印象も素晴らしかったです。
あとは、「はしぐち」「四谷三谷」「すし匠斎藤」といったところに行ってみたいのですが、東京は「青空」だけでもういいか、とも思えてしまいました。

Posted by: 湯平 | May 24, 2011 05:16 PM

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