天麩羅なかがわ@築地
東京では天麩羅も食べてみたい。
昼は、宮崎の食通氏たちのあいだでも特に評判の高い築地の「天麩羅なかがわ」にて。
まずは海老2匹の天麩羅から。
カラリと揚がった海老は、芯まで熱が通っているのに、活き造りの食感も弾けて来る見事なレア加減。海老の旨さが最もよく出る揚げ方である。
そのあとの頭の部分は、また見事に揚げられており、サクサクとした心地よい歯ごたえで食すことができる。
最初から、店主の天麩羅の技術に脱帽。
こういうものを食べると、今まで食っていた天麩羅は何だったんだ、とカルチャーショックを受けるほどのもの。
キスはこれも表面カラリと揚げられ、中はホクホクした白身が衣から湧き出してくる。
メゴチは魚の身の旨さが熱で凝縮された、旨みのかたまりのようなもの。この魚はじつは刺身でも美味いのだが、天麩羅にするとさらに魅力が増す。
イカは調理されるものがずいぶんと分厚い。そして揚げると、ほんのり温かいイカは、ねっとりした柔らかい食感が残っている。イカの種類をたずねるとアオリイカで3.5kgのものとのこと。これほどのイカはそうは獲れないと思えるが、やはり入手は大変とのこと。でもこの天麩羅にはこのアオリイカが必要と納得させてくれる、そういう見事なものであった。
野菜の天麩羅も、またそれぞれの旨さを揚げることによりさらに高めるものである。
天麩羅のスター、穴子がまたすごかった。
揚げたての一本の穴子を、金箸で身を二つに切ると、ホコホコと湯気が上がり、いかにも旨さ炸裂という見た目となる。そして見た目とおりの、豊かにして、旨さ抜群の天麩羅。
〆の貝柱かき揚げは、天丼、天茶、御飯と選べるのだけど、さすがにこれだけ天麩羅をいっぱい食べると、〆はさらりとお茶でいきたい。
このかき揚げも、食感、旨み、すべてがよろしい。
天麩羅という料理はまずはネタが大事ということで、地方では、そのネタのいいのが寿司店のほうに行ってしまうので、なかなか地方では天麩羅の良店が育たないという説がある。たしかに本場で食べた名店の天麩羅は、天麩羅とは実はかくなる料理なのだと思い知る、そういうものであった。
なかがわの店主も、青空店主と同様に30代の若者。昨日青空に行ったときに翌日は「なかがわ」に行きますと言ったところ、仲がいいのでよろしくお伝えくださいとのことであった。業種は違えど、互いに切磋琢磨しあう仲であり、このようにして若い力たちで、東京の食の世界はこれからも進歩していくのであろう。
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