祖母山、アケボノツツジの宴
同じようなことばかり書いているようだが、宮崎県北の5月はアケボノツツジの季節である。
祖母山はちょうど今頃がアケボノツツジがピークを迎えているという情報であり、天気もいいことから、陽の光をたっぷり浴びて輝くアケボノツツジの姿を期待して、祖母山へと出かけた。
尾平登山口から見る祖母山の山並みの姿は、いつ見ても絶景である。
あのギザギザした稜線を、あと2時間もすれば歩くことになる。
黒金尾根を登って行くうち、最初の花は、アケボノツツジではなく、シャクナゲがお迎え。
シャクナゲも、また華やかな花である。
黒金尾根を登りつめ、稜線に出ると、5月ではいつもこのアケボノツツジが登山者を迎えてくれる。
このアケボノツツジを見ると、ああ、5月の祖母山に登ったんだなあと思います。
稜線を祖母山に向かって歩くうち、南側の眺望で最も目立つのが、この大きな突兀たる一本岩、スズコヤ岩塔である。アケノツツジは岩肌を好む樹みたいで、こういう岩場によく生えており、スズコヤ岩塔の周りにもアケボノツツジが咲き乱れ、いい風景となっている。
尾根にシャクナゲが咲いていたので、1600mの標識から入ったところにある、シャクナゲの群生地「シャクナゲ公園」はどうなっているのだろうと思い、寄ってみたが、蕾が数個あるのみであった。
やはりシャクナゲはアケボノツツジが終わってからだな。
交通の不便なところにある祖母山であるが、アケボノツツジの季節は、大崩山同様、登山者が多く訪れる。
本日も山頂は人でにぎわっていた。
山頂を過ぎ、アケノボツツジを通して、振り返ってみる祖母山の姿。
こちらはアケボノツツジとともに見る傾山の姿。左奥に見える秀麗な山が傾山である。右手に見える土肌は、尾平鉱山跡である。
宮原尾根を降りていくと、やがて渓流に出て、ここでほぼ登山は終了。
近頃の雨不足が如実に影響しており、私が経験するうち、最も少ない水量であった。
稜線、そして稜線の岩峰群に咲くアケボノツツジは、なぜこんなところにこんな美しい花が咲いているのだろうと思ってしまう、ある意味、無駄の極致と言えるくらいの存在である。でも、だからこそ、その姿はより美しく、貴重に思え、そういうわけで、こんな不便なところでも、人々は惹かれ、集まってくる。
私も、もう30年近く、アケボノツツジをこの時期の楽しみとしている。
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