ツール・ド・国東2011 Aコース
5月3日、ツール・ド・国東(以下TD国東)開催の日である。
天気予報では曇りのち雨とのことで、あまりよろしくないコンディションである。外を見ると、やはり曇っている。
曇ってはいるが、この曇り方、やけに濃いい曇り方であり、あきらかに黄砂が大量に飛来してきている。
ますますもってよろしくないコンディションである。
TD国東は九州最大のサイクルイベントであり、参加者が非常に多く、全コースに3000人近くが参加している。私の出場するAコースはなかでも人気が高く、1400人弱が参加しており、スタート会場は人・人・人である。
TD国東にはりんりん館チームと延岡チームから参加者が来ているはずだが、これだけ人がいると、誰が誰やら分かるはずもなかった。
Aコースは最初からアップダウンに富んだコースであり、登っては下り、登っては下りを繰り返していくうち、だんだんと高度を上げていく。
その最初の大きな峠が安岐ダムであり、ここの道はダム湖を眺めながらの、広々とした道である。この峠を越えて、それからもう一つチチャノ木峠を越えると、いったんは長い下りとなる。
チシャノキ峠からずっと下っていって、第3エイドステーションの都甲中学校に着く。今までのESは補給食が貧弱であったが、ここは豊富であった。
バナナ、チクワ、鶏の唐揚げ、漬物、梅干し、飴玉、もち吉のお菓子、などなど。とくに人気は鶏の唐揚げで、どんどんとなくなっていった。
係の人によると、ここから激しい坂が始まるので、ここでしっかりと英気をたくわえて、それから出発すべしとのこと。
山あり、湖あり、海ありの変化に富んだAコースであるけど、眺めはこのあたりが一番よかった。山水画に出てきそうな、奇岩、奇石が渓流の向かいに聳え立っている。
画面の左のほうに見える岩と岩には、「無明橋」という有名な橋がかけられている。高度抜群のキレットにかけられた柵のない橋であり、高所恐怖症の人には絶対に渡れないという橋だ。
橋の部分を拡大すると、このようなアーチ型の石橋である。
人が橋の手前に2人いることまで写っていた。
この峠を越えてしばらくすると、山道みたいな細い道路に誘導され、登りに入る。その登りの先には200m以上登らねばならない大きな坂が見え、気合の入るところである。
ところが、その坂に行く前に、突然左側の枝道に案内され、そこも激坂ではあったのだが、200mくらい走ったところで登りきってしまった。なんだか拍子抜けしてしまった。
コースとしてはあの坂を登り切ったほうが面白いに決まっているのだが、あとで地図を見ると、その坂を登り切るとBコースと合流してしまうので、それを避けるためのコース設定らしかった。
坂の上、無動寺からは長い道をひたすら下っていく。
そしてようやく海岸線へと出た。ここからはずっとフラットな道と思ったが、けっこうアップダウンが多く、楽はさせてくれなかった。
90km走ったところで昼食会場の粟島神社へ到着。着いたのは13時15分で、ほぼ4時間かけてたどり着いたわけだ。このペースなら、完走は問題なさそうである。
昼食は、名物の「タコ焼き」。それに豚汁、お握り、パン、鶏の唐揚げ、イチゴ、など。他にもいろいろあったが、とりあえずこれくらい。
この昼食、やたらに味つけが濃く、あとで走っていて胸やけがして参ってしまった。食事の選択に問題があったと反省。
昼食をとったあと、会場内を知ってる人はいないかなと、ぶらぶらと歩いていると、予想もしていなかった、大学の同級生と、それに以前の職場で一緒だった者とに会った。
こんな遠い地で、とも思ったが、それだけTD国東が九州中から人が集まる有名イベントということである。
あんまりのんびりしていて時間以内に戻れないのもなんだから、14時前に出発することにする。
そうすると会場、昼飯を取るために並んでいる人がぎっしりいることに驚く。そうか、まだこんなに人が残っていたのか。
テーブルに置かれていた、すごい大量のタコ焼きに私はびっくりしていたのだが、これだけ人がいるとそりゃいるよな。なにしろ最低1400×2個いるわけだから。
海岸線を走るうちに、予報通り雨が降って来た。
風邪をひいていて体調がやや不良であったこともあり、本降りになったらリタイヤも考えていたのだが、ゴールまではなんとか小降りのままであり、助かった。
海岸線のそれなりにアップダウンのあるコースを走るうち、スチールフレームでシングルギアの白い商用車に抜かれてしまった。ロードバイクがそのようなものに抜かれるのもみっともない話なので、追い抜き返したが、なんと登り坂で、激しいダンシングで登るその自転車にまた抜かれてしまった。
すごい脚力だよなあ。こういう人が普通のロードに乗ったら、どれだけ速いことであろうか。この人、ぜったい有名な人だと思う。
雨降るなか走るうち、最後のESに到着。
ここで雨合羽をつけようかどうかと思ったが、多くの人はウィンドブレーカー装着で走っていたで、私もそれにしておいた。
TD国東は海岸線に出て213号線に入ってからは、車の交通量が多くなり、自転車にとっては走りにくくなる。
大分空港近くでは歩道に誘導され、しばらくは歩道をゆっくりと走ることになる。ここらでCコースとも合流。チャイルドシートに子供を乗せたファミリー連れなども走っていて、ほほえましい光景である。
145kmの時点で、「心にのこるゴールまで5km」という看板が出ていた。
Aコースは実質156kmという話を聞いていたので、計算があわないなと思ったが、150kmの地点でほんとにゴールの門が出現した。ここをくぐると、カボスジュースが手渡しでもらえる。
とりあえず7時間10分にて到着。実走時間は5時間55分で、平均時速は25.3kmといういたって平凡なタイム。ま、いつもと同様の速度であり、進歩はしていないが、退歩もしていないというところ。
Aコースの〆切り時間は8時間なので、あと40分もすれば閉鎖ということになるのだが、はたしてそれどうするのだろう。門を撤去? それともポールかロープで通せんぼ?
少々の興味を持ち、それまで待っていようかなとも思ったが、雨がいよいよ本降りになってきたため、さっさとスタート会場に戻ることにした。
このあとスタート会場まで6kmの道を自走することになり、これを足して、156kmというAコースの本来の距離になった。
TD国東、さすがに全国的に有名な大会だけあり、コースは変化に富んでいて面白いものであった。そして要所要所の誘導もしっかりしており、走りやすい環境も整えられていた。
そして一番感心したのが、国道213号線。あれだけ交通量の多い道であり、そこに大量の自転車が入りこむわけだから、車のほうも非常に通りにくそうにしていたのだが、それでも特にトラブルなく大会が行われている。これは、現地の人たちの理解と協力がしっかりしているからなんだろうな。
宮崎には、大分以上に魅力に富んだ道がたくさんあるのだから、いずれはこういうふうな大きな大会が開かれればよいのに、などとも思った。
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Comments
国東、お疲れ様でした。
あます事無くツールの魅力が満載ですね!
そうですね 宮崎県北 いい道が多いですよね
ETOランドの登りなんてきつくて最高です。
Posted by: キヨシ | May 07, 2011 05:24 AM
無事完走、お目出度うございます。
雨がなければもっと良かったんでしょうが
最短リタイアの私より楽しめたことでしょう(笑)
Posted by: itijouji1969 | May 07, 2011 12:16 PM
>キヨシさん
TD国東、変化に富んでいて面白いコースだったのですが、問題は213号線でしたね。宮崎の国道10号線なみの交通量ある道路を、大量の自転車走らせるわけですから、いろいろと、走るほうも関係者もたいへんだったみたいです。
宮崎は、はるかに自動車の少ないところですので、こちらでこそ大イベントをやってほしいなあと思います。それこそ、ETOランドを含めた六峰街道なんて、山岳サイクルイベントのためにあるような道路に思えますし
Posted by: 湯平 | May 07, 2011 11:50 PM
>itijouji1969さん
itijouji1969さんのブログ読むと、S原さんも参加していたようですね。ものすごく目立つバイクのはずですが、見つけきりませんでした。
S原さんに遥かに及ばないタイムでありましたが、それなりに楽しく走れました。
じつは延岡チームはサイクルショップのサポートカーも走っていたので、知らせてくれれば修理もなんとかなったかなあと思ったのですが、リアディレーラーじゃ厳しかったですね。
カンパのコンポは、どうも私は信用してなく、今度新しいバイクを買うときには、コンポはシマノの電デュラにしようかなと思ってます。
Posted by: 湯平 | May 07, 2011 11:52 PM
はじめまして。
福岡在住ですが、延岡出身のtakです。
実家の延岡にはたまに自転車持ち帰って乗るので、ここのブログは参考にさせてもらってます。
ツールド国東、私も出たのですが、都甲中のところに自分が写っていて、ちょっとびっくりでした。
Posted by: tak | June 12, 2011 09:50 PM
>takさん
都甲中のところに写っていたということは、私と同じようなペースで走っていたようですね。
県北は魅力的なサイクリングコースがたくさんあるので、これからも紹介していきたいと思っております。
Posted by: 湯平 | June 14, 2011 12:03 AM