春の安春計
最初は造り3品から。シャコに、鯛に、赤身。
素材の良さに、切りつけのうまさ。まさに旬を切る料理である。
肴は、造りに、ノレソレ、鯛の白子、耳イカ、アワビ、味噌椀、諸味雲丹。
今回の新作は筍と若芽と土筆の味噌椀。春爛漫といった感じの具に、味噌と鯛と昆布で整えた豊潤にして繊細な味付けがうまくマッチングしている。
これも新作の一種か。今までは甘みたっぷりの大根スティックに諸味雲丹を合わせたものだったけど、今回は平たく切った大根。
なんでもスティックより平たく切ったもののほうが諸味雲丹がよく乗るからと客から指摘され、それもいいかと切り替えてみたとのこと。ま、これのほうが大根の味はよく分かるが、酒のツマミとしてはスティックのほうがよいような。
鮨のうちのいくつか。
鯵は玄界灘のもの。まだ脂は軽めだけど、それでもこの柔らかで旨みたっぷりの味はやはり玄海灘のものである。
鮪は今は油津のものがよいとのこと。
若めの鮪は、爽やかでかろやかな食感が特徴的。
赤貝は東北のものが入手困難になってしまったため、九州は豊後湾からのもの。
それでも十分に肉厚で、噛みしめると海そのものの味が迫ってくる。
雲丹はまだ旨みの乗り始めのころなので、シャリにたっぷり載せて、いつもよりタワーが高め。崩れぬように小椀に乗せているのも新機軸のようである。
定番の穴子でしめて、追加で赤貝紐巻きをもらった。
春は鯛と貝が旬だそうで、たしかにそれらも美味かったが、他のネタもまた十分に旨みの利いたシャリとのバランスがよく、安春計の鮨を堪能することができた。
店主は震災後10日ほどして築地に仕入れに行ったのだが、あまりの閑散ぶりに驚いたそうである。震災の影響はまだまだ深刻なようだけど、それにもかかわらず美味い魚は日本中泳いでいて、そして美味い鮨もある。
九州はまだよいとして、関東は大変なようだが、それでも美味い鮨文化はずっと継承していってもらいたいと、鮨好きの一員としてそう思う。
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Comments
つい、数日前 こちらに とても素敵な和食の店が オープンしました。ちょっと おすすめでした。
Posted by: ホワイトアスパラガス | April 13, 2011 07:08 PM
都城の和食といえば、「つか野」「魚会」「いちよし」というところに行ってましたが、その「素敵な和食の店」気になりますねえ。
今度宮崎市組とツアーを組んでみましょうか。
…ついでにいえば、都城を離れてから、「都城の店」で思い出して食いたくなる店といえば、なぜか都城駅近くの「じゃんぐる」のおでんなんですよねえ。
あのおでんは他にない独特のものでした。
Posted by: 管理人 | April 13, 2011 11:29 PM