九州新幹線の宮崎への贈り物
【祝!九州新幹線全線開CM180秒】
3月12日に九州新幹線博多~鹿児島ルートが開通して、鹿児島から北九州までがつながった。それを祝福してのCMがこれであり、見ていて、これから素晴らしいこと、愉しいことが始まるんだ! というわくわくした予感が沸き起こってくる、名CMだと思う。
ただし、「ひとつになってくれてありがとう、一つになった九州に新しい力が生まれています」とのナレーションに、「いや、宮崎一つになってないんですけど」という突っ込みを入れた宮崎県民はけっこういると思う。
じっさい九州新幹線が開通して、宮崎の陸の孤島ぶりは際立ったものとなってしまった。他県の博多への時間が2時間以内におさまったのに比べ、宮崎市から博多はJR特急で5時間15分、高速バスで4時間10分。新幹線を無理やり使おうとしても、最寄りの新八代駅まで車で2時間以上はかかり、いやしくも県庁所在地ともあろうものが、新幹線のローカル駅まで2時間というのもなさけない話だ。
九州新幹線が小倉から、あるいは鹿児島から宮崎へ伸びて来る計画はまったくなく、21世紀を過ぎても九州は一つにはなりそうにない。
いっそ宮崎は九州から独立してやろうかしらん、などと、宮崎県民としては拗ねてしまいたくもなり、九州新幹線開通騒ぎは宮崎には縁のないものと思っていた。
しかし、先日日豊本線の特急に乗ったとき、「あれ?」と思った。客室は広々として、シートの具合もよく、アメニティがレベルアップしている。そしてその客室はどうも見覚えがあり、鹿児島本線を走っていた「リレーつばめ」にしか思えない。検札に来た車掌さんに聞いてみると、その通りであった。
すなわち鹿児島本線を走っていた787系リレーつばめは新幹線開通とともにお役御免となり、はるばる宮崎までやってきて余生を過ごしているのである。
そして787系は、以前走っていた485系RED EXPRESSと比べ、乗り心地もいいし、それになんといっても客室中央に大きなLaggage Ruckがある。これがあると、大きな荷物があっても容易にそこに置くことができる。自転車積んでの輪行の場合、今までの485系では最後列の座席の後ろにしか輪行袋を置く場所がなかったのに比べ、これは大いなる利点だ。
そういうわけで、宮崎県民で大きな荷物を列車に積む人、とくに自転車乗りにとっては、素晴らしき贈り物をくれた九州新幹線開通であった。
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