馬見原で宴会
五ヶ瀬スキー場は五ヶ瀬町にあるので「五ヶ瀬スキー場」という名前になっているけど、地理的には馬見原(蘇陽)にあると考えたほうが分かりやすい。
馬見原は地図を見て分かる通り、阿蘇→椎葉と熊本→延岡の二つのルートが交差する交通の要所であり、かつては商人達がここに泊まり、栄えていた時代があった。
現代では交通の便が良くなって、中九州横断の熊本→延岡は2時間半で通れるようになり、馬見原で一泊する必要もなくなったことから、…そうとうに寂れてしまっていて、ここは典型的な過疎地となっている。
その過疎地に、私の勤める会社の支店がかつてあって、私も勤務した経験がある。その後本社は職員を引き上げてしまい、私らとは縁のない地域になっていたのだが、それでも地元の職員たちはいまだここで過ごしているわけである。
その人たちと、それからかつて勤務していた人たちとで、ひさしぶりに会おうかとのことで、宴会をすることになった。
場所は県境近い「五郷」という居酒屋。
店が3軒ほどある以外、周囲には半径2kmくらい、人家さえ見当たらないという、本格的な過疎の地である。
出てくる料理は地元風のものかと思いきや、猪肉以外は、「チキン南蛮」「刺身盛合わせ」「地鶏モモ焼き」等、宮崎の普通の居酒屋メニューであった。
以前この界隈に勤めていたころ、猪鍋、鹿肉刺身、ハチの子、山菜等々、珍しくも過激な地料理を食わせられた記憶があるが、…まあ、べつにそういうものを食いたいわけではなかったので、これはこれでいいか。
五郷のあとは、近くのカラオケスナックで二次会をやり、そして馬見原の宿へと戻った。
地元の人たちとは10年ぶりくらいに会い、この地域での仕事ぶり、生活ぶりを聞いたけど、こういう過疎の地で、懸命に地方を支えている人たちの努力には、素直に感銘を受けた。
泊まったところは、馬見原の中心地の旅館「丸萬会館」。居酒屋「夢屋」の二階にあたる。
ここは馬見原が栄えていたころから現役の旅館であり、なんと築120年の三階立て木造建築である。そうとうに由緒ある旅館であり、そうなるとこの部屋のつくりも、微妙にノスタルジックな味を感じる。
さて、「馬見原」という地名。ここが交通の要所であることから、荷物を積んだ馬がさかんに通っていたことから名付けられたらしい。
ただし地元民に言わせれば、それは違うそうです。その説によれば、
…馬見原は阿蘇外輪山の続きに位置する高原であり、少し小高いところに登れば、阿蘇山を望むことができる。だから馬見原という地名は、阿蘇を見ることができる原だからそう名付けられた。ただし阿蘇が何故「馬」かといえば、阿蘇はかつて馬付きの名前で呼ばれたことがあった。すなわち、阿蘇こそかの「邪馬台国」であり、馬見原は「邪馬台国を見ることのできる原」だからその名前である。つまり、馬見原は邪馬台国の本当の位置をも知らせるすごい地名だと。
阿蘇=邪馬台国という説はあることはあるので、たしかにそれなりの説得力のある、そしてロマンに満ちた地名説だなあ、とは思ったが、さて真相はいかに。
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