冬の光洋
寒いときには魚には脂がのる。脂ののった魚を食べて、すこしは暖かい気分になろうかと光洋に行ってみた。
ブリの腹身。脂のりまくりのブリであるが、これほど脂がのっているのに、まったくしつこくなく、その脂の純粋な旨みを愉しめるのは、素材がいいのと手当がいいからであろう。
これも抜群の素材のヒラマサ。じっくりと熟成させて、私はヒラマサ以外のなにものでもありませんとばかり、ヒラマサ独自の味を凝集させている。
青物は味の区別がつきにくいところがあるが、ここまで手を加えてくれれば、ヒラマサの個性がよくわかる。
鯛の煮ものは、これは魚の主役「鯛」をそのままストレートに、美味さを押し出したもの。いわゆる王道モノである。
こういう焼物、煮物、光洋はめきめきと腕をあげていると思う。
肴のあとは、鮨を楽しもう。
コハダはいつも通りの形の良さと、仕込みの上手さ。
シャリは一時期の「まんまる、ころころ、なかはこりこり」という主張の強いものから、「ふんわり、ふにゃふにゃ」というネタの引き立て役的な方向に変換している。
いつもながら試行錯誤に懸命な店主であるが、これはこれで、また美味いものである。
本日は、隣は常連W氏であった。
W氏は4月から福岡の大学に行く息子さんと一緒である。
食通の親を持つ人は、それだけで人生得している面があるが、それに加えて、福岡は美味しい店がいっぱいのところであるから、これからの息子さんの食生活はさぞ豊かなものになると思われる。
そこで、私がひとつアドバイス。
若いうちは、ともかく食え。美味かろうが、不味かろうが、ともかく食うこと。
世の中には食うべきものがヤマほどあり、そのなかには必ず、自分にフィットするもの、一生食いたくなるものがあるはずだから。
じつは、食には体力がいる。40才を過ぎると、その「食の体力」がぐっと落ち、自分の好みのものしか食わなくなるようになってしまうから、その前にともかく、その「好みのもの」を見つけるべく、食って食いまくりましょう。
W氏の息子さんのみならず、私のブログをひょいと訪れた若い人たちへの、40過ぎた男の経験からの、絶対役に立つアドバイスであります。
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