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February 16, 2011

将棋:糸谷哲郎五段はあと5年もすれば天下をとるのでは?

 NHKの将棋トーナメントをみていたら、糸谷五段、強い強い。剛力、怪力、妖力、まさに半端ではない強さである。
 そしてその将棋の指し手、じつに華がある。常人では考え付かないような手が、次々に繰り出され、相手も何が何やら分からないうちに、形勢がどんどん開いてしまい、投了に追い込まれてしまう。
 将棋の発想や構想力がずば抜けているからそのような将棋が指せるのであろうが、その指し手はまさに将棋の才能の迸りが感じられる。

 このような面白い将棋をみるのは、若いころの谷川や羽生、それに名人に返り咲いたころの中原以来のような気がする。
 これは、将棋界久々の大器の出現では。

 ところで囲碁界では大器は複数ずつ出て来ることが多いが(木谷+呉,藤沢+坂田,林+大竹+石田,趙+小林+加藤+武宮,とかとか)、将棋界では一人ずつというのが今までのパターンである。
 それはなぜかといえば、将棋というゲームは「才能」が強さの殆どを占めており、そして極度に優れた才能というのは、せいぜい10~20年に一度くらいしか出てこないからだそうだ。

 将棋界で一番筆が立ち、将棋界の広報部長のような存在であった河口俊彦氏は、「将棋というものは才能が全てであり、凡才,秀才がいくら努力をしたところで天下はとれない」と書いている。
 将棋界の第一人者は、中原誠→谷川浩司→羽生善治と10~20年ごとに交代している。彼らは将棋奨励会に入会した小中学生のとき、その時点で将来の名人と皆から嘱望され、そしてその通りに若くして第一人者の位置に登りつめた。彼ら以外にも強い者はけっこういたけど、その人たちは誰もそのような評価は受けず、そしてやはり第一人者にはなれなかった。すなわち将棋界は、年少時に入会した時点で、すでに将来が断定されしまうという、ある意味過酷で、またあまりに現実的世界なのである。
 ところで、羽生が鬼の強さで将棋界を席巻していたころ奨励会に入会したのが渡辺明である。彼も入会したとき直ちに次代の第一人者と目され、渡辺少年の活躍を聞いたかつての第一人者中原永世十段は、「羽生さんは、この子に倒されるんだね」と、なんだか嬉しそうに話した、という逸話を河口氏は記録している。

 現在の将棋界は、渡辺明の台頭により、20年続いた羽生時代の幕がおりるかどうかという時を迎えている。
 羽生も容易には第一人者の座を明け渡すわけにはいかないから、あと5年くらいは四つに組んで闘いあう過渡期となるであろう。

 ただここに突如、糸谷という突然変異的な怪物が現れた。
 将棋の才という点では、糸谷は羽生にも渡辺にもまったく劣っていないように思えるし、しかもまだ23歳という若さ。これからどんどん強さを増す時期である。
 羽生と渡辺が組んず解れず壮絶に闘って、両者が疲弊しているあいだに、いつのまにか実力最強になった糸谷が天下を取る、そういう図を私は予想している。


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 (参考)覇者の一手一局の将棋 一回の人生 (著)河口俊彦

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Comments

こんにちは。

>羽生と渡辺が組んず解れず壮絶に闘って、両者が疲弊しているあいだに、いつのまにか実力最強になった糸谷が天下を取る、そういう図を私は予想している。

私はそれはないと思います。糸谷タイプの棋士は天下を取れません。大山、中原、谷川、羽生らとタイプが全く違います。直線的な攻めだけで天下を取れるほど甘くはないと思います。糸谷が棋風を変えられるかどうか。。。
でも、今期のNHK杯は糸谷が優勝するかも知れませんね。では。

Posted by: つりきち | March 22, 2011 11:34 AM

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