雪の大崩山 その3
先週、先々週に引き続いての、雪の大崩山登山記である。
まさか3部作になるとは思ってもいなかったが、とりあえず今回で一区切りである。
相変わらず寒い日が続いているけど、先週訪れた寒波が1月のピークだったようで、徐々に気温は高くなってきている。それでも大崩山には雪は残っているであろうし、天気も良いことからまたも登ることにした。
今回こそ周回コースを完走してみたいが、雪山登山の場合、雪の量によって登山のスピートはまったく異なり、そのスピードによって完走の可否が決まる。そして、ワク塚コースは先週登って時間の計算が立つので、坊主尾根から登って、そのペースによって、周回するかどうかを決めることにした。
大崩山山荘前渡渉部からみる小積ダキと坊主尾根。
う~む、雪の量が少ないなあ。
祝子川を渡ってすぐのところ、沢の水は凍っていた。
それなりに気温は低いようである。
坊主尾根に取り付いてからは、登山道に雪がない。
先週のワク塚の尾根は、取りついてからずっと雪道だったのに、ずいぶんな違いである。坊主尾根はワク塚に比べ、一本南側にあるので、そのぶん雪が残りにくいのだろうなあ、と思ったが、…そうではないことがあとで分かった。
坊主岩周辺は危険個所が多く、雪が多かったり、岩が凍っていたりすると、かなりの難所になるのは予想され、本日の核心部かと予想していたが、まったくそういうことはなく、スムーズに登れた。
坊主尾根コースの名所、象岩トラバース。
ここも岩壁が凍っていたら大変だったはずだが、向うの日陰に雪が積もっている程度で、とくに問題はなかった。
稜線に出ると、さすがに登山道には雪が積もっている。
数日前に入山したらしい人の足跡が残っていて、この後はその足跡をたどっていくことにした。
りんどうの丘に近づくころは正規の登山道はいったん稜線から離れるはずだが、先行者の足跡は登山道を無視して強引に稜線上を進んでいる。
雪が積もっているので、どこを通ってもいいといえばいいのだろうし、目標とすべき小ピークはちゃんと見えているので、最短距離でピークを目指しているらしい、その足跡のあとをつけていくことにした。
…ただし、この足跡は、同時に左側にどうやら引き返してきたような足跡もあるのが気にはなった。
危惧通りに、足跡はこの雪だまりで進むのを諦めてUターンしていた。
腰ほどの高さのスズタケが埋っているくらいの雪の量である。
まあ強引に行けば行けぬこともなく、引き返すのも面倒なので、そのまま雪まみれになりながら進んでいった。
結局、雪のなかを泳ぐようにして登っていたのち、ショートカットコースみたいな形で登山道に合流。
それから、りんどうの丘前の水場の沢をトラバースする。
ここは昨年の同時期に来たときは、氷の沢となっており、とても普通に渡れるようなところではなかったが、本日は雪まみれで、かえって安全に渡ることができた。
このときはここを渡れず、安全なところまでおりて、それから登り返した。
りんどうの丘に到着。
ここからはワク塚群の大パノラマを一望することができる。
りんどうの丘から先には足跡はなかったが、ここまで快調なスピードで登れたので、本日はこのまま進んで周回コースを取り、ワク塚から下山することにした。
ワク塚の稜線に入り、上ワク塚はパスして、中ワク塚に向かう。
雪の量はやはり少なめで、雪がどっさり乗っているだろうと予想していた思案橋も、そのようなことはなかった。
中ワク塚の近くまで来ると、ここは雪が吹きだまっていて、梯子は下半分が雪に埋もれている。ピッケルを段にひっかけながら登り、ここで始めてピッケルが役に立った。
中ワク塚への入り口は中途半端な雪の積もり方で、かえって登り方が難しい。
先週は反対側からここまで来て、それ以上進むのを断念したのだが、あの時と比べてずいぶんと雪が減っている。
中ワク塚から下ワク塚にかけては高度感抜群で、眺めもよく、大崩山でいちばん楽しいところ。
先週ここはものすごく寒かったが、今日は気温はたぶん氷点下ではあるものの、それほどたいした寒さは感じなかった。
やはりこの稜線から眺める大崩山の景色は、絶景としかいいようがない。
袖ダキに到達すればワク塚の稜線は終了。
ここから眺めるワク塚群の姿は、大崩山のシンボルでもある。
ワク塚の尾根に入ると、しばらくして雪が消えてしまった。
坊主尾根を登ったときに、「坊主尾根って、雪のつかない尾根だなあ」と思ったのであるが、なんのことはない、本日は大崩山全体に雪が少なかったのである。
まあ、雪少なめといえど、稜線にはそれなりに雪はあったし、天気もよくて、快適な雪の大崩山を楽しめた。
先週は凍った岩と大量の雪に難儀し、大崩山との格闘というイメージでの登山であったが、今回は大崩山に遊ばせてもらったという感じである。
温暖化が進む現代において、今冬の降雪は異常事態といっていいほどのものであり、これだけの雪が大崩山に積もることは、滅多にないことと言ってよい。その貴重な雪の大崩山が存在しているときに、週末が続けて晴天なのは幸運であった。
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