御節料理@元旦 and 暁翠庵
平成23年度の元旦。
仲居さんが卓を整えたのち、席について御屠蘇を飲む。明けましておめでとうございますと新年を祝い、さあ御節料理を食おう。
紅白の蒲鉾、玉子焼き、鰤、鴨肉、柚子練り、百合の根、昆布巻き、鮭、等々。色どり豊かで、じつに華やかな御節である。
私の経験では、料理旅館では御節は意外と家庭料理的なシンプルなものが出ることが多く、俵屋のような料亭風御節は珍しい部類に入る。そしていずれの品も、手間暇かけた、和の技術の粋のようなものばかり。
俵屋定番、鯛の尾頭つき。
とても立派な鯛である。松の葉、竹箸の青さとの対比もまたよろしい。
これを見ると、「俵屋の正月だなあ~」と思います。
雑煮は白味噌仕立ての京風で。
澄んだ、上品な甘さが特徴的である。
御節料理というのは、最強の酒の肴なのでもあり、これらを肴に朝からビールに酒にと酒三昧。極楽気分である。
さて、部屋のことも書いておこう。
「暁翠庵」は完璧である。
部屋全体はけっこう複雑なつくりとなっており、和と洋、旧と新、鋭さと柔らかさが、混在して同居している。そして、それらは全体として絶妙なバランスをとりながら、一体となって「暁翠庵」という魅力ある独自の世界をつくっている。
この部屋に居て、私は「ああ、これが京都というものなのだなあ」とも思った。
京都とはべつだん古いものをそのまま保存してきた街ではない。それどころか、率先して新しいものを取り入れ、古いものに手を加えながら、リフォームを続けて来た、常に新鮮な街なのである。そうでなければ、ここまでの観光都市にはなれない。
その新鮮な街京都の一番よいところを、抽出したような旅館が俵屋に思えた。
先にも書いたが、「暁翠庵」は複雑なつくりになっており、とても写真でその全体像など写せないので、3枚ほどのみ紹介。
主部屋。窓の外には真っ直ぐな竹が植えられ、凛とした庭の景色が楽しめる。
庭はL字型になっていて、こちらの方向では広くなる。
先の一幅の絵のような庭とは異なり、枯山水的な奥行きのある庭。
紅葉は散っていて、雪溶けのあとの水に沈んでいて、これはこれで風情がある。
リビングの飾り棚には、このような(たぶん)縄文時代の土偶のたぐいが置かれている。モダンな形式のリビングに敢えて、このような古いものを置くことにより、時間的な広がりを与えているようだ。
俵屋の部屋はどれも素晴らしいと思うけど、「暁翠庵」はとくにオーナーの思い入れが深い、そういう部屋に感じられた。
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Comments
遅くなりましたが、明けましてお目出度うございます。
いいですねえ、京都の正月、しかも俵屋。
お節も実に旨そうで、見ていると目に毒だと気付きました(笑)
Posted by: itijouji1969 | January 08, 2011 05:04 PM
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
本年度のサイクリング大会は、アースライドからでしょうかねえ?
京都の正月は、日本中から人がやってきますから、非常に活気づいていて、独特の風情があります。
この活気をすこしばかり分けてもらって、本年度の活力の糧にしようかなあと毎年思っています。
Posted by: 管理人 | January 09, 2011 07:14 PM