ふじ木で、あらフルコース
奄美大島で獲れた23kgの巨大なアラが活きたまま、ふじ木に入ったとのことで、それをつぶして旨くなる日にフルコース料理を食べませんかとのお誘いがW氏よりあった。W氏は宮崎市のいろいろな店にいい素材が入ったときはまっさきに店から連絡が行き、そして当然それを率先して食うという、宮崎料理界のゴールキーパーであり、センターフォワードでもある人物ゆえ、(我ながらなんかよくわからん例えだな)、私もそのチームの一員としてアラ会に参加しようと思った。
ただその日は日曜であり、私は福岡に出て昼飯を食っている。福岡-宮崎間はけっこう遠くて時間がかかる。JRだと電車だけで5時間以上だ。夕方に戻るのは厳しそうなので、今回はパスしようかなと考えた。
だいたい23kgのアラをいくらなんでもW氏たちだけで食いつくすことは不可能であろう。私は日を改めて行き、一人鍋でもしようかなあなどとも思った。
ただし食に関してW氏は厳格な人であり、最も美味い部分は真っ先に食いつくしてしまうであろうから、私はそこの部分は食べられないことになってしまう。それもなんか口惜しい。
それでいろいろ調べた結果、14時10分の高速バスに乗れば、ふじ木には々尾午後6時半には着けることが判明。その時間をスタートにしてもらうことにし、私もアラの会に参加させてもらうことにした。
…しかしその日は福岡は国際マラソンの日であり、市内の交通状況はメチャクチャになっていて、結局私は30分以上遅れてしまったわい。失礼いたしました。
さて、アラのフルコース。
突き出しはアラの肝。よく水にさらして磯魚の臭さを抜いている。湯引きは皮に胃袋。
アラの椀は、アラを軽く素揚げにして、それに根菜、白髪ねぎ。
出汁は九州風の強めのもので、揚げたアラによくあっている。
この大きさでは刺身は大味になるとのことで、腹身を焼き霜で。それに造りでミズイカとウニとヨコワを合わせて。
アラは、やっぱり鍋。しかも頭のいちばん美味しいパーツをぞっそりと盛って。
ゼラチンたっぷりの、ふるふる、もちもちした食感がたまりません。
身も上品な脂がのりのりで、口のなかに旨みがひろがります。
いやはや、これを食うためだけでも、あわてて福岡から戻った甲斐があった。
鍋のあとは、やっぱり雑炊。
アラの出汁がしっかりとしみ渡った雑炊は、ただただ美味く、これを肴にしてしつこく酒を飲んでしまった。
本日はアラ以外の客の〆の料理はこのカラスミのお茶漬だったそうで、これも自慢の一品なので、よければどうぞと出てきた。
たしかにカラスミの塩味と旨みがほどよく利いて、御飯のとても進む、絶品のお茶漬となっている。…さすがにこれは酒の肴とはならなかったが。
デザートは、食通社長氏が持ち込んだ芋を焼いたもの。たしか安納芋とかいう芋であり、糖度が高く、ねっとりとした食感が印象的な、これそのものが和菓子といっていいような面白い芋であった。
美味い料理に、美味い酒を楽しんだ。
ほろ酔い加減で店を出て駅へ向かえば、街路樹にイルミネーション。
もう12月なんだなあ。時の過ぎるのの早きことかな。
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