登山:秋の行縢山周回ルート
行縢山は正面からみると屏風のような形で単純な形態の山のように見えるけど、その屏風の奥はけっこう広くて、いくつも枝尾根を出している複雑なつくりの山なのである。
そういう複雑な形の山なので、登山ルートはいくつもあり、それを分かりやすく書いた地図が山のなかのところどころに貼っており、役に立つ。Web上にもその地図があり、それを参考に行縢山をぐるりと一周するルートで登山に行ってきた。
登山口である行縢神社から登ることして2つ目の橋が「滝見橋」であり、ここから有名な「行縢の滝」が見える。花崗岩の壁から一直線に高い高度を流れ落ちる、姿立派な滝である。
行縢山の最高点である雄岳は標高830m。南側に眺望が開けており、延岡市や日向灘が広々と見渡せる。
本日は好天であり、登山者も多く山頂はにぎわっていた。
雄岳山頂から少し往路を戻ったところに西尾根への分岐点がある。道はしっかりしており、わかりやすい。
分岐点からしばらく行くと北岳というピークに着く。位置的にはどう考えても「西岳」のはずなんだが、…「雄岳の北側のピーク」という意味なんだろうか?
ここはあんまり眺望はきかない。
北岳からは小さな峰のアップダウンを繰り返しながら、少しずつ高度を下げていく。そのなかの小ピークに、県民の森に行く、ショートカットのコースと、北尾根経由のコースの分岐点がある。北尾根経由のコースの入り口には、枯木が通せんぼのように置かれていて、もしかしたら通行禁止になっているのかもしれないが、「通行禁止」との標識があるわけでもないので、ここは北尾根コースに歩を進めることにする。
北尾根には「鬼の目展望所」という、北方向の山々を眺めることのできる絶好のビューポイントがある。しかし、そこへの入り口は北尾根コース入り口と同様に枯れ木が通せんぼをしており、これを乗り越えていかねばならない。
「鬼の目展望所」からは、大崩山山系がずらりと並ぶ姿を見ることができる。展望所の名前の通り、鬼の目山が聳えている姿を望むことができる。
登山道は山をぐるりと周回するようにはつけられてはおらず、この「火の用心」と書かれた杭のところで、県民の森方向へ南側に降りていくようになっている。
北東の尾根のほうは、すごい悪路になっているのであろうか。
…しかし、人の訪れること少なきこのルートで、標識もテープもずいぶんと古めかしいものばかりであったのに、この「火の用心」の杭だけは、妙にツヤツヤと新しいものであり、不思議な印象を受けた。
なお、北尾根から県民の森にかけての登山道は、人が通っている気配は乏しく、かなり荒れている道である。草や木が生い茂って道が分かりにくくなっているところがいくつもあり、標識や赤テープを見失わないように注意しないと、容易に道に迷いそうだ。
初級者が一人で来たりすると、面倒なことになりかねないルートである。山を知らない人は、「そんな初級者がこんなところに来るもんか」と思うであろうが、初級者のほうが勇気があるので、難しい道でも勢いで行ってしまいがちなのである。げんに私だって、初級者時代のほうが変な道ばかり好んで行っていた。
沢に降りると道もようやく分かりやすくなる。先のショートカットコースからの下り道と合流してしばらくすると、県民の森の休憩小屋が現れる。
樹々が少しばかり紅葉していた。
雌岳へはこの標識のあるところで東方向に入っていく。ここからの道もけっこう荒れているが、赤テープをしっかりと見つけながら登って行きましょう。
尾根に入って進むうち、雌岳と行縢の滝方向への分岐に着く。雌岳から先は下山のルートはないので、下山するときはここまで引き返さないといけない。下山方向へは、方向を書いた標識がないので、いちおう注意が必要である。
雌岳頂上は標高809m。展望はまったくきかず、ただ「登りました」というだけの山頂である。
ただし、雌岳は登山口にいたる尾根からの眺めがいいので、じゅうぶんに登る価値のある山だ。
その尾根からの眺めでは、この行縢の滝を見下ろせるところが、最高のビューポイントであろう。
紅葉はあと1~2週間後くらいが盛りであろうが、それでも緑の樹々と、それに紅葉、花崗岩の絶壁、白い滝が織りなす風景は、これこそ登山者しか味わうことのできない、素晴らしいものである。
眺め、道、渓流と、いろいろな変化に富んだ楽しいルートであった。
市中心地からすぐのところにこういう山があるのは、ありがたいことである。
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