10月の鮎@由貴亭
10月といえば鮎はもう落ち始めた季節であり、友釣りで鮎を獲っている由貴亭では、鮎はメニューから外れただろうなあとか思いながら由貴亭に行くと、たしかにメニュー表には鮎は載っていないが、本日はなぜか鮎はあるとのこと。
今の時期の鮎は腹に卵をもっているので性格が穏やかになり、他の鮎が自分の縄張りに入っても攻撃しないので、友釣りというものが成りたたなくなっており、店主も当然釣りには出かけない。
しかし本日はたまたま鮎好きの客が、日之影町の見立川まで行って、網で鮎を獲ってきて、それを店に持ってきたとのこと。
私もその相伴にあずかり、まん丸に太った鮎を食べさせていただいた。
この鮎はやはり卵をかかえており、そちらに栄養を取られてしまっているようで、皮と身には鮎独自の香りと味わいが抜けてしまって、9月までの鮎とはべつものの食い物となっていた。
鮎の季節はたしかに終わりである。
もうしばらく経ち、卵がさらに大きくなり、身がパサパサになると、これはこれでシシャモの大きなものみたいな、独特の風情がある「落ち鮎」という料理になるのであるが、今の時期は、鮎から落ち鮎への端境期みたいなもので、どうにも中途半端なものになるみたい。
食べ物は季節をよく映す鏡みたいなものである。
10月の鮎を食いて、季節の推移をしみじみと感じるのであった。
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