和食:無量塔(そうかこれが秋なのか)
無量塔の料理は、季節ごとに「無量塔の夏」とか「無量塔の秋」とか名付けられて出てくるけど、今回は「さうか、これが秋なのか」との妙な名前。
たぶん、「暑くて暑くてしかたなくて今は夏とみな思ってるだろうけど、食べ物はもう秋の気配がしているんですよ」と教えてくれるような料理が出てくると思われる。
それでさっそく秋の味覚のサンマが出てくる。軽く燻製にして香りをつけ、それに黒豚も加わる。どれも味の豊かなものであるが、とりわけ添わせた野菜の味が豊かさが印象的。
椀物は、根菜を極細に切って水の流れに見立てている。この細さでも野菜のシャッキリ感はよく残っていて、食感がたいへんよろしい。
松茸の小片も入っていて、控えめながらも秋の香りが漂ってくる。
造りは以前のシンプルさとはずいぶん変わってきており、関アジ、シマアジ、ミズイカ、それらの食材は複雑に手を加えて調理されている。見た目もにぎやかで、なんというか「国際的」な、外国人にとくに受けのよさそうな料理に思えた。
鍋は鳥骨鶏と地の野菜で。
弾力ある地鶏の田舎風鍋もいいが、こういう滋味豊かな鶏鍋もなかなかよろしい。
鮎は塩焼きではなくて、味付けしたウルカを表面に塗って焼いたもの。
面白い香りと味となり、鮎料理の変化球技。
〆の和牛はいつもの定番のローストビーフではなくて、ステーキにて。
柔らかい肉質、おだやかな味つけのソースで、いかにも和食のステーキである。
後半の料理は、あんまり秋という感じはしなかったような気もするが、華やかで、変化に富んだ美味しい料理を楽しめました。
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Comments
無量塔の料理創作性が季節のたびに高まってるようですね。ただメインがいつも牛では。。冬はジビエとか別注でやってくれないかな~。。。
Posted by: 天ちゃん | September 07, 2010 11:41 PM
旅館料理というのは、割烹とか料亭と違って、料理そのものを目的に来る客は半分以下でしょうし、さらにジビエまで求める客は限られているでしょうから、ジビエ料理をアラカルトに入れるのは難しいような気もします。でも、木村料理長は引き出しの多い人ですから、しっかり予約を入れれば、案外ジビエ料理も可能な気もします。
…たしかに可能なら美味そうな料理が出てきそうなので、私も一回は問い合わせをしたい気になりました。あのへんは、鳥でも猪でも美味そうな食材はいくらでも手に入りそうですし。
ジビエ料理といえば、天ちゃん先生お勧めの「柳家」は、私も是非行きたいと思っております。
Posted by: 管理人 | September 08, 2010 12:59 AM