中秋の名月@延岡市愛宕山
本日は中秋の名月であるが、天気予報では夜は曇りとのことで、一年に一度の日なのに勿体ないことだとか思い、そのまま放っておいた。
ところが8時過ぎに外に出ると、夜空には雲は多いものの、ときおり満月が姿を見せ、そのときに澄みきった光を周囲に放っている。
延岡には愛宕山という夜景の名所があり、とくに月夜は、街の細々とした光のはるか上、日向灘に己の光を落しながら浩然と月が輝き、それはそれは絶品である。これは見に行かねばと、愛宕山へGo。
今夜は雲が多く、雲の合間から月を望むことで、中秋の月を愛でるという感じとなる。
しかし、雲がつくる窓から月が姿を覗かせる様は、月が雲を従えているようであり、月が己の美をさらに高めているようにも見える。
そしてまた雲の流れに月が在る姿は、雲が流れているというより、雲のなかで月が自在に動いているようで、それはたしかに月が舟を漕いでいるように思える。
奈良時代前の、月を詠んだ和歌に、
天の海に雲の波立ち月の舟星の林に漕ぎ隠る見ゆ
というものがある。
万葉集中の人麿歌集に収められた和歌で、いわゆる詠み人知らずに属するものだが、はるか昔の万葉の時代に、名も知らぬ人が、美しい月を見たときに感じたことが、今の世の私たちにも同様に伝わってくる。
万葉人が見た月と、私たちが見る月は、同じものであり、そして同じくとても美しい。
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