延岡愛宕山、満月の夜
8月25日は、月齢15で満月の日である。
夕刻、東の空にぽっかりとまん丸の満月が浮かんでいたので、これは愛宕山の展望台から見ると、日向灘に月の光を映した美しい満月の姿が見られるだろうなと思って、夜に愛宕山へと行ってみた。
夕方までは晴れ渡った空だったのだけど、夜になると刷毛で描いたような薄い雲が東の空を覆ってしまい、月はそこから透ける姿でしか見えない。
そうなると、月本体の姿もイマイチだし、なにより海に映る月の光が一本道にならない。月が夜空に浮かび、日向灘には、延岡まで一直線に月の光が映っている、そういう風景を期待していたのだが、ちょいと残念であった。
とはいえ月はやはり美しいし、月の光を受け止める静かな日向灘、延岡市の明かりの数々もまた味わい深い。月夜の愛宕山は、夜景の名所である。
26日の夕方は雨だったので、月など出ることも期待していなかったが、午後8時過ぎに外に出ると、…あれ、雨はやんで月が出ている。
そうなると昨日見られなかった、「日向灘に一本の筋を引いている月」を見られるかなと思って、またも行ってしまった愛宕山。
満月に近き月は、雨で洗い流された澄んだ空気を通して、さすがに冴えきった光を海に落としていた。ただ空には雲が残っていて、光はところどころ途切れ、海に一直線という月の光は望めなかった。
それでも暗き地で皓々と光る月は、その光を浴びたものに、新たな生命を吹き込むようで、明るい月の光のもと、いつもと違う光景を見せてくれた。
水のごとき怜悧な月の光に照らされたものたちは、例えば愛宕山から見える、建築物でも、電塔でも、送電線でも、岩でも、山々でも、昼とは全く違った表情、滑らかで、つややかな、そして生き生きとした姿をみせてくれる。
月は美しく、そして月に照らされたものも、また美しい。
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