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July 17, 2010

映画:プレデターズ

 知的生命体が文明を極限まで発達させたとき、どのような存在になるのだろうか? 生命体の存続にとっての重要項目、種の維持,食糧確保,健康管理,安全保障の確立などは容易に達成できているであろうから、…そうなると、ずいぶんと退屈な生活をその生命体は強いられそうだ。子孫は勝手に生まれ、食は満ち足りており、病気にはならず、身の危険もない。そういう日々においては、知的生命体は個としての生きることのモチベーションは低いものになりそうである。結局は彼らはなにもすることがなく、俗世とは離れた次元で、高度な思索にふける、仙人あるいは神のような存在になってしまいそうであり、じっさいにそのような知的生命体が登場するSF小説もある。

 宇宙人プレデターは、超高度な文明の持ち主である。恒星間宇宙飛行が可能な技術をもっているし、装備にしても光学迷彩服、プラズマガン、レーザー兵器等、非常に進歩した段階のものを用いている。
 ここまで極限に近く発達した文明を持っているのに、プレデターは、思索にふける雲の上の存在にはならず、己の命をかけて「強い異星人」と格闘をすることに最も生の価値をおく、ずいぶんと原初的かつ野性的な生きがいを持つ種族だ。

 プレデターシリーズ、今までの作品は「強いもの」を求めてプレデターが地球へやってくる話であったが、今回の映画で出てくるプレデターは、狩猟用の星を持っており、そこに地球や他の星から「強いもの」を問答無用に連れてきて、彼らとのバトルを楽しむことにしている。まあ、こちらのほうがプレデターにとって楽であり効率的ではある。

 さて今回プレデターの相手となる「選ばれし強いもの」の選択の基準は、なにやらいいかげんで、地球から運ばれて来たもの8名は、ベテラン軍人が大半なの分かるとして、それに「死刑囚」「日本のヤクザ」「医師」が含まれている。非武装の「死刑囚」や「ヤクザ」が重装備のプレデターの相手ができるはずもなく、またメス一本だけ持った「医師」が何の役に立つわけもなく、映画の前半から何やらギャグ映画の雰囲気が生じてしまっている。

 メンバーが勢ぞろいした時点で、総勢8名のバラバラで個性的な面子が集まったチームというのはわかり、これが統率されて有能なチームとしてプレデターに対抗する、という筋になるのかと思っていた。一番役に立たなそうな「医師」が、その正体はじつは極めて有能な戦略家で、その指示のもとチームが一丸となってプレデターに対抗するってな方向に話が進むのかなあなどと予想していたが、…医師の正体はぜんぜん違うものであった。
 チームはまったくチームとして機能せず、行き当たりばったりの戦闘の末、あるものは生き残り、あるものはそれなりの見せ場をもって斃されるという結末に終わる。

 シリーズでの地球人を標的とした作においては、今回の地球人チームがシリーズで最強であったはずだけど、こうもバラバラに行動するのだったら8名出す意味ないんじゃなかろうか。
 どう考えても、この8名のチームより、1作目のシュワルツネッガー単独のほうが有能で、強かったぞ。

 プレデターズ、なんだかよくわからん映画であった。
 ま、次作に期待するとするか。

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 プレデターズ:公式サイト

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